勤め先は6連休で8/16まで休み。
……なぜ17日も休みにしなかった?
まぁ、有給取ったんですけどね!
それでは10話どうぞ。
12月下旬。
すっかり寒くなりホグワーツは雪で白く覆われていた。
明日からはクリスマス休暇が始まる。
クリスマス休暇が近づくにつれ女子たち、特に聖28一族などの有力な貴族から休暇中は一緒に過ごさないかとリリは熱く誘いを受けていた。
しかし誘いは全て断った。
リリは勿論愛するママとお母様、そしてメイドたちが待つ家に戻るつもりだ。
更にはクリスマスは最愛の恋人、ハーマイオニー・グレンジャーと一緒にいると決めていたのだ。
ハーマイオニーにそれを伝えると喜んで了承してくれた。
そして次の日、クリスマス休暇初日。
リリとハーマイオニーはホグワーツからキングス・クロス駅に向けての列車に乗っていた。
初めて会ったコンパートメントと同じで中は二人だけだ。
他の女子たちにはあらかじめ二人きりが良いと伝えておりゆったりと二人だけの時間を過ごしている。
大体はリリのそばには女の姿があるので二人きりというのは夜の部屋ぐらいなのだ。
「リリの家って山奥にあるって聞いてるけどホグワーツに入学するまではどんな感じだったの?」
「前に言ったと思うけど、
(リンリー家のこと調べたことあるけど少しじゃないわよ……。
「ハーミー? どうしたの?」
「んーん、何でもないわ。幸せだなぁって。」
「私も幸せ。キングス・クロス駅に着いたらメイドのキャロルが待っている予定よ。その後は魔法で移動ね。今日はハーミーを見るために全員が外のお仕事も切り上げて歓迎会に参加するわ。」
「緊張するわね。歓迎会は何人になるの?」
「えーと……。私、ハーミー、ママ、お母様にメイドが5人で9人だと思う。他にもしかしたらサプライズで誰か呼んでいるかもしれないけど、多分ないかな。」
ハーマイオニーは前々から聞きたかったことを聞いてみることにした。
「ねぇリリ。やっぱりリリのママも……その、女性がパートナーなの?」
「うん。ママが当代のリンリー家の当主、ロザリンド・リンリーよ。でお母様が妻のレイラ。メイドたちもママのハーレムの一員よ。」
「やっぱりそうなのね……。それと気になっていたのだけど、リリのパパってどうしてるの?」
「? パパ? 何それ?」
「え?」
「ん? どうしたの?」
「いや、ちょっと待って! リリ、パパとか父親とかそういう人はいないの?」
「えーと。父親ってつまりは生んでくれた人の相手ってことよね? ママがそうよ。」
ハーマイオニーは混乱した。当然だ。
リンリー家が女性を惹きつけ女性と結ばれる家系というのは知っていた。
人とは本来雌雄で子孫を残す生物なのだ。
リンリーもその原則には当てはまった存在だと思い込んでいたのだ。
だが、世間には秘密のリンリー家とその愛人だけにしか伝えられていない秘密があった。
尚も混乱が続くハーマイオニーであったがリリに抱き寄せられ、その甘い香りに包まれると落ち着きを取り戻していった。
「ハーミー、大丈夫よ。私は、私たちリンリーは異常だと思うわ。それでもこの生き方に恥じることはないしあなたと恋人になれて幸せよ。私はあなたの全てを受け入れる。だからあなたも私の事を知っても離れないで。」
ハーマイオニーはそれを聞いて自分の常識で考えてしまう癖のせいでリリを不安にさせてしまったことを悟った。
同時に先ほどまでの会話で混乱こそしたが、リリやリンリー家に微塵も負の感情を持っていないことにも気が付いた。
「約束するわ。何を知っても、どんなことでもあなたから離れない。ずっと一緒よ。」
いまさらこの愛しい人から離れることを考えるなんてできそうにない。
二人とも声に出さずとも同じことを思っていると確信していた。
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キングス・クロス駅 九と四分の三番線。
蒸気機関車から降りるとメイド姿の女性が二人を出迎えた。
「お帰りなさいませ、リリお嬢様。そして初めまして、ハーマイオニー・グレンジャー様。私はリンリー家のメイド兼警護係のキャロル・フォードと申します。心より歓迎いたします。」
きっちりとメイド服を纏っているが、まるで規則に厳しい軍人のような印象を受ける。
「護衛係?」
「はい。ロザリンド様は少々敵が多いので……。コホン、さてそれではお二人ともお手を。」
差し出されたキャロルの手を握る二人。
その瞬間、周りの風景が一瞬で切り替わった。
先程までの人でいっぱいであったキングス・クロス駅のホームではなく森の中、そして目の前には豪邸が存在している。
「え? あれ? どういうこと!?」
「大丈夫です。ただの付き添いくらましです。」
「でも、何の違和感もなかったわ! 本には慣れてないとめまいや吐き気がするって。」
「それは未熟者の場合のみですね。熟練者ならばそのような事は起きません。それにお嬢様とその恋人に不快な思いをさせようものなら恥で死んでしまいます。」
平然とキャロルは言うが超一流の技術によるものである。
もちろん最初からこうだったわけではなく、主人の為の血のにじむような努力の賜物である。
「さあ、参りましょう。ロザリンド様とレイラ様がお待ちです。もちろん他のメイドも。」
久々の我が家にリリは足早に扉に近づいて思いっきり扉を開けた。
「ただいま!」
「お帰り! 会いたかったぞ!」
「お帰りなさい。会えてうれしいですよ。」
待ち構えていたロザリンドに抱きしめられ、その後ろにいるレイラも滅多に見せないぐらいの笑顔だ。
「「「お帰りなさいませ! お嬢様!」」」
メイドたちも声を揃えて天使を出迎える。
「お、お邪魔します……。」
そこにハーマイオニーが入って来る。
リリが選んだ娘がどんな子なのかとロザリンドとメイドは興味津々である。
「ママ、お母様、皆。紹介するわ! 私の最愛の人、ハーマイオニー・グレンジャーよ!」
「は、初めまして。リリ、リリアン・リンリーさんとお付き合いさせていただいています。ハーマイオニー・グレンジャーです。よろしくお願いします。」
「おー! 可愛い! リリはいい子を持ってきたなぁ!」
「……うん。磨けばもっと光りそうね。」
「確かに。いい感じね。ところで趣味は? 特技は? どこまでイった?」
「こらリディア! ゴメンね。ところでお嬢様との出会いはどんな感じだった?」
一斉に詰め寄られてあわあわしているとレイラが手助けしてくれた。
「はい、そこまで。とりあえずリリとハーマイオニーさんは荷物を置いてきなさい。寝室はリリの部屋です。リリ、案内してあげなさい。」
「はい。行こうハーマイオニー!」
「ええ。皆さん休暇中はよろしくお願いします。」
二人が部屋に向かっていく。もちろん手を繋いで。
それを見てニヤニヤしているロザリンドとメイドたちであった。
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リリの部屋ので荷解きを終え、二人でベッドでくつろいでいると扉をノックされた。
「お嬢様、ハーマイオニー様。ロザリンド様とレイラがお呼びです。」
「ママたちが? 分かったわすぐ行くわ。」
「何だろう? 私何かしたかな?」
「大丈夫、大丈夫。」
ロザリンドとレイラの部屋に行くと紅茶の準備が整えられ、二人が待っていた。
「おー来た来た。そんじゃ、レイラ頼むわ。」
「もう少しちゃんとしなさい。さて、席にかけてまずは紅茶でも飲んでリラックスしましょう。そしたらちょっとお話ししましょうか。」
レイラが淹れてくれた紅茶を飲む。
一呼吸入れてレイラがハーマイオニーに尋ねてきた。
「ハーマイオニーさん。あなたはこれからもリリの恋人でいたいですか?」
「は、はい。」
「何があっても? どんなことを知っても?」
「はいっ! リリが私から離れない限り、私は恋人でいたい、愛しています!」
ヒューと口からわざとらしく音を出すロザリンドを無視してレイラは真剣にこちらに視線を向けるハーマイオニーと顔を赤くする
「突然こんな事を聞いて申し訳ありません。ですが、こういうことはきちんとしておかなければなりませんから。私もロザリンドも別にあなたたちの仲を反対するつもりはありません。リリが選んだのならばそれだけで十分でしょう。」
恋人の両親に認めてもらい嬉しくもあり恥ずかしくもあるハーマイオニー。
「ですが、このままいけばあなたはここ、リンリー家に嫁ぐことになるでしょう。
その前に更なる覚悟をしてもらいます。これは今までもずっと続けられてきたものです。
私もロザリンドの母から覚悟を問われました。」
「覚悟……。いったいどんなものでしょうか?」
「我が娘、リリアン・リンリーとの子を設ける覚悟です。」
「え、ん? ……ほぁ!?」
「分かります。私もそんな反応でしたから。リンリー家は女性を魅了するだけでなく、女性としか子を成せません。リンリーが妊娠する、またはパートナーの女性が妊娠する。どちらも可能です。ともかくリリと恋人になるからにはゆくゆくは結婚、そして子供を作るという未来があると思ってください。あなたはそれが可能ですか?」
いきなり告げられる言葉にしばらく頭が白紙になる。
ハーマイオニーの手をリリが握る。その目がこちらを見つめてくる。
それだけで真っ白になったハーマイオニーの頭に思考が戻って来る。
考える。リリとの未来。恋人、結婚、その先。
(……結論なんてハロウィーンのあの日からとっくに出てたじゃない。)
「レイラさん、ロザリンドさん。いえ、お義母様たち。私は大丈夫です。先ほど言った通りです。私は、ハーマイオニー・グレンジャーはリリアン・リンリーを愛しています!」
レイラから目を離すことなくきっぱりと言い切った。
それを聞いたレイラは笑顔になった。
「それではリリをよろしくお願いします。色々と困ることもあるでしょうが、私たちのことを頼ってください。リンリーに惚れた同士としてしかできない苦労もありますしね。」
「えー何だよ苦労って。それよかこれでハーマイオニーちゃんも私たちの娘みたいなもんだ!」
二人の娘を纏めて抱きしめようとするが、リリがハーマイオニーを抱き寄せてガードした。
「ママ! ハーミーは私のものよ。手を出しちゃダメ!」
「キスも?」
「絶対ダメ!」
「ハグは?」
「それも嫌!」
「ちぇ~ちょっとした親子のスキンシップじゃないか。ああ、そうだ。今のうちに二人に子供の作り方を教えておこう! もちろんレイラとの実戦を見せ レイラ、痛い痛い! 耳引っ張らないで! ゴメン調子乗った!」
「まったく。それでは今日のクリスマスパーティーは二人の未来を祝福して大いに盛大にやりましょうか。」
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パーティーは宣言通り盛り上がった。
人数は10人にも満たないがそれでも楽しいものになった。
調理担当リディアがいつも以上に張り切り極上の料理の数々を揃える。
酒に酔ったロザリンドが学生時代のメイドたちとの出会いやレイラとの馴れ初めを話始めるとリリも負けじとハーマイオニーとの仲をアピールし始める。
メイドはリリお嬢様の選んだハーマイオニーに絡んであれやこれやと聞き出し、色々と吹き込んでいる。
ロリコンはお嬢様とその恋人が並んでいるのを見て神々しさに失神しそうになっていた。
段々とお酒も酔いが回って来たロザリンドが暴走する前にレイラが部屋に連れ込んでパーティーはお開きとなった。
未成年二人もリリの部屋へと戻っていった。
「あー楽しかった! これでハーミーも私たちの一員ね。改めてよろしくね、マイハニー?」
「こちらこそ、マイハニー?」
二人は当然同じベッドの上で眠りにつく。
お互いのクリスマスプレゼントはお互い自身だ。
そのクリスマスプレゼントを抱きしめ合いながら聖夜は過ぎていった。
リリの家族への嫁の紹介回でした。
リンリー家は魔法界で有名ですが女を魅了して男を恐怖させる程度にしか認識されていません。
メイドの一人、キャロルは警護担当。ロザリンドは色々やらかしているので敵も多い。
キャロルの戦闘力は姿くらましやその応用魔法でかなりの強さです。
その内戦闘で出番があるかも。
ハーマイオニーを家族+メイドに紹介。
リリが選んだということで誰も反対などしません。
リンリーに惚れた者の先輩としてレイラからハーマイオニーへ覚悟が問われる。
これは代々リンリーの伴侶になった者から次代へと行う伝統のようなもの。
リンリーは女性との間にしか子供を作れません。
作る方法は色々。
・魔法でどちらかが生やす。
・疑似精子を細胞から造って受精させる。
などなど、産むのはどちらでもOK。リリアンを生んだのはレイラ。
ハーマイオニーは子供とかその他色々と将来も考えて受け入れました。
というかとっくに受け入れていた。
これで親公認の仲になりました。
それでは次回お楽しみ。