ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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みなさま、お待たせしてしまい申し訳ない&謝罪を…

アダルトの方を先に仕上げる予定だったのですが仕事に追われて時間もなくこのような状況になってしまいました。

そして本編では「女神たちのガールズトーク」を投稿予定だったのですが、アダルトの方で掲載予定だったマーベラスが何故慎司を好きになるに至ったかの話を先に掲載させておきたいと思い今回投稿させていただきました、本編を楽しみにしていた方はすみません…自分の努力不足です…

番外編その三は前編後編に分けたいと思います、ですのでアダルトの方とガールズトークの方は今しばらくお待ちいただけると幸いです。

誠に勝手なことで申し訳ありません、今後ともこの小説をよろしくお願いします。

では、どうぞ!


番外編その三 前編 何故好きになるに至ったのか?

「う~ん…今更だけどさ、ど~も気になるんだけどね?」

 

「ん? どうしたの、ネプちゃん?」

 

 

 プラネテューヌの教会、ここには現在ネプテューヌとベール、ネプギアにマーベラスAQLがのんびりとゲームをしていた。

 真司は現在ラステイションのノワールのところへ、ブランと共にクエストの手伝いに行っているそうだ、プルルートはピーシェとアイエフ、コンパと共に日用品の買い出しへ向かっている。

 ベールとマーベラスAQLは真司に会いに来たのだが、当の本人がいなかっため現在のこの状況に至ると言う事だ。

 そんな中、ネプテューヌはコントローラーのボタンを連打しながら不意にマーベラスAQLに尋ねてきた。

 

 

「どうしてマベちゃんは真司の事好きになったの? 話を聞いた限りじゃ真司とあんまり交流がなかったよね?」

 

「そう言えば…でも5pb.ちゃんの一件の時はすでに自覚があったと思ったのですが…」

 

「告白の時も、お兄ちゃんの優しさに心惹かれたからだって言っていましたよね? でもそれだけじゃない気が…」

 

 

 三人の疑問ももっともだ。

 これまで告白した女の子たちはその思いがはっきりしている、だがマーベラスAQLに至ってはその思いがはっきりとしていない。

 彼女がどの様に真司を好きになったのか、その経緯が謎のままだ。

 

 

「う~ん、別に隠す様なことじゃないからいいかな?」

 

 

 すると、マーベラスAQLは少し考える素振りを見せながら微笑む。

 そしてコホンと咳払いを一つ、ネプテューヌたちはキョトンとしながら彼女を見つめていた。

 

 

「マベちゃん? それってどう言う…」

 

「ちゃんとお話しするよ、私が真司くんを好きになった理由を、ね?」

 

 

そこから彼女は語りだした――

 

 

 

*     *     *

 

 

 

 あれは真司くんがまだ龍神様の力を受け継いでない時の頃、う~ん…丁度5pb.ちゃんの事件が終わってまだ一週間くらいの時かな? 私はあるクエストを受けて一人プラネテューヌの森に向かっていたんだ。

 満月草って言う植物を持ち帰る簡単なクエスト、私一人でもこなせるからその時は他のみんなとは別行動を取ってたんだ。

 まぁ手頃な資金稼ぎと言ったところかな? アルバイトしてもいいんだけど戦いや探し物が冒険者として慣れてるからクエストの方が手っ取り早い。

 クエストなだけに貰えるお金もそれ以上、旅をしてたら出費が結構激しいから尚のことクエストで稼がなきゃいけないしね。

 

 

「さぁて…早く終わらせてみんなのところに帰ろう。満月草は…あれ?」

 

 

 満月草を探そうと辺りを見渡す、そしたら人影が見えた。

 その人影をよく見ると見知った顔が眼に映る、ここ最近知り合った人、そして自分の心に不思議な気持ちを与えた人物。

 

 

「真司くん…? 真司くん!」

 

「ん……あ、マーベラス! どうしてここに?」

 

 

 加賀美真司くん、異世界から来た普通の男の人。

 だけどどこか不思議な人でもある、何でここに…と言ってもたぶん十中八九クエストかな? 

 

 

「どうしたの? 何でこんなところに?」

 

「クエストだよ、一人で出来そうなものを選んでさ。満月草って言う植物の採集なんだけど」

 

「偶然! 私もそうなんだ」

 

 

 まさか私と同じクエストを受けていたなんて驚いた、何故かすごく嬉しい気持ちになっちゃう。あの時感じた気持ち、心が温かくなるこの気持ちは一体何だろう…

 

 

「…マーベラス? どうしたんだ?」

 

「え? あ、ううん! 何でもないよ、ちょっと考え事してただけだから」

 

「そう? ならいいんだけどさ」

 

 

 あはは…思わず考え込んじゃってた。

 でも不思議と嫌な気分じゃないんだ、寧ろ心踊るような楽しい気持ちなの、真司くんと一緒に居るからかな? えへへ!

 

 

「そうだ、真司くん。どうせなら一緒に行かない? そのクエスト、私も同じものを受けてるんだ。満月草を探すのも二人だったら効率がいいと思うの、どうかな?」

 

「本当か!? 是非頼むよ、俺一人じゃ正直不安だったんだ」

 

「うん! それじゃあ一緒に行こう!」

 

 

 お互いに肩を並べながら笑う。

 でも私はその時気が付かなかったの、この後大変な事が起こるって、そしてあの日の事を思い出してしまうなんて…

 

 

 

*     *     *

 

 

 

「満月草発見だよ!」

 

「こっちも、すごい大収穫だな!」

 

 

 森の中を進んで数時間、私達は満月草が生えている区域に無事辿り着いた。

 道中モンスターは出て来たものの、そこまで強くもなく、私と真司くんだけで十分

倒す事が出来た。

 そして二人で収穫を行い十分な量を確保することができたの、これでクエストは達成、その事に互いに笑い合った。

 

 

「いやぁ、マーベラスに会わなかったらちゃんと収穫できなかったよ。本当にありがとうな!」

 

「べ、別に大したことないよ。これくらい…」

 

「そんなことないって、すっごく助かった!」

 

 

 笑顔を向けられてすごくドキッとした。ただお礼を言われただけなのに…テンションが狂っちゃうな、もう。

 でも内心ものすごく嬉しがっているんだよね、この気持ち、ラステイションで初めて出会った時とお別れする前にも感じた。

 あの時の5pb.ちゃんにベール様も同じ様な気持ちだったのかな?

 

 

「それにしてもマーベラスって本当にすごいよな、忍術も使えて行動力もあってさ俺ってばまだちゃんとまともに戦えないし、正直羨ましいって思ってるよ…」

 

「真司くん…?」

 

 

 少し沈んだ真司くんの表情、それと何とも言いようが無い様な空気が流れるのを感じ

る。

こんな真司くん初めて見た、何かとても悔しいと思っている様な、そんな感じがする…

 思えば私は真司くんの事をちゃんと知っているわけじゃない、だってほんの数回会っ

ただけ、その中で知りえたと言えば真司くんは自分の友達のために全力を尽くして戦ってくれると言う事だけだよね。

でもそれは真司くんのほんの一部分、真司くんが今どんな気持ちで、この世界に来てどんな気持ちのままで過ごしていたか…私は知らない。

 沈黙の空気の中、ポツリと真司くんが話し始めた。

 

 

「俺ってさ、この世界に来て右も左もわからなくてさ、本当に不安だったんだ。そんな時ネプテューヌが俺の事を保護する形で教会に住まわしてくれて…」

 

「うん…」

 

「そのお礼と言っちゃなんだけど仕事の手伝いとかさせてもらって、でもやっぱり思っちゃうんだよ、俺はちゃんと役に立ててるのか?俺は足手まといなんじゃないかって…このままここにいていいのかなって…」

 

「………」

 

 

 真司くん、今すごく拳を握りしめてる。

 本当に悔しくて堪らない、そんな思いが私にも伝わって来た。

 この気持ち、私にもある…あの時(・・・)味わった気持ちと同じ……

 

 

「だからこうして自分が出来る様なクエストをして少しでも役に立てたらなっていつも思ってる。結局は内心不安で仕方がないんだけど、それでも何もしないよりはいいと思うから。でも、やっぱり今の自分が悔しいと思うかな…ちゃんと力になれてない自分が…」

 

 

 そんなこと思ってたんだね、真司くん……

 

 いつも不安で、力になれてないかもってずっと思ってて…

 

 だけど…そうじゃない、そうじゃないよ? 真司くんが力になれていないなんて事は絶

対にない、5pb.ちゃんや私を助けてくれた、それに女神様であるベール様が真司くんの事をあれほど信頼していたんだよ? そして今でも、それでもネプちゃん達の力になりたい一心で自分が出来る精一杯の事をしようと努力してる…

 

 

「ま、マーベラス?」

 

「真司くん、力になれてないとかそんなこと言わないで?」

 

 

 私は真司くんの握りしめている手を、そっと優しく包むように握った。

 真司くん、すごく驚いてる。そんな表情を見てちょっと可愛いなって思っちゃったけど……

 

 

「ラステイションでは私を助けてくれたじゃない、それにリーンボックスでは5pb.ちゃんを全力で助けた、真司くんがいなかったらどうなっていたかわからなかったよ?」

 

「で、でもそれは運が良かったって言うのもあったし。マーベラス達が助けてくれたのもあったし…」

 

「そうだとしても、真司くんの力がなかったら結果はもっと違っていたと思う。確かに私達は真司くんに力を貸した、でもそれは真司くんの助けたいって思いが私達を動かしたんだよ? その思いや行動が他の人の力になれていないって言うなら何だって言うの?」

 

「マーベラス…」

 

 

 少し偉そうなことを言ったかも。

 でも私が言ったことは間違いなく本心、真司くんは自分の事を過小評価し過ぎだと思ったから…

 それに真司くんはその行動でちゃんと助けられてる、力になれてる、あの時の私とは

違う、あの時二人を助けられなかった時の私と…

 

 

「真司くん、もっと自分に自信を持っていいと思うよ? 友達の私が保証します♪」

 

「…ありがとう」

 

 

 少しだけだけど真司くんに笑顔が戻った。

 まだちゃんと納得できていない様な感じはするけど…それでも真司くんがしてきた事は紛れもなくすごい事で、私は彼が羨ましくも思った。

 口先だけじゃない、その言葉を実行に移してそれを成し得ているから。

 その行いが、他の誰かを救えてるから…

 

 私には、それが出来なかったから……

 

 

 

*     *     *

 

 

 

「真司、そんなこと思ってたんだ…」

 

「私、お兄ちゃんの悩みに気づいてあげられなかった…」

 

 

 マーベラスAQLの話を聞いていたネプテューヌとネプギアは少しばかりへこんでいた。

 自分の好きな彼がこんなに悩んでいる事に気づけなかった自分達が悔しくて…ベールに至っては、俯き気味になりながら手の平をギュッと握りしめていた。

 

 

「真ちゃん、私達が困っている時は当たり前の様に手を差し伸べてくれましたわ。それについ甘えていたのかもしれませんわね…」

 

「そう、だね…思い返せばずっとそうだったかも…」

 

 

 初めて出会って間もない頃も、自分達が捕まった時も、この世界の命運がかかったあ

の日の時も、ずっと真司が手を差し伸べてくれて助けてくれた事を思い返す。

 

 だが同時に、真司に心から感謝すると共に悔しさも込み上げてくるのを感じた。

 いつも助けてくれた彼の不安や苦しみに気づいてあげられなかった事、自分達こそ力になれてないのではないのか? そんな思いが心の中で渦巻いてきたのだ。

 

 

「あー…ごめんね? なんかみんなの事を悪く言ってるみたいで…」

 

 

 マーベラスAQLは手を合わせて三人に謝った。

 自分の話で三人の気が落ちてしまい申し訳なく思ったからだ、だがネプテューヌ達は首を横に振る、それは間違いではないと言う様に。

 

 

「マベちゃんは悪くないよ、私達が真司の気持ちに気づいてあげられなかったのは本当だから」

 

「寧ろ聞けて良かったと思います」

 

「ええ、本当に」

 

「うん、ありがとう。そう言ってもらえると嬉しい」

 

 

 マーベラスAQLの言葉で三人は、真司に対しての気持ちが更に強くなるのを感じる。

 人の言葉によって大切な事に気づかされる事もある。

 

 

「力になれてないのなら、今度こそ力になろう。真司が私達を守ってくれるのなら私達も真司を守る、前に一緒に戦った時にみんなとそう誓ったもんね」

 

「うん! お兄ちゃんを支えてあげられるように!」

 

「私たちの手で、必ず!」

 

「えへへ、そうだね!」

 

 

 先ほどまでの不安は感じられずその顔には笑顔が戻った、四人は真司への想いを改めて再確認して、決意を新たにする。

 

 この先も彼と支え合える様に…

 

 

「この事はノワール達にもちゃんと話ししておかないといけないね」

 

「そうだね、みんなと集まれる日が来れたらその時にはちゃんとお話しするよ。真司くんに関しての大事な事だもん」

 

 

 真司の心情に関してはネプテューヌ達にとってすごく重要な事、その事はこの場にい

ないノワールたちにも絶対に耳に入れておかないといけない事なのだ。

 ノワール達もまた、真司を守ると誓った者達なのだから…

 

 

「あ、そう言えば話が脱線しちゃったよね? マベちゃん、続きを聞かせてよ!」

 

「うん、了解。それじゃあ続きを話すね?」

 

 

再びマーベラスAQLの話が始まった――

 

 

 

――――――――

 

 

 

「マーベラス、何かごめんな?話を聞いてもらっちゃって」

 

「そんなこといいよ、これで真司くんの気が少しでも晴れるのなら安いものだよ」

 

 

 頬を指で掻きながら、真司くんはばつが悪そうな笑顔で私にお礼を言ってくれた。

 でもわざわざお礼を言うあたりが律儀だなって内心思ったり、別にお礼を言われるような事をしたわけじゃ自分では思っているんだけどね…

 

 

「それでもだよ、おかげで少し自信着いた。まだ自分自身でも納得できてない部分もあるけど、少しだけ弱音が吐けたと言うか、すっきりしたと言うか…何かちゃんと言えてないけどさ、とにかくありがとう」

 

 

 ここまでお礼を言われると逆に恥ずかしいな、私はただ真司くんの話を聞いて少しばかり励ましの言葉をかけただけなのに…

 だけど少しでも元気が出てくれてよかった、真司くんは笑っていた方が素敵だから…私ったら何考えてるの!? そりゃ確かに助けてくれた時はかっこよかったなーとか、他人のためにあそこまで親身になれるなんてすごいなーと思ったけど!?

 

 

「あうあうあう…」

 

「ま、マーベラス?」

 

 

 真司くんが話しかけてきてくれてるみたいなんだけどまったくもってわかんない、自分で一体何自爆してるの!? 私ってばもぉおおおお…

 

 

「とりあえず落ち着こう?な?」

 

「あうぅ…うん…」

 

 

 今絶対に顔が真っ赤になってるよ…何だかすごく恥ずかしぃ…

 

 隣では真司くんが苦笑いながらも私に笑いかけてくれてるけど、その優しさが何だか身に沁みます……ああもう! こんなの私らしくないよ! いつも通りのスマイルスマイル!!

 あの二人が褒めてくれた私の大切な長所…

 

 

「………」

 

「マーベラス? あれ? マーベラス?」

 

「ふぇ? え!? あ、あーうん。大丈夫だよ!」

 

「どうしたんだよ? 顔が真っ赤になったと思ったら今度は急に沈んだ様な表情で黙り込んじゃって…」

 

「え…あ…」

 

 

 私、今そんな顔してた? 自分じゃ全然気が付かなかった…確かに少しだけあの時の事を思い出してたけど顔にまで出てくるほどだったのかな?

 

 

「もしかして…何かあったか?」

 

「ッ! …う、ううん! 別に何ともないよ」

 

「そうか? 何か辛そうな感じだったからてっきり…」

 

 

 真司くんはそう言って苦笑いしながら頭を掻く。

 ビックリした…私の心が読まれたのかと思っちゃった、でも真司くんが声をかけるほど今の私は沈んで見えたってことだよね? うう…ちゃんと乗り越えられたと思ったのにな…

 

 

「そのさ、辛い事とかあったら言ってくれよ?話くらいなら聞いてあげられるし。でもまあ、俺なんかじゃ役には立たないと思うけど…」

 

「そ、そんな事ないよ! ……ごめんね? 変な気を使わせちゃって」

 

 

 真司くんはああ言ってるけど声をかけてくれるたはすごく嬉しかった。

 余計な気を使わせちゃったけど…

 

 

「とりあえずギルドに戻ろうか? クエスト達成の報告もしなきゃいけないし、ね?」

 

「…そうだな、それじゃあ行こうか」

 

 

 その場の空気を紛らわすみたいに、真司くんを急かすみたいに私は声をかける。真司くんは少し沈黙した後、微笑みながら私の言葉に賛同した。

 

 

 

*     *     *

 

 

 

 ゆっくりと帰路につく私達、でも何だか空気が重い様に感じられる…

 

 原因は…十中八九私のせいだと思う。

 私が昔のことを思い出しちゃって変に考え込んじゃったから、こんな空気になったんだと思う。

 先ほどから頻りに出てくる昔の事、それは私自身の暗い過去――

 

 

 

 私は仲間ととある任務に就いていた、私たちなら簡単にこなせる任務のはずが敵の罠にまんまと引っかかり絶体絶命の状況に陥ってしまったの…

 辛うじて私は無事だった、だけど他の二人、任務に就いていた私の仲間が深手を負ってしまった。

 私は必死で二人に手を伸ばしたけどその手は届く事がなかった、私はただ泣きじゃくる事しか出来なかった…

 でもその時二人は私に言ってくれた、『貴女は笑顔が素敵だから、ずっと笑顔でいなさい』って…私は誓った、大好きな二人が言ってくれた笑顔の私でいようって。

 そして私は二人の愛用していた刀と名前を借りて『マーベラスAQL』へと改名した、これからも三人でこのゲイムギョウ界を守っていくために…

 

 その事を真司くんとの会話の中で思い出してしまった、別に真司くんが悪いわけじゃない、これは私自身の問題なんだから真司くんとは全然関係のない事…

 乗り越えたと思ってた、吹っ切れたと思ってたのにやっぱり未だに引きずってる。  私って弱いなぁ…

 

 

「…マーベラス」

 

 

 真司くんの声が聞こえた、真司くんの方へと顔を向けるとすごく物悲しそうな表情で私を見つめていた。

 何か声をかけなきゃ、そう思うけど声が出ない……少しの間沈黙が続く、そしてその沈黙を真司くんが最初に破った。

 

 

「その、さ…やっぱり何かあったのか? マーベラスがさっきからずっと辛そうな感じがするから…」

 

「え…? あ、そ、そんなことないよ! いつも通りの私だよ、うん!」

 

 

 私は取りつく様に笑顔になりながら真司くんに返事を返した、さっき真司くんに感づかれた様な慌てっぷり、正直言って苦しい…

 

 

「それに、マーベラス、笑ってない」

 

「え―――――」

 

 

 真司くんの言葉に私は固まった、笑って、ない? 私が…笑ってない?

 

 

「ちゃんと本当の笑顔で笑ってない、俺が最初に見た時とさっきまでのマーベラスは本当の笑顔を見せてくれてたと思う。でも…今は全然笑ってる様には見えない、無理して笑ってる感じに見える」

 

「そん、な…事…」

 

「本当に何かあったんじゃないのか? 俺でよかったら力に――」

 

「――さい」

 

「え?」

 

「うるさいっ!!」

 

 

 気がつけば私は叫んでいた、怒りに顔を歪ませて真司くんを睨んでいた。

 

 私の顔を見ている真司くんは酷く驚いている表情を私に向ける、唇を噛み、拳を握りしめた私は真司くんに詰め寄り思いっきり胸ぐらを掴んで叫びかかった。

 

 

「私は…… ちゃんと笑ってる、笑顔でいるって約束したのっ!! 二人が好きな笑顔でいるって、私は誓ったのっ!!!」

 

「ま、マーベラス!?」

 

「それを何で笑ってないって言うの!? 無理して笑ってるっていうの!? 私の事知らないくせに勝手な事言わないで!! 私の心の中に入ってこないで!!」

 

 

 ただ叫んだ、怒りを、鬱憤を真司くんにぶつけてた。

 真司くんはそれを戸惑いながら黙って聞いている…

 

 真司くんの言葉が気に食わなかった、私が笑ってない? そんなことない!! 私はずっと笑ってる、二人が好きだったあの笑顔でいてる筈なのに!!真司くんは笑ってないって、本当の笑顔じゃないって言った。

 それが許せなかった、腹ただしかった、いや……違う、そうじゃない。

 

 真司くんの言葉を肯定してしまったら、何かが壊れそうで怖かったから。

 今までの私の笑顔が否定されそうで怖いと思った、それを怒りで私は真司くんにぶつけているんだ……

 しきりに叫んだ私はハッとなり、口元に手を当てて我に返る。

 私、真司くんに何て事…

 

 

「あ……ご、ごめんなさい…私……」

 

「えっと…いいんだ、俺がマーベラスの気に障ることをしちゃったんだよな? ごめん…」

 

 

 違う、違うよ……真司くんが悪いんじゃない!! 真司くんが気にする事じゃないの!!

 口ではそう言おうとしても声が出ない、物悲しい表情の真司くんを私は見つめるしか

出来なかった…

 

 その時――

 

 

「っ! 何だ!?」

 

「え…?」

 

 

 それは唐突に起こった、私達がいた場所の周りがいきなり真っ赤な炎が噴き出して取り囲んだ。

 轟々と燃え盛る炎、それはまるで生き物のようにうねり勢いを増していく、何でいきなりこんな事が!?

 

 

「ギギギィイイイイッ!」

 

「モンスター!?」

 

「火山ヤドカリ…マグマボーイにマグマガール…このモンスター達はここには生息していないはずなのに…!!」

 

 

 その答えは目の前にいる炎系のモンスターのオンパレード、この森には絶対に生息していない筈のモンスターが何でこんなところにいるの!?

 だけど今はそんな事を思ってる暇なんてない!! モンスター達を倒して逃げないと……

 

 

 

 ――貴女だけでも逃げなさい!!

 

 ――アタイ達のことはいいから!!

 

 

 

 ……え? この光景、何処かで…

 

 

 

 ――ダメだよっ!! 二人を置いてなんて私には出来ないっ!!

 

 ――行けっ!! 早く!!

 

 ――生き延びるのよっ!!

 

 

 

「あ…あ…」

 

「マーベラス! とりあえずどうす…え? おい? マーベラス?」

 

 

 真司くんが何か話しかけてるのが聞こえる、だけどただそれだけしかわからない。

 

 身体がガタガタと震えだす、歯もカチカチと小刻みに鳴り始め瞳孔が思いっきり開くのがわかった。

 すると手の力が抜けて愛用の二つの刀を落としてしまう、その時同時に私は地面に崩れ落ちる、自分自身を抱きしめる様に両腕で肩を押さえながら…

 

 

「嫌……嫌ぁ…」

 

「マーベラス、大丈夫か!? しっかりしろ、おい!!」

 

 

 今のこの状況、とてつもなく似ている。私のあの時の記憶と、私にとっての暗い過去…

 

 

「嫌ぁあああああっ!!」

 

 

 大好きな二人を失ったあの時の状況と…

 

 




次回もお楽しみに!
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