【完結】魔法界に百合の花が咲く   作:藍多

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完結まで今回を入れて3話を予定しております。
最後まで気を抜かずに頑張っていきます。

それでは71話どうぞ。


71. ハーマイオニー・ジーン・グレンジャー

イースター休暇も終わり、リリ達のN.E.W.T試験(イモリ試験)も無事終了だ。

働く予定のハーマイオニーやパドマ、そして自分の目標を決めたダフネはしっかりと良い出来を出していた。この三人はどこで働くことになっても問題ない成績だろう。

 

一方のリリとパーバティは最初から諦めていた。

元から養ってもらうつもりのリリと屋敷にて専業で仕える予定のパーバティはN.E.W.T試験(イモリ試験)に価値を見出していなかった。

二人そろって頑張る嫁や仲間のサポートをしていただけだ。

 

そんなこんなでリリ達が卒業するまであと1カ月ほど。

後は残りわずかとなったホグワーツ生活を堪能するだけだ。

 

「さてと……。今日は一日私がリリを自由にする番ね。」

 

最後のリリ自由権を使うのは正妻たるハーマイオニーである。

正妻が何をするのかハーレム含めて皆興味ありまくりの様子だ。

皆が見ている中でハーマイオニーはリリの手を取る。

 

「それじゃあ行きましょう。」

 

「ええ、どこまでも一緒に行くわ。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

今日は休日でもない唯の平日。

N.E.W.T試験(イモリ試験)も終わっているがホグワーツでは終業式前日まで授業がみっちりある。

7年生の授業内容は卒業後為のものへと変わっているが、授業には違いなかった。

それなのに7年間、一度もさぼることなどしなかったハーマイオニーがまさかこんな日に授業をさぼってまで自由権を使うとはリリにも予想外だった。

 

二人が向かった先はホグズミード駅。

休暇前後でホグワーツ生が蒸気機関車での乗り降り以外で使うことはなく、いつもはほぼ無人なだけの場所だ。

 

「なんでここに?」

 

「ふふ、すぐにわかるわ。」

 

いつもは寂しいそこには何とお世話になっている紅い蒸気機関車があった。どうやら整備中の様子。

 

「もうすぐ夏休みだから整備するらしいのよ。それが今日だったからこの日に自由権を使ったの。」

 

ハーマイオニーは紅い蒸気機関車を見ながら話し始める。

 

「私たちが出会ったのはこの中のコンパートメントだったわね。」

 

「そうだったわね。一目見た瞬間運命だ! ってびびっと確信できたわ。あの衝撃は今でも忘れられないわ。」

 

「私も最初は衝撃で固まっちゃったのを覚えているわ……。この世界にはこんなかわいい人がいるなんて魔法以上に想像なんてできなかったのよ。ハッキリ言って小さな女の子には刺激が強すぎた気が……。」

 

「今の落ち着いたハーマイオニーも良いけど、あたふたしてたハーミーちゃんも可愛かったわよ?」

 

「もう……。次行くわよ。」

 

 

一年生の時だけ使う山道を抜けた後湖を進む。あらかじめ用意していた水面浮遊の魔法具を使ってゆっくり湖を滑るように進んでいく。姿勢を安定させるため密着状態である。

そして7年前と同じホグワーツ城が見えて来た。

 

「何年たってもホグワーツ城は綺麗ね。ふふ、色んな事があったわ……。」

 

「あの時も想っていたけど綺麗なものと綺麗なものを重ね合わせると最強ね。前も良かったけど今の成長したハーマイオニーだとまた別の趣が……。」

 

「あら、今の私と昔の私どっちが良い?」

 

「悩ましい……。分裂して片方年齢操作とかできないかしら?」

 

「そこは今の私って言いなさいよ。ま、私も過去現在未来全部のリリに囲まれたら……やばいわ。素敵すぎる。」

 

 

次は大広間。授業中の今は誰もいない。ここで組み分け帽子に運命を教わった。

 

「あの時私はグリフィンドールとレイブンクローで大分悩まされたわ。でも組み分け帽子はちゃんと最適を選んでくれたわ。リリと別の寮なんて想像できないもの。」

 

「仮にレイブンクローだったとしても私はそっちに追いかけてたわ。その時からハーマイオニーの事を本気で狙っていたのよ。もし違う寮にされていたら組み分け帽子は引退してたでしょうね。」

 

「リリならやりそうね。私もあの時リリがグリフィンドールを選んでくれて本当にう嬉しかったの。」

 

 

そしてそれぞれの授業をする場所を歩いていく。

それぞれの授業の教室、使用中なので外を歩くだけだが、クィディッチ競技場、天文台、図書室、必要の部屋。

どこをとってもハーマイオニーとの素敵な思い出が詰まっている。

 

「ハーマイオニーはどんな授業でもすごいよね。活き活きとして先生に答えるハーマイオニーの顔って私好きよ。もうすぐそれも見れなくなると思うと結構寂しいわ。」

 

「ありがとうね。私も授業中に失敗したり慌てたりするリリの事微笑ましいって感じながら見てるわ。」

 

「むぅ。あっ、てことは私たちずっとお互いを見てたことよね。」

 

「……あまり大きな声で言えないけど授業よりリリの方が魅力だもの。」

 

「学年主席のハーマイオニー様にそこまで言われるなんて光栄だわ。」

 

 

歩き続けて普段は人が滅多に近づかない地下室の女子トイレにたどり着いた。

 

「……ここでリリから好きって、愛の告白をもらったわ。」

 

「我ながら何でこんな場所で大事なことを言っているのかしら……。」

 

あの時は落ち込んでいたハーマイオニーを見ていられなくて抱きしめて想いのまま全てを口にしていた。

励ましてからもっといいムードの場所で思い出に残るようにした方が良かったかと結構気にしていた。

 

「私はどんな場所でも気持ちは変わらなかったと思う。好き、愛していると言ってくれてどんな私でも認めてくれてそばにいてくれる。そんな風に言ってくれたあなたは誰よりも輝いて素敵だった。どんな場所であってもそう思えたに違いないから。」

 

どんな場所であろうともここが今の関係が始まった場所だ。そうでなくともリリとの思い出の場所を忘れるはずがない。

二人は自然と口づけを交わす。1年生の時と同じように。

 

「これからも私はハーマイオニーのもの。ハーマイオニーは私のものね。」

 

「もちろん、永遠にね。」

 

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二人は一緒に歩き続けた。

禁じられた森の傍まで、クィディッチ競技場、湖。他にもホグワーツの全てを周る。

その中で昔を思い出しながら愛する女と語らい合う。

1年生の時はトロールやらドラゴン。ドラゴンは今もホグワーツで元気だ。卒業後はリンリー邸で番犬ならぬ番ドラゴンとなる予定である。

2年生の時は秘密の部屋にバジリスク。バジリスクはリリが卒業すると知って次のリンリーが来るまで眠ることにしたらしい。

3年生の時はホグズミードで初めてデートをした。たまにしか外出が許されなくて特別な気分でとてもいい思い出だ。

4年生の時は三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)海外の美女(フラー・デラクール)と仲良くなった。リリがフラーの事を一番の美人と断言した時には結構ショックだったけど、その後に一番愛してくれていると言ってくれたことは嬉しいことだった。

5~7年生は世間が騒がしかった。

 

楽しかったことも、怖かったことも、本当に色々あって飽きない7年間だった。

その全てで隣にはハーマイオニーがいた。ずっと一緒にいてくれた。

ハーマイオニーは今日1日を使って二人の出会いから今までの軌跡を振り返った。

二人は改めて隣を歩く女性が生涯、いや死後の世界であろうとも唯一無二の最愛の女性であると認識を再確認した。

 

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最後にたどり着いたのは二人の部屋。

6年前から変わらない二人だけの場所。

 

二人はベッドに腰掛ける。本日二度目のキス。

より熱くより長く相手の全てを自分のものにするために舌を絡める。

たっぷり時間を使って口を離す。

静まり返った寝室に響くはお互いの心音と吐息のみ。

 

「リリ……。私はリリアン・リンリーを愛している。リリの事が好きで好きでたまらない。

本当は誰にも渡したくない。でも他の女の子と一緒にいるあなたも輝いていてそんなあなたも好き。これからも絶対それは変わらない。たとえ服従の呪文を使われたってそれだけは変わらない。」

 

改めてハーマイオニーの心からの愛の告白。

もちろんリリの返事は決まり切っている。

 

「私もハーマイオニーを愛している。今までもこれからもずっと。女の子は好きだけどあなたが一番というのは嘘偽りない本当の気持ち。ずっと一緒よ。」

 

ハーマイオニーはリリを抱きしめてベッドに押し倒す。

 

「リリ……。もっと繋がりたい、もっとあなたを感じたい……。ただの繋がりじゃもう我慢できそうにない。だから……。」

 

一度深呼吸して息を整えるハーマイオニー。

そして意を決して言う。

 

「私、リリの赤ちゃんが欲しい。あなたと本当に結ばれて家族になりたい。」

 

「ハーマイオニー……。」

 

目と目で通じた二人は何も言わず、生まれた姿になっていく。

今日の二人にとって今までで最も体も心も繋がった夜になった。

そして真の意味で一つとなり結ばれたのだった。




正妻ハーマイオニー回でした。

出会いから今までを振り返ってホグワーツを周る。
そしてお互いの気持ちを確かめ合って一つに。

どう一つになったかはリリがあれしてハーマイオニーにあれこれして
シンメトリカルドッキングですよ。

それでは次回お楽しみに。

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