その点ハリー・ポッターは完結しているから楽ではある。
一学年ごとに一章としても区切りがあるのもGOOD。
それでは48話どうぞ。
毎年恒例のことだが、ホグワーツでは新学期が始まってすぐ翌日には授業が始まる。
上級生にとっては慣れたものだが新入生は初めての授業の準備に朝食にとあたふたと忙しそうにしている。
そんなカワイイ後輩(女子限定)を見ながらリリは朝食を取っていた。
「余裕そうだけど今年は私たちもOWLがあるから大変になるわよ。」
忘れていた、いや忘れていたかったことを容赦なく思い出させてくれる
そう五年生になったリリ達にはOWLという大きな関門が立ちふさがるのだ。
O.W.L試験、正式名称
五年生の学期末に何と二週間もの長期の時間をかけて実施される試験だ。
OWLは将来の仕事に影響する重要な試験でもある。マグルたちで言えば資格試験や国家試験などといったものに該当する。
成績は点数ではなく6段階評価で行われ、高い順に「優・O」の大いに宜しい、「良・E」で期待以上、「可・A」がまあまあ、「不可・P」になると良くない、「落第・D」に至ってはどん底と続く。最低は「トロール並み・T」である。"O"から"A"までが合格であり、"P"以下は不合格である。
リリが受講するのは変身術、呪文学、薬草学、魔法薬学、闇の魔術に対する防衛術、魔法生物飼育学、数占いそして占い学だ。
「クラウディアとも約束したし、頑張るよ。それでも憂鬱……。」
「はい、しゃっきりする! 行くわよ!」
朝から気合が入りまくっている嫁に抱きかかえられながら大広間を後にする。
初日の授業は変身術に呪文学、薬草学に占い学だ。
この中でいつも通りだったのは占い学だけだった。リリはトレローニー先生にこの日程感謝したことはなかった。
OWLでは一定以上の成績を修めた生徒だけが六年生からのさらに難しい
落第生が出る=教師の能力不足、またはより高いレベルの生徒しか教えたくないなどの考えから教師達はこのOWLに対して意識し、五年生から授業のレベルが格段に上がる。
それだけでなく毎回の授業毎に大量の宿題を出してくる。過去四年間とは比べ物にならないその量には、ハーマイオニーやパドマでも手間取る量だ。
当然リリはノックアウトされた。ついでにパーバティも。
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今まで以上の難易度に厳しさも増し、宿題もマシマシ、ついでに
新しく来た教師ドローレス・アンブリッジ。
魔法省からのスパイと言いつつ、本当はホグワーツの力になりに来たと言う。
男子は何が本当か信じられずにいたが女子は彼女が発した単語からほぼ味方であると結論を出していた。
リンリー。
女性であるのならばこの名は大きな意味を持ってくる。
それを口にした彼女を疑う理由はほぼない。
それでも新しい教師ということで授業内容は全員の注目の的だ。
真実はどうであれアンブリッジを見極めるために全生徒の興味が集まる授業なのは確かであった。
リリ達が教室に入ると既にアンブリッジは準備万端で待っていた。
「さぁさぁ! 席に着くように。早速授業を始めます。」
最初に行われたのは四年間の習得度を測るためのテストと簡単なアンケートであった。
テストはそこまで難しいものではなかったが、アンケートは闇の魔術に対する防衛術でやるようなものとは思えない内容だった。好きな物、好きな場所、好きな魔法、苦手な魔法、魔法省について、などと言ったものでどういった意図があるか分からない。
授業時間の半分が過ぎ、テストとアンケートが回収される。
「さてと……。皆さんの能力は昨年までの成績と今回のテストで把握させてもらいます。
それとアンケートについてですが、これには各個人の適正を測定する魔法が仕込んでいました。神秘部や他にも色んなところと協力して作ったものです。
今回の結果と本人の要望を兼ねて今年の授業はそれぞれの適性を見極めて防御魔法、攻撃魔法などといった風に長所を伸ばす授業を行っていこうと思います。
もちろん、その他のOWLに合格するのに必要なことも学んでいきますのでご安心を。
自分と仲間を闇から守るための力をつけていきましょう。この授業はそのためのものですから。」
その後は今年の授業の計画を大雑把にだが説明された。
細かいところは各個人に合わせて調整するらしいので未定もあるということであった。
「もうすぐ授業も終わりですね……。最後にお知らせをして終わりましょうか。
もっと力が欲しい、授業だけじゃ満足できないという人は特別に実習をしましょう。
今は少しでも力があって困ることはないですから。
詳細は希望人数によって変わるとは思いますが、魔法省の闇祓いや腕利きの魔法戦士を講師として招くこともあると思います。
これでも私、魔法省ではそれなりの立場ですので伝手も多いのですよ。それに魔法省にも今の体制に不満を持っている人は多いのでホグワーツに協力したいという声も表立っては無いけどかなりの数になっているのです。
もちろんあの方にも協力してもらいますので魔法省以外からも協力者は来てくださると思います。
希望者は次回の授業までに私までお知らせください。はい、これにて授業は終了です。」
そこで終了のチャイムが鳴った。
初回の授業はハーマイオニーでさえ認めざるを得ないような隙の無い内容であった。
各自の適性をまずは見極め、それに合わせた授業をするという計画。
それに追加で色んな経験者からの手ほどきもできるというのだ。
過去四年間の授業と言えば、ニンニク臭が酷いおどおどした授業、詐欺師による芝居の練習、まともだと思ったら狼人間だった、過激すぎる授業内容ではあったが力はついたのに寄りにもよって
それに反して今年の授業は期待ができそうだと皆が思っていた。
カエル顔や魔法省というのはまだ多少気にはなるがそれでもホグワーツは彼女を受け入れ始めていた。
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「リリ、特別実習はどうするの?」
「……正直そんな余裕はないかなって。皆はどうするの?」
初日の夕食後にリリハーレムはグリフィンドール談話室に集まっていた。
もはや女子たちに寮の垣根はなくなりほぼ誰でも自由にどの寮でも行き来するまでに開放的になっていた。もちろん教師には秘密ということになっているが寮監やダンブルドアは気づいていて放置しているのだった。
「私たちは参加したいと考えているわ。やっぱりリリを護るのに力があるに越したことはないし。」
「そうです! そうなのです!!」
ハーマイオニーの言葉にジニーの叫びが加わる。
そこに更に話を聞いていた女子たちも続々と参加の表明をし始める。
「みんなが張り切っているなら、私も頑張らなくっちゃね! 皆の事は護るなんて言っておきながら私だけが弱いままだなんて笑い話にもならないもの。」
リリの参加宣言。それだけで特別補習の女子参加率がどうなったかは言うまでもないだろう。
「あ、ついでに頑張った娘にはご褒美もあげようかしら。私の為なんて言ってくれているんだからこのぐらい私もしなくちゃね。」
それを聞いて盛り上がらないはずもなく翌日にはアンブリッジの元に女子生徒が参加表明で列を成すこととなる。
特別補習、そのまますぎる名称だとつまらないということで『リリちゃん絶対護る隊』などと呼ばれることになった。
もちろん男子には不評だったが、黙殺された。
授業開始(5回目)
本作のアンブリッジは綺麗なので当然授業もまともに。
基本を修めつつ、各自の適性にそって伸ばす方針です。
こんなまともな授業だとハーマイオニーが独自で何かすることはないので
アンブリッジの方から追加実習の提案。
DAなんかない、リリちゃん絶対護る隊の発足!
名称については女子はノリノリだが、男子は正直ないわってな感じです。
本当はDAで何か付けようかなと思ったけどその辺は女子たちがリリという単語を入れろと聞かなかったということで。
それでは次回お楽しみに。