ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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四十七話!そしてお知らせ!この作品の通算UAが80000を突破しました!これもこの作品を呼んで下さる皆さんのおかげです!本当にありがとうございます!

そしてついに女神たちが動く!告白だけじゃなくあれも…一体真司はどうなるのか!?


第六章 女神達からの告白、そしてみんなと幸せに
第四十七話 女神達からの告白(改稿中)


今宵のゲイムギョウ界は喜びに満ち溢れていた。

 

女神全員の帰還、そして救世主の登場…仮面ライダーの、真司の活躍による世界の滅

亡の危機からの脱出。

 

モンスターに壊された国も今は復興しつつある。この世界の人々は本当に逞しい…

 

誰もが笑い合い誰もが喜び合った、それは未だに治まる事はなかった。そんな中でた

だ眠っている人物が一人――

 

 

 

 

 

プラネテューヌ教会――

 

 

「真司、まだ目を覚まさないな…」

 

 

真司の部屋で呟くネプテューヌ、マジェコンヌとの戦いから三日が過ぎていた。真

司はその時の戦いでの疲労と魔力の大量消費によって未だに眠りについていた…

 

 

『ネプテューヌよ、心配する気持ちもわかる。だが真司は大丈夫だ、必ず目を覚ま

すさ』

 

「…そうだね、うん!」

 

 

ドラゴニック・ハートの言葉で少し元気になってきたネプテューヌ、その時部屋の

ドアが開き誰かが入ってきた。ネプギアだ、その手にはサンドウィッチと飲み物が

入ったティーカップを乗せたお盆を抱えていた。

 

 

「お姉ちゃん、お兄ちゃんの看病お疲れ様。少し休憩したら?」

 

「ネプギアありがとう、丁度小腹が空いてたんだ」

 

「それならよかった、ドラゴニック・ハートさんもいかがですか?」

 

 

ネプギアは、ドラゴニック・ハートにサンドウィッチを勧める。だがそれを、ドラ

ゴニック・ハートはやんわりと断る。彼には今、別件の用事がある様だ。

 

 

『遠慮なく、と言いたいところだが今からイストワール殿と会う約束をしているの

でな。せっかく誘っているところを悪いが…』

 

「いえ、お気になさらないでください」

 

 

すまないなとネプギアに一言謝るとドラゴニック・ハートは飛びながら部屋を出て

行った、今この場にはネプテューヌにネプギア、そして眠っている真司のみとなっ

た。

 

 

「お兄ちゃん、すごく気持ちよさそうに寝てるね」

 

「早く起きてほしいとも思うんだけどね、真司にお礼とか話したい事いっぱいある

んだけどなぁ…」

 

 

そう言いながらサンドウィッチを頬張るネプテューヌ、トマトの酸味と卵の甘さが

口の中いっぱいに広がった。口をモゴモゴとさせるネプテューヌ、すると、何か思

い出したみたいだ。口の中のものを飲み込み、ネプギアに声をかけた。

 

 

「そう言えば明日は祭典を開くんだよね?女神のみんなが無事に帰還出来た事と真

司の活躍を祝って」

 

「うん、いーすんさんたちも準備を始めてるよ。仮面ライダー…お兄ちゃんの事も

ちゃんと国民のみんなに知ってほしいから、お兄ちゃんには早く目覚めてもらいた

いけど…」

 

 

本当はお兄ちゃんとお話ししたいだけなんだけどねと舌を出して笑うネプギア、そ

れをよそに真司は気持ちよさそうに寝息を立てている…その様子を二人は優しい笑

顔で見つめていた。

 

 

「真司…」

 

「お兄ちゃん…」

 

 

二人が呟くと優しい風がフワッと通り過ぎた…

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備も一通り終わりましたね、これで真司さんが目覚めてくれれば…」

 

『イストワール殿、遅れてすまない』

 

 

一段落して一息つくイストワール。そこに丁度、彼女の用事を受けにきたドラゴニ

ック・ハートが謝りながら部屋に入って来た。それを見たイストワールは、微笑み

ながら中へと誘導する。

 

 

「ドラゴニック・ハートさん。いえ、そこまで待っていないので大丈夫ですよ?」

 

 

イストワールは柔らかな笑みをドラゴニック・ハートに向けた、そして互いに向い

合せとなり話し始める。

 

 

「真司さんの様子はどうでしたか?」

 

『まだ眠っている状態だ、だが心配する事はない。時機に目を覚ますはずだ』

 

「よかった…」

 

 

ホッと一息つき安心するイストワール、そして少しだけその瞳には影が映った。そ

れを見たドラゴニック・ハートは気になり声をかける。

 

 

『イストワール殿?一体どうしたのだ?』

 

「…本当にこれでよかったのかと未だに思ってしまうのです、真司さんのおかげで

このゲイムギョウ界は救われました。ですが代りに彼は永遠と言う途方もない時間

を生きなくてはならなくなった…私達のせいで…」

 

 

拳を握るイストワール、そんなイストワールにドラゴニック・ハートは柔かな声で

話しかけた。

 

 

『真司は貴女達のせいとは思ってはいない、例え貴女たちに言われなくても真司は

女神達のために躊躇なく力を受け入れたはずだ。真司はそういう者だからな』

 

「ドラゴニック・ハートさん…」

 

『だから卑屈にならないでほしい、真司の…相棒の決断を無駄にしないためにも』

 

「…はい」

 

 

落ち込んでいたイストワールは少しだが元気を取り戻した様な表情をしていた、そ

れを見たドラゴニック・ハートも安堵の息を漏らす。

 

 

『時に話は変わるが…私に話したい事があると、一体何なんだ?』

 

「あ、はい。それは仮面ライダー…真司さんの事とドラゴニック・ハートさんの事

を国民のみなさんにちゃんと公表したいと思いまして、その許可を貴方にいただき

たいと思ったんです。真司さんが起きていたら尚の事よかったんですが」

 

 

この世界と女神達を救ってくれた真司の事を知ってもらいたい、イストワールはそ

う考えていた。だがドラゴニック・ハートは…

 

 

『私は別に構わないが…真司の方はどうかな?』

 

「え?それってどういう…」

 

『真司は称えられることを望んでいないという事だよ』

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

「ネプテューヌ!来たわよー!」

 

「おお!ノワール!!ブランにベール達も!!」

 

 

プラネテューヌ教会の大広間、そこに各国の女神達が集合していた。お互いに手を

振り挨拶を交わす、全員元気そうだ。

 

 

「みんな、身体の調子は大丈夫?」

 

「ええ、かえって元気すぎるくらいよ。力を奪われた時はどうなるのかと思ったけ

どね」

 

「真司には感謝してもしきれないわ…」

 

「本当に…」

 

 

真司がいなかったら女神の力を全てマジェコンヌに奪われてこの世界は破滅の道を

辿っていたかもしれない、そう考えると背筋が凍るのを感じた。

 

 

「真司の方は?」

 

「まだ眠ってるよ、私としては早く目が覚めてほしいところだけど」

 

「それには同感…」

 

「真ちゃんに話したいことはいっぱいありますのに」

 

 

少し残念そうに声を上げる女神一同、その時だ。

 

 

 

 

―――――――――っ!

 

 

 

 

「…声?この声!!」

 

「ええ、間違いないわ!」

 

「まったく…とんだ寝坊助さんね…」

 

「真ちゃん!」

 

 

みんなは真司の部屋へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふあああああああああ…っ!!よく寝たー!!」

 

 

背伸びをして欠伸、なんかゴキゴキと骨が鳴る…おお、身体中が程よい疲労感が駆

け巡る。そして枕元を見た…

 

 

「…俺やったんだな」

 

 

眼の前にあるカードデッキ、俺が相棒の力を受け継いだ証…そして俺はみんなを救

う事が出来た。未だに実感はないけど…

 

 

「それにしても…腹減ったなぁ…」

 

 

結構空腹なんですけど、俺どれだけ寝てたのかな?現在進行形で腹が鳴る、その音

と重なって何かが聞こえてくる。ドドドドッ!と。

 

 

「ん?何この音?」

 

 

何だろう、何かが走り近づいて行く音に聞こえる様な…

 

 

「「「「「「「「真司(おにいちゃん)(真ちゃん)っ!!!!」」」」」」」」

 

「んぎゃあああああああああああああああっ!?!?!?」

 

 

ドアをいきなり開けて飛び込んでダイブしてきたみんな、みんなの総重量でののし

かかりはマジ死ねるよね…

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「真司、大丈夫?」

 

「これを見てそう思うならお前眼科に行く事をお勧めするぞネプテューヌ…」

 

「「「「「「「「ご、ごめんなさい…」」」」」」」」

 

 

ネプテューヌ達が謝る、俺は腹部を押さえおおお…と唸っていた。先ほどみんなか

ら受けた全力ダイブ、思いのほかダメージが大きい。だが、こうしてみんなとまた

顔を合わせられた事が嬉しく思う。顔を上げると同時に俺は笑顔になり、みんなに

声をかけた。

 

 

「まあいいけどさ、とりあえずみんな久しぶり!…ん?久しぶり?」

 

 

俺何で久しぶりって言ったんだ?でも何でかみんなとここ最近会っていない様な感

覚に陥ったんだよな、うむう…そう考えているとノワールが俺に話しかけた。

 

 

「無理もないわ、だって三日も眠り続けていたんだもの」

 

「そうか~…三日!?俺三日も寝ていたのか!?」

 

 

三日間も眠り続けてたなんて自己最高記録だぞ!?今までの最高は一日半ね、ん?

三日も眠っていた事は…

 

 

「俺三日分飯を食い損ねてる!?」

 

「いや言うとこそこぉ!?」

 

 

ノワール!何を言ってるんだ!!三日も食い損ねるなんて俺にとっては死活問題だ

ぞ!!ああ…それ聞いたら…

 

 

「尚のこと腹減ってきた…」

 

「待ってて!今食べるものを…」

 

 

ネプギアがそう言ってドアを開こうとした時…

 

 

「あ…真司さん!目を覚ましたのですね!!」

 

「イストワールさん!それに…ドラゴン?」

 

 

部屋にイストワールさんが入ってきたのだ、そしてその隣にはイストワールさんと

同じくらいのサイズのドラゴンが…誰だ?

 

 

『無事に目を覚ましたようだな、真司』

 

「っ!?この声…相棒か!?」

 

 

おおお!?相棒こんなに小っちゃくなったのか!?つうか何で現実世界に出てこれ

たんだ!?相棒は精神体で出てくるときはカードを介さないと出てこれないんじゃ

なかったのか!?

 

 

『真司が無意識のうちにそうさせてくれたんだ、まあ結果オーライと言ったところ

だ。別に気にする事ではないさ』

 

「まあ相棒が言うなら、それにその方が親近感湧くし本当に結果オーライだ」

 

 

あははと笑う、そして再び鳴る俺の腹。空腹には勝てん…

 

 

「ふふ、それじゃあ何か食べるものを準備しましょうか」

 

「イストワールさん、すいません」

 

 

微笑みながらイストワールさんは、厨房へと足を運ぼうとする。するとそこに声を

かける人物が二人、ネプギアとノワールだ。

 

 

「あ、それなら私も手伝います。いーすんさん」

 

「それなら私も手伝うわ、真司のことだからたぶん多めに食べたいと思ってること

でしょうしね。リクエストがあるなら聞くわよ?」

 

 

二人がが手伝いに名を上げた。それはすごく嬉しい、リクエスト、そうだな…

 

 

「久しぶりにノワールのカレーが食べたい!」

 

「了解♪ちょっと待っててね?」

 

「よっしゃ!ノワールのカレー大好きなんだ!!」

 

 

思わずガッツポーズ、体験入国の時に食べたあのカレーの味は今でも忘れない。ま

た食べられると嬉しくなってくる!

 

 

「それなら私も手伝うよ!!」

 

「私も…」

 

「ノワールにばかりいいところは持っていかせませんわ!!」

 

「私もやるよ!!お姉ちゃん!!」

 

「私も私も~!!」

 

「私も…♪」

 

 

…ネプテューヌたちも何故か意地を張って我も我もと名乗りを上げる、気迫がここ

まで伝わってくるよ。何故こうなったかわからんけど…

 

 

「まったく、本当にアンタは鈍感なんだから」

 

「ですねぇ…」

 

「アイエフ!コンパ!!」

 

 

部屋に新たに入ってくる人影が、アイエフにコンパだ。呆れた表情をしているが今

は別にいい、久しぶりに二人に会えたことに喜びを感じていた。

 

 

「二人とも久しぶり、また会えて嬉しいよ」

 

「私もよ、三日間もよく眠り続けられたわね?」

 

「身体の方は大丈夫です?」

 

「おかげさまでばっちり!ただ空腹ってなだけだ」

 

 

笑いながら二人に話す、アイエフもコンパも楽しそうに笑っていた。その時また部

屋のドアが開く、そこから現れたのは…

 

 

「真司くん!!目を覚ましたんだね!!」

 

「真司くん…!よかった!!」

 

「マーベラス!5pb.!!それにMAGES.達まで…」

 

 

マーベラスや5pb.たち、俺達と一緒に戦ってくれた仲間達が来てくれたのだ。その

マーベラスと5pb.に関しては俺に思いっきり抱き着いてきた、柔らかな感触と女の

子特有の甘い香りが漂う…おいおい!?

 

 

「ふ、二人とも…さすがに恥ずかしいんだけど?」

 

「むう~!いいじゃない!三日も真司くん眠り続けてたんだもん!心配かけたお詫

びくらいしてくれなきゃ!」

 

「僕だって頑張ったんだもん♪だったらこれくらいの事してもいいよね?」

 

「真司、諦めろ…」

 

 

MAGES.にまで見放された!?二人の抱きしめる力が次第に強くなっていくのがわか

る…ヤメテ!?これ以上は理性が!?

 

 

「マベちゃんも5pb.ちゃんもずるい!!私も!!」

 

「なっ!?ネプテューヌ!?抜け駆けはさせないわ!!」

 

「それはこっちのセリフだ!!」

 

「真ちゃんは渡しませんわ!!」

 

「のわあああああああああああああああっ!?」

 

 

それに何故か即発されたネプテューヌたちが一斉に俺に抱き着いてきた、ここまで

くるともう拷問に等しい。みんなの重圧が…誰かヘルプ…

 

 

「真司、哀れなり…」

 

「んなこと言ってる場合じゃないでしょ!?真司を助けないと!ほらネプ子!真司

が圧死しちゃうわよ!!」

 

 

アイエフがみんなを止めに入ってくれた、さすがみんなの良心…俺の味方は君だけ

だ、ぎゅうぎゅうに押し込まれた俺は静かにそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

                    ◇

 

 

 

 

 

 

「そしてごちそうさまでした」

 

「「「「「「「「「手品!?」」」」」」」」」

 

 

みんなが叫ぶ、俺が目の前に出された食べ物を一瞬のうちに残らず食べたのを見て

驚いている様だ。

 

 

「いやあ、あまりにも腹減ってたもんだからつい」

 

「ついであれだけの量を一瞬で平らげるアンタはすごいわよ…」

 

「三日分は絶対あったのに…」

 

 

三日分もあったのか!?そりゃ量が多い筈だ、でもこれといって気にする事無く食

べ進める事が出来たんだけど…一体どうしてなのか?少しだけ疑問に思う。

 

 

『私の力を受け継いだ影響でもあるな、魔力を回復させるには食べることが一番。

真司の食欲もそれ相応に底なしになってると思う』

 

「だからあれだけ食べても苦しくならなかったのか」

 

 

いやでも俺が今まで空腹の時はあれだけ食べても別に…まあいいや!

 

 

「ふふ、では真司さんのお腹も落ち着いたところで…」

 

「んむ?イストワールさん?」

 

 

コホンと咳払いするイストワールさん。どうやら俺に話がある様子、だがそれと同

時に驚いた。イストワールさんが、俺にいきなり頭を下げて来たからだ。何でそん

な事をしたのかがわからなかったが、次の彼女の言葉でわかる事になる。

 

 

「真司さん、此度はこのゲイムギョウ界を…女神の皆さんを救っていただき本当に

ありがとうございます。貴方には返し切れないほどの恩をいただきました」

 

「あ、あはは…そんな、俺は別に…」

 

 

その言葉を聞いた俺は、思わず身体が強張るのを感じた。目の前の彼女は今でこそ

顔見知りだけど、国の代表の一人。そんな人物に頭を下げられて、そうならないの

がおかしい。そんな思いに耽っていると、俺の発したその言葉に異議を唱える者が

いた。この国の女神であるネプテューヌである。

 

 

「いーすんの言う通りだよ、真司はそれだけの事をしたってことなんだからさ!も

っと堂々としてもいいと思うな」

 

 

ネプテューヌの言葉に他のみんなもうんうんと頷いた、改めてそう言われると逆に

恥ずかしさが込み上げてくる…俺は照れ隠しをする様に頭を掻いた。

 

 

「つきましては真司さんの事を国民のみなさんに知っていただきたいのです、そし

て称えたいのです。この世界を救った英雄を…仮面ライダーの事を…龍神様の後継

者の事を…」

 

「………」

 

 

イストワールさんの言葉に押し黙る、英雄…称えたい…か。

 

 

「真司さん?」

 

「どうしたの?」

 

 

俺は考え込むように俯く、そして意を決し顔を上げ口を開いた…

 

 

 

「せっかくですがイストワールさん、その話…俺は辞退させてもらいます」

 

「「「「「「「「「「「な―――――っ!?!?!?」」」」」」」」」」」

 

 

全員が驚愕の表情を浮かべて目を見開いた、結構怖いね…するとノワールが俺に詰め

寄り怒ったような口調で叫びだした。

 

 

「真司!!貴方何言ってるのよ!?辞退するって…貴方はこの世界と私達を救った英

雄なのよ!?貴方はちゃんと称えられるべきだわ!!」

 

「ノワールの言う通りね…真司はそれだけの事をやってのけたのよ?」

 

「真ちゃんの事を国民のみなさんにも知ってもらいたいですのに!」

 

「そうだよ!何でそんな事言うの!?」

 

 

ノワールに続きブラン、ベル姉、ネプテューヌも俺に詰め寄り怒号を浴びせた。他の

みんなも今にもそうしようとしてる者も後を絶たない、俺は苦笑いを浮かべた。でも

まあ…みんなの気持ちは嬉しいかな、そこまで俺の事を思って言ってくれているんだ

から。だけどこればかりは譲れない…

 

 

「みんなの言いたい事はわかる、それに俺の事をそこまで評価してくれて本当に嬉し

い」

 

「なら何で!!」

 

「ヒーローって言うのはね、称えられるために戦うんじゃないんだよ」

 

「え?」

 

 

俺の言葉にネプテューヌが押し黙った、それは他のみんなも同じ…俺は更に言葉を続

けた。

 

 

「称えられるためや全ての人々に知ってもらったり評価されるためじゃない、助けを

求めてる人々、そして必死に頑張っている人に手を伸ばす。そして今日生まれた命を

全力で守る!俺が尊敬してきたヒーロー達はそうやって戦ってきた。俺はただそれと

同じ事をしただけ…一人の人として当たり前の事をしただけなんだ」

 

「でも…!」

 

「それに俺はみんなに十分過ぎるくらい称えられてる、みんなからのありがとうを俺

は確かに受け取ったんだ。そして笑顔も、それさえあれば俺は何も望まない」

 

 

その言葉を皮切りにみんなは黙ってしまった、少し偉そうなことを言ったかな?俺は

バツが悪そうに苦笑いした。

 

 

「だから俺のことは国民のみんなには黙っていてほしい、あの時みんなを助けたのは

通りすがりの仮面ライダー。嵐の様に敵を倒し風と共に去って行った謎の人、それで

いいんだ」

 

「………ドラゴニック・ハートさんの言った通りですね」

 

 

イストワールさんが口を開く、相棒が言った通り?…相棒をふと見ると柔らかに微笑ん

でいる、イストワールさんに何を吹き込んだんだ?

 

 

「…真司が望んだ事なら私はこれ以上何も言わないよ」

 

「ネプテューヌ?」

 

 

相棒のことに疑問を持っている俺にネプテューヌが話しかけた、少し微笑みながら…で

もしっかりと強い眼差しで。

 

 

「まったく…変なところで真面目なんだから、そんな事言われたら本当に何も言えない

じゃない」

 

「真司らしいと言えばらしいわね…自分の事に欲がないと言うか…」

 

「欲がないと言うのも困りものですけどね。でも真ちゃんが選んだ事ですもの、私はそ

れでいいと思いますわ」

 

「みんな…」

 

 

ノワールとブランは呆れながら、ベル姉は笑顔で答えてくれた。自然とみんな笑顔にな

る、とても温かい…

 

 

「でもお兄ちゃん、謙虚過ぎるのも考え物だからね?いつもそうなんだから」

 

「そうよ!たまには我儘言っても罰は当たらないと思うもの」

 

「そうそう!」

 

「うんうん…!」

 

 

ネプギアやユニちゃん、ロムちゃんにラムちゃんが口々に言葉を放つ。思わず苦笑い…

でも俺のために言ってくれてる事だからよしとしよう、うん。

 

 

「とりあえず丸く収まったことでいいのだな?」

 

「真司くんらしいね、でもそこがかっこいいと思うな」

 

 

サイバーコネクトツーに、笑顔で褒められる。そう言われると、無性に恥ずかしさが込

み上げてくるのがわかる。今はただ笑うしか出来ない、そんな事をしていると、ニヤリ

と口元を歪めるMAGES.の姿が。あの表情、あれは新しいおもちゃを見つけた様な目だ

。MAGES.はその表情のまま、サイバーコネクトツーに話しかける。

 

 

「おや?サイバーコネクトツーも真司に惚れたか?」

 

「へ?なななななな何言ってるんだよMAGES.!?私はただ真司くんがかっこいいって

思っただけで彼に好意を持ってるかどうかは別問題だよ!?」

 

 

MAGES.の言葉に頬を赤く染めて不定するサイバーコネクトツー。あわあわとして、手

をバタバタとさせながら慌てていた。完全にMAGES.にからかわれている。彼女も玄人

の部類に入る、そう思わざるを得ない。そこに畳み掛ける様に、マーベラスとネプテュ

ーヌが会話に乱入してきたのだ。

 

 

「え!?サイバーコネクトツー、真司くんの事を!?」

 

「マーベラスAQL!?私の話聞いてたでしょ!?」

 

「ここで新たにライバル出現!?ネプテューヌピーンチ!?!?」

 

 

更にそれにのっかかるように騒ぎ出すみんな、さっきまでのムードは何処へやら…でも

まあこれが俺達らしいっちゃらしいかな?

 

 

「はあ、ネプ子達はもう…」

 

「まあそれはそれとして、どうしましょう?明日のパーティの計画をもう一度練り直さ

ないといけないですね」

 

「パーティ?」

 

 

イストワールさんの言葉に目をパチクリとさせる俺、パーティ?何かの祝い事でもしよ

うとしてたのかな?

 

 

「実は女神様が無事に戻ってきた事を記念して企画したんです、本当ならその時に真司

さんの事を公表しようと考えてたんですが…」

 

 

思わず目を伏せてしまった。まさか俺なんかのためにそこまで計画を進めてくれていた

なんて…それなのに俺は、その好意を無駄にする様な事をしてしまった。俺はイストワ

ールさんに頭を上げて謝る、今の俺にはそんな事くらいしか出来ないから…

 

 

「何かすいません…」

 

「いえ、いいんですよ。他ならぬ真司さんが望んだ事なんです、私はどうこう言う事は

しませんよ。だからどうかお気になさらずに、…息子はお母さんに迷惑をかけるもので

すよ?」

 

 

最後はボソッと俺の耳元で囁くイストワールさん、まったく…この人には頭が上がらな

いや。

 

 

「それでは私はもう一度準備に取り掛かりますね?ネプテューヌさん、真司さんの事を

気にするのはいいですけどお仕事もちゃんとしてくださいよ?」

 

「ねぷぅ!?今ここでそんなこと言う!?」

 

「お前が駄女神だからだろ?」

 

「真司ひっどーい!!」

 

 

ポカポカと俺を叩くネプテューヌ、それを見たみんなは笑顔になり笑い始めた。この笑

顔を守れて本当によかった…改めてそう実感したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日の夜――

 

 

 

「やっぱり場違いにも程があるよなぁ…」

 

 

パーティ会場の広間にはそろいもそろうドレスやタキシードを着ている人々、俺がこ

の世界に最初に来た時にも感じたぜ…しかもこれ全国に放送されてるんだろ?規模が

半端ない。

 

 

『そう悲観するな真司、もっと堂々と胸を張れ。君はここにいて恥ずかしくないほど

のことをやってのけたのだから』

 

「相棒…」

 

 

相棒が俺の横でバタバタと飛びながら語りかけた、そう言ってくれるのは嬉しいが…

他の観客の人たちよく驚かないな、小さくてもドラゴンが飛んでるのに。イストワー

ルさんが何か計らってくれたのだろうか?

 

 

「真司、お待たせ」

 

「お待たせです」

 

「お、来た来た」

 

 

声がかかり振り向くとそこにはドレスを着たアイエフとコンパが、俺が最初に見た二

人の服装。うん、可愛いと思う。

 

 

「真司のその姿も久しぶりね、あの時の真司ったら本当に慌てふためいていたのを思

い出すわ」

 

「止めてくれ、意外に気にしてるんだから…」

 

「でも真司さん、やっぱりよく似合ってるですよ!」

 

 

コンパァァァァ…やっぱり君は天使だよ!ん?看護師さんだから白衣の天使で合って

るよな?俺うまいこと言った!

 

 

「ふむ、真司のタキシードも中々様になってるものだな」

 

「んあ?MAGES.?おお…」

 

 

振り返るとそこにはMAGES.が、それにマーベラスに5pb.、ファルコム、サイバーコ

ネクトツーに鉄拳、ブロッコリーも。みんなドレスを着て髪型も変えている、こう見

るとみんなのその姿はすごく新鮮に思えた。

 

 

「どうした?私のドレス姿に見惚れでもしたのか?」

 

「ああ、一瞬だったけど本当に見惚れた。MAGES.すげえ綺麗だな…」

 

「なっ!?い、いきなりそんなこと言うな!て、照れるではないか…」

 

 

俯いて照れ隠しするMAGES.、でも本当にそう思った。髪型もいつものストレートか

ら三つ編みに変えて黒を強調としたドレス、いつもとのギャップも相まって余計にそ

う思ってしまった。

 

 

「何々~?MAGES.も真司くんに惚れちゃったの~?」

 

「サイバーコネクトツー!!昼間の仕返しのつもりか!!」

 

「べっつに~?あはは!人をからかうのも悪くないね!」

 

 

サイバーコネクトツーがMAGES.をからかいギャーギャーと喚きだした、他の人の迷

惑になるからそれは止めような?ファルコムと鉄拳が必死に宥めてるし…

 

それを苦笑いしながら見つめていた。何だかんだでこうしてみると面白いけど、いつ

までも見ているわけにもいかない。俺も止めに入ろうとする、だがそこに俺を呼び止

める声が聞こえたのだ。5pb.とマーベラスである。

 

 

「あの…」

 

「真司くん…」

 

「5pb.?マーベラス?」

 

 

二人がモジモジしながら俺に話しかけてきた、二人のドレス姿もいいな。5pb.は髪

を束ねてポニーテールにし、青を強調としたドレスを。マーベラスは普段のボブカッ

トにウェーブをかけ、そして深紅色を強調としたドレスを。とても似合ってる!

 

 

「ど、どうかな?ドレスなんて初めてだったんだけど…」

 

「私も、いつもの服以外にあまり着たことないんだ」

 

「二人とも綺麗だ、すごく似合ってるよ」

 

 

俺の正直な感想、というかそれ以外の言葉が見つからない。二人とも本当に似合って

いると感じたのだから、その言葉を聞いて二人は…

 

 

「綺麗…似合ってる…ふにゅう…」

 

「も、もう思い残すことないよ…」

 

「ちょっ!?二人とも!?」

 

 

顔を真っ赤にしてバタンとぶっ倒れました、ちょおおおおおおおおおおお!?

 

 

「おい!?二人とも大丈夫か!?」

 

「まああれよね、惚れた女の弱みと言うか…」

 

「完全に殺し文句だったです…」

 

 

…何でそこまで呆れた表情で俺を見てるんですかアイエフさんコンパさん!?俺が何

をしたと言うんだ!?

 

 

「無自覚にも困ったものだな…」

 

「もうここいらで気づいてもいいんじゃない?」

 

「そうそう、そうじゃなきゃ二人や女神様が可愛そうだよ!」

 

「そうだよ~」

 

「お前馬鹿かにゅ?」

 

「みんなしてひでぇ!?」

 

 

俺の言葉は虚しく響くのだった、何故こうなった…

 

 

 

―――――――――

 

 

 

「そう言えばネプテューヌ達は?」

 

 

5pb.とマーベラスが回復して、俺達は会場を見て回った時にふと口にした。その質

問に、アイエフがすぐに答えてくれた。

 

 

「開会式の挨拶の準備よ、あれでも結構忙しいからね。ネプギアたち妹も顔出ししな

きゃいけないし」

 

「女神様全員が無事に帰還できたことのお祝いでもあるからな、そりゃそうか」

 

 

全員がちゃんと顔を出して無事だと言う事を伝えなくちゃだもんな、今更ながら思う

けど女神って大変だな。うんうん…

 

 

『ん?どうやら開会式が始まる様だ』

 

 

相棒の声に俺達が反応する、二階の踊り場辺りからネプテューヌたちが女神化した姿

で顔を出しながら登場した。その姿を見た人々は歓声を上げながら嵐の様な拍手を送

る、そんな中でネプテューヌが演説を始めた。

 

 

「今宵ここに集まってくださった皆さん、そしてこの世界にあまねく生を受けし国民

の皆さん。皆さん達の思いのおかげで私達は今、こうしてこの場に立つことが出来ま

した」

 

 

柔らかく微笑み話すネプテューヌ、思わず魅入ってしまうその表情。他の人々も同様

だった、みんな静かに彼女の言葉を聴き入り、魅入っていた。

 

 

「破壊された街も今は皆さんのおかげで日々復興しつつあります、女神の代表として

改めてお礼を言わせてください。本当に…ありがとう」

 

 

再び沸き起こる拍手、俺もみんなも全員がネプテューヌたちに向けて拍手を送った。

 

 

「そしてもう一つ、この場を借りてお礼を言いたい方がいます。私達女神を命を懸け

て救ってくれたあの方…仮面ライダーに」

 

 

俺は少し目を見開いた、アイエフたちはそれをただ微笑みながら見ている。何で?そ

んな思いに浸っている間にネプテューヌの話が始まった。

 

 

「本来なら直接この場に来ていただいてお礼を言いたかった…ですが残念ながら彼の

消息は不明、まさに風と共に去って行きました。ですが…」

 

 

目を瞑ったネプテューヌは深呼吸し、静かに眼を開き口を開く…

 

 

「私は、私達は貴方のことを絶対忘れない。貴方がその手で私たちや多くの命を救い

、守ってくれたことを…私たちに未来を示してくれた事を!だからこそ言わせてくだ

さい、本当にありがとう」

 

 

胸が熱くなる、そしてその反面恥ずかしさも込み上げてくるのがわかった。あはは…

これは参った。

 

 

「せめてこの場を借りてお礼を言いたかったみたいよ?本当なら真司はもっとみんな

に称えられるべきと私は思うけどね」

 

「アイエフ…」

 

「わかってるわよ、真司はそれを望まなかったんだから私達はそれに従うまでよ。で

も私からもお礼を言わせて?ネプ子たちを救ってくれてありがとう」

 

「私からもです、ねぷねぷ達を助けてくれた真司さんには本当に感謝してます!」

 

 

俺はそれだけで十分すぎるくらいだよ…笑いながらそう思う、そして再び俺は顔を上

げてネプテューヌの方へ向いた。丁度眼と目が合う、するとネプテューヌは柔らかに

微笑んで俺に手を振ってくれた。思わずドキッとする…

 

 

「それでは言う事もなくなってしまいました、今夜は大いに楽しんでいただきたいと

思います。それでは皆さん…」

 

 

ネプテューヌ達は飲み物が入ったグラスを片手に掲げた、俺たちも思い思いにグラス

を掲げ…

 

 

「――乾杯!」

 

「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

                      ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ…」

 

 

パーティ会場を一人抜け出しベランダで佇みホッと一息、空を見上げれば何とも綺麗

な星空が。う~ん…いい景色だ。相棒は今イストワールさんと一緒に過ごしてる、二

人はすっかり意気投合してる感じだ。仲がいい事は素晴らしい事だと改めて実感する

、そう思いながら俺は、ただ空を見つめていた。

 

 

「真司、こんなところにいたのね」

 

 

声がかかる、振り返るとそこにはネプテューヌが。俺が最初に見たネプテューヌの姿

、露出が高いパーティドレスに思わず釘付けになる。それに気づいたネプテューヌは

悪戯な笑みを浮かべ俺の傍へ寄ってきた。

 

 

「ふふ♪真司って案外むっつりなのね、鼻の下がだらしないわよ?」

 

「うっ!?ご、ごめん…」

 

 

鼻の先を突きながら、ネプテューヌがまるで小悪魔の様な表情を浮かべてウィンクす

る。その際に微笑みかけられ、そのせいで顔が火照るのを感じた。だってさー…そん

な恰好で寄られたら誰だってそうなるでしょうよ!?俺だって健全な男なんだから!

 

 

「クスッ、からかってごめんなさい?真司はからかいがいがあるからつい」

 

「それにしちゃあからかいすぎるだろ?まったく…」

 

 

舌を出して謝るネプテューヌ、そして思わず俺達は笑い合っていた。何かくすぐった

い気分だけど、嫌じゃない。だからこそ思う…

 

 

「この笑顔を守れて本当によかった…」

 

「真司…」

 

 

思わず呟いた、ネプテューヌは柔らかに微笑む。そして互いに見つめ合う俺達、そし

たら段々と恥ずかしさが込み上げてきた。俺は思わず目を逸らす、あのまま見つめ続

けていたらどうなったかわかったもんじゃない。

 

 

「真司、もう一度貴方に言わせてほしい。私達を助けてくれてありがとう…」

 

「ネプテューヌ?」

 

 

頭を抱え悶えてる俺にネプテューヌが話しかけた、再びお礼を言われる。その姿で面

と向かって言われると、逆に照れてしまい思いっきり顔が火照ってしまう。そんな思

いの中、ネプテューヌの言葉は続けられた。

 

 

「捕まってた時柄にもなく少し怖いって感じたわ。これからどうなるのかって、この

まま何もできなくなるんじゃって…そんな私に真司は救いの手を差し伸べてくれたの」

 

「そんな大したことじゃないって…」

 

 

自分でもそう思う。俺はあの時、自分が本当にしたい事をやっただけなのだ。みんな

を救いたかった、絶対後悔をしないため、あの笑顔を失いたくない一心で…今思えば

本当に無我夢中だった。

 

 

「真司はそう思ってるかもしれない、でも私は…私たちは貴方に救われた。私達だけ

じゃない、この世界の人々もみんな…貴方の思いに救われたの」

 

 

俺の手を握るネプテューヌ、彼女の手の柔らかさが伝わってくるのを感じる。そして

彼女の言葉一つ一つが心に沁みる、嬉しい様な恥ずかしい様な、そんな気持ちが心の

中を駆け巡る。そして俺もまた、ネプテューヌの握った手を握り返す。強く優しく、

離さない様に。

 

 

「貴方がこの世界に来てくれて本当によかった…貴方に出会えて本当に…嬉しい」

 

「…俺もだよ、俺もネプテューヌやみんなに出会えてよかった」

 

 

互いに本音をぶつけ合う、この世界に来て確かに戸惑いや不安もあった…でもそれ以

上に楽しい事がたくさんあった、ネプテューヌやみんなに会えたから。それだけは胸

を張ってそう言える、これは俺の誇りであり、最高の宝物だ。

 

今の俺は、ネプテューヌに最高の笑顔を送れている。自画自賛だと思うけど、そう思

っている時、ネプテューヌが俯き気味になりながら頬を赤く染める。口を開いたり閉

じたりする動作が目にチラついた、そしてついに決心したのか、彼女は徐に声を出し

た。

 

 

「…真司、あの時私が真司に言った事を覚えてる?私がマジェコンヌに連れ去られる

時、真司に言った事…」

 

「俺に言った事?」

 

 

不意にネプテューヌが俺に問いかけた、あの時ネプテューヌが俺に言った事?俺は思

い出してみる、ネプテューヌが連れ去られる間際に俺に言った言葉…

 

 

――真司…大好きよ、だから…生き延びて…

 

 

…だったよな?それが一体?

 

 

「あの時最初に真司に送った言葉、大好きって事…そのままの意味なの」

 

「…え?」

 

 

そのままの意味?大好き…え?どう言う事だ?考えが纏らない、それはどう言った意

味でネプテューヌは言っているのか、今の俺の思考では理解が出来ずにいた。だが目

の前にいる彼女は、そんな俺をよそに、潤んだ瞳を俺に向けて一歩ずつ歩いて近づい

てくる。その光景に思わず息を飲む、緊張して喉もカラカラだ。そしてどうにかして

言葉を振り絞り、彼女と向き合う。

 

 

「それって…」

 

「こう言う事よ…」

 

 

ネプテューヌが俺の首に手を回した刹那――

 

 

 

「ん…」

 

「んむ!?」

 

 

 

目の前にはネプテューヌの顔が間近に、そして唇が何か柔らかいものに塞がれた。思

考が停止する、俺は一体ネプテューヌに何をされた?

 

眼前には頬を赤く染めたネプテューヌ、がっちりと固定された俺の顔、そして俺の唇

に重なるとてつもなく柔らかい感触、そこから導き出された答えは…

 

俺、ネプテューヌにキスされた!?

 

 

「んちゅ…真司、好きよ…貴方の事、異性として。愛してるわ…」

 

「え?な、なななななななな!?」

 

 

唇を離し微笑みながら言われた言葉、俺はどう反応すればいいかわからなかった。た

だ慌てふためき口元を押さえるしか出来ない…異性として俺を愛してる?え…?え!?

 

 

「「「「「「「あああああああああああああああっ!?!?!?」」」」」」」

 

 

すると後ろから大声が上がる、驚いて振り向くとそこにはノワール、ブラン、ベル姉

、ネプギア、ユニちゃん、5pb.、マーベラスの姿が。みんな驚愕の表情を浮かべてい

る、まさかみんなみてたのか!?

 

 

「ネプテューヌ!!貴女、何抜け駆けしてるの!?しかも…キスまで!!」

 

「私は自分の気持ちを真司に打ち明けた、それだけよ」

 

「なぁっ!?」

 

 

ノワールがネプテューヌに激怒する。だがそんな事はものともせず、ネプテューヌは

胸を張りながら不敵な笑みを浮かべた。その表情は、完全に勝ち誇った表情そのもの

だった。そして自信満々に、ノワールに打ち明ける。それを聞いたノワールの悔しそ

うな表情、今にも爆発しそうだ。そんな事を考えている俺は今、放心状態だが…

 

 

「くっ…!いいわよ…なら、今から私がする事も文句は言わないわよね!!」

 

 

叫びながら俺の下へ向かうノワール、今の俺はいまいち状況が掴めない。要は混乱し

ている状態なのだ。そんな俺の下に辿り着くノワール、すると徐に、俺の両頬に手を

添えた。柔らかなその手が触れただけで、俺が正気を取り戻すには十分すぎる。だけ

ど問題はそこから先だったのだ、放心状態から解放された俺の目の前には、吸い込ま

れる様に俺の顔に迫るノワールの顔が。そしてそのまま…

 

 

 

「ん…」

 

「ん!?」

 

 

柔らかな感触が再び唇に当る。ふわふわで温かいその正体は、ノワール自身の唇だっ

た。唇を当てられた時間にしては数秒ほどであったが、俺は何十時間もの時間に感じ

られる。思考が吹き飛び何が何だかわからなかったのだが一つわかった事がある、俺

は今、ノワールにキスされたのだ。

 

 

「真司、私貴方の事好きよ…世界で一番、貴方の事愛してる…」

 

「へぇ!?」

 

 

頬を赤く染めたノワールからの告白。その告白を聞いた瞬間、俺は完全に間抜けな声

を発してしまった。だがそんな余韻浸る事も叶わず、いきなり胸ぐらを掴まれた。掴

んだ人物の正体、ブランが俺をきつい目で睨みつけて怒号を放つ。

 

 

「真司ぃいいいいいいいいい!!!!!!!」

 

「はぃいいいいいいいいいいいいい!?」

 

 

普段のブランも然る事ながら、今は女神化した状態である。そんな彼女から受ける怒

号は迫力があり過ぎ、思わず涙目になってしまうほどであった。絶対に殴られる、そ

う思い覚悟して目を閉じる。だがそんな俺に待っていたのは、唇に触れる柔らかい感

触だった。

 

 

 

「んむ…」

 

「んぶ!?」

 

 

目を開けるとそこには。自身も目を閉じて、頬を真っ赤に染めたブランが俺にキスを

している姿だった。目を見開く俺、数秒後に唇が離されると、ブランが俯きながらも

俺に思いの丈をぶつける。

 

 

「ぷはっ…真司、私もお前の事好きだ!もうお前以外考えられねぇんだ…どうしよう

もなくお前の事が…好きになったんだ…」

 

「あば…あばばばばばばばば!?」

 

 

ここまで来ると、思考が全然追い付かなくなった。いきなり連続でのキス、それが

しかも女神様で、俺が見知った相手なのだから。息が詰まる、言葉が出ない。そん

な俺に、誰かが優しく抱き着いてきたのだ。ベル姉、リーンボックスの女神で、俺

にとって姉的存在。そんな彼女が俺の正面に向き直ると、そのまま俺にキスを迫っ

てきた。

 

 

「真ちゃん…んちゅ、ちゅる…んはぁ…」

 

「んんっ!?」

 

 

それもただのキスじゃない、舌を出し入れするディープキスだ。ベル姉の舌が俺の

舌を求める様に絡ませる、そうなる度に甘い香りが俺の頭の中を支配した。抵抗し

ようにも出来ない、いや、させなかったと言うのが正しいかもしれない。それくら

い、ベル姉のキスは激しく、濃厚だった。長い長いキス、唇を離すとそこには銀の

糸が垂れ下がる。微笑みを向けてくれるベル姉、そしてベル姉は、その笑顔のまま

俺に告白をしたのだ。

 

 

「真ちゃん、私もですわ。姉としてだけじゃなく一人の女性として貴方の事を愛し

ています、大好きですわ…」

 

「ほ、ほぁ…」

 

 

目を見開き呆然とする、今の俺は完全に硬直状態。声すらまともに出せずにいる、

これまでに四人の女神に告白とキスを受けた、その事が未だに現実ではないのでは

と疑ってしまっているからだ。だがまだこの告白は終わりを迎えていなかった、今

度はネプギアとユニちゃんが、俺の腕に手を絡ませて潤んだ瞳で見つめたかと思う

と…

 

 

「「お兄ちゃん!!」」

 

「んむ!?」

 

 

交互に迫る連続キス、標的はもちろん俺の唇。そして二人は震えながらも、必死に

なりながら、俺に自分自身の想いを伝えてくる。

 

 

「私もお兄ちゃんの事好き…大好き!!」

 

「アタシもよ!それに前にも言ったはずよ?お兄ちゃんの事大好きだって!」

 

 

その言葉を聞いた俺は、え?え?と動揺した声しか出せないでいた。今度は妹女神

の二人からの告白、と、とりあえず落ち着こう!俺は一先ず深呼吸しようとして息

を吸い込むが…

 

 

 

「真司くん!はむ…ん…」

 

「ん!?」

 

 

今度はマーベラスがキスをしてきた。柔らかい唇が俺の唇に押し当てられる、そし

て彼女は、力いっぱい俺を抱きしめた。そのおかげで、彼女の胸が俺の胸板に押し

付けられて形を変える。その光景を見ただけで心臓が跳ね上がってしまうが、マー

ベラスはそんな事などお構いなしに、更に強く抱きしめてくる。そして身体と唇を

一旦離すと、頬を赤くして笑いながら口を開く。

 

 

「私も好きだよ、あの時出会って私を心配してくれた時からずっと気になってた。いつ

も誰かのために一生懸命で、誰かのために傷ついて…でもそんな真司くんを見たらいつ

の間にか心惹かれてた。そして今度は、私の心を救ってくれた…そんな貴方が好き、こ

の気持ちは嘘じゃないよ?真司くん、大好きだよ!」

 

「へぁ…」

 

 

頬を赤く染めて告白するマーベラス、その表情は艶やかで思わず息を飲んだ。だがそん

な思いも束の間、俺の頬を優しく掴んだ誰かが俺にキスをする。一体何事だ!?そう思

い目を向ける、そこにいたのは…5pb.だった。

 

 

「んむ…」

 

「んんんっ!?」

 

 

優しく、それでいて力強いキス。まるで、自分の思いを必死になって伝えている様だっ

た。キスをし始めて数秒後、そっと唇を離す5pb.。彼女は自分の胸の前で拳を握り、意

を決した表情で目を開いた。

 

 

「はぁ…真司くん、僕も真司くんの事大好きだよ。僕にたくさんの勇気をくれた貴方の事

が…この先ずっと一緒にいられないとしても僕は真司くんの事を愛し続ける、この想いは

変わらないよ?…大好き!」

 

「………」

 

 

5pb.の必死の告白、彼女の思いが俺の胸に響いた。いや、5pb.の告白だけじゃない。今

この場にいるみんな、ネプテューヌ達の言葉一つ一つが俺の胸に響く。俺の心を掻き乱す

、みんなからの告白、そしてキス…これが何を意味しているのか。俺はその場にへたり込

んでしまう、そして俺はみんなに尋ねた。

 

 

 

「え?つ、つまり…みんなは…俺の事が…好き?」

 

「「「「「「「「そう!」」」」」」」」

 

「LikeじゃなくてLove?」

 

「「「「「「「「そう!!」」」」」」」」

 

「……ふにゃあ…」

 

 

俺は思いっきり倒れこんだ、たぶん顔は真っ赤に染まって目を回してるのだと思う。思考

が今はグチャグチャだ、自分でも何が何だかわからない。

 

 

「し、真司!?大丈夫!?」

 

「とりあえず医務室へ!!」

 

「ベール!お前真司の左肩支えてくれ!」

 

「わかりましたわ!」

 

 

ああ、みんなの心配してる声が聞こえてくる…今がどうなってるのかまるっきりわからな

いけど…でもはっきり今わかったことは――

 

 

みんなが俺に好意を持っていてキスをしてきたという事だった。

 

 




女神さまからの告白にキス!次回真司はどんな答えを出すのか?

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