前話のアンケートの結果一番多かったのが『戦争はそこそこ さっさと百合だせ』だったので戦争部分は章の最初の方だけにして大分省略していきます。
ちなみに他二つがが選ばれていた場合についてはその内後書きにでも簡単に書くかも。
それでは62話どうぞ。
62. 闇に染まる日常と非日常なホグワーツ
『ヒトおよび、ヒトたる存在の再定義』
『純血保護法の制定及び純血証明書の発行』
『反マグル法の制定』
これらが新たな魔法大臣が就任してから1カ月の間にイギリス魔法界で施行された法令などである。
どれもこれもマグルの事を人と認めず、純血が優れているという考えに基づいたものだ。
いずれは『国際機密保持法』および『国際魔法使い連盟機密保持法』からの離脱し、真の意味での、マグルの世界も含めての世界征服を開始していくだろう。
こんな馬鹿げた法令の数々に対して純血主義者たちは何の疑問もなく受け入れていた。
しかし、大多数の魔法使いたちは破滅を感じていた。
いつもは純血主義でなくとも魔法使いたちはマグルに対して優位を感じていた。
それはマグル生まれでも変わらない。いやむしろマグルを知っているからこそ心の底ではマグルに対しての優越感は普通の魔法使いより強いことも多い。
それでもここまで徹底的にマグルを排除し人と認めないようなことはなかった。
こんなことがまかり通ってしまえばいずれは魔法使いがいなくなる。
年々増え続けるマグル生まれや混血を見れば誰だって知っている。
それでも純血主義者たちは血を重んじてそんなことはないという。
その極地が今のイギリス魔法界だ。
イギリスの魔法使いたちはそれを受け入れるしかない。
彼らは敗北者なのだ。抗うことを諦めた者たちなのだから。
小さな反抗はある。だがそれを潰す準備も着々と進められていた。
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抗う者たちが集う場。
イギリス魔法界の正気の最後の砦。
それこそがホグワーツ魔法魔術学校だ。
数カ月前まではここは未来を創る若者たちを育てる場であった。
表面上はその部分は今でも変わらないでいる。
ダンブルドアを筆頭に教師達の方針としてホグワーツでは子供たちはできるだけいつもと同じような日常を送ることができるように配慮している。
今は夏休みであるので寮で過ごしていたり、避難してきた家族と当たり前の日々をおくるように大人たちは必至だ。
夏休みも終われば教師それぞれの特色のある授業にたっぷりの宿題のある生活が始まるだろう。
今のこの状況は少し異常だがいずれは大人たちが、騎士団が、魔法省が解決してくれる。
そう信じるしかできない。
そうは言っても不安は増していく。
この状況はいつまで続くのか。夏休みが終わればそれが合図でホグワーツが消えてしまうのではないか。そんな不安が付きまとう。
子供たちは変わらないようにするといっても無視できない変化も多い。
その筆頭がスリザリンがほぼ解体されたことだろう。
スリザリン生の多くがすでにホグワーツを去っていた。
残っているのは混血やマグル生まれであることを隠していた者だけだ。そういった生徒は他の寮、大抵はハッフルパフへと併合していった。
更にはグリフィンドール生を主体とした自警団もどきも結成されている。
一人でも多く敵を倒すんだという意気込みで日々熱心に戦い方を学んでいるのだ。
ホグワーツの内部ともいえる学生でさえ変化が起こっている。ならば外はどうなっているのか。
ホグワーツ城は今や要塞化が進んでいた。
至る所に配置された侵入者感知と迎撃の魔法具。
増設された闇祓い達の拠点。
クィディッチ競技場は臨時の住宅となっている。
眼には見えないところでもあらゆる加護が強化されている。
「魔法具の設置急げ!」
「魔法薬の備蓄が切れそうです! 材料もこのリストの物は急ぎ必要です!」
「ええい、外との通商ルート構築はまだなのか!?」
「国外との連絡はどうなっている?」
「まだ安全な方法が確立されていません。やはりどの方法も監視されている模様です。」
「新たな加入者の尋問はどうなっている? ……そうかやはりスパイか。」
「グリンゴッツは何と? くそっ! あの意地汚い小鬼どもめ!」
「足元見やがって!」
このようなホグワーツに似つかわしくない会話は最早馴染み始めていた。
寝る間も惜しんでの行動のかいあってか徐々にだが態勢は整い始めていた。
今まででさえ難攻不落。イギリスで最も安全と言われた場所であったのだ。
これならば闇の帝王も迂闊に攻撃できまい! そんな声が聞こえてくるようだ。
それでも皆の不安はぬぐい切れないでいた。
魔法省が墜ちたことも、ダンブルドアが死に瀕したことも、英雄ハリーが死んだことも、イギリスが好きなようにいじられていることも、何もかもが不安を強くさせていった。
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いや、その不安は男だけが持っているものであった。
女は二人のリンリー、ロザリンドとリリアンの母娘によってこのホグワーツが幸せいっぱいの愛の妙薬と
ただでさえ一人だけのリンリーで学校が狂ったようになってしまっているのにそれが二倍。
しかも追加された方は歴代
二人が揃うことによる相乗効果で大変なことになってしまうので母娘だというのに出来るだけ離れたり、耐性があるリリやロザリンドのハーレムだけが一緒にいる場にいることができた。
基本的には校内はリリが、校外にはロザリンドの魅了が満ちていた。
生徒はリリに癒しと安定を求め、逃げてきた抵抗者たちはロザリンドを崇拝と信仰を向けているといっていい。
結局は女はこの状況でも大半が大して変わらない様子であったのだ。
忙しそうにしているのは騎士団所属の一部魔女やアンブリッジなどのロザリンドの為に暗躍する女たちだけだ。
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「いや~これだけいっぱいの女の子に囲まれた夏休みなんて最高ね。ホグワーツ最後の夏休みだからなおさら満喫しなくっちゃね。」
リリは今のこの状況を堪能していた。
ホグワーツには学生だけでなくリリと接していた卒業生も多く集まっていた。
そしてほとんどすべてが命の危機を感じており、リリを今まで以上に求めてきたのだ。
正直体が後三つは必要になるほどの人数だ。
それでも誰一人ないがしろにすることなく女の子の相手をした。
幸いに今は夏休みだ。一日中女の子と接することができる。
この時間は低学年の娘を相手にしている。
場所はグリフィンドール寮の談話室。寮関係なく小さな女の子たちが順番待ちしながらリリの周りに集まっていた。今はハッフルパフの一年生の番だ。
幼いからかまだ少し外の事が怖いのだろう、震えながら全力でリリにすり寄ってくる。
キュンときながら優しく抱きしめて背中をさすってあげる。
そうすれば不安も消えこちらを潤んだ瞳で見つめてくる。
「リリお姉ちゃん……。」
お姉ちゃん。それに幼い娘特有のまだ女になり切れない香り。正直
「は~い、リリお姉ちゃんだよ。もっといっぱい甘えてね。」
その娘を切っ掛けにリリの事をお姉ちゃんと呼ぶのが低学年で流行りだした。
「出会った瞬間からお姉さま呼びの私は時代を先取りしすぎていたわね! そして誰よりもお姉さま、お姉ちゃん、姉と呼ぶことに相応しい妹は! そうこのジニーよ!」
ついでのジニーの熱も加速していた。
さて、年下がいるのならば当然年上もいる。
リリは今年で7年生、つまり最高学年になる。
そのリリの年上とは卒業して働くお姉さまたちとなる。
「リリちゃん抱き枕~♡」
「ああ~日々の疲れが癒される~」
先程とは逆にリリが積極的に抱きしめられる番となった。
今いる場所は先程とは正反対のスリザリンの談話室である。
ムードたっぷりに内装を変えて日々を働く女たちの癒しとなっているリリ。
「お疲れ様です。さ、もっといっぱい癒されて。そして夜までたっぷり愛し合いましょう?」
年下とはできない性的な関係も大人の女とならば遠慮することはない。
求められるがままにリリは身体を使い喜ばせ満足させたのだった。
そして夜。
自分の部屋に戻ったリリを出迎えるのは嫁を筆頭にしたハーレムたちだ。
「お帰りなさい。さ、今度は私たちの番よ。」
「ふふふ。女の子たちと楽しんで帰れば優しい嫁と愛人が出迎えてくれる。ああ、やっぱり最高ね。」
そんなこんなで朝も昼も夜もリリはたっぷり女たちに囲まれてホグワーツの外など知らんとばかりに楽しんでいる。
お辞儀が作った法令は結構適当。
まぁ、実際お辞儀が最終的にどういう世界を作るのかは見てもみたい。
現実になったら絶対嫌ですけど。
ホグワーツも着々と戦いの準備。
それがどういう結果になるかはお楽しみに。
リンリー2倍のホグワーツ。前代未聞でしょうな。
そんでもって楽しみまくっているリリ。
戦争は後2話で終了予定です。
それでは次回お楽しみに。