「・・世界救福教会ですが・・支部教会が新築された国内7都市で・・差はありますが共通しているのは・・妙に上質のヘロインが、新しい謎の供給網で出回っており・・既存の供給組織との間で、トラブルから抗争に発展しています・・・各地で銃撃事件が発生しており、犠牲者も多数出ています・・・それと同時に、その新しい供給組織から麻薬を買って常用するようになったと観られる若者が既にかなりの人数・・行方不明になっています・・失踪届が出ている人も、出ていない人もいますが・・・勿論各地の市警は既に新しい謎の組織について内偵捜査を続行していますが・・今以て特定できておりません・・・」
「・・新しい麻薬カルテルに・・人身売買組織が出来てるってのか・・?・・このニューヨークでの状況は・・?・・」と、レスラー捜査官。
「・・銃撃事件は3件・・・銃撃戦、とまではいかないみたいだけど・・犠牲者は2人・・負傷者は6名・・逮捕者は8名・・行方不明者は噂まで含めれば、10名ほどだそうです・・失踪届が出ているのは、6名・・・」アラムがデータを見ながら応えた。
「・・よし、レスラーとナヴァービで、逮捕された連中に話を訊け・・・アラムは市警からデータを取って担当者からも話を訊け・・マリクは失踪者の家族と交友関係から話を訊いてくれ・・・キーンは・・」
「・・私は、レディントンとニューヨークの教会に行ってみます・・・」
「・・分かった・・皆気を付けて、引き締めて行けよ・・・」
やまと・ブリッジ・・・・
「・・山中・・マスカー開始だ・・・速度20ノット・・深度は暫く海底から100mを維持しつつ北上を続ける・・・緯度で八丈島を20キロ越えたら、面舵90°・・青ヶ島から見て八丈島の反対側に入る・・・」 「・・分かりました・・・」
ポセイドン・ブリッジ・・・・
「・・アーレント艦長・・やまとはやはりマスカーを掛けつつ北上するようです・・・米海軍の原潜及び洋上艦は・・やまとを検知していません・・・」
副長のアンドレイ・ユディンが、ヘッドホンを外して報告した。
「・・了解・・でもマンダはやまとを検知しているわね・・・こっちの陣容はまだ知られていないと思うけど・・・シードラゴンの整備状況をターミナル2に訊いたんでしょ・・?・・」
ハンナ・アーレント艦長が振り向いて訊いた。
「・・ええ・・シードラゴンは間もなく発進準備が整う模様のようです・・・」
「・・そう・・間に合えば、心強いわね・・・ネプチューンとMLHM2.3の3隻でもマンダは抑え込めると思うけど・・やまとは守らなければならないから・・・」
「・・フェネクスは、どうなっているんでしょう・・?・・」
「・・予定では、間もなくロールアウト、となっているわね・・・」
ネプチューン・ブリッジ・・・・
「・・艦長・・シードラゴンは、間もなく発進準備が整う模様のようです・・・マンダは仕掛けてくるでしょうか・・?・・」
副長のローズ・ウッドリーが、マーカス・コーネル艦長のティーカップに紅茶のお替りを注ぎながら訊いた。
「・・それは無いな・・マンダの艦長は猪突するタイプじゃない・・後続の水中艦を待つつもりだ・・それに彼らの狙いはやまとじゃない・・榎本さんだよ・・・榎本さんが降りて来てからが勝負だな・・・」
そう応えてサンドイッチの残りを口に放り込むと、ティーカップを取り上げた。
「・・取り敢えず・・どう対処しますか・・?・・」
「・・遮音フィールドと磁気流遮蔽フィールドを、フルパワーで展開・・MLHM2.3にも暗号圧縮サインで通達してくれ・・・」 「・・分かりました・・・」
ターミナル2・ファーストメインドック・セカンドポート・シードラゴン・ブリッジ・・・
「・・状況を報告してくれ!・・」
パオロ・エルカーン艦長がそう言いながらキャプテン・シートに座った。
「・・水密・気密正常・・FCSコンタクト・・シードラゴン・・全ステーション・・異常なし・・補助エンジン、駆動電圧確保まで3分・・総員、第一警戒配置・・ナビゲーション・コンピューター起動・・メインゲート・オープンコード送信・・ゲート周辺の海底・海中・海上に異常ありません・・全ハッチ閉鎖しました・・艦内隔壁全閉鎖・・艦体係留索解除・・抜錨します・・ゲート開きます・・艦橋を収納し・・戦闘ブリッジへフェイズします・・艦の内外全装備・・全装置・・パーツなど貯留物資・・補給物資、原材料など異常ありません・・電磁ガントリーロック解除・・駆動電圧を確保しました・・艦体から全コンジットを離脱・・補助ウォータージェットエンジン始動・・全コンジットの離脱を確認・・発進準備、完了しました・・・」
副長のデニス・リパートンが、副長席に座ってモニターを見ながら報告した。
「・・よし! ベント閉鎖・・メインタンク注水・・艦体自重沈降・・補助エンジン出力15%・・艦側電磁水流推進出力10%・・微速前進1.2・・ダウントリム10・・メインゲート通過せよ・・ターミナル2中央指令室、ネプチューン、ポセイドンに発進を通告・・」
ニューヨーク・ダウンタウン・・・・
黒いSUVが道路脇に停車して、エリザベス・キーンとレイモンド・レディントンが降りた・・運転していたデンベは降りずに待機する。
「・・あれね・・?・・そんなに大きい教会って訳じゃないわね・・?・・」
「・・資金力は充分にある筈なんだがね・・・ここの教区での行方不明者は何人なんだ?、リジー?・・」 「・・失踪届が出ていて、写真が借りられたのは4人ね・・・」
「・・その4人とも、この教会に出入りしていたのか・・?・・」
「・・ええ・・4人とも行方が判らなくなった週の前の週の日曜日にここの教会で行われたミサには、参加していたことが確認されているわね・・・」
「・・それじゃあ先ずは、神父様のお話でも聴いてみるかね・・?・・」
教会の正面玄関に立った・・新築の割には重厚で古びた感のあるドアの脇にあるインタホンを鳴らす・・・2分と少しぐらいでドアが開いた・・。
「・・はい・・どちら様ですかな・・?・・」白髪老齢の神父が応対した。
その神父を見てレッドは、訝しげに顔を傾げた。
「・・私は、FBIのエリザベス・キーン特別捜査官・・こちらはアシスタントです・・神父様でいらっしゃいますか・・?・・」
「・・はい・・トマス・ハルヴァと言います・・FBIの方がどのようなご用件ですかな・・?・・」
「・・この4人なんですけれども・・ご存知でいらっしゃいますか・・?・・」
そう言いながらエリザベス・キーンは、4枚の写真を神父に手渡した。
「・・あ、はあ、拝見しますね・・・ええ・・左から・・ボブ・トーマス・・ジェフ・ノリス・・クリント・ヒューズ・・ジェイク・パーマー・・・ですねぇ・・・この4人が・・どうかしたのですかな・・?・・」
「・・この4人とも、こちらで開催された日曜日のミサに参加して以降・・行方が判らなくなり・・家族から失踪届が出されています・・この4人がミサに参加していた時・・何か気付いた事とか・・それまでと何か違っていた点とか・・なかったでしょうか・・?・・」
「・・私の眼には・・いつもと変わらないように見えましたが・・」
「・・この4人から、告白とか告解とか・・相談事などは・・ありませんでしたか・・?・・」
今度はレディントンが訊いた。
「・・はい・・そのような事もありましたが・・他の方にその内容について教えるのは・・厳に禁じられておりますのでな・・お役に立てなくて申し訳ありませんが・・・」
「・・いえ・・ご無理をお願いしまして・・こちらこそすみません・・・神父様は・・この辺りを歩かれるようなことは、ございますか・・?・・」
「・・ああ、はい・・なかなか日曜日に教会に来られないような方々のために・・私が出張する形で・・地域集会を開催しておりましてな・・・ほぼ毎日、出ておりますのです・・」
「・・それでは・・今日も・・?・・」 「・・はい・・もう間もなく・・・」
「・・そうでしたか・・それは、お時間を取らせてしまいまして、申し訳ありませんでした・・・」そう謝罪して、退室の挨拶もしてから、二人は教会から出た。
「・・どう思う・・?・・」と、レディントン・・。
「・・何とも言えないわね・・・怪しいと言えば怪しいけど・・・あなたはどう思うの・・?・・」
「・・ちょっと見覚えがあるような気がしたんでね・・・今デンベに顔認識と画像で検索を掛けてもらっているんだよ・・・」 「・・へえ・・いつ写真撮ったのよ・・?・・」
「・・ここにカメラが仕込まれていてね・・・」そう言ってレディントンは、左手の人差し指でシャツの第2ボタンを指した・・・。
「・・それでどうだ? デンベ・・? 何か出たか・・?・・」
「・・ええ・・出ましたよ・・名前は、タナシス・ヴェンゴス・・・」
「・・あアァ!・・あいつか・・・どおりで見覚えがあると思ったんだ・・こんな所に居たのか・・」 「・・知ってるの・・?・・」
「・・ああ、この前見た時は・・コルスの下っ端だったな・・」 「・・コルス・・?・・」
「・・コルシカン・マフィア・・コルシカ島が発祥の麻薬カルテルだよ・・コルスはシシリアン・マフィアより歴史が古い・・古来からギリシャを拠点としていて・・ヨーロッパの各地と結んで・・ギリシャに住む富豪が所有する個人船舶を使って・・麻薬を密輸していたんだ・・・」 「・・あなた・・そのコルスと麻薬の取引をしていたの・・?・・」
「・・おいおい、リジー・・私は基本的に麻薬でビジネスはしない・・知っているだろ・・?・・」
そう言いながら二人は、乗って来た車に戻って乗り込んだ。
「・・それで・・彼と教会との関係は判ったの・?・・デンベ・・?」
「・・いや、判らない・・彼に関する記録は、30ヶ月前までのコルシカ島とギリシャでの記録しかない・・・それ以降は途絶えている・・・」
「・・まあ、それ以降にスカウトされたと言う事なんだろうな・・・」と、レッド。
「・・教会のサイトに入った・・・予定を見たが、神父はもうすぐ外出します・・・」と、デンベ。
「・・じゃ・・付いて行って見ようか・・?・・」 「・・そうね・・・」
バヴェルの塔・・BF団総本部・・・
総指令室に3人の男が連れ立って入って来て・・そのまま指令室の中央に、前を向いて腕を組んで立っている男の、すぐ後ろに並んで立った。
「・・これは、樊瑞(はんずい)殿・・アルベルト殿・・セルバンテス殿・・十傑衆の内、3名が一堂に見えるとは・・昨今では珍しいですな・・・それでご用向きは・・?・・」
「・・諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)・・我らがビッグ・ファイアは・・SSDOにどう対処されるおつもりなのかな・・?・・」
スーツを着込んでピンク色のマントを纏っている男が訊いた・・。
「・・我等は同盟の一員ですよ・・同盟としてSSDOにどう対処するのか?・・この問いに於ける姿勢も方針も定まっておりませんのに・・我等が勝手に動くなど、できないでしょう・・?・・」
「・・孔明殿はご存じないのかな・・?・・クロノスが死海の辺りで何やら活発に動いて・・大袈裟な物を造っているようだが・・それは勝手な動きではないと・・?・・」
クリーム色のスーツを着てクフィーヤを被り、赤いゴーグルを掛けた男が逆に訊いた。
「・・実際にまだ事が起きてはいない以上・・同盟に対しての背信・叛乱行為とは呼べないでしょう・・何れにしろ、近々に開催されるサロン・ミーティングで・・SSDOに対しての基本方針・姿勢は決定されるでしょう・・・」
「・・成程・・クロノスの動きは、その決定を観越した上でのもの、と言う事だな・・フライングかどうかは、ギリギリのところだが・・・そのサロン・ミーティングには・・また孔明殿が出席されるのかな・・?・・」
そう訊いたダブルのスーツを着た長身の男が、片眼鏡を光らせて咥え葉巻に火を点けた。
「・・そのつもりでおりますが・・何か不都合でも・・?・・」
諸葛亮孔明は、右側から半身だけ振り返って、右肩越しに3人を見遣った。
「・・いや・・特に不都合と言う程でもないが・・我らがビッグ・ファイアの意向が・・真に貴公に伝わっているのか・・少々気になったものでね・・・」樊瑞が言った。
「・・これは・・樊瑞殿も異なことを言われる・・我らがビッグ・ファイア直臣の者として、BF団全体をも俯瞰しつつ支えて参りました、この私を疑われるのかな・・?・・」
孔明は樊瑞に向き直り、一歩踏み出した。
「・・いいえ・・策士・諸葛亮孔明殿を疑うなど・・滅相もありません・・・只、我等がクロノスが如き者共の後塵を拝するなど・・あり得べからざることですので・・・」
「・・それはこの私も重々に承知しております・・皆さんのご心配も承知しておりますが・・それには及びません・・我らがビッグ・ファイアのご威光は・・我らBF団の隅々にまで及んでおります・・我等の誰一人として・・ビッグ・ファイアのご意向を曲解するなど・・それこそ、あり得べからざることでしょう・・・それに今クロノスが何をしていようとも、全く何の問題にもならないでしょう・・・クロノスの神将メンバーは・・その盟主、アルカンフェルであろうとも創られた存在です・・・我らがビッグ・ファイアに比べれば・・その足元にも及びはしない・・取るに足らない存在です・・・我等は只そのご威光に・・沿うのみでありましょう・・・それでは、改めて誓いましょう・・・」
4人はお互いに向かい合って立ち、右腕を頭上に向けて真っ直ぐに立たせ、視線も右手指先が示す遥か先に合わせた。
「・・我等が、ビッグ・ファイアの為に!!」
アラビア半島北西部・・ヨルダンとイスラエルの境界・・死海・・海底・・
巨大な生体宇宙艦が着底している・・エネルギーレベルはまだ低い・・宇宙艦の内部では、多くの工作員が調整作業に従事している・・ほぼ中央部に位置しているブリッジに、一人の男が入って来て・・副長の席で調整作業に没頭していた男に声を掛けた。
「・・プルクシュタール・・元気そうだな・・」
「・・シン・・久し振りだな・・6年振りか・・?・・」「・・ああ・・そんなところだな・・・」
「・・今来たのか・・?・・」「・・ああ・・遅れて済まない・・」「・・いいんだ・・・」
「・・他のメンバーは・・?・・」
「・・バルカス翁と李剡魋(リエンツイ)には入って貰っている・・が・・掛かりきりだ・・この艦はまだエネルギーレベルが低いし・・システムはまだ不安定だ・・カールレオンとギュオーは・・2時間以内には入る予定だ・・・他の神将メンバーは、まだ都合が付かない・・色々と忙しくてな・・・」 「・・総帥は・・?・・」
「・・まだだ・・総帥が入るのは、少なくとも艦が浮上してからだな・・それにその際には、イマカラムと一緒に入ることになっている・・・」
「・・分かった・・どこを見れば良い・・?・・」
「・・助かる・・D7エリアのベースラインから見てくれ・・まだ手付かずだ・・・」
「・・これでパミールに間に合うのか・・?・・」
「・・それは大丈夫だ・・浮上すれば、エネルギーレベルはグっと上がるからな・・」
「・・サロン・ミーティングには、総帥が出席されるのか・・?・・」
「・・その筈だ・・私は抜けられそうにもないから・・イマカラムが同席するだろう・・・」
「・・同盟の基本的な方針も姿勢も決まっていないのに、ここでこれを造っているがな・・」
「・・そんな事は気にしなくて良い・・同盟に属する他の組織だって・・どこで何をしているか、分かったものじゃない・・場所がここだろうと言う事ぐらいまでは、探索できるだろうが・・・何を造っているのかまでは判らない筈だ・・・まさかこの死海を巨大な調整槽にしているだなどとは・・・誰にも判る筈はない・・・」 「・・そうだな・・・」
「・・シンよ・・何故我らが総帥も含めて13人いると思う・・?・・それはいずれ我らが13賢人会同盟の総てを牛耳るためだ・・・古いだけの組織を総て一掃してな・・・・」
ニューヨーク・ダウンタウン・・・・
レッドとリジーがハルヴァ神父を尾行している・・地域集会では何も異常な点は見受けられなかったが・・終わって外に出ても、教会への帰り道とは違う道を歩いている。
「・・おかしいわね・・どこに行くつもりかしら・・?・・」
「・・まあ・・付いて行けば、判るだろ・・?・・」
セカンドバッグと聖書を抱えて神父は足早に歩いている・・交差点を左に折れると、少し前を歩いていた二人連れの若者に声を掛けて呼び止めた・・
「・・し・・神父がなんで・・ヤクをくれるんだよ・・?・・」
二人のうちの一人・・ジャック・ペイスが怯えたように訊く・・。
「・・彷徨える子羊たちよ・・お前たちはコレが欲しい・・コレが欲しいが故に人を傷付け・・罪を重ねてしまう・・私は君達に罪を犯して欲しくないからじゃよ・・・」
そう言うとハルヴァ神父は聖書を開いて見せた・・聖書の中は刳り貫かれていて、中にはアンプルと注射器が入っている・・。
その時、レッドとエリザベス・キーンが神父の後ろに立ち、レッドが声を掛けた。
「・・私も是非訊きたいね・・ミスター・タナシス・ヴェンゴス・・いや、今はトマス・ハルヴァ神父か・・聖職者たる神父が・・なぜタダで若者に麻薬を配っているのか・・?・・」
「!・・レッド・・!」ひどく驚いたようだ・・・。
「・・やはり憶えていたか・・是非教えてくれ、タナシス・・コルス・カルテルで下っ端の売人だったお前が・・どうやってカトリック系新興教会の神父になれたのかな・・?・・」
その時、6人の男が現れて彼らの周りを取り囲んだ・・如何にも地元を仕切っている麻薬ギャングのような男たちだった。
「・・やっと見付けたぜ、ハルヴァ神父・・あんたがヤクを配ってるって話は聞いてたが・・現場を押さえないことにゃあ、どうにもならなかったからな・・俺達を出し抜いて、ナメたマネをしてくれてるじゃねえか・・あんたら全員、ちょっと付き合って貰うぜ・・・」
そう言って6人が全員、銃を抜いて構えた・・エリザベスも思わず銃を抜こうとしたが、レッドがその手を押さえた・・6人に銃を突き付けられたまま歩き始めた時、銃声が連続して聴こえ、二人のギャングが撃ち倒された・・残った4人が撃ってきた方向に向けて応射を始め・・レッドとリジーも銃を抜いて応射した・・もう2人のギャングが撃ち倒された時・・ジョン・リースと3人の男が、タイプ2のハンド・フェイザーを撃ちながら駆け付けた・・フェイザー・ビームを浴びても謎の襲撃者たちに怯む様子はなく・・姿を現し、その数も増しながら迫って来る・・謎の襲撃者たちは黒のトレンチコートを着込み、帽子とマスクを被ったいで立ちで・・軍用のものと観られるが、見慣れないマシンガンで撃ち込みながら・・8人から10人で包囲しようとしていた・・デンベがSUVで駆け付けようとしたが・・襲撃者たちの銃撃でタイヤがバーストしてSUVは横転した・・リースを含む4人は、パーソナル・フォースフィールドを拡大させて全員を包み込もうとしたが・・完成する前に残り2人のギャングが撃ち倒された・・デンベはSUVの中で頭を強打し流血していたが・・何とか這い出すと、持って来ていたグレネードランチャーを4発連射し・・謎の襲撃者たちに撃ち込んで3人を吹き飛ばした・・その一瞬のスキにフェイザー・パワーをレベル8にまで上げたリース達4人は・・集中射撃で襲撃者たちの集団を分断し・・何とか横転したSUVに辿り着くと、楯に使って応射を続けた・・が・・エリザベスもレッドもデンベも弾が切れた・・レッドがリースの肩を掴んである方向を指差すと・・そこでは、襲撃者たちがまだ息のあるギャングたち3人を担いで連れ去ろうとしていた・・だが襲撃者たちの激しい銃撃を・・フォースフィールドで何とか防いでいたリース達には・・それをどうする事も出来ずに見送るだけだった・・ギャング達が連れ去られると・・襲撃者たちは一人、また一人と退がって行った・・襲撃者の最後の3人が引き上げると・・辺りに静けさが戻った・・リース達4人と、レッド・リジー・デンベは、辺りを注意深く見渡して安全を確認すると・・深く息を吐いて車の影から出た・・。
「・・なんで君達がここにいるんだ・・?・・」レッドがリースに訊いた。
「・・出たんだよ・・・彼らの・・・な・・」
「・・私は、FBIの対テロ特殊捜査班のエリザベス・キーン特別捜査官です・・貴方方のお名前と、これまでの事について、お話を伺いたいのですが・・?・・」
「・・俺は、ジョン・リース・・捜査官・・まだ危機は去っていない・・・我々から離れないで欲しい・・ジョンだ・・襲撃者たちの動きはトレースできるか・・?・・分かった・・そのまま続けてくれ・・」と、コミュケーターで状況を確認して指示を出した。
「・・デンベ・・大丈夫か・・?・・」レッドがデンベに肩を貸して立ち上がらせた。
「・・手当しないと・・」エリザベスがハンカチを出してデンベの頭の傷を押さえる。
マシーン・チームの内の1人が、小型の救急キットをポケットから出して、デンベの頭の傷に対する処置を始めた。
「・・デンベ・・悪いがトーレスに電話してくれ・・車が要る・・・」
「・・ねえ!説明してくれないと、FBI支局の取調室で、たっぷり話を訊くことになるわよ!」と、リジーがジョンに詰め寄ったが・・「・・落ち着いて・・俺達は人助けが仕事と言うか、任務でね・・それに、まだ激しく動かないで・・」そこまで言った時に・・・。
ハルヴァ神父が狙撃された・・狙撃は2回・・2回とも銃弾は神父の上半身を貫通した・・聖書は開いて落ち・・アンプルは路面で砕けた・・神父はそのまま仰け反って仰向けに倒れ・・絶息した・・全員路面に伏せて3分間過ごしたが・・何も起きなかった。
「・・くそっ・・これでサンプルの分析もできなくなったか・・レッド! 俺達は奴等を追う・・ここでのあとは任せるよ・・暫くジャックとマックスを保護してくれ・・まだ狙われている可能性があるからな・・・」
「・・ちょっと待ちなさいよ!!あなたには訊きたい事が山ほど・・・」
「・・エリザベス・キーン捜査官・・君にはいずれまた会える・・その時には話せることもあると思うよ・・じゃあな! 」そう言って、ジョン・リースと3人は走り出し・・瞬く間に姿を消した・・レッド、リジーと若者二人は・・それを呆然と見送った。