第14話、スタート!
梨子Side
朝、携帯のアラームが鳴って起きた。しかし、寝ているはずの悠哉君がいない。どこへ行ってしまったのだろうか。分からない。私が寝ている間に出て行ってしまったのかもしれない。そう思うと、不安が一気に押し寄せてきた。そんなことを考えていると、部屋のドアが開いた。
「起きたか。梨子。」
ドアを開けて入ってきたのは悠哉君だった。突然入ってきたので少しびっくりしてしまった。
「あ、おはよう、悠哉君。さっきまでどこ行ってたの?」
「調理室。」
調理室?なんでだろう。
「どうして、調理室に行ってたの?」
「お前の昼用の飯作ってただけだ。サンドイッチでいいよな。千歌から梨子がサンドイッチが好きだって聞いたし。」
悠哉君が朝いなかった理由は、私のお昼ご飯を作っていたかららしい。本当に優しいな、悠哉君は。
「あ、ありがとう!私、サンドイッチ、好きだから、うれしい。」
「そうか、ならよかった。さっさと身支度して会場へ向かうぞ。そうじゃないと間に合わなくなる。」
「うん。」
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会場
私たちはあれから身支度を済ませ、会場にいた。今の私はとても緊張している。また、前のようになったらどうしよう。怖い。また失敗してしまう。ずっとそんなことを考えていた。
「梨子、緊張しているのか。」
悠哉君が話しかけてきた。
「うん...やっぱり...私にはできないよ...」
「そうか。おい、ちょっと椅子に座れ。」
「え?」
「早くしろ。時間なくなるぞ。」
「あ、はい!分かりました!」
そうすると悠哉君は私の肩に手を置いた。
「え、ええ~!?ゆ、悠哉君、何しているの!?」
「少し静かにしろ。マッサージだ、マッサージ。ネットに落ちてたんだよ。緊張している奴がいたらマッサージしてやれって。」
「そ、そうだったんだ。」
「どうせ梨子は緊張するんだろうと思っていたからな。」
「そ、それはどういう意味!?」
「なんの意味もねーよ。ほら、段々と緊張がほぐれてきただろ。」
そう言えばそんな感じがする。肩も軽くなっていた。
「わかんないけど、お前はピアノの練習、しっかりやったんだろ。だったらできるんじゃねーの。あとは気合と根性でどうにかしろ。俺は観客席で見てる。」
「ありがとう、悠哉君。」
「そんなこと言ってる暇あったら少し腹に入れとけ。」
そう言うと、悠哉君は観客席へと向かっていった。彼が去ったあと、私は悠哉君が作ってくれたお弁当の蓋を開けた。中にはたまごサンドとカツサンドが入っていた。カツサンドを手に取り、口に入れる。
「あ、美味しい。」
とても美味しかった。それから少し経つと、係の人が私のところに来た。
「桜内梨子さん、出番です。」
「分かりました。」
そう言って私は席を立つ。そして舞台のピアノの席に向かう。私ならできる。悠哉君ができるって言ってくれたんだ。なら、それに答えなきゃ。そうして、私はピアノを弾き始めた。
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ピアノコンクール後
ピアノを弾き終えた。結果は大成功と言えるぐらいのものだった。でも、この結果が出せた1番の理由はやっぱり、悠哉君が助けてくれたからなんだと思う。そう思うと急にドキドキしてきた。なんでだろう。
「お疲れ様。」
「ゆ、悠哉君!?」
悠哉君が私の元に歩いてきていた。ただ、それだけなのに彼の顔を直視することが出来ない。私は一体どうしたのだろう。
「お前、顔赤いぞ。風邪引いていたのか?」
そんなことを言いながら、悠哉君は私のおでこに手を当ててくる。
「だ、大丈夫だよ!」
「そうか、それならいいが、無理はするなよ。」
「うん、ありがとう。」
そう言って彼は少し離れる。なんだかとても心臓がバクバク言っている。これがいわゆる≪恋≫なのだろうか。思い返してみると、いつも悠哉君のことを考えていた。早く明日になって悠哉君に会いたいって思っていた。そうか、これが≪恋≫なんだ。私を不良から助けてくれた時からずっと悠哉君に≪恋≫をしていたんだ。私は悠哉君のことが好き。きっとこれは変えようのない事実なんだ。この気持ちを悠哉君に伝えたい。決めた。内浦に帰ったら、告白する。
梨子Side End
始まる...悠哉君と梨子ちゃんの恋物語...一体どうなるのか!?ということを自分で書いていると、ものすごく恥ずかしくなってきますね!投稿者さんたちはこんな気持ちで投稿していたんだなと実感させられました!√Mr.N様、鯖 佐波様、ショペ様、Oz様、デモンズ様、ラブダイバー様、お気に入り登録ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします!もしよければ、お気に入り登録されてない方はしていただけるとありがたいです!感想などはいつでも受け付けております!