【完結】魔法界に百合の花が咲く   作:藍多

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ゴールデンウィークが終わる……。
皆さん、悔いのない残り二日間を!

それでは46話どうぞ。


46. 迷惑な勧誘

ハーマイオニーはリリと一晩を共にしてから大分余裕を取り戻していた。

次の日からは無理して力を入れすぎるということもなく、時間がある時にみんなでこれからについて話し合い、魔法について勉強をするぐらいに落ち着いた。

 

夏休みも後半に入るころにはロザリンドとキャロルもリンリー邸に戻り、いつもの賑やかさも一緒に帰ってきた。

それと同時にハーマイオニー達ハーレムはリリの為にいつものメイド仕事の邪魔にならない程度にキャロルに魔法の師事をすることを願い出た。

脱獄囚のシリウス・ブラックや人狼のリーマス・ルーピンを一蹴した強さを実際に目で見ていたハーマイオニーとパーバティはリリを護るためにその強さが必要になると考えていたのだ。

それと同時にリリを護るその姿にあこがれも抱いていた。

 

「いいでしょう。しかしながら私の魔法は誰でも使えるというわけではない、むしろ外道な魔法ということを覚えていてください。」

 

キャロルの唯一得意とする空間魔法。

天才的に特化したそれを習得できたのは結局のところ今までも教わっていたクラウディアだけであった。

それでもハーマイオニーやダフネもある程度は習得することには成功していた。

空間魔法は攻撃だけでなく、護ることや逃げることにも使うことができる。

魔法を習得したい理由はリリを護ることである。盾の呪文(プロテゴ)を発展させたり、物理的な防壁を創り出したり、姿くらましをしたりと幅広く使える空間に対する魔法は協力だった。何も敵を打倒すことが目的ではないのであるから十分な成果である。

 

ハーレムたちは現状に満足せず日々精進を続けている。

もちろんリリとの絆も深めることも忘れない。

そうして充実した夏休みを送っていたある日。

リンリー邸に予想外の客人がやって来た。

 

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客人をもてなすのはメイドではなく、当主である自分がするものだ。

それがリンリー家現当主ロザリンド・リンリーの考えであった。

もちろんどうでもいい相手や興味がなければ敷地に入れることさえしない。

 

今、ロザリンドがいるのは客人をもてなすための広間である。

隣にはレイラが座り、後ろには護衛のキャロルが控えている。

対面に座るはこの屋敷にいる魔法使い、いやイギリス魔法界では知らぬものがいない二人だった。

今世紀最高の魔法使いと名高きホグワーツ魔法魔術学校校長のアルバス・ダンブルドアと副校長のミネルバ・マクゴナガルである。

 

「マクゴナガル先生、お久しぶりですね。10年ぐらい会ってないかな?」

 

「ええ。あなたがいた時のホグワーツは私の教師生活の中で最も大変な7年間でした。」

 

「でも皆は楽しんでいたと思うんだけどなぁ。」

 

「おほん! すまんが思い出話はまたの機会にして欲しいのぉ。」

 

ロザリンドは懐かしい寮監との話を邪魔されてじろりとダンブルドアを見る。

歴代最高最悪の呪いをその身に宿すロザリンドの視線を受けて体が凍えたように震えるダンブルドア。

魔法界の未来を守るため勇気を振り絞ってここに来たが今すぐにでも逃げ帰りたくなってくる。

それでも懐から精神を強める魔法薬を出して飲み干しどうにか耐える。

 

「ふぅー……。できればそれは止めて欲しいのぉ……。」

 

「用件は? どうせヴォルデモート関係なんだろうけど。」

 

「その通りじゃ。簡潔に言おう。我々に協力して欲しい。」

 

「断る。」

 

広間が静寂に満ちる。

ロザリンドはそれで話は終わったと言わんばかりに席を立とうとする。

それを見てマクゴナガルが必死になる。

 

「ロザリンド・リンリー! なぜです!? あなたは色々とアレでしたけど……決して邪悪ではなかった。なのになぜ!」

 

「ミネルバ。良いんじゃ。これも予想していたことじゃ。」

 

「しかし!」

 

「ロザリンド。ヴォルデモートとどのような約束をしておるか分からぬが、あやつは信用など出来る存在ではない。いつかそなたと愛する人に害を成す。そうなっては遅すぎるのじゃ。

ヴォルデモートやその配下と戦えとは言わぬ。ただ、協力して欲しい。

今を生きる全ての人やこれから生まれてくる子供たちのために。

どうか……!」

 

必死に頭を下げるダンブルドア。

それを見ても何も感じないロザリンドだったが、ヴォルデモートが信頼などできないというのは正しい。それに闇の陣営は今は隠れて力を蓄えているのか静かなのだ。

情勢を見極めるためにも情報は必須。

ならば。

 

「キャロル。」

 

「はい。」

 

「不死鳥の騎士団と情報共有するように。頻度はたまにでいいから。そんでもって女が危機だったら助けること。男は無視していいよ。」

 

「畏まりました。但し、最優先はご主人様、その次にお嬢様、その後にこの屋敷にいる皆。他は余力があればということになります。」

 

「付け足しだ。自分の命が危機だったら逃げろ。これは命令な。これでいいですか? マクゴナガル先生。」

 

マクゴナガルはダンブルドアを見る。ダンブルドアはうなづき返した。

元より協力を取り次げる確率の方が低かったのだ。

強力な戦力であるキャロル・フォードが女性限定でとは言え味方に付いたのは心強い。

 

「ありがとうございます。ミス・フォード。騎士団の基地は秘密の守り人が守っています。場所のメモを渡しますので記憶しておいてください。」

 

キャロルが受け取ったメモには『グリモールド・プレイス 十二番地』と書かれていた。即座に覚えメモを燃やす。これでキャロルは騎士団本部に自由に行き来できる存在となった。

 

その後は現状の騎士団の状況や闇の勢力についての情報を伝え二人はリンリー邸を後にした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

それからはハリー・ポッターが未成年なのに魔法を使って裁判沙汰になったぐらいで、他には特に事件も起こらず平和だった。

夏休みも残すところ1週間程度。リリ達もとうとう5年生となる。

クラウディアにいたっては今年が最後のホグワーツだ。

この日は久々に屋敷全員の都合があったのでリリたちは屋敷の全員でダイアゴン横丁での買い物中である。

 

「さて! それじゃあ必要なものは揃ったし各自、自由行動!」

 

ロザリンドの号令で自由行動となったがメイドたちはロザリンドから、少女たちはリリから離れて行動することなど最初から選択肢にない。ロザリンドも言ってみただけでデートをする気満々である。

結局はリンリー親子が中心となって動いて回ることになってしまうのだった。

 

「そう言えば今年ってふ、ふくろう? 試験ってやつがあるのよね。憂鬱だわ。」

 

「大丈夫! 私たちに任せなさい! 最低でも全教科で良以上を約束してあげる。こらっ逃げないの!」

 

今年はいつも以上にハーマイオニーとパドマ、ダフネが勉強熱心になるのではないかと戦々恐々になるリリ。こんな話題を出した数秒前の自分を恨みたくなってきた。

 

「別にそこそこでもいいんじゃない? リリは私たちに愛をくれればそれで充分よねぇ。」

「はいっ! お姉さまはこのジニーがお世話します! ふふふ……一日中お姉さまを世話して養う……。私だけでは生きられないお姉さま……。」

 

ハーレムの中ではリリと双璧を成す勉強苦手なパーバティと自身の欲望に忠実なジニーがリリの味方をする。

リリは二人を両脇に抱いて勉強賛成組から逃げるように距離を取る。

これで勢力は三対三。そして最後の一人(クラウディア)はどうなのかと皆の視線が向けられる。

 

「私はね~。リリちゃんはもうちょっと頑張ってもいいな~って思うわ。」

 

「うう~……。クラウディア~。」

 

いつもは自分を甘やかしてくれる筆頭のまさかの裏切りに思わず涙目になりそうになるリリ。そんな主をクラウディアは優しくロザリンド(実の母)以上に母のように抱きしめてくる。

今年で17歳になる彼女は未成年とは思えぬ母性と成熟したハーレムで一番女らしい体系をしていた。

ぶっちゃけると相変わらず一番胸が大きいのである。というか成長中である。

他の皆も成長するにつれ色々なところが大人になっているが、クラウディアは圧倒的であった。

そのたわわな双丘にちょうど顔が位置するリリはこの柔らかさがお気に入りのポジションの一つであった。

 

「よしよし。ごめんね~。でも意地悪しているわけじゃないのよ? リリちゃんがい~ぱっいお勉強したら未来が広がると思わない?」

 

想像してみてとクラウディアは皆に言う。

ハーレムの主としてのリリじゃなく、色んな職に就いているリリを。

教師として教えるリリ。癒者(ヒーラー)として癒しを与えるリリ。魔法省役員としてきっちり働くリリ。

他にも色々。どれも違ってどれも良い、と全員が同じことを思った。

 

「リリちゃんがどうなるかは分からないけど、夢があった方がいいと思うわ~。

ちなみに私の夢はね~キャロルさんの後継か癒者(ヒーラー)なの。これも頑張ったから得られた選択肢なのよ。」

 

普段はポヤポヤ癒し系なのだが何だかんだと一番年上なので一番考えを持っているのが彼女なのだと改めて思わされた。

 

「それにね……。私は今年で卒業しちゃうから……。頑張っているリリちゃんを見たいなって。ゴメンね、私の我がままね~。」

 

そこで気付く、いや気にしないようにしていただけだ。

クラウディアと一緒のホグワーツが今年で最後ということを。

リリは決意した。

 

「クラウディア。私頑張るね。もちろんクラウディアにもいっぱい甘えるし、甘えさせるし、甘々な1年にしましょう。」

 

「うん!」

 

二人の間にいつもの優しい空間が出来上がっていた。

 

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この日のダイアゴン横丁は最近の暗い雰囲気が幾分か解消されていた。

理由はある女たちの一団だ。

いつもはその集団に対して警戒をしているのだが、今回は逆だ。

リンリーがいれば例のあの人でさえ女は襲われない。

それが前の戦争時でも囁かれていた噂だった。

それが事実にしろ嘘だったにしろ今はそんな不確かな事でさえ心の支えにしたいというのが人間だ。

ダイアゴン横丁には大勢の人がいる。もちろん女もいっぱいだ。

そんな中で男だけを狙って襲うなど厳しいというものだ。

つまりリンリーがいれば戦闘自体が発生することが少ないと言える。

いつもは色んな意味で来てほしくない存在がこんな時だけ女神に見える。

当の彼女たちはそんな事を微塵も気にした風ではないが、都合がいい時だけでもすがりたくなるぐらいには世間は不安に包まれているのだった。




ダンブルドアからの騎士団への協力要請。
もちろんお断り。仮にお辞儀との約束が無くともダメだった可能性が高い。
でも情報共有と緊急時の女性限定救助のみ許可。
ロザリンドとしてはキャロルの強さを信頼しての事ですが、最優先は騎士団ではなくリンリー邸にいる者たちです。

ダイアゴン横丁でのお買い物。
今年はOWL試験があるので大変になる。
リリは決して勉強ができるわけでも魔法が上手なわけでもないので試験は憂鬱。
ちなみにハーレム内の学力順は
ハーマイオニー>パドマ>ダフネ≧クラウディア>超えられない壁>ジニー>パーバティ>リリとリリが最下位。
とはいっても決して赤点だらけの劣等生というわけではない。あくまで勉強嫌いというだけ。

それでは次回お楽しみに。
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