東京湾内で3基の水中ミサイルが爆発した・・・爆圧で噴き上げられた大量の海水が海面を叩く中、静かにシードラゴンが浮上する・・左舷40°距離180の辺りで退避カプセルが次々と浮かび上がって来ていた。
「・・退避カプセルは全部で18基です・・敵水中艦は沈底しました・・エネルギー反応無し・・艦内で生命反応は感知できません・・本艦の行動が公に通報された形跡は、今のところありません・・」
「・・イーゲルシュテルン起動・・ヘルダートミサイル、多弾頭榴弾で用意・・ランチャー起動! 」
「・・艦長!? 何を攻撃するのですか?! 」
デニス・リパートン副長が、やや気色ばんで詰問する。
「・・あの退避カプセル群には・・東京への攻撃部隊が潜んでいる可能性が高い・・もしもそれがカプセルから出て、東京へ向かうようなら侵攻を阻止する為、攻撃する・・水中艦の乗員を巻き添えにはしない・・同盟に属する者とは言え、同じサブマリナーだ・・既に勝負の付いている相手を、事更に叩くような真似はせんよ・・・」
パオロ・エルカーン艦長が、メイン・モニターから眼を離さずに答えた。
次の瞬間、漂っていた退避カプセル群の中の、6個のカプセルのハッチが開いて焔が噴き上がり、次々と焔を引いて何かが打ち上がった・・。
「・・!ロケットブースターです・・!何かがパーソナルブースターを装着して脱出しました・・」
「・・!イーゲルシュテルン、ヘルダートミサイル、目標照準、発射! あれが攻撃部隊だ! 撃墜しろ! 新宿に行かせてはならん! 」
「・!目標対象、16機です! 照準自動追尾・・セット! 」 「撃て!!」
イーゲルシュテルンが唸りを挙げて回転機関砲搭を高速で回転させ、5発に1発の割合で発射される曳光弾の軌跡を目標に向けて伸ばし、ヘルダートミサイルランチャーが火を噴き、連続して全弾を発射した。
機関砲弾も対空ミサイルも目標に向かって集中していった・・直撃して爆発も起きていたが、パーソナルブースターは益々加速を強めていく・・・。
「・・?!なぜ墜ちない?! 」 「・・パーソナルシールドを張っているようです・・シールドパワージェネレーターのようなものの、エネルギー反応もあります・・・目標が遠ざかります・・有効射程距離外に出ました・・一つも撃墜できませんでした・・・侵攻方位はやはり新宿方面です・・ブースターの推進剤は、もう間もなく切れるでしょう・・」
「・・射撃停止・・イーゲルシュテルン、ヘルダートランチャー収納・・ヴァリアントも収納してくれ・・ベント開け・・潜航用意・・MAC01にMネットを通じて連絡・・同盟の水中艦は撃沈したが、上陸部隊は撃ち洩らした・・水中艦からの退避カプセルが12基、湾内で漂流しているから回収を乞うと・・本艦のここでの作戦は終了した・・通報される前に湾外に出て、青ヶ島に向かう・・退避カプセルの一つに亜空間発信機を接着・・潜航したら沈底している水中艦にもマーカーを取り付ける・・潜航開始・・・」
MAC01・中央指令室・・・
「・・司令・・発掘現場の警備員ですが、無事に収容しました・・それとシードラゴンからですが、水中艦は処理しましたが攻撃部隊16体が新宿に向っています・・水中艦の乗員は、海面上の退避カプセル内にいるので収容して欲しいと・・今後は青ヶ島に向かうそうです・・・」
「・・分った・・保安部の選抜メンバーには、ご苦労だったと伝えてくれ・・シードラゴンには、了解したと伝えてくれ・・裏高野の派遣部隊には、GOサインを出してくれ・・作戦は現場に任せる・・彼らの要求に従って転送してやってくれ・・水中艦の乗員を退避カプセルごとステーションの貨物室に転送収容・・乗員はその後拘束・・ザンボットチームとボルテスチームに発進指令を出してくれ・・・」 「・・了解しました・・・」
裏高野・・裏山門前・・・
ジョーは小振りのケースを手に取ると数歩歩いて振り返り、全員を見渡した。
「・・皆聞いてくれ!・・今回、フェイズ・ディスクリミネーターを内蔵したイヤージャック通信機を持って来た・・全員に3個ずつ渡すから、一つはその場で作動させて耳に入れてくれ・・戦っている間に壊れたりしたら、付け替えてくれ・・僕達プロトナンバー・サイボーグは・・お互いで脳波通信ネットワークを形成していて・・会話したり情報を共有したりしているが・・その通信機を耳の中で作動させて貰えれば・・僕達と同じように、お互いに会話したり、具体的な情報を共有したりする事が出来るようになる・・今回どうして通信ネットワークを全員に拡げたかと言うと・・東京での戦いでは、乱戦になってしまえば個別の戦闘に任せるしかないだろうとは思っているが・・それまでは、集団対集団の組織戦闘を展開する・・・その為に、フランソワーズがCICを務める・・彼女がセンサースキャンで状況を正確に把握し・・作戦を立案し・・僕達全員に向けて個別に・・配置や目標や攻撃方位や攻撃方法やコンビネーションについても指示をしてくれるから・・それに従って行動して欲しい・・・僕からは以上です・・」
そう言ってケースを開き、全員に通信機を配った。通信機を配り終えるとジョーは、ケースを閉めてその場に置き、慈空阿闍梨を見遣った。阿闍梨もその視線に気付いてジョーを見遣り、二人は視線を交わせると軽く頷いた。
ジョーは自分の脳波通信アカウントをMネットに繋ぎ、イワンを呼んだ。
(・・イワン・・こっちは準備完了だ・・全員を一度で・・西新宿に転送してくれ・・)
(・・分ったよ・・それじゃ、全員を一度で転送する・・スタンバイ・・)
「・・皆さん! 今から一度で全員を西新宿に転送します!・・経験の無い人もいますので言いますが・・落ち着いて眼を閉じて規則的な呼吸をしながら、静かに真っ直ぐ立っていてください・・・それじゃ行きます・・・転送!! 」
全員がその場で転送ビームに捉えられた・・光の粒子に捉えられて、その姿を輝かせながら薄れさせていき・・3秒ほどで全員消えた・・・。
東京都西新宿再開発工事現場・・・特別発掘現場・・発掘品、出土品臨時保管庫付近・・
紫地に白いストライプのスリーピーススーツを着た長身の男が、左手に何かを持って足早に歩いて来る・・よく見ると左手に持っているのは鞘に収められた日本刀のようにも見える・・男が右手で鞘から刀身を抜き放ち、そのまま鞘を捨てて刀身を直上に高く掲げた・・するとそれは妖剣ビルセイバーへと変異した・・セイバーの刀身が妖しく輝き、周囲の影から無数の人型が湧き上がった・・男がセイバーの刀身を降り下ろし、そのままセイバーの切先で正面の前方を真っ直ぐに指し示すと、湧き上がった人型が続々とその方向に向かって走り始めた・・その方向の先には、出土品臨時保管庫の入り口がある・・。
同じように走り始めた男が、左腕で顔を隠すように構えると・・その左腕に、ゴルゴムの紋章が刻まれた盾・・ビルテクターが顕れた・・勢いよく盾を外すと、男はゴルゴムの剣聖ビネゲニアとして、その姿を顕した。
周囲の暗闇や影から湧き上がる人型は・・その数を益々膨れ上がらせ・・ビルゲニアを中心として怒涛の流れを形成し・・出土品臨時保管庫の入り口に向って殺到しようとしていた。
その時、頭の中でフランソワーズの声が響いた。
【・・ポイント、β357マークΔ195からΘ268マークι420にかけて、集中全力掃射用意・・発射10秒前・・】
「・・メモリチェンジ・・ジョーカーtoトリガー! サイクロン・トリガー! サイクロン・マキシマムドライヴ! トリガー・マキシマムドライヴ! ヒート・マキシマムドライヴ! トリガー! ハイパーフルヒートエアロストーム!! 」
(・・ファイナルフォームライド・ファ、ファ、ファ、ファイズ! )
「・・ちょっとくすぐったいぞ・・」 「!ええ・・またですか?!」 「・・良いから・・」
(・・チェインジ! ファイズブラスター・フォトンバスター! )
(・・ファイナルアタックライド・ファ、ファ、ファ、ファイズ! ディケイドフォトン!!)
(・・プトラ! トリケラ! ティラノ! プ ト ティラー ノ ザウルース! )
(・・メダガブリュー・バズーカ! プットッティラ〜ノ・ヒッサ〜ツ♪! ゴックン! )
(・・ファイナルアタックライド! ディ・エンド!! )
「・・フリージング・ダイヤモンド・フル・バースト・ストーム・ブリザード!! 」
「・・頼むぜ! ジェロニモ! 」 「・・おう! 」
ジェロニモがアルベルトを肩車した・・アルベルトは両膝の発射管を開き、多弾頭モードでミサイルをセット・・同時に右手の機関砲も目標にロックした・・。
ガイバー1が左右の胸郭装甲を自分の手でバクンッと開き、胸部粒子砲(メガスマッシャー)を露出させた・・ハイパー・プラズマ・フェイズ・シアーでもあるレンズ体が、明滅の間隔を狭めながら急速に光度を増大させていった・・。
他に、ジョー、ジェット、ジェロニモ、グレート、ピュンマがスーパーガンを構え、セイフティロックを外して最大出力に設定した。
ビルゲニアがこの迎撃態勢に気付いたのは発射される2秒前だったので、為す術も無かった。 「・・発射!!! 」
光り輝く怒涛の奔流が湧き起こり、保管庫の入り口に向って殺到していた、髑髏忍群・・シャドウの戦闘アンドロイド・・ゴルゴム、GOD、ブラックサタン、ガランダー帝国で編成していた戦闘員たちを吹き飛ばし、薙ぎ払い、大多数を破壊して行動不能に陥れた。
ビルゲニアは咄嗟にビルケープで身を包みつつ、ビルセイバーを振るってプレッシャーウェーブとダークストームを連続して発生させ、何とか光の奔流をギリギリで拡散させてその場を凌いだが、集団の侵攻は阻止された格好になった。
また、頭の中でフランソワーズの指示が響く・・。
【・・加速して各個に個別攻撃・・・】
「・・加速装置!! 」そう叫んでジョーとジェットが姿を消した・・。
「・・カメンライド・カ、カ、カ、カブト!! アタックライド・イリュージョン! アタックライド・クロックアップ! 」イリュージョンで3体に分身したディケイド・カブトがクロックアップで姿を消した・・。
「・・アタックライド・クロックアップ! 」ディエンドもクロックアップで姿を消した。
「・・ファイズ! アクセル!! 」ファイズもアクセル・モードにチェンジして姿を消した。
加速を掛けて引き伸ばされたタイムラインの中で、彼らは戦闘員たち一人一人に打撃、銃撃、斬撃を浴びせていった。
「・・タイムアウト・・」
10秒が経過してファイズアクセルが通常のタイムラインに帰還し、ノーマルモードに戻った。他の者達も加速態勢を解除して通常のタイムラインに帰還した。
「・・剣聖ビルゲニア・・まさか、あんた一人で率いて来たんじゃあるまいな・・?・・」
と、ディケイドが呆れたように言う・・生き残っている戦闘員や戦闘アンドロイドは、もう30体足らずだった・・。
【・・方位WG530・・距離850から六道衆・荼枳尼衆の連合集団・・・方位XL217・・距離920からデストロンの幹部と怪人集団・・デストロンの方は16体だけよ・・銃を持つ者は主に中距離からの援護と支援・・他の者は個別に接近格闘戦・・ザンボットチームとボルテスチームは、発進せよ!・・】
「・・よし! 俺達ライダーチームで先にデストロンを叩いて、その後にもう一方を側面から叩く! 行くぞ! 」
V3がそう言って走り出した・・他のライダー達もその後に続いて走り出す・・。
「・・ようし・・ではもう一方へは、儂らが先鋒として当たろうか・・行くぞ! 」
そう言って、慈空阿闍梨と夜叉王が走り出す・・薬師十二神将と裏高野五輪坊の僧兵たち・・そして、獅子丸もその後に続いて走り出した。
「・・さて、ビルゲニアさんとやら・・あんたはこれからどうするんだ・・?・・」
スーパーガンの銃口をビルゲニアに向けながら、ジェットがそう訊いた・・・。
「・・えええい! かかれ!! デモン・トリック!!・・」
そう叫んでビルセイバーを振るい、6体の分身を化生させると、周囲の闇の中から更に多くの戦闘員や髑髏忍者達を湧き上がらせた・・。
ジョー、ジェット、ピュンマのスーパーガンが光芒を放ったが、ビームはビルテクターに弾かれた・・グレートが自身を長大な鉄骨に変異させると、ジェロニモがそれを振るって戦闘員らを打ち倒し、薙ぎ払い、吹き飛ばしていく・・アルベルトは右手の機関砲を掃射しながら左手のハンド・カッターを振るい、更に要所で肘・膝のミサイルも発射して戦闘員・忍群の集団を撃ち減らしていった・・ジョーとジェットは加速装置を作動させ、無数の戦闘員たちを倒していった・・。
「・・オーロラ・エクスキューション!! 」アクエリアス(水瓶星座)のカミュが冷凍気の小宇宙(コスモ)でビルゲニアの分身二体と髑髏忍群を凍結させると、グレート、ピュンマ、ジェロニモがスーパーガンのビームで破壊した。
ガイバー1が右の胸郭を開いてメガ・スマッシャーを右肺だけで発射し、ビルゲニアの分身二体と戦闘員40体以上を撃破した・・そのまま高周波ソードとヘッド・ビームで戦闘員を撃ち倒し、髑髏忍者を斬り払いつつ、プレッシャー・カノンとソニック・バスターでビルゲニアの分身二体に大きいダメージを与えた・・その直後にアルベルトが膝のミサイルを直撃させて、ビルゲニアの分身は総て撃破された。
分身を総て倒されたビルゲニアは、ビルケープでその身を包むと光の玉へと自身を換えて、まだ30体ほど残っている戦闘員たちを捨てて飛び去って行った・・。
捨てられた戦闘員たちは、プロトナンバーサイボーグ達とガイバー1によって30秒も掛からずに倒された・・。
ターミナル2・・フォース・ゲート・・セカンド・ランチャーポート・・ファーストデッキ・・・
「・・宇宙太! 恵子! 先に行くぜ!! 」
そう叫びながら神 勝平はザンバードのコックピットに滑り込んだ・・直ぐにエンジン始動して全システムのチェックと状態の確認を行う・・ザンバードにしては珍しくクラスター・ロケット・ランチャー2基と、6基のバードミサイルが主翼に懸架されている・・。
「・・こちらザンバード! ランチャーポート・コマンド! 発進準備完了! 」
「・・こちらランチャーポート・了解・・中央指令室は発進を承認・・ゲート解放サインを送信・・ザンバード! コースは海中・海上・上空共にクリアー・・幸運を! 」
「・・ありがとう! 宇宙太! 恵子! 向うで合流したら、様子を見て合体だ! 」
「・・分かった! 」「・・OKよ! 」「・・ザンバード 発進! 」
ランチャー・ブースターが爆発的に焔を吐き出し、ザンバードがファーストデッキから跳び出した・・ランチャーポートで入水し、フォース・ゲートから海中に飛び出す・・。
「・・勝平君、聴こえるか?! 健一だ! さすがに早いな・・マグナムはホルスターごと俺が持って行くから心配するな! 向うで会おう・・それまで頼むぞ! 」
「・・ありがとうございます、健一さん! よろしくお願いします! 」
同時に海面を割って空中に跳び出した。
大鳥島・・ビッグファルコン・・
「・・カタパルト・ゲート解放! チーム・ボルテス、発進用意! 」
浜口博士の号令が響く・・ビッグファルコンのカタパルト・ゲートが開き、ボルトマシンが姿を顕した・・。
「・・剛 健一、ボルト・クルーザー発進! 」
カタパルト・ゲートの頂上から、ボルト・クルーザーが射出された・・。
東京のビル街・・夜の闇に紛れて十数体の影が走る・・
「・・保管庫までは・・?・・」 「・・あと数分だな・・・」
(・・ルナ! マキシマムドライヴ! トリガー! マキシマムドライヴ! )
「・・トリガー! フルバースト!! 」
仮面ライダーW・ルナトリガーが構えたトリガーマグナムから、青と黄色のエネルギー弾が無数に撃ち出され、予測不能の変幻弾道で十数体の影に命中した・・。
「・・!! ウッ! オゥ! 」 「・・!! 何者だ!! 」
「・・久し振りだな・・ヨロイ元帥・・しぶとい奴だとは思っていたが・・やはり生き残っていたか・・」と、風見 志郎・・・。
「・・風見 志郎・・よもやここで会えるとは・・?・・ここに来ていると言う事は、貴様らも凶皇仏を狙っているのか・・?・・フン・・そんな事より、ここで貴様を倒せれば我らデストロンの宿願も果たされると言う訳だ・・我らの行動がなぜ貴様らに読まれたのかは判らんが・・覚悟して貰おうか・・・」
そう言いながらヨロイ元帥は、怪人態・ザリガーナに変貌した・・。
「・・チッチッ・・そんな事を言ってるようだからデストロンは潰されて・・生き残りは殆どあんた等だけになって・・GODよりも格下の組織にされちゃったんだろ・・?・・」
と、門矢 士が指を振りながら横から口を出した。
「・・何だと・・?・・生意気な口を利きおって・・何者だ!?貴様は?! 何様のつもりだ!! もう一度言ってみろ!! 」
と、ドクトルGが激昂して叫び、怪人態・カニレーザーに変身した。
「・・俺達は通りすがりの仮面ライダーで・・SSDОの一員だ・・そしてあんた等同盟には・・もうどこにも勝てる目なんて残ってないって事さ・・・憶えておけ・・!・・」
そう言ってディケイド・カードを取り出して構える・・「・・変身! 」
(カメンライド・ディ、ディ、ディ、ディケイド)