それでもあくまで妄想でしかないので作者の考えた結末はやはり見たい。
まぁ、何が言いたいかというと……エタらないで!
私も頑張る!
今回はまたもやリリ達とは無関係な裏側です。
それでは58(裏)どうぞ。
ホグワーツの生徒たちは多少の問題を抱えながらも勉強に友情、そして恋愛と青春を謳歌している。
その裏では大人たちが我が子や次の世代の子達の平和のために命を懸けて戦っていた。
人里離れた森の中。
マグル避けの結界が張られたそこには古びた屋敷が建っている。
外見はボロボロであるが、内装は汚れもなく新築同様だ。
そこに数人の男たちが下品な笑い声をあげながら酒を楽しんでいた。
「いや~ありゃ最高だったな。またやりてぇぜ。」
「いいねぇ。
「魔法使いってだけでこんなに楽しいし酒も美味い! マグルには味わえない楽しみだわな!」
「ああ! あ~でも女をいいように使って喰らって遊びてぇなぁ……。」
「馬鹿野郎! もしバレでもしたらどうなると思ってるんだ!」
「い、言ってみただけだ! ……あん?」
酒で判断力が鈍っていた男たちは一瞬反応が遅れた。
そしてそれが命取りとなった。
光、轟音そして怒号。
それもほんの数分の内に納まる。
先程までのバカ騒ぎから一転静寂に包まれる屋敷。
男たちは気絶、あるいは息絶えて転がっている。
立っているのは襲撃者だけだ。
襲撃者……不死鳥の騎士団と闇祓いの混成部隊だ。
敵の無力化作戦は成功。騎士団たちの被害はせいぜいが魔法を使ったことや戦いの緊張による疲労程度だろう。
だが、この屋敷にいたのは死喰い人とも言えない下っ端。所詮は思想も何もない暴れたがりの愚か者。
この時世にただ魔法を自由に使えるから暴れている脳無しだ。
とは言え、こういった輩を放置するだけでもどんどん被害は広がる一方。それにどこに情報があるかもわからないのだ。騎士団と魔法省はこういう下っ端の更に下っ端でさえ虱潰しに対応するしかないのが現状だ。
襲撃した騎士団員の一人、リーマス・ルーピンは今しがた敵を殺したばかりだというのに消えない憎悪と怒りによって次の戦いの場を求めていた。
(ああ、次だ! もしかしたら次にはハリーがいるかもしれない……! そのためには誰が相手だろうと容赦はしない!)
今までは騎士団の方針から敵は極力殺さないようにということになっていた。
だが、それは過去のものになってしまっていた。
友を殺され、親友の息子も奪われたルーピンには怒りと憎しみ、そして後悔しか残っていなかった。
ルーピンも敵を殺すのに最初はあった戸惑いが怒りに塗りつぶされて無くなっていくのを感じていた。
それがとても恐ろしいことだとは理解はしている。
今も目の前に転がる死体を見て後悔の感情が沸き上がって来る。
だが、そんな後悔をする時間も資格もない。
そう、自分に言い聞かせて足早にその場を後にした。
それを見ていた、見ていることしかできなかったニンファドーラ・トンクス。
彼の事を愛していると伝えた。拒絶されつつも近くに居続けた。
あんな風に自分を追い詰め、命を捨てる覚悟を持った愛しい彼を追ってトンクスもまた闇に消えていった。
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イギリス魔法界全域で大小問わず戦いが頻発している。
それはイギリス魔法界の統治を司る魔法省でも例外ではない。
「おはようございます!」
「ああ、おはよう。で?」
「闇祓い局と神秘部は不可侵。」
「よし。」
魔法省の入口では必ず合言葉を言うようになっている。
警備がそれを確認し、言えない、知らない者はその場で即座に問答無用で捕縛される。
合言葉は毎日変更され、前日に魔法省に来ていなかった者はあらかじめ出勤していた者と追加の合言葉を決めて必ず知るようにしなければならない。
こんなことをしても
様はないよりはマシということだ。そんな事をしなければならない程魔法省も危機を感じているとも言えるだろう。
「次、おはようマーク。」
「おはようございます……。」
「ん? どうした……。! 至急闇祓いに連絡を!」
返事をしたかと思えば合言葉も言わず杖を取り出す。明らかにおかしい。
すぐに取り押さえられたが、数人が負傷する結果になった。
入口のホールでの出来事だったので致命的なことにはならないが、これが奥まで侵入され悪霊の火などの大量破壊を生む魔法を使われれば大損害だ。
「はぁ……いつまで続くんだよ。くそっ。」
職員たちの疲労も蓄積される一方だ。
何時となりで笑っていた仲間が襲ってくるかもしれない。
自分もそうならない保証はない。傷つける相手は愛する家族かもしれない。
疑心暗鬼と不安に負けそうになりそうな職員たちは最前線で戦うスクリムジョールやダンブルドア率いる騎士団の活躍、そして何より家族のために力を振り絞って戦っていた。
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極一部の
その一室で闇の帝王ヴォルデモート卿は笑顔でワインを楽しんでいた。
魔法界と言う巨大なチェス盤で、数多の
こちらの駒も多くが取られたが全てはポーン。
対して敵側は徐々に駒が取られて疲弊して言っている。
そして勝敗を決する要の
更に言えばこちらのキングは複数だ。
この戦争、負ける要素がどこにもない。
「ふふ……。」
笑顔になるのも無理ないことだった。
「我が君! 非常事態です!」
幸福な気分は飛び込んできた下僕の態度で霧散することになった。
「……俺様はつい先ほどまで気分が良かった。貴様の言う非常事態が俺様の気分を害してまで報告するに値するというの出なければ、その命は残りわずかと思え。」
「っ! も、申し訳ありません! で、ですが!」
「言え。」
「はっ。アズカバンが崩壊しました!」
報告に来た
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アズカバン。
魔法界の脱獄不可能と言われた絶海の孤島にある監獄だ。
それが今や看守だった
闇の陣営にとっては大きな拠点。
正義側にとっては絶対に無視できぬ悪の巣窟。
そんな場所が一晩のうちに
これに対して魔法省の動きの方が速かった。
魔法省としてもアズカバンの崩壊は予想外だった。が、不利な現状ではこれを利用しない手はない。この一件は闇の陣営側の不始末で島が崩壊したという情報ではあるが、詳細は判明していない。
魔法省側は敵の陣営に乗り込み、打破寸前までいったが敵が島ごと自爆したというシナリオを世に対して発表。囚われの身の者は助け出せなかったが、こちらの被害はなし。
結果的に見れば敵の代拠点を落とせたという勝利を大々的の報じたのだ。
これに対して闇の陣営はどうしてそうなったのかは不明の不気味さが残っていた。
魔法省側の発表は嘘だとは分かっていた。だが、どうしてこのような結果になったかまではこちらとしても不明のままだ。
どちらにしても気味の悪い結果だけが残っていた。
世間にとってはそんな両陣営の思惑などどうでもいい。ただ単に恐怖の象徴が消え去ったということさえ分かれば良かったのだ。
アズカバンの崩壊で両陣営の勢力はまた均衡することになった。
この結果にダンブルドアもヴォルデモートも違和感をぬぐえずにいた。
余りにもタイミングが良すぎた。まるでどちらも疲弊するようになっているかのように。
アズカバンを滅ぼしたのも、それを両陣営に的確なタイミングで情報を流したのも、裏から様々な行動をする監視やスパイがいる。それも至る所に。
そんな何者かの存在を感じざるを得ないが、目先の戦いや作戦などを無視することは出
来ない。
この考えも何者かの思惑通りなのか。
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ダンブルドアはドラコ・マルフォイを利用した作戦を進めていた。
元から知っていた外のボージン・アンド・ボージン店にある対となったものと繋がるキャビネット棚。
その存在を知ったドラコがリリから必要の部屋を紹介されて、そこでセブルスと協力して修復したというシナリオにすることにした。実際にはドラコの手では直すのは難しかったろうがダンブルドアの手で即座に修復されている。
そしてそれが実際に繋がっていることも確認済みである。
既に簡単な概要は説明してあるが、クリスマス休暇にドラコは一度屋敷に戻って
敵の作戦もスネイプのスパイ活動で判明していることも多い。
敵は罠だとしても攻め込んでくるようだ。ダンブルドアを殺すために相当な人数を用意するという情報もある。他に何か切札もあるようだがそれを知るのはほんの一握りらしい。
だが、作戦決行の時期はある程度絞り込めた。それに合わせて準備万端で迎撃、そのままの流れで逆に攻め込むことも視野に入れている。
どちらの陣営も作戦の成功を確信している。
決戦の日は着々と近づいてきている。
ホグワーツの外では鬱になるような出来事ばっかり。
マグル=劣等種と思っている馬鹿なんかは結構いるイメージ。
そんな奴らは下っ端としてこき使われて正義の鉄槌でサヨナラ!
ルーピン先生は大分酷い状態。トンクスも合わせて闇落ちしそう。
魔法省も毎日のようにテロ。
職員もストレスでヤバい。(神秘部は除く)
お辞儀は逆に余裕。だがアズカバン崩壊で激怒。報告した死喰い人は結構地位があったのに運が無かった。
アズカバン崩壊や裏で動く存在の真相はいずれ。
原作の侵入暗殺用のキャビネット棚は本作では決戦場へのワープゲートって感じになるかな。
それでは次回おたのしみに。