各キャラクターの短編といった感じですかね。
1~4巻終了までです。
本編が男性の登場が少ないので書いてみました。
それでは幕間どうぞ。
〇セブルス・スネイプの憂鬱
我輩の名はセブルス・スネイプ。
ホグワーツ魔法魔術学校の魔法薬学教師にしてスリザリンの寮監を勤めている。
あれは忘れもしない、運命が加速し始めた1991年。
その年の夏休みが後一カ月で終わるという頃、マクゴナガルから緊急の職員会議をするとの連絡が来た。
何があったのだろうかと考えれば思い当たるのは今年入学するあの男とリリーの子供の事だ。
ハリー・ポッター
魔法界に生きる者ならば誰もが知る子供だ。
そして我輩が今を生きる理由の一つでもある。
過去の
先程までの精神ダメージから立ち直る前に追撃を喰らった。
そこに書かれていた『リンリー』の文字で緊急職員会議の理由は理解できた。
「うっ。」
学生時代のトラウマが蘇る。
汚物を見るような眼をした最愛の人。それどころか見向きもしてくれなくなっていく。
闇の帝王を上回るような恐怖を与えるリンリー。アレはダメだ。
糞メガネなど大したことにも感じなくなるほどはっきり覚えている。
おまけに最悪なのはあの男たちにまで同情されてしまうという屈辱。
「はぁ……。」
確実にこれからの7年間は胃が休まることはないだろう。
下手したら安らぎの水薬を毎日服用することになりそうだ。
溢れ出る不安と倦怠を飲み込んでこれから先の7年間が平和であることを願った。
結論から言えば
女子生徒を侮蔑や差別などしなければ特にこちらの事を見向きもしないだけで、実害はほぼない。
ドラコは……残念だった。男子たちには近づくな、刺激するなと言っておいたのだがな。
あの時のルシウスの怒りとその後の落ち込み様はすさまじかった。
理事だからと言って毎週のように呼び出して酒に付き合わせるな! と言ってやりたい気持ちが萎えるほどの沈鬱な顔だった。
リンリーより問題なのはあの男に生き写しだ。
教師の事を舐めている、校則違反はする、それにクィディッチが上手いからと言って規則を捻じ曲げてまで選手にするのは流石に我輩も驚いた。
だが、あんな生意気な父親に似ているからと言っても守るべきリリーの子供。
その証拠に目だけはリリーのものだ。
それが……段々と不安定になっているのが気がかりだ。
特に代表選手に選ばれた後は明らかに異常だった。
ダンブルドアにも相談したが、閉心術を教えて欲しいと言うだけで何も語らない。明らかにあの老人は何かを隠している。
隠し事と言えばあの二人!
脱獄囚に共犯の裏切りの狼男!
ダンブルドアはあいつらを匿っていた。
騎士団本部としたブラック邸であいつらがいた時にはついに狂ったのかと本気で思ってしまった。冤罪だとか何だと言っていたが、信用ならん。
特にブラック。あいつは狂っている。いまだに過去に囚われて我輩に対して否定的な事しか言えんのか。
……過去に囚われているのは我輩も同じか。
教師と騎士団の生活、リンリーにポッター、ブラックとルーピン。
当分、我輩は魔法薬が手放せないようだ。
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〇ウィーズリーツインズの+-
「ホグワーツは最高だよな兄弟!」
「ああ、兄弟! 皆俺たちの悪戯を楽しんでくれている! それに」
「「怒鳴るママがここにはいない!」」
「まぁ、1カ月に1回ぐらいは吠えメールが来るけどな。」
「言うな兄弟。ま、最近はちょっと変わっちまったけどな。」
「リリアン嬢が入学してきてからだろ? まぁ、しょうがないんじゃないか?」
「まぁな。あれから女子連中はみ~んなリリアン嬢に夢中だ。」
「だけど」
「ああ!」
「「だからこそ悪戯しがいがある!」」
「女子は夢中で男子はビビりまくり!」
「そんな中で俺たちに注目させてやるんだ!」
「もちろん最初は上手くいかなかったさ。」
「それでもやりがいはあったし、だんだん前みたいに俺たちのパフォーマンスを見てくれるようになったな。」
「まぁ、ある意味リリアン嬢のおかげで俺たちの悪戯スキルアップ!」
「更におまけでグッズ制作ノウハウも獲得! いいことずくめ!」
「でもなぁ……。」
「ああ……。」
「「失恋は辛いぜ……。」」
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〇パーシー・ウィーズリー 監督生として
リリアン・リンリーはどういう生徒か?
もちろん知識としてリンリーの事は知っていたよ。
彼女が入学してからは先生方から厳しく指導もされたしね。
それでも監督生なのだから一応は注意しようと思ったよ。
それが、まさか身内の……その、あんな場面に遭遇するとは夢にも思ってもみなかったよ。
リンリーの呪いやら色々あるだろうが、未成年なのにけしからん!
それでもジニーの恩人だし……その、ジニーが想っている相手だ。
ママやパパに相談をしようとも考えたけどどうしたらいいか分からなくなった。
正直僕に出来ることなんて無いんだと結論付けしてしまったよ。
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〇ロナルド・ウィーズリーの憤慨
パパとママ、卒業したビルやチャーリー、フレッドとジョージ、それに真面目なパーシーからもグワーツは楽しいところだと話を聞かされてきた。
入学案内が来て僕もそこの一員になるんだとはしゃいだのは今となってはいい思い出だ。
最初のコンパートメントであのハリー・ポッターと友達になったのも僕の自慢できる数少ないことだ。
勉強はつまんないし、兄貴たちと比較されると嫌な気持ちになることもあったけど、友達と一緒に毎日が楽しかった。
だから、あの日のあれだけはやり直したいと心から思う。
今でも女子たちは僕の事をまるで存在しないように扱う。
廊下でぶつかっても僕だと認識した途端、何もないかのようにふるまわれる。
まだ、ディーンやトーマスの様に馬鹿をやって蔑まれた目で見られた方がマシだ。
というか、あいつらそれで楽しんでいる風な気がする。
それは置いておいて。
これも全部リンリーのせいだ。
リンリーの事は正直怖い。でもそれ以上に嫌いだ。
僕がこんな目に合っているのも僕のせいもあるけどアイツがああ言ったからだし。
それに……ジニーの事を洗脳して奪ったのだ。
あんな女子なら誰でも良いと思っているような異常者にみすみす大切な妹を奪われた自分に腹が立つ。
それでも誰も文句を言えない。そうすればホグワーツの半数が敵に回るのだから。
例のあの人にも負けないような本当に厄介な魔王のような奴だ。
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〇リーマス・ルーピンの後悔
毎日が辛い。
まともにシャワーも浴びれないし、ベッドで寝たのはいつ以来だろうか。
それぐらいならまだいいが、食料が少ないというのは思いのほかきつい。
それどころか狼人間であることが災いして人里のすぐ傍など最初から選択肢にすら入らない。こんな状況だ、脱狼薬の入手たなんてグリンゴッツに侵入するレベルの難度だ。
シリウスもシリウスで一人にするとすぐにも暴走して闇雲にピーターの事を探しに行ってしまいそうだ。
ダンブルドアの陰ながらの支援があってもこれだ。本当に気が滅入る。
どうしてこうなってしまったのか……。
何がいけなかったのだろうか。
あの時、ピーターを見つけた時にもう少し何とか出来たのだろうか?
そもそも、ホグワーツの教師になんて軽々しくならなければ良かったのか?
もっと昔、ホグワーツに入学してジェームズ、シリウス、ピーターと友人にならない方が良かったのか?
いや……あの時、私の運命が捻じ曲がったあの時。
そう、狼人間なんてものがいなければ私の人生はもっと光に満ちていたのだろうか?
そうすればシリウスたちも
……ダメだ。思考がマイナスで満ちていく。
別の事を考えなければ。
ハリーは無事だろうか。
ダンブルドアから近々顔を合わせられると連絡があったが……彼は僕の事を恨んでいるだろうな……。
叶うならハリーの誤解が溶けることを祈ろう。
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〇アルバス・ダンブルドアの計算外
トム、闇の帝王ヴォルデモートを滅ぼせる存在のハリー・ポッターとリンリー家の娘が同世代で入学するとは計算外だった。
いや、わしの怯えから調べが足りなかったというべきじゃろう。
ハリーの一年目は予想以上に経験を積むことができたと言える。
いずれ訪れるヴォルデモートの復活。それに対する切札となるハリーには試練が必要になる。わしはあえてハリーに試練が訪れるように道を調整し続けた。
だが、上手くいかなかった。
二年目も事件が起こった。
わしはこれもトムが裏で糸を引いているとすぐに直感した。
これを利用してハリーに経験を付けさせようとも、もっと言えばハリーとトムとの繋がりを確認できればとも計画していた。
蛇語使いという有益な情報は得られたが、それでおしまいだ。
あのリリアン・リンリーの行動がわしの予想を裏切る結果をもたらす。
三年目はリーマスにハリーの心の支えになるように頼んだ。
今まで育った環境、英雄視される己、そこから出てくる承認願望。
だが、結果は違っていた。才能あるクィディッチでさえ、いてもいなくても良い、負けることも少なくない。罰則などが重なり周りからの評価は正直よく無い。一年目の賢者の石の件で最後にああなったのもダメじゃった。
これでもう少し何かしらの功績を出せていたのならば違ったのかもしれんが……。
何はともあれリーマスにはハリーの父親の代替にでもなってくれれば良いのじゃが。
まさか、裏目に出ようとは。
ハリーが表向きの両親の死の真相とシリウスの事を誤解したまま仇だと認識してしまった。
更に、ルーピンの事も共謀した裏切り者だと憎悪を募らせている。
これはダメだ。英雄となる者が憎しみに囚われてしまうのはダメだ。
真実を伝えようとも思ったが、今のハリーは聞く耳を持たぬじゃろう。
落ち着くのを待って本人たちと会わせて誤解を解きたいのだが。
そんな暇も与えられず、ハリーに次の試練が来てしまった。
もう見てられぬほどに、心が傷ついていた。セブルスから直接ハリーの事を心配されるなど余程じゃろう。
それでも、ヴォルデモートが復活にハリーの血を使ったのは僥倖だった。
これで奴は自ら滅びの道へと進み始めたじゃろう。
だが気がかりなのは、ハリー自身の事じゃ。
わしの最悪の予想が正しければ……。
ハリーはこれまでの事から不安定じゃ。これは非常にまずい。
早急にハリーに閉心術を伝授しなければ。
気にはなるのはリンリーとヴォルデモートの繋がりもだ。
奴は前の戦争の時には女性に対しての危害が明らかに少なかった。
これはリンリーとの繋がりがあるとわしは確信している。
やることは山積みだが、魔法界の為に止まるわけにはいかぬ。
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〇ヴォルデモートの
10年以上。
実にあのハロウィーンの日から10年以上ぶりに肉体を取り戻した。
ハリー・ポッターの血も取り込み弱点は克服した。
今度こそ魔法界をわが手に!
やることは多い。
戦力の確保。情報の収集。そして何よりハリー・ポッターとアルバス・ダンブルドアの排除。
魔法界を手中に収めたら次こそはあの力を。リンリーを。
幸いにも今のホグワーツにリンリーの者がいるという情報は得られた。
リンリーの魅了、呪い、血。
俺様以外誰もアレの素晴らしさを正しく認識していない。そう、ダンブルドアやリンリー自身でさえ。いやリンリーはそもそも興味を持っていないというのが正しいか。
アレは素晴らしいものだ。
アレこそは俺様の夢へとつながる力だ。
今度こそ全てを我が手に……!
幕間でした。
スネイプ先生はリリーに対しての例の発言時にロザリンドにも聞かれてしまったのが運の尽き。去勢こそされませんでしたが、その当時ホグワーツに君臨していたロザリンドによる長期間にわたるいじめが開始。
追い打ちとしてジェームズやシリウスにまで同情される始末。
シリウスとルーピンとは4章終盤の騎士団再結成の流れで対面。
騎士団の仲間にダンブルドアから問題ないと紹介されていましたが、スネイプ以外にも疑っているのはそれなりにいます。
ウィーズリーツインズはほぼ原作と変わらないキャラクター。
悪戯しても見向き去れなくなったのでスキルアップ。これが+。
でもクィディッチメンバーだった女子たちがリリの取られて失恋。これが―。
パーシーは監督生として空き教室に入っていくリリを見つけてしまったのが不運。
そこではリリと妹が……。
両親に相談しようとも悩むが、結局どうしようもできずに卒業してしまった。
ロンは最初期の頃のやらかしで未だに女子からは総無視のまま。
しかもジニーを取られたと思っているのでリリに対しては嫌悪の感情がトップクラス。
正直、あったことの無いお辞儀をよりも悪辣な存在と思っている。
ルーピンは逃亡生活に疲労困憊。
狼人間だし、連れは狂人だしでもうボロボロ。
ハリーの誤解がどうなるかは5巻突入後ということで。さてどうなるか。
ダンブルドアはハリー育成計画が色々と計算外で内心かなり焦っている。
特にハリーの内面がかなり悪化しているので原作より早くスネイプに閉心術の授業をするように話している。
そしてリンリーとお辞儀の繋がりも疑わしくてもう色々と大変。
復活のお辞儀
基本的には原作と同じように魔法界を掌握するつもり。
だが、その先にもっと大きな計画を立てている。
そのために色々とリンリーに対して動きを見せるか。
それでは次回、5章開幕! お楽しみに。