MAC01司令室・・・・
「・・・司令・・ニューヨークは終わったようです・・・それで、気絶させた敵兵をターミナルのファクトリーで収容して欲しいと・・・・」
「・・そうか・・・ターミナル1のファクトリーで収容しよう・・・タグを付けてな・・」 「・・了解・・・」
「・・それと、ニュースサイトに出ていましたが、東京西新宿副都心の再開発地区工事現場で、妙なものが見付かったとか・・・」 「・・・妙なもの?・・」 「・・・どうやら、凶皇仏に間違いないかと・・・」
「・・・やはりな・・・先ず対象物の精確な位置をセンサーで特定・・・できたら、レベル8のフォースフィールドで覆ってくれ・・・それで同盟のテレポート精神波を防げる・・・そのうえで裏高野・梁山泊・聖域・薬師12神将に通達を・・・」 「・・・了解・・・」 「・・対応に増援するべきかな?・・」
「・・残っている裏高野五輪坊と12神将では、少ないでしょうね・・・・かと言っても・・・」
「・・・梁山泊の艦に行ってもらうのも、騒ぎを大きくし過ぎるだろうしな・・・・」 「・・・そうですね・・・」
「・・風見さんと、神 敬介さんと、南 光太郎君、乾 巧君、草加 雅人君、あと、深町君にも行ってもらうか・・・」
「・・・では、ターミナル2に連絡を入れます・・・」
「・・・慈空阿闍梨様にも連絡を入れて12神将との合流を頼んでくれ・・・合流ポイントに向けて、こちらからも増援を転送すると・・・・」 「・・・了解しました・・・」
ネプチューン・ブリッジ・・・・・・
「・・・やまと・・・浮上して15分です・・・上空に機影ありません・・・半径50KMに艦影ありません・・・」
「・・ポセイドンは反対側だな?・・」 「・・はい、点対称で反対側・同距離・同深度にいます・・」
「・・クラーケンは動かないが・・この距離ではまだ微妙だな・・・状況の変化に戸惑っているんだろうが・・・早めに動いた方が良いな・・・・海上警戒を半径200KMに拡大・・・」 「・・・了解・・・」
やまと・・・・・・
海江田艦長は自室でデスクの上のラップトップモニターと手元のPADを交互に見比べていたが、艦内コールのカフを取り上げてソナー室に繋いだ。
「・・・溝口・・・艦の気配はあるか・・?・・」 「・・・ありません・・・上空にも機影は無いそうです・・・・」
「・・・そうか、了解・・・」 そう言って通話をブリッジに切り換えた。
「・・・山中・・第2警戒直・・エンジン始動・・ベント閉め・・通常潜航・・深度100に付いてくれ・・着いたらエンジン停止して、艦の自重だけで無動力沈降・・深度900に付いてくれ・・・」 「・・了解・・」
クルーが動き始めて、やまとが目覚めた。
MAC01司令室・・・・・
「・・・司令・・BGとシャドゥが管理している・・アラスカ・・ネヴァダ・・テキサス・・ナスカ・・シベリア・・グリーンランド・・桂林・・ゴビ・・楼蘭・・黒海海底・・カスピ海海底基地で保有する、空間攻撃部隊に出動準備指令が出ました・・・主力となる機体は、パラノイアですね・・・」
「・・・そうか・・・艦隊攻撃まで時間が空くから仕掛ける気だな・・・」
「・・狙いは対空ミサイルランチャーですね・・」と、蛎崎 憲治が言った。
「・・ビーム撹乱幕が形成できなければ、陽電子砲が効くと思ってるんですかね・・」
枦山 正史郎が言った。
「・・気持ちは、解らなくもないがな・・・パラノイアは新鋭機の中でも量産が進んでいる機体だ・・・テレポートで一挙に送り込むつもりだろう・・同盟の幹部連中は・・殆どテレポーターだからな・・・・」
「・・何機ぐらい、送り込んできますかね?・・・」
「・・1200機は堅いな・・・多ければ1500機だろう・・・」
「・・ここから出せる要撃機は、せいぜい450ほどです・・・」
「ここからは400機出そう・・50機は直援部隊として、取敢えず残す・・出動準備に入らせてくれ・・MAC02・・MAC03から、それぞれ300機・・MAC04から、200機・・出して貰おう・・増槽・・ブースターパックも付けてね・・それで取敢えず1200機だ・・・クラップタイプの艦は15隻出せるかな・・・?・・」
「・・・急がせます・・・」
「・・出せるなら、リゼルを90機搭載できるな・・・それを、支援隊としよう・・要らないかも知れないが・・アークエンジェル・ドミニオン・ミネルヴァ・エターナル・クサナギにも出て貰おう・・・これで防ぐ・・・以上が防衛体制だ・・準備に入ってくれ・・」
「・・了解しました・・」
「・・地上の陽電子砲群にリチャージ指令が出たら、発進できる機体は発進させる・・」
「・・・了解・・・」
「・・あまり派手な事はしたくないんだが、これは仕方のないところだな・・」
ギリシャ(聖域)サンクチュアリ・・・・
一人の黄金聖闘士(ゴールド・セイント)が教皇の間に入った。
「・・教皇・・・」 「・・カミュ・・・どうした?・・」
「・・お願いがあって参りました・・・日本へ行かせてください・・・」
「・・日本へ?・・・そう言えば・・先程『上』から、東京で闇のアイテムが見付かった、との知らせがあったが・・・それが絡んでのことなのか?・・・」 「・・左様です・・」
「・・?・・!・・まさかカミュ・・あ奴を感じたのか?・・」
「・・はい・・」答えたカミュの顔が少し歪んだ。
「・・そうか・・分かった・・許可する・・発つ前にシャカを訪ねてくれ・・この時に備えて、渡したいものがあるそうだ・・・」
「・・分かりました・・我儘を許して頂き、感謝致します・・」
「・・カミュ、必ず生きて還れ・・我々にはお前が必要なのだ・・これは厳命だ・・」
「・・了解致しました・・」深い一礼を残して、カミュは踵を返した。
間を出るまで見送ると、振り返って暫く上を仰ぎ、戻して呟いた。
「・・水瓶座(アクエリアス)の定めか・・・」
『財団』司令室・・・・・・・
「・・・どうやら、ニューヨークは失敗したようです・・・本部長・・・」
「・・ふん・・また同盟の失態だな・・・にしても、向こうにこちらの動きが読まれているのは間違いないようだ・・・・聞いたか?・・CEOが『あれ』による経済的な影響が顕著になる前に処置するよう、同盟に要請を出したよ・・・Mの部隊はどこに撤収した?・・」
「・・・アリゾナの基地で収容したようです・・・」
「・・・ゾアノイドに調整するんだな・・・他には・・?・・」
「・・・それででしょうか・・?・・同盟が管理する幾つかの基地で持つ、空間攻撃隊に出動準備指令が出ました・・・・」
「・・・空間攻撃隊?・・パラノイアだな・・・幾つの基地で出た?・・」
「・・11ヶ所ですね・・・」
「・・多いな・・・1200機は堅いかな・・?・・一挙に『あれ』の近くにまで、テレポートで送り込む気か・・・陽電子砲群にリチャージ指令は出たのか?・・」
「・・それはまだ確認していませんが・・・」
「・・エシュロンネットワークを見ていてくれ・・出るとなればまた攻撃衛星群も連動するはずだ・・・」 「・・了解・・・」
「・・墜とせると思うか?・・・『あれ』を?・・・外からの攻撃だけで・・・私見だが至難の業だな・・・・別方向からの搦手が無いと、かなり厳しいと思うな・・・」
「・・・はあ・・・・」
「・・・それはそうと、世界救福教会な・・・少し動きが目立つな・・・少し抑えるように勧告してくれ・・・向うに眼を付けられるのもつまらんからな・・・・」
「・・・分かりました・・・」
裏高野・・・裏壇場伽藍・・・
「・・慈空阿闍梨殿・・・」
「・・おおっ・・宮毘羅大将・・伐折羅大将・・迷企羅大将・・神将の方々はもう・・?」
「・・はい、全員集まりました・・五輪坊の残りは、水と空ですか?・・」
「・・いかにも・・」
「・・相手は先ず荼枳尼衆でしょうが、後ろには六道衆を初め、同盟の結社もいるでしょう・・・闇の道具としての凶皇仏の使い勝手は、かなり良いでしょうから、様々な結社が使い回そうとするでしょう・・・我々がこれだけの人数では・・・・・」
「・・『上』でもそれを懸念しておってな・・・助っ人をよこすと言っておったよ・・」
「・・・助っ人・・?・・ですか・・・」
「・・ああ、そうじゃ・・そろそろ追っ付け、連絡が来る頃なんじゃが・・おお、すまんな・・・」 一人の若い僧侶が電話を慈空に渡した。
「・・もしもし・・ええ、私です・・分かりました、よろしくお願いします・・」
「・・ああ、神将の方々・・ちょっとその辺りを空けて下さらんか・・・助っ人が来ますのでな・・」
慈空が右手で指し示した辺りが空くと、6個の光が空間に湧き上がり、拡大して人型を形成した。
「・・お久し振りです、慈空阿闍梨様・・お元気そうで、何よりです・・」
懐かしい・・にこやかな笑顔が歩み寄ってきた。
「!・・おおぉぉ!・・君達が助っ人だったか・・元気そうじゃな・・・」
力強い握手だった。
「・・慈空阿闍梨殿・・・こちらの方々は・・?・・」
「・・ああ、紹介しよう・・名前ぐらいは聞いたことがあるじゃろう・・彼が、風見 志郎君じゃ・・またの名を仮面ライダーV3・・・そして彼が、神 敬介君・・・またの名を仮面ライダーXじゃ・・・風見君・・神君・・彼らが今の薬師12神将じゃ・・・」
静かだが驚きの波紋が広がる・・・。
「・・慈空殿は、こちらの方々とお知り合いで・・?・・」
「・・ああ・・彼らが戦っていたデストロンやGODは、共に同盟の一員でな・・六道衆とも繋がっておったから、同じ戦場で肩を並べて戦ったこともあった訳じゃよ・・・それにしても久し振りじゃな・・・」
「・・では、こちらも紹介しましょう・・彼は、南 光太郎君、仮面ライダーBLACK RXです・・・彼が、乾 巧君、仮面ライダーファイズです。彼は、草加 雅人君、仮面ライダーカイザ。最後の彼は、深町 晶君、ガイバー1です・・」
「・・ほう・・それは有難い・・・頼もしい限りじゃな・・・」
「・・では、慈空殿・・行きますか・・?・・」 宮毘羅大将が訊く。
「・・いや、あと二時ほどで夜が明ける・・日中は人目もあるし、奴らもわざわざ騒ぎを大きくはするまい・・・日が暮れるまでに近くまで行ければよかろう・・・儂は五輪坊をできるだけ掻き集める・・・風見君・・プラズマ・フェイズスティックだったかな?・・『上』に掛け合って調達してくれんか・・それと日没の前に凶皇仏の近くに転送で行けるようにな・・?・・」 「・・承知しました・・」
ギリシャ・聖域(サンクチュアリ)・12宮・処女宮・・・・・
「・・いるか・・シャカよ?・・・カミュだ・・・」
「・・おお、カミュ・・・寄らせてしまって済まないな・・・」
「・・いや、それは良いが・・・渡したい物があると教皇様には聞いたが・・・」
「・・ああ・・この時に備えて造って置いた・・これを持って行ってくれ・・・」
そう言ってシャカはカミュに箱を手渡した。
「・・開けて良いか?・・」 「・・ああ・・構わんよ・・」
箱の中には瑠璃色の瑪瑙で造られた珠数が入っていた。
「・・ほう・・これは・・美しいものだな・・」
「・・この珠数には、今ここにいる黄金聖闘士(ゴールドセイント)のコスモが込められている・・お前の黄金聖衣(ゴールドクロス)とも共鳴して、高いプラスの相乗効果もあるはずだ・・・カミュ・・・この問題はお前が自分でケリを付けるしかない・・・だが、お前は一人じゃない・・・」
「・・・ありがとう、シャカ・・皆にも感謝している・・・暫く聖域を留守にするが、その間アテナを頼む・・・」
「・・それは任せておいてくれ・・ああ、五老峰の老師から伝言を預かっている・・日本に入る前に、顔を出してくれとの事だ・・」
「・・承知した・・では、行ってくる・・」 「・・ああ・・生きて還れよ・・」
最後のシャカの言葉に直接には答えず笑顔を見せて、カミュは踵を反した。
MAC01司令室・・・・・・
「・・司令・・他のマックステーションからの要撃増援隊・・発進しました・・こちらに向けて接近中です・・・」
「・・そうか・・リチャージ指令は?・・」 「・・まだですが・・間もなくかと・・・」
「・・うん・・レッド中隊のシニーズリーダーを呼んでくれ・・」 「・・了解・・」
「・・サマリタン・スタッフの移送は終わったのかな?・・」
「・・はい・・全員、ポイント A に収容したそうです・・」
「・・そうか・・だが、こちらに来て貰うまでは気は抜けないからな・・グリア氏の安全は厳に確保するよう、トーマス・リーダーに通達してくれ・・」 「・・了解・・」
また左上のモニターが開いた。
「・・ラウル・シニーズです・・・」
「・・シニーズリーダー・・悪いが発進予定を前倒しできるかな?・・・」
「・・はい・・あと30分で発進準備は完了しますが・・?・・・」
「・・リーダー・・悪いが10分短縮して20分で仕上げてくれ・・・ここには間もなく敵空間攻撃隊が来襲する・・・君達の発進を敵に見られたくない・・・」
「・・分かりました・・仕上げます・・・」
「・・完了次第発進してくれ・・こちらへの報告も確認も必要ないから・・・発進したらステーションの事は気にしなくて良い・・・君達は配置ポイントへ急いでくれ・・・・」
「・・・了解・・それでは・・・」 モニターは向うから切れた。
梁山泊・飛行艦格納庫・グレタ・ガルボ・ブリッジ・・・・・
オペレーター・「・・・グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒ、マリア・カラス、ともに発進準備完了です・・」
「・・全クルー搭乗・・搭載兵装、積載兵装、全装備品、積載完了・・」
「・・・ロボは・・?」と、中条長官。 「・・・まだ作業中です・・・」
「・・止むを得ませんな・・ですがロボなら、出れば直ぐにも追い付くでしょう・・それにロボが必要になるほど強力な相手が来るかどうかも分かりませんし・・」と、黄先生。
「・・そうですね・・それでは、参りましょうか。黄先生・・」
「・・分かりました・・船団全艦・発進する! 総員、第1警戒配置! エンジン始動・定格起動・サブ・インパルス・パワードライヴ起動して、全船5m浮上・格納庫より出航する・・前進微速・0.3!」 「・・ゲート、開放!」
「・・ガランシェールとネェル・アーガマの位置は、トレースできるのかね?・・」
中条長官がパイプを咥えて席に座りながら訊く。
「・・タイム・テーブル上での位置は推測できますが、正確な現座標は判りません・・2隻とも今は遮蔽中ですので・・・」 「・・・了解した・・・『上』ではまた大きい騒ぎになるようだな・・・」 「・・こちらからは、如何ともし難いのが悔しいですが・・・」
「・・なに、攻撃隊程度の戦力でステーションが陥ちる事などないよ・・」
「・・この3隻の内の2隻を、サハラに振り向ける、と言うのもアリなのではありませんか?・・・」 「・・いや、戦闘艦としては、こちらよりオーディン・クラスの方が上だな・・・こちらとしては、伏魔塔の制圧に集中するべきだよ・・・」
「・・了解しました・・・」
『ニューヨーク・ポイントA』
ここはニューヨーク・マンハッタン島・セントラルパークの広大な地下空間に建設された地下施設だ。
SSDOがマシーン・チームと共同で建設したこの施設は、公園の表層には何も無いが、地下7階にまで拡がる大きい施設だ。
セキュリティとディフェンスのシステムをもう少し拡充させれば、ターミナル3として昇格させることも、SSDOの中では検討されている。
その施設の地下3階中央部に位置する司令室に、ハロルド・フィンチが入ってきた。
「・・遅くなってすまない・・皆、無事だったか・・?・」と、フィンチ。
「・・やあ、ハロルド・・君も無事に来られたのか・・・」と、リース。
「・・私は大丈夫だ・・ベアーと一緒だからね・・・」
ベアーはショウさんに駆け寄っていった。
「・・それで、サマリタン・スタッフの様子は・・?・・」
「・・全員、レベル3のスキャンを受けて貰って、今はそれぞれ個室に入って貰っている・・・結果、改造・調製・強化の兆候はないようだが・・精神・心理的なアプローチがあったかどうかまでは判らない・・・」
「・・洗脳・・か・・で、グリア氏は?・・」
「・・彼には、特別室に入って貰っている・・ペースメーカーに何やら仕掛けがあるようでね・・爆発物や毒劇物や盗聴器のようなものの反応は無かったが・・」 「・・どんな?・・」
「・・訊いてはみたが、知らないと言っている・・記憶が操作されているのかもな・・・」
「・・それよりステーションの方は大丈夫なの?・・」と、ルート。
「・・『上』の事は『上』に任せるしか、我々にできる事は無いよ・・」と、フィンチ。
「・・それはそうと、ここに来るまでの間にレイモンド・レディントン氏から連絡を受けたよ・・・レナード・コール氏と一緒にここに来るそうだ・・・」と、フィンチ。
「・・やれやれ、旧知の友人が、結構集まる事になるんだな・・フルクラムにここを知られたら・・ただじゃすまんな・・・」と、リース。
その時、複数のマルチモニターを監視していたトーマス・キールが声を上げた。
「・・!・エシュロン・ネットワークから地上にある総ての陽電子砲台に対してリチャージ指令が出ました。続けて軌道上の全攻撃衛星にも攻撃準備指令が出ました・・・目標はMAC01です・・」
そこにいた全員が振り向いてトーマスの顔と彼が見ているモニターを見遣ったが、口を開いたのはリースだけだった。
「・・・いよいよだな・・・」
MAC01司令室・・・
「・・強行工作隊はどうか?!・・」 「・・現在発進中です・・終了まで5分・・」
「・・よし、続けてヴァルキリーからスクランブルチーム発進!・・必要が無ければ変形無しと通達!・・その後、一個大隊ごとに要撃隊発進!・・先ず合流ポイントに急げ・・クラップ艦隊は?・・」 「・・第2ゲートから最初の2隻が出ました・・」
「・・所定の配置に着くまでMSの発進は禁止!・・アークエンジェルは?・・」
「・・第3ゲートからアークエンジェル、ドミニオン、ディファイアントが2分で発進・・続いてエターナルが出ます・・3分遅れてミネルヴァが出ます・・」
「・・イズモ級は?・・」 「・・第4ゲートからイズモ、クサナギが3分で出ます・・その後、アマテラス、スサノオ、ツクヨミ、ヤマトタケルが出ます・・・」
「・・陽電子砲迎撃ポイントへの集結と配置を急げ・・MSの発進は待機・・発進する全機、全艦ともに光学迷彩を展開・・攻撃開始まで迷彩は解除するな・・カウントダウンはまだだな?・・」 「・・まだです・・」 「・・対空ミサイルランチャーは?・・」
「・・既にビーム撹乱幕ミサイル装填しました・・」
「・・よし、対空ミサイルランチャー、全起動!・・」 「・・了解・・」
「・・デストロイド・ディフェンダーを対空支援として外壁に配置してくれ・・危なくなれば何時でも転送で収容できるようにロックしておけ・・」 「・・了解・・・」
「・・・全ステーション、及び全艦、対空戦闘用意!・・」 「・・了解・・」
「・・・さて・・こんなものかな・・」
『ガーティ・ルー【ファントム・ペイン】』ブリッジ・・・・
仮面を被った男が入るなり口を開いた。
「・・操舵状況は?・・」
痩せたアジア系の艦長らしき男が振り返って応える。
「・・出港して20分・・・距離36200・・・速度・コース・加速正常・・・」
「・・そうか・・・MAC01のモニタリングは?・・」
「・・あそこです・・倍率最大・・最大望遠です・・・」
「・・フ・・ン・・」男はそのまま腕を組んでブリッジに立った。
「・・大佐・・本艦も支援に向った方が良いのでは・・?・・」
大佐と呼ばれた仮面の男は艦長の方を見なかったが静かに応えた。
「・・僕らの存在はSSDOの中でも秘中の秘だ・・・事前に指令された行動計画以外の活動は厳禁とされている・・・それに、このぐらいの攻撃でステーションは陥ちないと思うね・・・だったら、こちらはこちらの任務に集中する方が結局、勝利への近道になると思うよ・・やはり序盤戦の山場は、伏魔塔制圧戦になるだろうからね・・・」
『財団』司令室・・・・・
「・・テレポートはまだ始まらないのか?・・ある程度叩かないと、カウントダウンは始まらないな・・?・・」
「・・そうですね・・もう間もなく始まると思いますが・・・」
「・・こちらからではどう観測しても、あのステーションの様子は、よく分からないな・・」
『荼枳尼山寺』・・・
ここは東京都西多摩郡檜原村からあまり離れていない森林の中である・・・・・。
非常に古びたあまり大きくない山寺のように見えるが、荼枳尼衆の根城である。
常人には見えないように、不見・不聴の結界が張られている・・・・。
漆黒の深い闇を纏い、色濃く引き摺るように歩く、マントを纏った黒髪の女が現れ、荼枳尼衆や六道衆の兵が集まって傅いている。
血に飢えた猫系猛獣の唸り声が響き、巨大な虎が現れた。マントの女も兵共も膝間付いて頭を下げる。
「・・こ、これはゴーゴン大公・・・わざわざのお越しで・・・」
大公がひとつ鞭を振るうと、迸る電撃で兵共が5人弾け跳んだ。
「・・何をやっているのだ!羅誐(ラーガ)よ、凶皇仏の回収に、早く掛からんか!」
「は!今日、日没とともに回収を開始します・・」
「・・だが何故か・・凶皇仏には既に・・解析不能のシールドが展開されている・・そのせいでテレポートによる収容は不可能になっているな・・・」
白銀の鎧と深紅の焔のような印象を与える飾を付けた兜を着け、長い装飾を施した錫杖を手にした男が現れて言った。
「・・こ、これはゼロ大帝陛下・・わざわざこのような所まで・・・」
「・・何も不思議に思う事など無いだろう・・凶皇仏は我ら同盟に属する組織・結社の総てに渡って様々に使い道のあるアイテムだ・・興味を持つのは当然だろう・・・」
声と共に3人の男がゼロ大帝の背後から顕れる・・一人は真っ白なスーツを着込んだ壮年に見え、1人はホワイトグレーのスーツを着た20代後半の男・・もう一人の男の服も真っ白なものだったが、ずっとラフな井手達で年頃は10代の後半に見える・・。
羅誐(ラーガ)は、この10代後半の若者から、最も凶悪で最も予測不能な印象を受けた。
「・・それなら、そのシールドごと回収すれば良いのだろう・・大公閣下・・ミケーネスは戦闘獣を?・・・」
また2人の異形の者が現れて言う。
一人は真っ黒なスーツを着て、頭部もツルツルした真っ黒なもので一つ目であった。
もう一人は白いスーツだったが、頭部は透明なマスクに覆われた異形なものだった。
「・・フ・・ン・・いくら使い勝手の良い掘り出し物だとは言え、これがミケーネス七つの軍団を動かさねばならぬ程の事案に見えるか?・・これだけ同盟の幹部が出張って来ているなら、それぞれに所属する戦力があるだろう?・・儂も一体は連れて来ているが、余程でなければ出さんよ・・・シャドゥナイトがギンガメと白骨ムササビを連れて来るぐらいの事は聞いているがな・・そもそも凶皇仏は荼枳尼衆が創ったものだ・・取り敢えずは荼枳尼衆と六道衆に任せるのが順当だろう・・・ニューヨークでの事は儂も聞いている・・・抵抗があるならその時に戦力を集中して潰してしまえばよかろう?・・」
「・・・ですな・・・では、日没とともに、と言う事で・・・」
『財団』司令室・・・・・・。
「!・テレポートが始まります!・・」
「・・パラノイアのガンカメラの画像のリンクをこちらにも貼ってくれ・・データを収集するんだ・・・」 「・・了解・・・」
『MAC01』司令室・・・・・。
「!・テレボート精神波をキャッチ!・始まります!」
「・・全機・全艦、最大戦速!・合流・集結・展開を急げ!・要撃隊の合流は?」
「・・始まっていますが、まだ3割程度です・・・」
「・・よし、構わん・・増槽とブースターパックをパージして、迎撃ラインへの展開を急げ!・・もう来るぞ・・艦隊は?・・」
「・・全艦加速35%から45%で展開中・・」 「・・できるだけ急いでくれ・・」
「!パラノイア戦隊出現!・高度、ステーションよりプラス20000Kmの標準軌道・・仰角方位35°から45°・・80機程度の編隊で転移して来ています!」
「・・陽電子砲搭載艦の配置を急げ! スクランブル・チームは?・・」
「・・接触まで、約150秒程です・・」
「・・敵戦隊の後方に回り込むまで光学迷彩は解除するな!」 「了解」
『財団』司令室・・・・・。
「・・うん? 向うの迎撃戦闘隊の姿が見えないな・・・」
「・・エネルギー・磁気反応は無数に検知していますが、光学画像としては捉えられません・・何か光学的なジャミングを機体に掛けているのでは?・・・」
「・・艦隊の反応はあるのか・・?・・」
「・・それと思しき規模のエネルギー反応も、10個以上あります・・・」
「・・ふん・・やはり情報が洩れているな・・と言うより、これはもう筒抜けだろう・・そうでなければ迎撃態勢など採れるはずがない・・・・」
「・・ステーションをある程度叩かなければ、カウントダウンは始まりません・・」
「・・周辺のエネルギー反応は、どのぐらいある?・・・」
「・・ざっとですが・・・1200はあるようです・・・・」
「・・それ程の数を・・・あのステーションが収容しているのか・・・・」
「・・思いますが・・・あのステーション、一つだけじゃないと思いますよ・・・」
「・・ふん・・それよりこちらの情報を筒抜けで把握できる理由を、こっちのAIに推測させてくれ・・・・」 「・・・了解・・・」
『MAC01』司令室・・・・・。
モニターが開いた。
「・・こちら、スクランブル・ヴァルキリー・レッドチーム・・敵はエネルギー反応でこちらを検知しています・・・」 「・・了解、レッドリーダー、対処する・・・」
「・・よし、スクランブル・チーム全機並びに、要撃隊第5大隊まで光学迷彩解除! 迎撃しつつ敵を迎撃ラインに誘導しろ!・・続いて対空メガ粒子砲・フェイザー砲起動! 迎撃戦闘隊を援護しつつ、敵を迎撃ラインに追い込め!・・」 「・・了解・・」
ついに本格的な空間格闘戦とともに、対空迎撃戦闘が開始された。
『財団』司令室・・・・・。
「・・敵の迎撃隊の一部が、ジャミングを解除しましたね・・・」
「・・機体のタイプは、今のところ3タイプか・・・なかなか高い機動性のようだな・・」
「・・火力もなかなかのものですね・・パイロットの腕も良いようです・・・」
「・・!おっ・・ステーションからの対空火線を検知・・ビーム砲のようです・・・」
「・・詳細に観測してデータを取ってくれ・・・」 「・・了解・・・」
「・・!・・カウントダウンが出ました・・30分後にミサイル発射・・45分後からリニア・レールキャノンでの攻撃開始・・ビーム・レーザー・陽電子砲での攻撃は、50分後です・・」 「・・そうか・・・うまくいくと良いがな・・・」
『MAC01』司令室・・・・・。
「・・!・・カウントダウンが出ました・・30分後にミサイル発射・・45分後からリニア・レールキャノンでの攻撃開始・・ビーム・レーザー・陽電子砲での攻撃は、50分後です・・」
「・・そうか・・・オペレーター! Mネットを通じて総ての攻撃衛星に侵入・・総てのシステムをこちらに同期して、27分後にカウントダウンを停止して削除しろ・・その後の制御は総てこちらで保持する・・・」 「・・了解・・・」
「・・よし、全機全艦、光学迷彩解除! アークエンジェルは? 」
「・・陽電子砲搭載艦隊・・配置完了まで・・150秒・・」
「・・了解・・上手く追い込んでくれよ・・・こちらの機体が撃たれて破損したら、直ぐに機体ごとロックしてメンテナンス・デッキに転送収容してくれ・・」
『財団』司令室・・・・・。
「・・総てのエネルギー反応が、ジャミングを解除しました・・・」
「・・こりゃ、すごいな・・・艦隊をズームしろ・・・」
「・・典型的な宇宙艦のようですね・・」
「・・同盟の宇宙戦艦より、高い火力を持っていそうだな・・・詳細に観測してデータを取ってくれ・・・敵の編隊・艦隊が何を狙って動いているのかAIに推測させてくれ・・」 「・・了解・・・」
ネプチューン・ブリッジ・・・
「やまとの様子は・・?・・」
「・・深度、950、距離、22200・・エンジン停止して沈底中・・・ポセイドンは反対側にいます・・海江田艦長以下、士官全員が士官室に入ってから35分が経過・・・自由な討論が続いていますが、間もなく海江田艦長から基本方針が出されるものと思われます・・・・」