S S D O ストーリー   作:トーマス・ライカー

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パーフェクトフルオープンチャンネル1

ガーティー・ルー(ファントム・ペイン)ブリッジ・・・・

「・・大佐・・間もなくランデブーポイントです・・」

と、イアン・リー艦長が仮面の男を見遣って言う。

「・・うん・・合図が来たら、手筈通りに対応してくれ・・」   「・・了解・・・」

強行工作中隊・・先頭のベース・ジャバー・・・

マラサイのコクピットの中でラウル・シニーズは正面を見据えていた。

「・・隊長・・ランデブーポイントまで20秒・・・センサー反応無し・・目視でも見えません・・・」

「・・よし・・Mネットを通じて、暗号圧縮サインを送信・・」  「・・了解・・」

その後20秒程してラウル・シニーズは、モニターの正面に見える何も無い筈の虚空の中で、モビルスーツデッキのハッチが半分だけ開き、ガイドビーコンが3の1だけ伸びたのを視認した。      「・・センサーに反応ありません!・・」

「・・!・・あれがファントムペイン・・・よし! 私が後ろでサポートするから、ベース・ジャバーごとに着艦しろ! 目測を誤るなよ! ・・」  「・・了解!・・」

MAC01・・司令室・・・・

「・・司令・・高速パトロール中隊からの報告で、周辺にストレンジャーは無いと・・」

「・・了解だ・・帰投させてくれ・・」

「・・了解・・それと、ダメージ・コントロールからもですが・・やはり外壁に付着物がありました・・生体発信機18個を除去したそうです・・・」

「・・分かった・・ご苦労さん・・・」

「・・強行工作中隊は、ファントムペインが収容中です・・」  「・・分かった・・」

私はコーヒーを飲み干してカップを皿に戻すと、一度立ち上がって座り直した。

「・・オペレーター・・ネプチューンを呼んでくれ・・・」

「・・交信しますか・・?・・」   「・・ああ・・」

「・・分かりました・・・亜空間通話回線を接続します・・・」

10秒ほどして正面のメイン・ビューワに、シードラゴン・クラス2番艦『ネプチューン』の、マーカス・コーネル艦長が映し出された。

「・・どうしました・・?・・直接通話とは、珍しい・・・」

「・・コーネル艦長・・対潜哨戒機がシーバットに接触するまで、どのくらいです・・?・・」

「・・約60分・・と言ったところでしょうか・・・」

「・・シーバットと直接に交信できますかね・・?・・」

「・・そちらからですか・・?・・」  「・・ええ・・」

「・・シーバットは現在、深度100、10ノットで航行していますが・・海面近くにまでループアンテナを伸ばしているので、交信は可能なはずです・・」

「・・分かりました・・ありがとうございます・・」 「・・どうするんですか・・?・・」

「・・パーフェクトフルオープンチャンネルで交信します・・」

「・・なるほど・・いよいよですね・・」

「・・はい・・今のところ米軍は、撃沈を目的としてシーバットを攻撃しないでしょうが・・同盟は違うでしょうから、同盟の戦力が現れた場合の対処はお願いします・・」

「・・分かっています・・それは、任せて下さい・・・」 「・・それでは、また・・」

交信は終了した・・私はまた立ち上がり、脚を肩幅より少し広く開いて、両手を背中で組んだ。

「・・オペレーター・・50分間の時限公開で、パーフェクトフルオープンチャンネルを3MHzで開設する・・基幹となるファイヤーウォールの上に、タイプの違う攻勢防壁と誘導防壁を3種類ずつ、交互に重ねるセットをワンセットとして、3セット重ねてくれ・・そしてセットとセットの間に、タイプの違う逆探知防壁を挟み込んで構築してくれ・・搬送波や交信を装ったハッキングに注意してくれ・・同盟からの精神感応波による攻勢が強まる可能性があるから、ディフレクターシールドパワーを30%アップ・・・」

「・・・発信位置は、ここで良いのですか・・?・・」

「・・ここで構わない・・MAC01は、何者からも隠れない・・」

「・・了解しました・・・作業中・・・・設定完了・・・司令の合図で公開します・・・交信内容は、記録しますか・・?・・」

「・・勿論、50分間の中での内容は、完全に収録する・・」 「・・了解・・」

一つ息を吐いた。・・・そして・・「・・オープン・・」

「・・・世界の皆さん、こんにちは。こちらは、S S D O ソーラー・システム・ディベロップメント・オーガニゼーション 私は、代表のシエン・ジン・グンです・・・繰り返します・・世界の皆さん、こんにちは。こちらは、S S D O ソーラー・システム・ディベロップメント・オーガニゼーション 私は、代表のシエン・ジン・グンです・・・私から、先ず世界の皆さんにご挨拶を申し上げます・・これは、50分間の時限公開で開設され、3MHzに設定されました、全世界完全公開の、相互に自由な交信の可能な、パーフェクトフルオープンチャンネルです・・私はこれより、ある国に対して交信を呼び掛けます・・その交信の内容は、世界に完全に公開されます・・また、その交信の途中で、誰でも私に交信を呼び掛ける事が可能ですし、その交信の内容も世界に完全に公開されます・・もしも私達、S S D O と対話されたい方がいらっしゃいましたら、交信の途中でもご自由に呼び掛けて下さって結構です・・ただ、交信の内容は総て公開されますことを、ご了承ください・・それでは、先ず私から、ある国に交信を呼び掛けます・・『独立戦闘国家・やまと・』応答を願います・・『独立戦闘国家・やまと・』応答を願います・・こちらは、貴国との対話を希望しています・・『独立戦闘国家・やまと・』応答を願います・・待機します・・」

『やまと』ブリッジ・・・・

「・・艦長・・」  「・・山中・・速度同じでアップトリム5°・・艦橋深度まで浮上・・」

そう言って海江田四郎はマイクカフを取り上げ、オールオープンに切り換えて口を開いた。

「・・こちらは、やまと・・独立戦闘国家・・やまと・・私は艦長であり元首の海江田四郎です・・そちらからの交信の呼び掛けに感謝します・・」

「・・初めまして・・海江田艦長・・こちらは、S S D O・代表のシエン・ジン・グンです・・・応答に感謝します・・これから、よろしくお願いします・・こちらも、貴方との交信を望んでいました・・貴方から発せられましたメッセージは、拝聴致しました・・・こうして、お話できた事に感謝します・・」

「・・初めまして・・シエン・ジン・グン代表・・ご丁寧な応答に感謝します・・メッセージを聴いて頂き・・感謝します・・私も、そちらから発信されましたメッセージは・・大変に興味深く拝聴しました・・それが・・私がそちらとの対話を望んだ契機でもあります・・・」

「・・海江田艦長・・私達のメッセージを聴いて頂き、感謝します・・宜しければ、私の事はシエンと呼んで下さい・・貴方から発せられましたメッセージも、興味深く拝聴しました・・私達とそちらとは、何か通じるものがあるように感じます・・・」

「・・ありがとうございます・・シエン代表・・私もそちらとは、共通項があるように感じています・・お互いに共通するところを基点として・・協力・共同ができるところもあるのではないか、とも感じています・・・」

米海軍太平洋第7艦隊揚陸指揮艦ホワイト・ベンフォールド・ブリッジ・・・

「・・通信士! 3MHzにセットしろ! 交信に割り込む! 」

「・・ドラン司令! そのような命令は出ておりません! 」

「・・これも命令の範疇だ。急げ! 」  「・・・了解・・・」

そう言ってヘンリー・ドランは司令席に座り、マイクカフを取り上げてオールオープンにした。

「・・こちらは、アメリカ太平洋第7艦隊である・・米海軍の所属として就航・就役しながら、同艦隊を許可なく離脱した脱走艦シーバットに対して通告する・・直ちに交信を中止し、速やかに浮上・武装解除の上で、迎えの対潜哨戒機編隊の指示に従い、原隊に復帰せよ・・これは厳命である・・シーバット、応答せよ・・」

「・・こちらは、S S D O 代表のシエン・ジン・グンです・・・このパーフェクトフルオープンチャンネルのホストを務めています・・・このチャンネルに参加される場合には・・本名と所属を明らかにして下さい・・・でなければ、誰からの応答も得られません・・繰り返します・・このチャンネルに参加される場合には・・本名と所属を明らかにして下さい・・でなければ、誰からの応答も得られません・・・」

国際連合本部・特別通信室・・・・・

「・・セットできたか!?・・」 「・・できましたが、割り込んで良いんですか・・?・・」

「・・構わん! フルオープンチャンネルだと言っていただろ ?・・それにこんなチャンスはもう無いぞ!・・」  「・・分かりました・・・いつでもどうぞ・・・」

「・・あーこちらは国際連合本部の特別通信室・・・私は国際連合事務総長のジョージ・アダムズです・・聴こえますか?・・こちらは国際連合本部の特別通信室・・・私は国連事務総長のジョージ・アダムズです・・・このパーフェクトフルオープンチャンネルに参加します・・・応答を待ちます・・・」

「・・こちらは、S S D O・代表のシエン・ジン・グンです・・初めまして・・ジョージ・アダムズ国連事務総長・・このオープンチャンネルにようこそおいで頂きました・・歓迎させて頂きます・・・私も貴方とはお話したいと思っておりました・・・地上の方々からこちらに直接交信の呼び掛けを頂いたのは、貴方が最初です・・・貴方とお話ができました事に感謝します・・・」

「・・こちらは、アダムズです・・初めまして・・シエン・ジン・グン代表・・ご丁寧な応答に感謝します・・私も、そちらから発せられましたメッセージは、大変に興味深く拝聴しました・・私は国連事務総長として、また、拡大安全保障理事会議・議長として、貴方との対話を望みました・・その目的は、対話を通じて貴方と、S S D O の事を、もっとよく知るためです・・・」

「・・こちらは、アメリカ海軍・太平洋第7艦隊所属・揚陸指揮艦ホワイト・ベンフォールド・・私は、ヘンリー・ドラン中将・・改めて脱走艦シーバットに厳命を通告する・・直ちに浮上し、武装解除の上、迎えの対潜哨戒機の指示に従い、原隊に復帰せよ・・繰り返す・・直ちに浮上し、武装解除の上、迎えの対潜哨戒機の指示に従い、原隊に復帰せよ・・応答を待つ・・・」

「!司令! こちらの艦名・所属・本名・階級・ポストを明らかにすることは、重大な軍機密漏洩行為では?・・」

副官のミッチェル大尉が声を上げた。

「・・大尉・・それが該当するのは、作戦行動中の潜水艦・正規及び特殊部隊・海兵隊などだ・・・本件には該当しない・・・」

「・・ヘンリー・ドラン司令・・こちらは、独立戦闘国家・やまと・私は艦長の海江田四郎です・・シーバットなる艦は既に存在しません・・本艦は独立戦闘国家・やまと・です・・・何ものにも所属しておりませんので・・何者からの命令も受け付けません・・」

「・・ヘンリー・ドラン司令・・アダムズ事務総長・・S S D O のシエン・ジン・グンです・・その他に世界中の総ての皆さんにお伝えします・・・S S D O は『やまと』を独立国として認定しましたので・・独立国として対応させて頂きますし、独立国として尊重致します・・・何者をも『やまと』に対して、命令する事は出来ないと考えております・・」

「・・ヘンリー・ドラン司令だ・・脱走艦シーバットとのみ交信する・・再度、脱走艦シーバットに厳命を通告する・・浮上し、武装解除し、指示に従い、原隊に復帰せよ・・指示に従わない場合は、攻撃を加える事も辞さない・・・」

「・・ヘンリー・ドラン司令・・シエン・ジン・グンです・・・世界中が耳を傾けているこの交信の最中に、過激な行為は控えて頂きたい・・・それに、シーバットと言う名の艦は既に存在しませんし、『やまと』は独立国として尊重されなければなりません・・・S S D O は『やまと』が、どのような種類に於いても、不当な圧力を被ることを容認しませんし、傍観もしません・・S S D O と『やまと』との間には、まだ何の契約もありませんが・・尊重されるべきものを尊重するために・・S S D O は必要な措置・行動を選択します・・・」

「・・ヘンリー・ドラン司令・・ジョージ・アダムズです・・・国連事務総長としても、拡大安全保障理事会議議長としても、当該艦をどちらの名前で呼ぶべきなのかと言う事については・・まだ決められないのだが、この特別通信室は、当該艦と交信し対話し、その内容を拡大安全保障理事会に掛けて、対応を協議の上決定すると言う事でも、開設を承認され、対話と交信に於いては、私に一任されている・・・交信と対話により、必要な情報が集まるまで・・・示威に於いても物理に於いても、圧力行動は控えて頂きたい・・・そのように要請する・・・確認を取りたければ、アメリカの国連大使に問い合わせて貰いたい・・・」

「・・アダムズ事務総長・・ヘンリー・ドランです・・要請は拝聴しました・・・少し上官と協議する必要がありますので、暫く交信を中断します・・・ですが、これだけは申し上げたい・・・アメリカ政府がシーバットを独立国として認めない限り、シーバットに対しての命令権は、この私にあります・・・それは、お忘れの無いように・・・」

「・・ヘンリー・ドラン司令・・シエン・ジン・グンです・・このパーフェクトフルオープンチャンネルの残り時間は・・あと30分ほどです・・交信を再開されるのでしたら、それまでにお戻り下さい・・閉鎖までは、お待ちしております・・・」

「・・・了解した・・・」

 

そう応答して交信を閉じた。

「・・ミッチェル大尉! ドール統幕議長を呼び出してくれ・・」 「・・了解しました・・」

「・・シエン代表・・海江田四郎です・・『やまと』を独立国家として認定して頂いた事と・・独立国として尊重したいと表明して頂いたことに対しまして・・感謝を申し上げます・・人が作った組織としては、最初の認定者です・・」

「・・海江田艦長・・シエンです・・お礼には及びません・・S S D O も人が作った組織として、この地球圏の中では新参者ですのでね・・・相見互いに・・お互い様と言う事です・・ご承知かと思いますが・・S S D O は国家ではありません・・N G O であり、流通機構でもあり、建設公社のようなものでもあります・・ですので、協力・共同的な結び付きを顕すのでしたら、『契約』と言う形になります・・・それでは、海江田艦長・・また・・アダムズ国連事務総長もご同様に・・S S D O に対して、質問はございますか・・?・・・」

揚陸指揮艦ホワイト・ベンフォールド・作戦通信室・・・・

「・・ヘンドリック・ドール議長とつながります・・」  「・・ああ・・」

液晶の大画面に、デスクに座るドール議長が映し出された。

「・・ヘンリー・ドラン中将・・報告は受けているし、ライブでも聞いていたよ・・深刻な軍規違反と言うほどではないが、褒められるものでもないな・・・」

「・・・恐縮です・・・ドール議長・・・」

「・・我が国の国連大使に訊いたが、先の会議で承認されたのは、対話についてはアダムズ事務総長に一任するが、米日が双方協力の下でシーバット問題の解決に当たると言う事については、鋭意努力して貰いたいし、邪魔はしない、と言う事だったそうだ・・・」

「・・それでは・・?・・」

「・・オープンチャンネルの閉鎖まで、もうあまり時間が無いな・・君の裁量に任せるよ・・・再び交信に割り込んで、シーバットに通告するもよし・・既に通告済みとして哨戒機と原潜でプレッシャーを掛け、降伏を促すもよし、とする・・やってくれ・・」

「・・了解しました・・最善を尽くします・・・」   「・・頼む・・・」

映像は消えた。

「・・シエン代表・・海江田四郎です・・地球圏全体に対して・・人類社会の・・あるべき存在の形とは・・どのようなものとお考えでしょうか・・?・・」

「・・海江田艦長・・シエンです・・地球圏全体に山積している諸問題を解決するため・・効率的、発展的、持続的なアプローチを行い・・解決に至るまで継続するには・・地球上での人類社会が・・一つに統合されるべきと考えています・・・海江田艦長・・独立された『やまと』が・・目指そうとするものについて・・伺ってもよろしいですか・・?・・」

「・・シエン代表・・まだ始めたばかりですし・・紆余曲折もあると思いますし・・段階的に進むものでもあるであろうとは思いますが・・現段階で端的に申し上げさせて頂けるならそれは・・・『サイレント・セキュリティ・シーバイス・サービス・フロム・ザ・シー』・・と、言えるであろうと思います・・・」

「・・海を基点とする沈黙の安全保障・・と言うような意味合いでよろしいでしょうか・・?・・」    「・・・それで結構です・・・」

「・・シエン代表・・海江田艦長・・アダムズです・・それは・・民族自決の権利をも否定した無政府主義(アナーキズム・anarchism)ではないのかね・・?・・」

「・・アダムズ事務総長・・シエンです・・S S D O は現状に於いても・・近い将来に於いても・・遠い未来に於いても・・国家や、政府自治体の存在を否定するものではありません・・総て契約の対象としております・・・ただ、これからの理想的な状態の可能性の一つとして・・・全地球圏の人類社会を・・たった一つの行政組織にまとめあげなければ・・諸問題の解決は、出来ないだろうと言う見解を、申し上げたまでです・・・」

「・・アダムズ事務総長・・海江田四郎です・・我が『やまと』も、シエン代表とほぼ同様の見解を持ちます・・各国家の政治から軍事力を分離しなければ・・地球圏の行政を統合へと向かわせる道筋さえ見出せないでしょう・・・我が『やまと』の存在こそが、その最初の試みなのです・・・」

「・・シエン代表・・アダムズです・・地球上の誰とも・・契約を結ぶ用意があると言われましたか・・?・・」

「・・はい、申し上げました・・S S D O は個人・家庭・地域自治会・学校・企業・組織・団体・自治体・国の如何や規模を問わず・・・契約条項が遵守されるのなら・・契約を締結します・・・」

「・・それには、反社会的な活動をしている、テロ組織なども入るのですか・・?・・」

「・・その場合には、いかなる反社会的な活動も、完全に辞めてもらう、と言う条項が契約内容に入りますし、それが完全に検証できるまで、どのような契約も発効しないと言う事になります・・・」

「・・・続けて海江田艦長に伺うが・・貴方の言われる『海を基点とする沈黙の安全保障』の体制は・・原潜1艦だけで可能なのかね・・?・・」

「・・アダムズ事務総長・・確かに1艦だけでは、可能性は小さいでしょう・・ですが、我が『やまと』が存続し続ける事で、世界や各国の政治・経済・軍事や社会や様々な人々に影響を与え続けるなら・・この安全保障体制に加わろうとする意志も、その動きも、多く・大きく立ち顕れて来るだろうと確信しています・・・」

「・・それでは海江田艦長・・もしも口頭で宜しければ・・S S D O と『やまと』との間での、契約条項についての申し合わせに入っても宜しいでしょうか・・?・・」

「・・ぜひ、お願いします・・・」

「・・『やまと』は、『海を基点とする沈黙の安全保障』体制の構築・確立・維持・存続・発展・運用に関して・・必要と判断される行動を常に採用する・・・・S S D O は、『やまと』の行動とその目標・目的を全面的に支援し・・必要と判断する情報を共有し・・必要と判断する総てを供給し、提供し配慮する・・・以上です・・・」

「・・それで、結構です・・・ありがとうございます・・・」

「・・S S D O としての初めての契約を、『やまと』との間に締結する事が出来た事に、感謝します・・・そしてこれをお聴きの世界中の皆さんにお知らせします・・S S D O と『やまと』は正式に契約を締結しました・・・たった今より、『やまと』の前に立ちはだかる障害は、S S D O にとっても障害であり、『やまと』に対して敵対的行動を執る存在は、S S D O にとっても敵対的な存在となります・・・続いて『やまと』に接近中の対潜哨戒機と、原子力潜水艦と、これをお聴きになっているであろう、ヘンリー・ドラン中将に通告します・・・『やまと』に対して圧力を掛けるのは辞めて下さい・・・『やまと』から12海里の以内には入らないよう警告します・・・S S D O は『やまと』を・・不当な圧力や攻撃から全力で守ります・・・」

「・・・こちらはヘンリー・ドラン司令である・・・脱走艦シーバットに対して、最後の通告を行う・・・アメリカ合衆国は独立など承認しない・・・シーバットはアメリカ合衆国及びアメリカ海軍の所有物である・・・直ちに降伏し、浮上、武装解除の上、こちらの指示に従い帰投せよ・・従わなければ攻撃する・・・」

「・・ドラン司令・・海江田です・・貴方は貴方の立場で・・やるべきと考える事を、行えば宜しいでしょう・・本艦は『やまと』として、あくまでも存続し続けます・・攻撃されるのなら・・反撃もします・・・」

「・・ドラン司令・・シエンです・・重ねて申し上げますが、攻撃は辞めて下さい・・我々は阻止行動を採ります・・・」

「・・内政干渉は辞めて頂きたい・・それに10万キロ以上も離れた虚空にいる君たちに、こちらへの攻撃オプションがあるとも思えない・・・ともかく、通告は以上で最後である・・シーバット艦長の賢明な判断と、行動の選択に期待する・・以上でこの交信からは離脱する・・オーヴァ・・」

その時、クラーケン・クラス『マンダ』から、発射管装填音が聴こえた。

ネプチューン・ブリッジ・・・・

「!・艦長!」  「何本だ?」  「・・1本ですね・・」  「・・『やまと』にも聴こえたな・・」  「・・おそらく・・」   「・・1本で装填音も聴かせたと言う事は、我々の存在をあぶり出すつもりだな・・・クラーケンに1番積まれているのは、120ノットにも到達する、ウォータージェットと電磁推進併用の水中ミサイルだ・・知っていないとかわすのは難しいかな・・・」 「・・どうしますか?・・」 「・・様子見だ・・」

 

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