機動戦史ガンダム 双眸のガーディアン   作:アルファるふぁ/保利滝良

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5話 Bパート

直径93km 深さ3kmの窪み、800メートルのグランガンが豆粒ほどに見える、非常に大きなクレーター。

 

月の裏側に位置する、ダイダロスという名のクレーターである。

 

その一角を占領して建てられた基地。そのものずばりダイダロスクレーター基地。そこはコロニー連盟各国軍の、地球侵攻のための中継基地だ。

 

月面にドーム状の建物が無数に並んでいる。このドームの中は人間が生きていくのに必要な大気が再現され、宇宙服を着ないでも生活が可能となっている。

 

ナルカ共和国艦隊は、ガイドビーコンに従い、ダイダロス基地へと降下していく。月の重力圏へ突入し、スラスターを用いて緩やかに月面着陸。

 

全ての艦が月面へ降りた。ドームの外壁が開き、そこから作業用モビルスーツや宇宙艇が多数出てくる。整備とメンテナンスのための人材である。

 

グランガンのブリッジルーム。モニターの向こうにいる整備士へ、クルー達が敬礼をした。相手も敬礼を返してくる。

 

特に何事もなく、無事到着。喜ばしいことだ。このダイダロス基地は連盟の共同管理のため、物資がある限りはどのコロニー国家ももてなしてくれる。多少時間はかかるかもしれないが、旅立つ頃には、艦隊各艦は最高の状態になっているだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「やあやあ、君が連邦の新型をパクってきたっていう地球人?!話は聞いてるよ、いやー会えて嬉しいよ!」

 

月へ降り、クインスローンから小型宇宙艇でドームの中へ入り、その宇宙艇を降りた目と鼻の先で、大きなアフロの男が唾を飛ばしながらまくし立てる。サブローは面食らった。

 

その男を見た瞬間、同乗していたナルカの兵士が嫌そうな顔をするのが見えた。

 

「な、なんだあんた!」

「ああ、君は僕のこと知らないか。僕はね、クニヒコ・オータっていうんだよ。連盟で総合技術者やってる。今の仕事は新型モビルスーツの開発で…」

「お、おう…俺はサブロー・ライトニング。一応、ナルカ共和国の…客人だっけ?やってる」

「そう!」

 

挨拶はもう良いとばかりに、アフロのクニヒコは話を移す。

 

「早速だけどサブロー、君の盗んだ機体、ちょっと弄らせてよ!データ取りとか、少しボロくなってるからオーバーホールとか、色々やりたいんだよね」

「な、何で俺に聞くんだ?」

「何って、あれはまだ連盟の所属じゃないからね、現在は君の個人保有という扱いになってる」

 

だから君に確認を取らなければいけない。クニヒコはそう言って笑った。何がおかしいのかさっぱりわからない。

 

ナルカ兵の一人が、悪いやつじゃないんだけどな、と耳打ちしてくる。確かにクニヒコには悪意はなさそうだが、雰囲気はサブローの知る誰とも一致しない。

 

正直、初めて会うタイプなので困惑しっぱなしだ。もしや技術者とはみんなこうなのか。

 

「まあどっちにしろ、報告の通りなら、色々するんならパイロット認証をパスしないといけないかもしれない。そういう意味で、君に把握してもらいたかったのさ」

「そ、そうか」

「画像と動画のデータはよく見たけど、あのくらいなら完全回復は一週間かな?ウチの機体なら4時間もしないけど、連邦の新型だから色々面倒なんだよ」

 

相手の様子を鑑みずにベラベラと話し続けるクニヒコ。サブローは会話の内容にも会話のスピードにもついていけない。

 

真面目に付き合ったら疲れ切ってしまう。適当に相槌を打ちつつ、サブローは別のことに想いを馳せた。

 

ソーラのことだ。

 

サブローは、ソーラから勧誘を受けた。地球の知識に乏しい彼女を支えるアシスタントの仕事への誘いだ。

 

だが、返事はすぐにしないでいいと言われた。そして、返事を出すまで会わないようにする、とも言われた。

 

「…いえ、やはり少し会えません。というより、しばらく会わないようにしましょう」

「先程の話、お互いの答えが出るまで、私達は会わないようにしましょう。少し頭を冷やす意味も込めて…」

 

このセリフと共に、先程までソーラとサブローを繋いだ交流はプツリと途絶えた。ソーラはサブローと会わず、サブローはソーラに会えない。

 

乗る船が変わったのもある。物理的に会えなくなっているのだ。だが、それを加味しても、サブローの胸の寂しさは大きかった。

 

会わないようにしようと言われただけで、二人の間の精神的な繋がりが切れてしまった気がした。いや、そんなものを持っていたのは自分だけで、ソーラ女王は初めからサブローに対して何の情も持っていなかったかもしれない。この寂しさは自分の思い上がりなのかもしれない。

 

サブローは悩んだ。その中で、アシスタントの話も同時に脳裏に浮上してくる。

 

本当にこのまま、ソーラに着いて行って良いのか、悪いのか。殺し合いに加担する羽目になるかもしれない。

 

ソーラから離れたことで、即答しようとしていた問題としっかり向き合おうという気持ちになった。

 

頭を冷やす、というのは、こういうことだったのか。

 

「サブロー?どうした?」

 

足りない頭を必死に回していると、クニヒコが心配そうに呼びかけてきた。

 

考え事に夢中になって、目の前の相手のことに気を配れなくなっていたらしい。

 

「なんでもない」

「そうか。ならいいや。じゃあ、よろしくね〜」

 

そう言って、クニヒコは去って行った。

 

変な奴がいなくなって、ゆっくりと考えることができる。一週間もあれば、答えは出るはずだ。

 

「…部屋に行くか」

 

何はともあれ、まずは休む必要がある。初めて来た地球の外の世界で、無駄な疲労を生まぬために。

 

ダイダロス基地で割り当てられた部屋へと、サブローは向かった。

 

 

 

 

 

それからのサブローの一週間は、軍事基地にいるとは思えないように腑抜けていた。用意された部屋で寝転び、食堂に行って飯を食い、クニヒコに呼び出されてガンダムの修理の手伝いをする。それだけである。

 

今までのようにモビルスーツに乗ることもなければ、ましてや戦闘することもない。命の危険がないのだ。そして、ソーラと話す機会もない。

 

「ソーラ様?本国と会議したり、連盟と会議したりしてる」

 

食堂にいたナルカ兵に話を聞けば、そう答えてもらって、それで終わり。女王は女王らしく、百姓の息子はそれらしく、元の関わりのない世界へと移ったようだった。

 

月面にたどり着いてから一週間が過ぎた。部屋のインターフォンが押され、チャイムに飛び起きる。来客だ。

 

ソーラ、は絶対に来ないだろう。ならクニヒコだろうか。否、彼はさっき去ったばかりだ。ガンダムの修理が滞りなく終了したことを報告してきた。

 

じゃあ誰が。そう思って自動ドアのロックを解除する。

 

ドアが横にスライドすると共に、目の前に精悍な顔付きの男がいた。黒いくせ毛に真面目そうな表情。サブローはこの顔を知っている。ナルカ共和国の親衛隊長、ショーン・ザンバー。

 

「着いてこい」

 

ショーンはそれだけ言って、ズカズカと廊下を歩いて行く。

 

「あ、ちょっと!」

 

コケながら、サブローはそれに着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイダロス基地、ドームの外。無数に並べられたライトを使って申し訳程度に仕切られた一区画。ここは、言うなればこの基地のモビルスーツ訓練場。

 

監視塔をはじめとした周囲の建築物も相まって、まるで体育場のように見える。そんな場所で、二機のモビルスーツが戦闘を行なっている。

 

「くそ、当たらねえ!はっえぇ!」

 

片方は、サブローが乗るガンダム。連邦の試作機。一週間に渡るオーバーホールを終え、全快の状態だ。

 

「さて…」

 

もう一方は、ショーンが駆るディヴァイン。ナルカ共和国の試作機。スピード以外はガンダムに劣る機体だが、そのスピードを武器に立ち回る。

 

この二機の戦いは実戦ではない。ショーンが提案した模擬戦だ。ショーンの思惑はともかく、ガンダムの実動データが欲しいクニヒコは喜んで許可した。

 

双方の片手には、モビルスーツの装甲と同じ素材のロッドが握られている。

 

この戦いのルールは簡単。ロッドを合わせて3回相手に叩き込めば勝ち、というものだ。

 

そして、サブローは既に1回、棒でぶん殴られていた。

 

「がああ!」

「う…くっ」

 

スラスターペダルを踏んで、月面から飛び上がるガンダム。その方向にはディヴァインがいる。

 

月の重力は地球の6分の1。高推力スラスターを備えたモビルスーツにとってはあって無いようなもの。迫るガンダムに、ショーンは距離を取る。

 

「うぉらぁ!あぁ、くそッ!」

 

振り下ろすロッドは虚空をかすめる。ハズレだ。スラスター光の残滓を振り切って、ディヴァインが視界の外へ飛ぶ。

 

重力があるとはいえ、月の環境は地球とは大きく違う。ほぼ宇宙空間のようなもの。地球外でモビルスーツの操縦をしたことがないサブローには、全くもって未知の世界だった。

 

地面に足がついておらず、ふわふわとした浮遊感が気持ち悪い。重力はあるため上下の感覚はかろうじて認知できる。だが、それでも地球と勝手が違う。

 

前後左右だけでなく、360度全周囲に動けるし、360度全周囲からの攻撃に注意せねばならない。地球生まれ地球育ちのサブローには難しい。

 

全周囲からの攻撃に気を配れぬ故に、自分から見て下へ回り込んだディヴァインに対応できない。

 

「ふっ!」

「うぉっマジか!?ぬっぐぅ!」

 

ロッドの先端がガンダムの尻を引っ叩く。2回目の被弾。対してこちらはまだ一太刀も浴びせていない。

 

ディヴァインの速さは、重力や大気といった制約がないぶん、磨きがかかっていた。大気圏飛行に必要なビームの翼を展開していないにも関わらず、地球の空を飛んでいる時よりもスピーディに動いているように見えた。

 

「は、えぇんだよ!」

 

恐ろしいのは相手の機体のその速さではない。超スピードを華麗に操るパイロットの方にあった。

 

ショーンはただ速度に振り回されているのではない。動体視力、反射速度、思考スピード、それら全てを経験とセンスで活かし、高速戦闘として発現させている。

 

この模擬戦のルールは棒で3回叩くだけ。相手に対して装甲とパワーで優っているガンダムの強みは潰されたも同然。速さと腕で負けているのでは、もう話にならない。

 

スラスター移動で追い縋ろうにも、直線距離の追いかけっこではまず追いつけない。

 

「サブロー、動きが甘いぞ!戦闘のど素人なのはやはり本当らしいな」

「あぁ!?」

「農家をやるのがお似合いだ!」

 

通信機からショーンが呼びかけてくる。

 

「実戦では、一回サーベルを突き立てられたら終わりだ!もしこれが本物の殺し合いなら、お前はもう死んでいる!」

「何が言いてえんだ!」

「ソーラ様のアシスタントと言えば聞こえはいいが、連盟首脳部の欲しているのはそのガンダムだ!戦闘用モビルスーツを、これからもお前に扱わせようとしている!」

「だから、なんなんだよ!!」

「地球へ帰れ。俺たちに着いて来たら…」

 

複雑な機動でサブローを翻弄し、真っ正面から突っ込んでくるディヴァイン。ガンダムはとっさにロッドを左手に持ち替え、ディヴァインの一閃を受け止める。

 

肉薄する二機。重々しく、ショーンが告げた。

 

「お前は死ぬ!」

 

サブローは、吠えた。

 

「うるせぇッ!」

 

ガンダムの左腕が、ロッドを固く握りしめる。スラスター噴射で押し合いになった二機は、双方一歩も退かない。

 

「さっきからブツブツ言いやがって、そのことなら、こっちゃもう答えが出てんだよぉ!」

 

利き腕に持ち替えて、ようやく鍔迫り合いに持ち込めた。ショーンとの腕の差に軽く絶望する。

 

だが、サブローは怖気付かなかった。眼光鋭く、モニターの向こうのディヴァインを睨んだ。

 

「俺には知りたいことがあんだよ!」

「何だ、それは!」

「兄貴が死んだ理由だ!なんでイチローは死ななきゃならなかったのか、どうしてあんな馬鹿なことしたのか!ソーラさんなら教えてくれる!」

「その答えをソーラ様が持っていなかったらどうする?!」

「俺一人じゃ答えが出ねえんだよ!俺は馬鹿だから、この世の中のことを勉強しなきゃなんねえ!ソーラさんの近くなら、それができる!」

 

鍔迫り合いの状態から、お互いに相手を弾き飛ばし、ほんの少しの距離を取る。月面から数十メートル離れた宙域で、二機のモビルスーツがもう一度、相手に向かって棒を振りかざす。

 

ディヴァインのスラスターと、ガンダムのスラスターが、焔を吐いた。全速前進、もう止められない。

 

「だから帰るなんてできねえんだよォ!」

「くっ…!」

 

二つのスラスター光がすれ違う。サブローのコクピットに、軽い衝撃が走った。

 

3回目の被弾。サブローの負け。さっきの交差で、胴体にロッドを打ち込まれたようだ。

 

だがそれは、ショーンの側も同じ。ガンダムによって、不覚にも一太刀浴びせられてしまったのである。

 

「しゅ〜りょぉ〜!勝者、ショーン・ザンバー親衛隊長!双方ロッドを持ったまま元の格納庫へ戻れ!」

 

クニヒコの通信。二人に返答をする余裕はない。特に、サブローは疲れ切った表情で目を半開きにしていた。

 

「…サブロー」

「ヒィ、ヒィ…あぁ?ど、どうした?」

「降りたら着いてこい。いいな」

「…うーっす」

 

生返事を返し、フットペダルを蹴る。スラスターが吹き上がり、ガンダムが移動を始めた。

 

喋りながらモビルスーツを操縦するのはしんどい。ショーンがこれを提案した意味がわからない。心身ともに疲れ切って、サブローは訓練場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンダムから降り、ショーンに言われた通り着いて行く。殺風景な月基地の廊下を進んでいけば、質素なつくりのドアが見える。

 

ショーンは、後ろでサブローを待たせたままドアをノックした。

 

「ソーラ女王、今よろしいでしょうか」

「ショーンですね。用件はなんでしょうか」

「サブローを連れて参りました」

「…ご苦労であった。二人とも入りなさい」

「はっ」

 

失礼します、と言いながら、ショーンはドアノブを引いた。サブローはショーンの後ろにいるので、開けた先の部屋の様子が見える。

 

部屋はそこそこに広かった。少なくとも、このダイダロス基地でサブローに与えられた個室の倍はある。

 

青いカーペットの上にプラスチックの執務机が鎮座し、その両隣にはファイルの入った本棚がある。部屋の一番向こうにはテレビがあったが、使われている様子は全くない。そして、サブローにとっては部屋の様子など一切どうでもよくなる視覚情報もあった。

 

ソーラがいる。少し前に出会い、一瞬でサブローの心を奪い、一週間前まで頻繁に何気ない話を交わし、一週間前に突然会えなくなってしまった、ナルカ共和国の女王が、そこにいる。執務机とセットの椅子に、ちょこんと座っている。

 

たった一週間で何が変わるわけでもなく、視界の先にいるソーラは、一週間前とまるで違いがなかった。

 

青緑のロングヘア。大人びた長いまつ毛にパッチリとした瞳。非常に端正な美しい顔立ち。一週間それを忘れることのなかった、その見た目。

 

「…お互いに親密になりすぎたので、一度離れて頭を冷やそうと考えましたが」

 

苦笑いのような表情で、右隣のメイヴィーを向く。

 

「効果はなかったようです」

 

数秒、女王に失礼のない返答を脳内で探して、メイヴィーはようやく返した。

 

「お気に病む必要はありません女王。どのような答えを出すのかが重要です」

「そうですね、ありがとう」

 

ソーラが、サブローの方を向きなおる。視線が合って、一瞬のうちにサブローの心臓が跳ねた。体温が上昇し、黒髪の毛穴が開ききる錯覚が襲う。

 

「私は…貴方をスカウトすることは単なる場乗り的な思考ではないと自己分析できました。とある事情により、貴方が持ち寄ったモビルスーツを我々が運用する運びになりました。貴方がいれば、そのことに関して多いな進展が得られます。そして同時に、貴方の持つ知識も我々は欲しています。先週までのように、貴方から農業や畜産のお話を聞き、それを私達の生活に役立てたい」

 

スラスラ読み上げられる長ゼリフ。一切噛む気配がない。

 

ソーラが執務机の上に一枚の紙を置く。遠くからでもわかる程に文字がびっしり書かれたそれは、恐らく契約内容の確認書類だろう。隣に置かれるペン。

 

「サブロー、もう一度問います。貴方さえ良ければ、私の専属アシスタントになって欲しい。私は貴方の持つ様々な物事を必要としています。嫌ならば、ナルカ共和国の名において、責任を持って地球に送り返しましょう。もし…この誘いを受けるなら、この書類に名前をサインしてください」

 

サブローは、ソーラを見つめつつ、書類の方へ近付いた。二人の距離が縮み、間には無骨な執務机が残るのみ。

 

ソーラとサブローが見つめ合い、その二人を、ショーンとメイヴィーがじっと見る。

 

「お給料なんか欲しくないっす。でも俺、お願いがあるっす」

「お聞きします」

「前にも言ったと思うっすけど。俺は兄貴が死んだ理由を知りたい。なんでイチローは死ななきゃならなかったのか、どうしてあんな馬鹿なことしたのか、それを知りたい」

「覚えています」

「俺は何も知らなさすぎる。自分で何かの答えを出すこともできない。だからそのために、俺に世界の色々なことを教えて欲しいっす。ソーラさんの見えてる世界を、俺にも教えて欲しいっす」

 

ソーラは即答した。

 

「わかりました。この先の旅路の中で、貴方にこのコロニーセンチュリーのことを教授させていただきます」

「ありがとう、ございます」

 

おもむろに、ペンを手に取る。そのまま、内容をろくに読みもせず、記入欄に字を記して行く。

 

サブロー・ライトニング。誰が読んでもそう見えるように、大きくはっきりと記入する。

 

書き終えたペンをサブローが机に戻した後に、ソーラは書類を引き寄せ、眺めた。サブローの名前をじっくりと、眺めた。

 

頷き、言う。

 

「今この瞬間より、サブロー・ライトニングはこのソーラ・レ・パール・ナルカの専属アシスタントとなりました。サブロー、貴方を心より歓迎します。全力を尽くしましょう」

「…ウッス!こちらこそ、よろしくお願いするっす!」

 

ソーラが、笑顔を浮かべた。サブローが、つられて笑う。

 

今まで会わないようにした一週間が嘘のように、二人の距離が縮まった。物理的な面以外でも。

 

恐らく、その接近はこれからも進んで行くことだろう。農家の三男坊と、いちコロニー国家の最高指導者。二人の関係の進展は、どうなって行くのか。

 

渋い面をするメイヴィーを尻目に、ショーンが微笑む。一件落着だな、と、言いたそうな顔であった。

 

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