ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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二十話目突入!そろそろルウィー編も終わりに近いかな、その次はリーンボックス!


第二十話 孤児院にて(改稿中)

「孤児院の訪問?」

 

 

ブランに呼び出された俺、何事かと思ったら今日の仕事の内容のこと

だった。ルウィーの村の一角にある孤児院の訪問に行くことになった

のだ。

 

「そう…今日は月に一度私が孤児院の子供たちに会いに行く日なの」

 

「へえ、そうだったのか。それにしても孤児院か…」

 

「どうかしたの…?」

 

「この世界にもそう言った場所があったなんて意外だと思ったんだ、

ブランたちはすごく頑張ってるから」

 

 

この町の人たちは本当に笑顔だ、それに誰もが優しく声をかけてくれ

たのを覚えている。そんな国に孤児院があるのが俺には意外だと思っ

た。

 

 

「どんなに頑張っても手が届かないものはあるわ…それでも私はこの

国のために尽くすしかできない…」

 

「ブラン…でもブランはちゃんとその手でこの国の人たちの手を握っ

て助けようとしてるじゃないか、尽くすしかできないなんてそんなこ

と言わないで?もっと堂々と胸を張ってよ」

 

「真司…」

 

 

少し表情が暗くなったブランに俺は励ましの言葉をかけた、それを聞

いたブランの表情は僅かだが明るくなったように感じた。そして俺は

ブランの手を握る。

 

 

「え…」

 

「こうしたら…」

 

「真司?」

 

「こうやって手を繋いだら掴める距離が長くなるだろ?一人でできない

ことも二人、二人がダメなら三人…たくさんの人と繋がって行けば必ず

できるようになる。俺だって頼りにならないかもしれないけど力を貸す

ことならできるからさ」

 

「うん…ありがとう…」

 

 

手を握っちゃったけど厚かましかったかな?と言う思いとは裏腹に笑顔

を向けてくれるブラン、俺たちは外に出かける準備を始め孤児院へと向

かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

                ◇

 

 

 

 

 

「リリィ、お邪魔するわね」

 

「ブラン様!ようこそおいで下さいました!」

 

 

教会から出て数十分程、ブランが女神化して俺を運んでくれたので短い時

間で到着することが出来た。空の旅は未だになれない…正直生きてる心地

がしなかった、今俺はげんなりした表情になっている。

 

 

「ブラン様?こちらにおられる方は?」

 

「彼の名前は加賀美真司、今ルウィーに体験入国させているの。この国の

ことを知ってもらいながら私の仕事の手伝いをしてもらってるわ…」

 

「あ、どうも…加賀美真司と申します」

 

「ご丁寧にどうも、私の名前はリリィと申します。この孤児院で園長を務

めさせていただいているものですわ」

 

 

ニコリと笑い俺に挨拶をしてくれた女性、ここの孤児院の園長さんだった

のか。綺麗な銀髪のロングヘアーで出るとこ出て引っ込むところは引っ込

んでいるモデル体型の人だ、正直見ただけで見惚れてしまう。

 

 

「む…」

 

「いで!?いでででででで!?ブラン!?何するんだよ!?」

 

 

するとブランが俺の脇腹を思いっきりひね切ってきた、尋常ない力だった

から引きちぎれるかと思ったよ…

 

 

「ふん!」

 

「何がどうなってんだよもう…」

 

「まあ…ふふふ♪」

 

 

俺たちのことを見て微笑ましく思ったのか優しく笑うリリィさん、正直微

笑ましくもなんともないのですがね…脇腹ダメージ大ですよ。

 

 

「「「じー…」」」

 

「ん?どこからか視線が…」

 

「「「じー…」」」

 

「…お」

 

 

後ろを振り返ってみる、そこには子供が三人ほど俺たちをジッと見つめて

いた。俺と目が合ったとたん三人ともこちらに駆け寄ってくる。

 

 

「わ~!ブラン様だ!」

 

「ブラン様!あそぼ~!」

 

「ブラン様ご本読んで~!!」

 

「うお!?ビックリした…」

 

「こらこら、ブラン様たちが困っているでしょう?後で順番にね?」

 

「「「は~い」」」

 

 

そう言って退散する子供たち、すごく元気があって笑顔に溢れたいい顔

だ。リリィさんは俺たちに頭を下げ謝る。

 

 

「申し訳ございません、何分ブラン様が来ることを楽しみにしていまし

たから」

 

「気にしてないわ、子供は元気があるのが一番…」

 

「はは…俺はガン無視されましたけど…」

 

「あ…申し訳ございません…」

 

「いえいえ、リリィさんが悪いわけじゃないですし。ブランが言う通り

子供は元気が一番ですから」

 

 

謝るリリィさんに俺は声をかけた、まあ俺は見ず知らずの人なんだから

しょうがないと割り切る。

 

 

「それでは今から子供たちのところへ案内いたしますね、みんなブラン

様を心待ちにしていますよ」

 

「そうね、待たせてはいけないし…真司も一緒にいい?」

 

「おう、大丈夫だよ」

 

 

俺たちはリリィさんに案内されて子供たちが待つ部屋にまで案内される

ことになった。

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

 

「ブラン様だ~!!」

 

「ブラン様~!」

 

「みんな、こんにちは…」

 

 

ブランが部屋に入ると子供たちがわらわらと集まってきた、この孤児院

にいる子たちはブランのことが大好きなんだな。

 

 

「ブラン様、隣にいるお兄ちゃんは誰?」

 

「ブラン様の恋人?」

 

「「ぶふっ!?」」

 

 

俺とブランは同時に吹き出してしまう、子供から見ればそう見えてしま

うのだろうか?ブランと俺は慌てて不定する。

 

 

「ち、違うわ…真司はそう言うんじゃなくて…」

 

「そうだぞ?俺とブランは友達であって恋人同士じゃない」

 

「…」

 

「あれ?ブラン、俺何か変なこと言ったか?」

 

「別に何にもねえよ!」

 

 

何故か怒ってらっしゃる…俺は頭を傾げどうしてブランが怒ったのかを

考えた、う~む…わからない。

 

 

「ブラン様!一緒に遊ぼうよ~!!」

 

「ご本も読んでほしい!!」

 

「大丈夫、みんな順番にやってあげるわ…真司も手伝ってくれる?」

 

「了解、それじゃあみんなで遊ぼうか!」

 

 

この後俺とブランは子供たちとたくさん遊び絵本を読んで触れ合った、

子供たちはすごく楽しそうにはしゃいでいたがただ一人だけ隅っこに男

の子がいたことに俺はまだ気が付かなかった。

 

 

―――――

 

 

みんなと触れ合いながら数時間が経つ頃――

 

 

「ねえお兄ちゃん!」

 

「ん?どうかしたのかい?」

 

 

一人の男の子に話しかけられる、その男の子を筆頭に大勢の子供たちが

集まってきた。

 

 

「何か面白いお話とかないの?」

 

「絵本ばっかりじゃつまらないよ…」

 

「う~ん、そうだな…」

 

 

面白い話か、子供たちが興味を持って熱中できそうなもの…あ!あれが

あるじゃないか!俺の世界のものでこの該当に当てはまるものが!!

 

 

「ブラン!子供たちを集めて外に行こう!」

 

「え?どうして…」

 

「今から面白い話を聞かせてあげるんだよ!」

 

 

あの話なら興味を持ってくれるかも!それになにやら力が沸々と湧いて

くるような感じがする…今ならあの技も披露できる気がする!俺は意気

揚々と外へ向かった。

 

 

―――――

 

 

「お兄ちゃん!今からどんなお話を聞かせてくれるの?」

 

「いい質問だ、今から俺が話をするのはとあるヒーローの話だ」

 

 

子供たちは眼を輝かしながら俺に注目した、俺は子供たちを見つめ話を

続ける。

 

 

「そのヒーローはね、深紅のマフラーをなびかせて、バイクに乗り風と

共にやってきて。嵐のように敵を倒して風と共に去っていくんだよ」

 

「それってどんな人なの?」

 

「その人の名前は仮面ライダー、人々の自由と平和のために戦う正義の

味方なんだ」

 

「「わああああ!!」」

 

 

子供たちは一層眼を輝かせる、その後ろではブランとリリィさんが微笑

ましく見つめていた。俺は更に話を続ける。

 

 

「その仮面ライダーの敵は強大だ、悪の秘密組織は彼に改造人間を何人

も差し向け倒そうとする」

 

「それじゃあその人に勝ち目はないじゃん」

 

「ところがそうじゃない、仮面ライダーには敵をやっつける必殺技があ

るからな!」

 

「「「必殺技!?」」」

 

「そうだよ、ブラン。ちょっといいか?」

 

「ええ…」

 

 

俺はブランを呼ぶ、ブランの手には手ごろな大きさの木の板が用意され

ていた。俺がブランに頼んで用意してもらったのだ、ブランは木の板を

真っすぐに立てて俺の方へと向ける。

 

 

「まずはこれがライダーの必殺技の一つ…ライダーパンチ!」

 

バキン!!

 

俺は勢いよく木の板を殴りつけ真っ二つにした、ブランも子供たちもこ

の光景に驚いている。

 

 

「これは岩をも砕く、そして最後に…怪人に止めを刺すこの一撃が…ラ

イダーキック!」

 

 

目の前にひらりと舞う木の葉に一閃、スパンと綺麗に切れた。正直なん

でこんなことが出来たのかはわからないが…できる気がしたのだ。そし

て子供たちの反応はと言うと…

 

 

「かっこいい!!」

 

「すごいよ!仮面ライダーって!!」

 

「どうだ?ライダーはカックイーだろ?」

 

「「「「カックイー!!」」」

 

「あらあら♪」

 

 

この後子供たちとはライダーの話でもちきりとなった、楽しそうに話を

している様子をブランとリリィさんは優しい笑顔で見つめていた。

 

 

 

 

 

 

                ◇

 

 

 

 

「それにしても驚いたわ…」

 

「ん?何が?」

 

 

俺たちは今休憩中、子供たちが遊んでいるのをぼんやり眺めているとブ

ランが声をかけてきた。驚いたとは一体?

 

 

「真司があんな芸当ができたなんてね、隠してたの?」

 

「いや、俺もなんでできたかわからないんだけど…」

 

「わからないんだけど?」

 

「何故かできる気がしたんだよなあ…不思議なことに」

 

 

本来なら俺にはあんなことできるはずがなかったのに…

 

 

「なんでだろうなあ…」

 

「真司が今まで努力してきた結果じゃないかしら?ネプテューヌからも

聞いているわ、ずっと貴方が頑張ってきたこと…」

 

「そう…なのか?」

 

 

今まで頑張ったことが結果になってついてきたのかな?そうだとしたら

すごく嬉しい、まだ魔法の制御とか課題はたくさんあるけど…

 

 

「そうよ、だから真司ももっと胸を張った方がいいわ…」

 

「…そうだな、ブランのお墨付きだし!」

 

「ふふ…♪」

 

 

これからももっと頑張らないと!そう意気込んでいた時だ、木の影にポ

ツンと一人座っている男の子が目に入った。

 

 

「どうしたんだろう?ブラン、俺ちょっと行ってくる」

 

「ええ…」

 

 

俺はその男の子の下へ駆け寄った、その子はなぜか悲しそうな表情で俯

いていた。

 

 

「きみどうしたの?」

 

「…」

 

「みんなと一緒に遊ばないのかい?」

 

「…っ!」

 

「あ!ちょっと!」

 

 

男の子は逃げ出すように走り去ってしまう、俺はただ呆然と見つめてい

るしかなかった。どうしたんだろう?

 

 

「真司さん、すいません…」

 

「リリィさん?なんで貴女が謝るんですか?」

 

 

俺の傍へ寄ったリリィさんが申し訳なさそうに謝ってきた。

 

 

「あの子は今…心に傷を負っているんです」

 

「心に…?」

 

 

―――――

 

 

「あの子は…ユウスケの両親は亡くなったのです、雪崩に巻き込まれて

しまったのですがその時ユウスケを庇って…結果あの子だけが助かりこ

の孤児院に来ました」

 

「そうだったんですか…」

 

 

俺とブランはリリィさんに男の子の、ユウスケくんの事情を明かされた

。ただ一人だけ助かり両親とは二度と会えない…正直心が張り裂けそう

な想いでいっぱいなのだと思う。

 

 

「あの時私ももっと早く駆けつけられれば…」

 

「ブラン…」

 

 

ブランもその時の現場に居合わせていたらしい、悔しさに表情が少し強

張っているように見えた。俺はブランの握りしめた拳にそっと手を置き

話しかける。

 

 

「ブラン、悔しい気持ちはわかるよ。でも今は助けられなかったことを

後悔するよりやらなきゃいけないことがある」

 

「やらなきゃいけないこと?」

 

「ユウスケくんの心の傷を少しでも和らげてあげる、そして一人じゃな

いってことを彼に感じてもらうこと。ユウスケくんは今も苦しんでる…

その呪縛から解放してあげなくちゃ」

 

 

その子の涙は見たくないでしょ?と、言葉を続けた。正直簡単な話しじ

ゃない、なにかきっかけがあれば…俺みたいに、俺みたいに?

 

 

「あ…」

 

「真司?」

 

「どうかしたのですか?」

 

「ユウスケくんの今って前までの俺に少し似てるんだ…」

 

 

この世界に来たばかりのころは不安で仕方なかった、自分の世界に帰れ

る手立てがなく家族にも友人にも二度と会えないのかもと思った時もあ

った。確かに俺には帰れるかもと言う希望がある、でもそれも絶対じゃ

ない…見つからない可能性の方が高いのだ、現に今日の日まで帰れる方

法を調べたが一向に見つからない。だからこそわかる、家族に会えない

と言うユウスケくんの悲しみが…

 

 

「そうか…真司は…」

 

「えっと…私には何が何だか…」

 

「あー…リリィさんにはまた後程。それとブラン、確かに俺は今もそう

感じることもあるけど俺はこの世界に来たことを後悔はしていない。だ

からそんな悲しそうな顔をするなよ?」

 

「うん…」

 

 

ネプテューヌが俺を保護してくれて…今ではこの世界でできた仲間たち

がいる、失ったものばかりではないのだ。あの出来事がなければ俺はみ

んなに会えなかったのだから。彼にも…ユウスケくんにもきっかけを与

えてあげたい。

 

 

「リリィさん」

 

「真司さん?」

 

「俺にユウスケくんのこと任せていただけませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

「お、こんなところにいた」

 

「っ!」

 

「ちょっと待って!」

 

 

俺は逃げ出そうと知るユウスケくんの手を取る、ユウスケくんはバタバ

タと暴れて抵抗するが俺はその手を離さない。

 

 

「少しだけでいいんだ、俺とお話ししないか?」

 

「…少しだけなら」

 

「ん、ありがとう」

 

 

俺とユウスケくんは木陰に座り込み話を始めた。

 

 

―――――

 

 

「リリィさんから聞いた、君の両親のこと」

 

「…」

 

「でもさ…悲しんでばかりじゃなにも始まらないぞ?」

 

「お前に…お前に何がわかるんだよ!!お父さんとお母さんがいなくな

った僕の気持ちがわかるのか!!」

 

 

ユウスケくんはただ怒りを爆発させていた、悲しくて苦しい思いを今こ

の場で俺にぶつける。その眼からは涙が零れ落ちた。そんなユウスケく

んを見て俺は…

 

 

「ん~…君自身の苦しいとか悲しいとかの気持ちは俺にはわからないか

な?」

 

「え…?」

 

 

苦しい、痛い、悲しい。この気持ちだけはどうあっても自分自身にしか

わからない、理解しろと言うのが無理なのだ。でも…

 

 

「でもね、その気持ちをわかろうとすることはできる。俺も君と似たよ

うなことになってるしね」

 

「僕と?」

 

「俺さ、実は別の世界から来たんだ。おっと、これは嘘の話じゃないか

らな?女神様だって証明してくれるからそこんとこよろしく!」

 

 

ユウスケくんが思いっきり疑いの眼差しで見つめてきた、うわあ…この

信用ない目ときたら、女神のことを出したらすぐに止めてくれたけど。

 

 

「この世界にこれたはいいんだけどさ、俺の世界に帰れる方法が全然見

つからないんだよな。このまま見つからないままだったら俺は…もう二

度と両親には会えないだろうね」

 

「…お兄ちゃんは辛くないの?悲しくないの?もうお父さんとお母さん

に会えなくなるかもしれないんだよ?」

 

「確かに辛い、でも今の俺には…大切な仲間たちがいるんだよ」

 

「仲間?」

 

「そう、仲間だよ」

 

 

この世界で出会ったかけがえのない仲間たち、みんなが俺の居場所を作っ

てくれた。俺にとって変わることが出来たきっかけ…

 

 

「ユウスケくん、俺は帰る手立てをまだ見つけられてない…君は両親を、

家族を失った。でもさ、生きていくことって…失くすことばかりじゃない

ぜ?」

 

「失くすことばかりじゃない…?」

 

「ユウスケくん、眼を閉じて考えてごらん?今の君には何がある?」

 

 

ユウスケくんが眼を閉じる、そのままジッとして動かない…その時だ、ユ

ウスケくんの眼から涙がこぼれ始めた。

 

 

「え、園長先生が…」

 

「うん」

 

「こ、こにいる、み、みんながいるよ…」

 

「うん」

 

 

やっと気づいてくれた、ユウスケくんは今一人じゃないことに。それでもや

っぱり両親のことが忘れられなくて…ただ泣いていた。

 

 

「僕は一人じゃない、みんながいる…でも、でも!お父さんとお母さんには

生きててもらいたかった!ずっと一緒にいてもらいたかった!!」

 

「ユウスケくん、泣いたらいいんだよ。思いっきり辛いこと吐き出しちゃい

な、もう君は一人じゃない、ここにいるみんなが…俺がいるから」

 

「う、うあ…ああああああああああ!!」

 

 

その後もユウスケくんは泣いた、今までのことを全て吐き出すかのように…

 

 

―――――

 

 

「お兄ちゃん、ありがとう…」

 

「気にすんなよ、すっきりしたみたいだな」

 

 

眼は真っ赤になっているが表情はどこか柔らかい、そんなユウスケくんの頭

を俺は優しく撫でる。

 

 

「お兄ちゃん、僕…あの時お兄ちゃんの話していたこと聞き逃しちゃったん

だ」

 

「ん?なんの話だい?」

 

「仮面ライダー…名前だけ聞こえたんだけど…もう一度その話を聞きたい」

 

 

そう言えばあの時ユウスケくんいなかったっけ?でもユウスケくんも興味が

持てたみたいで嬉しい、でもただ仮面ライダーの話をするのも…そうだ!

 

 

「そうか!それならとっておきの話をユウスケくんだけに聞かせてあげよう

か!」

 

「とっておき?」

 

「ああ!君と同じ名前を持った人が変身したライダーのお話さ、聞きたい?」

 

「うん!」

 

「よしよし!それじゃあ話そうか…」

 

 

全ての人の笑顔を守り抜いた笑顔の戦士、仮面ライダークウガの物語を…

 

 

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

その日の夕方――

 

 

「ブラン様、今日は本当にありがとうございました!」

 

「私も楽しかったわ、次もまた来させてもらうわね…」

 

「その時は是非とも、そして…真司さん」

 

「リリィさん?」

 

 

リリィさんは俺の傍へ寄り頭を下げる、そしてお礼を言ってくれた。

 

 

「ユウスケのこと、本当に感謝しています。あの子があんなに明るい表情を

出してくれることになるなんて夢にも思いませんでしたから」

 

「俺はきっかけを作ったにすぎませんよ、笑顔が戻ったのはあの子の力その

ものなんですから」

 

「それでもです、本当に…ありがとうございました!真司さんもまた来てく

ださい、子供たちも喜びます」

 

「機会があれば必ず来ますよ」

 

 

ここの子供たちに会いに行くために必ず来よう、そう心に誓う俺。その時ユ

ウスケくんが笑顔で俺たちに別れの挨拶をしに来てくれた。

 

 

「真司お兄ちゃん!また来てくれるよね?」

 

「おう!必ず来るよ」

 

「僕…頑張って強くなるよ!今はまだ無理かもしれないけど、真司お兄ちゃ

んが言っていた仮面ライダーみたいに…」

 

「なれるよ、ユウスケくんなら。その笑顔があるんだから!」

 

「うん!」

 

 

俺とユウスケくんはお互いにサムズアップする、ブランとリリィさんはその

様子を不思議そうに眺めていた。

 

 

「真司?それは一体なんなの?」

 

「男同士の秘密!だよな?」

 

「うん!ブラン様には内緒だよ!」

 

「あらあら♪」

 

 

そう言って笑い合う俺たち、今ここにある笑顔は宝石のように思えるほど綺麗

なものだった。

 

 

 




次回でたぶんルウィー編ラストです。
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