S S D O ストーリー   作:トーマス・ライカー

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衛星からの攻撃とアテナの降臨

闇の中・・・

「・・あれがそうか・・」 「・・やはり入れない・・知らないサイコ・フィールドだ・・」

「・・破壊してしまえば良いだろう・?・・」

「・・守りはかなり堅いな・・攻撃能力もわからない・・しかもあれ一つじゃない・・」

「・・叩けばある程度の事はわかるかも知れんが、我々が直接それをすべきでも、またはその時期でもない・・・・」

「・・奴等のメッセージを全部聞いてから対処を決めても遅くはなかろう・・?・・」

「・・それより、何故今までわからなかった?・・・」

「・・そちらの方が今は問題だな・・・」

聖域(サンクチュアリ)ギリシャ・・・

半ば朽ち果てた神殿の前・・・ローブを着て仮面を着けた長身の男が、白い産衣に包まれた赤子を抱いていた。

「・・光の使徒達に感謝します・・宇宙(そら)の一角で目覚めた彼等にも・・」

僅かに顔を上向けて傍にいても聞えぬ程で呟いてから左肩越しに向けて・・・

「アイオロス・・」  「・はい・」  呼掛けて赤子を託した。

暖かい光の中・・・

「・・アテナは無事に降臨されました・・」

「・・宇宙(そら)の一角で目覚めた、彼等に感謝しましょう・・・」

「・・我々として、彼等への支援は・・?・・」

「・・今はまだ必要ないでしょう・・・その時が来れば、分かるようにはなっている筈です・・・」

司令室・・

「・・聖域の様子に変化は?・・」 「・・異常は観測されません・・無事に終わったようです・・」 「・あと30分は観測を続行してくれ・・」  「・・了解・・」

「・・最初の難関を突破しましたね・・・」ジョン・フランツが振り向いて言う。

「・・そうだな・・・裏高野と梁山泊の様子に変化はあるか?・・・」

「・・ともに異常は観測されません・・・・」

「・・・そちらも、もう暫く注視していてくれ・・・」  「・・了解・・・」

「・・当該攻撃衛星62基総てがこちらに向けての攻撃態勢を採りつつあります・・・攻撃開始カウントダウンのコマンドプロセスリンケージを同期・・・ビーム攻撃・レーザー攻撃は同一タイミングで330秒後・・・レールガン攻撃とミサイル攻撃はその30秒後です・・・防御体制を強化しますか?・・」  「・・侵入は諦めたようかな?・・」

「・そのようです・・引き続き、物理破壊的な精神感応波は検知できません・・・」

「・・まだ同盟のトップや幹部が直接出てくる時期じゃないだろうからな・・・でも念のために、ディフレクターシールドのパワーを10%上げよう・・それと、外壁のアルヴェージョンレベルを7にアップして・・・」   「・・了解・・」

「・・ファースト・メッセージに最初の攻撃モニター・データを付け加えて、ヴァージョン2に変換して、さらに30回ループ発信します・・・」

「・地上からメッセージは?・」 「ありません」 「・取り敢えず問答無用か・・・」

「地上のニュース・ネットワークは?・・」

「・・・・まださほどの反応はありません・・」

「・・・いずれ報道機関からもメッセージは来るだろうな・・・」

「・・・司令・・大国間、先進諸国間でホットラインでの通話が活発です・・・」

「・・ふん・・確認と根回しと口裏合わせってところかな・・」芳邨 恭輔が言った。

「・・・うまいな・・・」

廃棄地下鉄駅構内・・・・

「・・Mネットを通じてアクセスできた・・・起動指令を受け取った攻撃衛星は62基、ビーム攻撃衛星8基・・レーザー攻撃衛星16基・・レールガン衛星20基・・ミサイル攻撃衛星18基が攻撃態勢を採りつつある・・・」と、フィンチ。

「・・多いんだか少ないんだか・・・」と、ショウさん。

「・・この程度じゃ無理だろうな・・」と、リースも続いた。

「・・レクイエムとローエングリン、タンホイザーにどの位の力があるか・・・よね?」と、ルート。

「・・フィンチ・・同盟の下部組織は攻撃に出るだろうか?・・・」と、リース。

「・・どうかな?・・出るとしたら早まった勇み足か、同盟のトップに命じられて否応無くってところだろうね・・・」

「・・サマリタンは?・・・」と、ショウ。

「・・情報収集に集中しているようだが、あまり集まっていないようだね・・・・」

ケンタッキーのある山腹に建つ山荘の前・・・・

レイモンド・レディントンが山高帽を被りコートを羽織ったまま、粗末な椅子に座り粗末なテーブルに乗せたPCのモニターを見ていた。

右後ろにはベンベが立ったまま控えている。

「・・攻撃されますね?・・」

「・・ああ・・だが今地上にあるどの攻撃オプションでも、あれを撃墜するのは不可能だな・・・・」

指令室・・・・・

「・・ビーム・レーザー同時攻撃100秒前です・・」 「・・このまま待機・・ああ、攻撃3秒前に遮光フィールドを展開・・・」    「・・了解・・・」

「・・総員、第1警戒配置へ・・・」  「・・了解・・」

闇の中・・・・

「・・どうやら奴等に出し抜かれたな・・」  「・・奴等?・・」

「聖域(サンクチュアリ)だ・・」  「!・アテナが降臨したのか!?」

「何故分からなかった!・・」  「・・あれだよ・・あれに気を取られていた・・」

「!・今からでも聖域を・!」  「無駄だ・・もうあそこには誰もいない・・・アテナは既に隠された・・」  「・・やはりあれには光の使徒がいるのではないのか?・・」

「・・いや、それはない・・・いればわかる・・・・」

「・・だが連携している・・光の使徒があれに与しているのは確かだな・・・」

「・・16年前には、レムリアの覚醒を阻止できなかった・・やつらは着実に力を増しているぞ・・・」

「・・ラ☆ムーの星の実態もその在り処も、まだわかっていないからな・・・・」

「・・レムリアの覚醒を阻止できなかった件にも、あれの中の者共が噛んでいるのかな?」

「・・・今となってはわからんが・・・かも知れんな・・・だが慌てる必要は無い・・・向こうが力を増すのなら、こちらにも力が集まる・・・・毎回同じ事だ・・・バランスは保たれる・・・・問題はどう始めて・・・どう終わらせるかだ・・・」

ネプチューン・ブリッジ・・・・

「・・艦長・・やまとが増速中・・・距離が開きます・・」  「・・何があった?・・」

「・・海江田艦長が唐突に40ノットまでの増速を指示しました・・原因となるようなものを示す会話はありませんでした・・」

「・・予定ではもうフェイズ1の起動が完了した筈だ・・間もなく世界中が蜂の巣を突いたような騒ぎになる・・・コースと深度に変化は?・・・」

「・・・変化ありません・・・コース262・・深度950です・・」

「・・どうしますか?・・30秒で40ノットに到達します・・・3分で距離2800を超えます・・」  「・・遮音フィールドのレベルは?・・」 「・・最大です・・」

「・・海江田艦長・・・感受性のレベルはかなり高いとの評は読んだが・・・何か感じたかな?・・・・40分はこのまま待機・・ポセイドンには発信しなくて良い・・こちらが動かなければ向こうも動かない・・・付近に他艦は・・?・・」

「・・現状では確認できません・・・・報告はどうしましょう?・・・」

「・・Mネットを通じてやまと増速とだけ発信してくれ・・」   「・・了解・・」

MAC01指令室・・・・

「・・発射10秒前です!・・5秒前・・遮光フィールド展開・・来ます!・・・・・・到達しました・・・・・・加速荷電粒子ビーム、ディフレクターシールドで阻止されました・・・・シールドパワー93%・・回復します・・・レーザーはフェイズシフトで阻止されました・・・・相転移変動率・・3%・・回復します・・・損傷なし・・影響なし・・間もなくレールガン、核ミサイル発射されます・・・ミサイルは発射直後にこちらで制御します・・・?!うん?・・・異常を検知・・カウントダウンが止まりました・・・攻撃コマンドプロセスリンケージが削除されました・・・攻撃指令が取り消されたようです・・」

「・・取り消し指令はどこから?・・」

「・・・発信元はエシュロン・ネットワークですが・・分析によれば・・・・・・イルミナティですね・・・」

「・・弾を温存しましたね・・・」河邨 義之が言った。

「・・・・ああ・・もうすぐ我々の発したメッセージが、世界の中で響き始める・・・・彼等はそれがもたらす自分達には予測できない世界の動きを恐れている・・・・次はなりふり構わず撃ってくるぞ・・・・」

「・・ファーストメッセージのループ発信を終了します・・・今の攻撃のモニターデータを添付して、セカンドメッセージのループ発信を開始します・・・それと、やまとが40ノットに増速しました・・・」

「・・・浮上予定時間が変わりそうかな?・・・」  「・・それは無さそうです・・」

廃棄地下鉄駅構内・・・・・・

「・・カウントダウン10秒前・・・撃たれるぞ・・・5秒前・・・・・???・・・・」

「・・どうした?・・撃たれたんだろ?・・」と、ジョン。

「・・その筈だが・・被害は無いようだ・・シールドが阻止したな・・・」と、フィンチ。

「・・やはりあの程度じゃ無理だな・・・問題は次の攻撃だ・・・」

「反撃しないの?・・」と、ショウ。

「・・彼らは撃たない・・撃たずに余裕で防ぎ切る事で、圧倒的な存在感と優位性を示す・・・同時にメッセージを次々と発信することで、世界と敵に揺さぶりを掛けて追い込む・・・それがSSDO初期の基本戦略だよ・・・」と、フィンチ。

「・・次は核ミサイルとレールガンの攻撃だな・・・少し遅くないか・・?」とリース。

「そうだな・・ちょっと待ってくれ・・・おかしいな・・・カウントダウンが止まっている・・・いや・・・攻撃コマンドプロセスリンケージが削除されているな・・・どうやら攻撃指令が取り消されたようだな・・・」  「・・なぜ?・・」と女性二人。

「・・効かないと判断して、弾を温存したのだろうな・・・・これで次の攻撃が、更に過激なものになると言う事だ・・・・」そう言ってリースはグラスの中のものを一口含んだ。

巨大な会議室ホール・・・・・・巨大なモニターを二人のスーツの男が見ている。

「・・どうやら損傷は無いようです・・・」

「・・・やはりあの程度では駄目だな・・同盟は何か言ってきたか?・・・」

「・・いえ、要求・要請・要望、意見も含めてどのチャンネルからも聴こえません・・」

「・・昨日サロンで顔を合わせたばかりだからな・・・もっともその時宇宙(そら)には何も無かったが・・・・」   「・・・どうしますか?・・・」

「・・あれの存在を把握できていなかったのは、同盟の失態だ・・・その責を我々が負わねばならない理由はない・・・グランド・キャノンでも使えば良いだろうさ・・・・」

「・・・こちらのジェネシスは?・・」  

「・・グランド・キャノンを完成させるために、こちらの蓄えもほとんど吐き出した・・・だからこちらのジェネシスは・・まだ完成していない・・・それは同盟も承知している・・・」

MAC1指令室・・・・

「・・・エシュロン・ネットワークから各方面への発信を確認・・・・指令源はまたイルミナティです・・・こちらを攻撃可能な総ての攻撃衛星に、起動指令が発信されました・・・・それと、レクイエム・ローエングリン・タンホイザーの管制センターに攻撃準備指令が送られました・・・」

「・・・グランド・キャノンは使わないんですね・・・」ティナ・ヒートンがレモンティーのカップを置いて言う。

「・・あれは先頃完成したばかりの同盟の持ち物で、その存在は財団でもトップしか諒承していない筈だから、まだ早々には使えないだろう・・・それに電力の使用量が半端じゃないからな・・・・」

「・・まだ完成してないけど、財団だってジェネシスを持ってるから、どっちもどっちですけどね・・・・」

「・・またビーム・レーザー攻撃は同一タイミングだろう・・秒読みを同期してくれ・・」

「・・了解しました・・」 「・・予定通りビーム撹乱膜拡散弾のテストを行う・・・」

「・・了解・・・対空ミサイルランチャーに全弾装填・・・弾頭はビーム撹乱膜拡散弾・・」

「・・起動指令を受け取った攻撃衛星は、全部で1399基です・・ビーム攻撃衛星・128基・・レーザー攻撃衛星・286基・・ミサイル攻撃衛星・485基・・レールガン衛星・496基・・です・・その当該攻撃衛星総てがこちらに向けての攻撃態勢を採りつつあります・・・レクイエム3基・・ローエングリン・・タンホイザー・共にパワーチェンバーに充填完了・・・攻撃開始カウントダウンのコマンドプロセスリンケージを同期・・・総てのビーム系攻撃オプションは、同一タイミングで650秒後・・・レールガン攻撃とミサイル攻撃はその30秒後です・・・防御体制を強化しますか?・・」

「・・いや、ステーション本体に於いて変更はない・・」  「・了解・」

「・・攻撃開始100秒前に対空ミサイル全弾を発射して展開・・・その後攻撃開始8秒前に起爆して撹乱膜を形成・・」

「・・了解・・対空ミサイル全ランチャーを起動します・・弾頭はビーム撹乱幕拡散弾・・」

「・・・それと国連事務総長が緊急安保理の開催を、SNSMで招集しました・・・」

「・・・ニュース・ネットワークの状況は・・?・・・」

「・・・10大ネットワークの活動が活発になりつつあります・・・トップ間でも盛んに通話していますね・・・・」

「・・メジャーメディアには、あまり期待できないな・・・できるとしたら、中小のメディア・カンパニーだ・・・・」   「・・・そうですね・・」

 

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