ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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さあ、ここからはブランとその妹達のターン!お楽しみください!


第九話 ルウィーへ、そしてまさかの…(改稿中)

深々と積もる雪。街は白銀の雪に覆われており、その美しさは見た者の目を奪う

ほどである。この国の名前はルウィー、四女神の内の一人であるホワイトハート

ことブランさんが治める国だ。今日はネプテューヌ達と共に、ブランさんのとこ

ろへ来たのだ。大半の理由がネプテューヌのために来たようなものだが…前回で

言うところの、女神の心得を学ぶためだ。ま、それだけが理由じゃないけど。そ

の理由はまた後ほどに、今はこのルウィーの景色を満喫しようと思う。

 

 

「わ~!綺麗な街!私、一度来て見たかったんだ」

 

「本当だよな~、こう神秘的と言うか…」

 

 

ネプギアがキラキラした目をしながら、街を見渡す。ネプギアの言う事も、わか

らないでもない。俺が住んでいた地元、雪が積もったところですぐ溶けてしまう

。そのドロドロとした雪はすぐに黒ずんでしまい、流石に綺麗とは言えない。だ

からルウィーの街に積もるこの雪景色は本当に綺麗だと、こんな俺でさえそう感

じさせるほどの説得力があった。

 

それに心なしか、この街の人達の笑顔が素敵だと感じる。道行く人々は、目を合

わせる度に笑顔を向けてくれた。その笑顔はとても温かく、こちらも優しい気持

ちにさせてくれる、そんな笑顔だ。笑顔と聞くと、仮面ライダークウガを彷彿と

させるのが正直な話だ。五代雄介もこんな笑顔を守ろうとしていたのかな?と、

改めて考えさせられる。そんな思いに耽っている時、胸を張りながら鼻息を漏ら

す人物が一人、ネプテューヌである。

 

 

「ネプギアがそう言うと思ってさ、へへ~!」

 

 

自慢げに話すネプテューヌ。でも大半は貴女のためだと言う事をお忘れなく、自

分の心の中でそうツッコみを入れながら、俺は苦笑いを浮かべた。そんなネプテ

ューヌを見ながら、ネプギアはクスッと笑顔を自分の姉に向ける。その笑顔はま

さに大人の女性のもの、これではどちらが姉かわかったものじゃない。ネプテュ

ーヌ自体は、そんな事は微塵にも感じてはいないと思うが…

 

それはともかく、本当にネプギアはこの国に来たかったみたいだ。先ほどからう

ずうずと身体を震わせているのがわかる、こんなところを見るとちょっと子供っ

ぽいところがあるなと感じていたり。

 

 

「よかったな、ネプギア」

 

「はい!それにロムちゃんとラムちゃんにも会えるし!」

 

 

とりあえずネプギアに一声かけた。そして返ってきたネプギアの言葉の中にある

二つの名前、確かブランさんの妹達の名前だった筈だ。会ったのはパーティの時

だけ、これからまた会う事になるとなるとかなり久しぶりの再会と言う事になる

。最初、彼女達の俺に対しての印象は結構最悪だったかも?それはまあ出会いが

出会いだったし、それに誤解も解く事は出来た。根はすごく優しくてとてもいい

子達だと言う事はわかる、大人しくて少しビクビクしている子がロムちゃん、元

気ですごく活発な子がラムちゃん、実はロムちゃんの方がお姉さんだと知った時

はすごく驚いた。人が見かけによらないと、改めて感じた瞬間でもあった。

 

ロムちゃんとラムちゃんの事を考えていた時、ネプギアの表情が少し曇る。何か

物悲しそうな、寂しい様なそんな表情。一体どうしたのだろう?とりあえず声を

かけてみようか、だがそんな俺よりネプギアの口の方が早く開く。

 

 

「ロムちゃんとラムちゃんに遊びに来てって言われていたんです、二人が他の国

に行くことをブランさんが許してくれないみたいで…」

 

「へぇ…意外に厳しいんだな、ブランさんって」

 

 

聞いた限りではそう思うかもしれない、でも裏を返せばそれくらい妹達を大事に

思っている優しいお姉さんだ。少し過保護すぎる様な気もするけど…

 

 

「まあブランってお堅いところがあるからね~、そういう事してるとノワールみ

たいにぼっちになっちゃうのにね~♪」

 

「あのさあネプテューヌ…」

 

「当の本人が目の前にいるんですけど?」

 

「…すまん、ノワール」

 

「真司が謝ることじゃないわ、それに私はぼっちじゃないっての!!」

 

 

今まで会話に入っていなかったからわからなかったと思うけど、ノワールとユニ

ちゃんも今日は一緒だ。イストワールさんなりの配慮なのだと思う、今日に限っ

てアイエフとコンパがいない、要はお目付け役がいない状況なのだ。俺だけじゃ

フォローしきれないところもあるから、ノワール達がいるのは本当にありがたい

と感じる。目の前の駄女神様はすごく失礼な事を言い放っているが…

 

 

「あはは~、ごめんごめん!でも他人から言われると自分を変えるきっかけにな

るよ?」

 

「グータラ女神に言われたくないわよ!!」

 

「それにはものすごく同意、少しはノワールを見習って真面目に仕事やれよ」

 

「ねぷ!?真司がノワールの味方に付いた!?」

 

「俺は真面目にやってる子の味方なだけ。自分に付いてほしかったらもう少し真

面目に頑張ろうな?子供じゃないんだから」

 

 

事実そうである。ネプテューヌの仕事ぶりと言えばそれはもう壊滅的だ、ここ最

近の事を思い出せば真面目に仕事をしている姿はほんの僅かである。それをフォ

ローする様にネプギアやアイエフが頑張っているのだが、よくそれだけでシェア

を保っているものだと逆に感心してしまう。人徳と言うものなのだろうか?底無

しの明るい性格に加えてとことん前向き、自然と支持を得ているのだと思う。だ

が、本当にギリギリの支持だけど。そう心の中で思いながら、俺はワシャワシャ

とネプテューヌの頭を撫でた。

 

 

「ね、ねぷ!?私は子供じゃないよ!真司よりずぅううううっと大人のレディー

なんだから!」

 

「はいはい、さすが女神様ですね~♪」

 

「からかうな~!!」

 

 

顔を真っ赤にして手足をバタバタさせるネプテューヌ、そう言ったところはまだ

本当に子供だと思うんだけど。大人のレディーね、女神化したらそう感じるんだ

けどいかんせん今の状態ではそうは思えません。

 

その様子を見ていたノワールは、手元に口を当てながらクスクスと笑いを込み上

げる。ネプテューヌはそんなノワールを見て、涙目になりながら助力を求めるの

だが…

 

 

「ノワールも見ていないで助けてよ~!!」

 

「面白いからこのまま見ておくことにするわ、どうせ私はぼっちだし~♪」

 

「うわあああああん!!ノワールごめんったら~!?」

 

 

先ほどのぼっちネタを出汁に、逆にネプテューヌをからかった。悪い事をしたら

必ず自分に返ってくる、これはまさしくその例だ。

 

 

「「ぷっ…あはは!」」

 

「ネプギアにユニちゃんまで!?酷いよぉ!?」

 

 

ネプギアとユニちゃんも、今の俺達の一連の行動を見て笑い出した。ネプテュー

ヌが人を弄るのはよく目にするが、彼女自身が弄られるところを見た事がないか

らある意味新鮮である。俺達はここから数時間、乗っている馬車の中でネプテュ

ーヌを弄るのを楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

                  ◇

 

 

 

 

 

 

ここはルウィー教会の一室。ドアや窓の鍵は厳重に閉められており、いかにも立

ち入り禁止、機密事項の空気を醸し出す。この部屋には今、二人の人物が話し合

いを進めていた。一人はもちろん、この国の女神であるブラン。そしてもう一人

の人物…

 

 

「よろしいですのね?この計画を実行すれば、世界に革命的な変化が訪れますわ

よ?」

 

「承知している…実行までに絶対ばれないようにしないと…」

 

 

四つの国の一つ、リーンボックス。その国の女神である、グリーンハートことベ

ールだ。真剣な顔つきでの話し合い、どれほど重要な案件なのかが手に取る様に

わかる。それも世界にとって革命的なもの、それほどの事を話し合っているのだ

から。だが、そんな話し合いをよそに…

 

 

「きゃはははははは!!」

 

「お待ちなさぁあああああい!!」

 

「逃げろ~!!」

 

「ロム様!!ラム様!!」

 

 

 

部屋の外ではすごく騒がしくしている。その正体はロムとラム、どうやら悪戯を

してそれが原因で追いかけられているようだ。メイドさんは、息を切らしながら

必死で二人を追いかける。だが元気いっぱいに駆け回っている二人の前では、そ

の努力も水の泡と化す。果てしない三人の追いかけ合い、まだまだ終わる様子が

ないと思われた。だが、物事には必ず終わりが来るものである。

 

 

「……~~~~っ!!」

 

 

部屋のドアが荒々しく開き、バンッと大きな音が廊下に鳴り響く。その音を聴い

たロム、ラム、そしてメイドさんは、目を見開き身体をビクッとさせながら、走

っていた足を止めた。視線の先には、怒りに身体を震わせているブランの姿が映

った。

 

 

「お前ら…仕事中は静かにしろって言ってんだろ!!」

 

「も、申し訳ありません!!」

 

 

ブランの怒号が、またもや廊下に響き渡る。メイドさんは頭を下げ、ビクつきな

がらブランに何度も謝る姿勢を見せた。そんな中、騒いでいた現況のロムとラム

からは謝る気配がない。すると二人は、ニコニコと純粋無垢な笑顔を向けながら

ブランの下へと駆け寄り、何かを差し出した。

 

 

「お姉ちゃん見て見て!」

 

「…?っ!?こ、これ…」

 

 

ロムとラムが見せたもの、それはブランの似顔絵が描かれたものだった。クレヨ

ンで描かれたそれは、幼い絵ながらも一生懸命に描かれているのがわかる。ブラ

ンの事を思い、心を込めて描いたのだろう。普通、こんな絵を見せられたら感動

のあまり泣きそうになると思う。だがブランは、肩を震わせてこめかみには青筋

を起て怒りを露わにしてきたのだ。一体何故?誰もがそう思うに違いない。彼女

が怒りを露わにしている理由、それは似顔絵を描くものに使ったものが問題だっ

たのだ。

 

 

「私の大事な本に~!!お・ま・え・らああああああああああ!!」

 

 

似顔絵を描くのに使ったもの、それはブランが長い年月をかけ集めた大切な本だ

ったからだ。その本の中にはとても貴重なものが数多く存在する、その内の一つ

を使われたのだから堪ったものではない。それ故、今彼女の怒りは尋常ではなか

った。そんなブランを見たロムとラム、だが二人は怖がるどころか途端に笑顔に

なり、ブランの前から逃げ出した。

 

 

「本と同じ顔になった!」

 

「逃げろ~!!」

 

「待ちやがれお前らぁああああっ!!」

 

 

怒りの形相のブランは、ロムとラムを捕まえようと全力で駈け出す。それはまさ

に、生死をかけた鬼ごっこと言っても過言ではないほどだ。だがその割にはロム

とラムはすごく楽しそうな笑顔になって、ブランから逃げ回っている。この追い

かけっこを楽しんでいるとも見て取れると思う、それくらい二人は笑顔なのだ。

 

いくら女神の妹とはいえまだ幼い、自分達のお姉さんに構ってもらいたくて仕方

がない筈だ。先の似顔絵の件も、ブランに構ってもらいからこその行動だったの

だろう。そして今、二人はこの追いかけっこを全力で楽しむ。

 

だがブランの方はそうはいかない、自分の大切にしていた本に落書きをされたせ

いで完全に頭に血が上っている。とにかくロムとラムを捕まえようと躍起になり

、全力全開で追い掛け回していた。そんな様子を見ているベールは、優雅に紅茶

を楽しみながら、三人の行く末を優しい目で見守る。まるでお姉さんの様に、そ

のやり取りが続き、ブラン達が走り回って廊下の角を曲がった時だ。

 

 

「…っ!」

 

「ネプギア!ユニちゃん!」

 

 

偶然にも、ルウィーの教会に到着したネプテューヌ達と鉢合わせした。ロムとラ

ムは、友達であるネプギアとユニが来てくれた事に喜びながらはしゃぐ。ブラン

の方は、いきなりばったりと出会ってしまったので、少し驚いている様な感じだ

った。

 

 

「遊びに来てくれたの?」

 

「うん!遊びに来たよ!」

 

「やっほ~!ブラン~!来ちゃった~!てへ☆」

 

「お久しぶりです、ブランさん」

 

「貴方は…加賀美真司…」

 

 

ネプギアも、ロムとラムを見て笑顔で応える。ネプテューヌの方は、わざとらし

く笑いながらブランに笑顔を向けた。そして真司とブランにとっては、あの時の

パーティ以来、久しぶりの再会となったのだ。

 

 

 

――――――――

 

 

 

場所は移って協会の中庭。雪は降り積もっていて、傍ではネプギア達妹組が雪ダ

ルマをせっせと制作していた。その間に俺を含めた四女神は、中庭のテーブルに

腰を掛け、出された紅茶を飲みながら一息つく。寒い場所で飲む紅茶も、また乙

なものだと感じる今日この頃。そして落ち着いたところで、ネプテューヌがここ

に来た理由を話す。

 

 

「ま~そんなわけでね、ルウィーに新しいテーマパークができたって言

うからみんなで遊びに来たの!」

 

 

そう、俺達がここに来たもう一つ理由、それはルウィーに出来たテーマパークに

行くためでもあった。遊び好きなネプテューヌには堪らない筈、かく言う俺自身

も結構ワクワクしていたりする。テーマパークなんて高校の修学旅行で行ったの

が最後だったかな?…今思えば味気ない俺の青春である。

 

 

「イストワールからは女神の心得を教えてほしいって言われてたけど…」

 

「あ~それはもういいよ、前回だってあんまり役に立たなかったしね」

 

「悪かったわね、あんまり役に立たなくって…」

 

「聞いたことを少しでも仕事に生かせばいいと俺は思うんだけど?」

 

 

ブランさんの言う事はごもっとも、この国に来た理由の一つがそれだもん。それ

なのにこのネプテューヌの物言いはなぁ、せっかくノワールが色々と教えてくれ

ていたと言うのに…正直頭が痛くなってくる。遊ぶのもいいけどしっかり勉強し

なきゃいけません!国を背負う女神なんだから尚更だと思う、言っても馬耳東風

だと思うけど。そんな事を思いながら、俺はジト目でネプテューヌを見つめてい

た。

 

その横では、もう一人の女神が優しく微笑む。リーンボックスの女神、ベールさ

んだ。思わず見とれてしまうその笑顔、まさに大人の余裕そのものだ。おっと、

見とれている場合じゃない。久しぶりの再会なんだ、挨拶はきちんとしないと失

礼と言うもの。

 

 

「あ、ベールさんもお久しぶりです」

 

「真司くんでしたわよね?お元気そうで何よりですわ、この世界の生活には慣れ

ましたか?」

 

「はい、おかげさまで、みんながいろいろ教えてくれたから」

 

「ふふ♪それはよかったです」

 

 

挨拶をした後、ベールさんは俺の身を案じる言葉をかけてくれた。こう言った優

しい言葉を聞くと、ベールさんは本当に大人の女性なんだなと感じさせる。面倒

見がよさそうで優しそうで、まさに理想のお姉ちゃんって感じの人だ。俺は一人

っ子だったから、こんなお姉ちゃんがいたらいいなと思っていた事もある。

 

 

「それとテーマパークの噂は私も耳に入れてますわ、みんなで遊びに行ったら楽

しいんじゃないかしら?」

 

「テーマパーク!?行きたい行きたい!」

 

「連れて行って!ワクワク♪」

 

 

そして話はテーマパークの事に戻った。テーマパークの話を聞きつけた妹二人組

、ロムちゃんとラムちゃんは大はしゃぎ。ちゃんと雪ダルマを制作した後と言う

のがすごいと思う、雪ダルマの形はブランさんの形、これはまた傑作だ。それは

ともかく、ロムちゃんとラムちゃんはブランさんにおねだりをしてくる。これく

らいの小さな子はとても遊び盛り、そうなるのは必然だ。だが、ブランさんは一

旦間を置くと、真剣で、だけど少し疲れている様な表情をしながら顔を上げた。

 

 

「…妹達を連れて行ってもらえるかしら?」

 

「え?ブランは?」

 

「お姉ちゃん…行かないの?」

 

「私は…その…行けない…」

 

 

少しだけ躊躇して、一緒にテーマパークに行くことを拒否するブランさん。それ

を聞いたロムちゃんとラムちゃんは、とても悲しそうな顔をしている。たぶん仕

事の関係で行けないのかも、でもこんな時くらい、みんなと一緒に行けばいいの

に…そう思ってしまう。ネプテューヌじゃないけど、遊ぶ事だってたまには必要

だ。特に、こう言った家族との触れ合いに関しては。

 

 

 

「え~仕事~?止めなよ、昔の偉い人も言ってるよ?働いたら負けかなって思っ

てるって!」

 

「それまんまニートじゃねぇか!?しかもそれ言ったの偉い人じゃねぇよ!」

 

 

…ネプテューヌはもっとちゃんと仕事した方がいいと思うぞ?働きたくないでご

ざるとか言ってる場合じゃないと思うんだよ、割と本気で。だってこのまま行っ

たらこいつ、ニート女神確定なんだぜ?女神様がニート?ヤダー…

 

そんなやり取りをしている時だ、ブランさんがテーブルを思いっきり叩いたのだ

。思わずビクついて、ブランさんの方へ顔を向けた。俺だけではなく、今この場

にいる全員がブランさんのいる場所に振り向く。今の彼女の表情は不機嫌そのも

の、俺達がうるさくしたから怒ってしまったのだろうか?とりあえず謝った方が

いいと思い、声をかけようとするが…

 

 

「とにかく!私は行けないから…」

 

「あ、ブランさん!」

 

「ブラン!」

 

 

謝る暇もなく、そのままブランさんは立ち去ってしまう。俺達は呆然と立ち尽く

し、それを見ているしか出来なかった。

 

 

「「あ…」」

 

 

そしてここに二人、物悲しそうにロムちゃとラムちゃんが立ち去って行くブラン

さんを見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

                    ◇

 

 

 

 

 

 

 

「わ~い!」

 

「待って…ロムちゃん…!」

 

「二人ともコートをちゃんと着て~!!」

 

「ネプギア!入場券!!」

 

 

テーマパークに辿り着いた俺達一同。辿り着いた瞬間、ロムちゃんとラムちゃん

は一目散に駆け出して行った。その後を追い、ネプギアとユニちゃんが一緒に走

り抜けて行く。こうして見ると、女神の妹達とはいえまだ子供なんだなと改めて

実感する。ネプギアとユニちゃんは保護者と言う様な感じだが、でも何かこう…

見守っていたくなる様な衝動に駆られる。

 

 

「真司ってば、まるで小さな子を見守ってるお父さんみたいね?」

 

「え?俺そんな顔してた?」

 

 

ノワールの一言に、俺は自分の顔を手で触る。先ほど思っていた事が顔に出てし

まっていたのだろうか?でもお父さんって、まだそんな年齢じゃ…

 

 

「要は真司は老k「何か言ったかね?」い、いえ…何も…」

 

 

うん、今ネプテューヌがすごく失礼な事を言おうとしていたから一睨みで黙らせ

た。思わずビクついているネプテューヌ、さて…どうしてくれようか?そう思っ

た時だ、自らの危機を察知したのか、ネプテューヌはその場からそそくさと逃げ

出していったのだ。

 

 

「わ、私ちょっと売店に行ってくる!」

 

「ちょ!?待て!!」

 

「待てと言われて待つ奴はいないよ~!」

 

 

全速力で逃げ出したネプテューヌ。呼び止める俺の声も空しく響く、こうすると

何だか余計悔しく感じるな。あ、まずい。そんなこと考えたら余計イライラして

しまう、そのせいで思わず舌打ちをしてしまった。

 

 

「ちっ…逃げ足の速い」

 

「ふふ、まあまあ」

 

 

悪態をつく俺を、ベールさんがやんわりとした言葉使いで落ち着かせてくれる。

これが大人の余裕と言うものなのだろうか?そして絶えず微笑みを忘れない、そ

の余裕さは見習いたいところである。

 

ベールさんの言葉のおかげで落ち着いた俺は、ノワールも含めて近くにあったベ

ンチに腰を掛けた。その時ノワールが、不機嫌な顔つきになる。どうかしたのだ

ろうか?その原因は、次の彼女の言葉により明らかとなる。

 

 

「それにしても…他国の女神がわざわざ来てるって言うのに。ブランも来るべき

じゃない?本当、何考えてるんだかわからないわ…」

 

 

ブランさんが一緒にこのテーマパークに来なかった事だ。ふくれっ面をしたノワ

ールが頬杖をつきながらぼやく、彼女の言う事がわからないわけでもない。事実

何で一緒に来なかったのかなと俺も思ったくらいだし、だけど本人は仕事がある

と言う事で割り切った。とりあえずフォローを入れる形で、俺はノワールの言葉

に返事を返した。

 

 

「それほど重要な事をしてるんじゃないか?」

 

「そうですわね。でも彼女ももう少し大人になるべきですわね、私の様に…」

 

 

ベールさんもフォローを入れつつ、優しくノワールの言葉も肯定する。本当に大

人だ、だがそう思ったのも束の間だった。俺はベールさんのある一点に目が釘付

けになる、そこは…彼女の胸。自らの胸を強調させるように寄せて上げながら、

大きく揺らす。今にも零れ落ちそうなそれは、目を逸らそうにも出来ない。まさ

に男の性、俺だって健全な男なのだから仕方がない。だが、そんな俺をノワール

がジト目で睨みつけてきた。目が怖い…

 

 

「真司、アンタ…」

 

「す、すみません…でもこればっかりはどうしようもなく…」

 

「あらあら、うふふ♪」

 

 

一応謝りはするが完全に言い訳じみている。そんな俺を見たノワールは、しばら

くジト目になった後にため息をつき頭を抱えた。あれだ、呆れている様なそんな

感じになってる。横ではベールさんがクスクス笑って、まるで誰かを見守るお姉

さんの表情で見つめる。その笑顔、まさしく女神様だと言いたい。

 

 

「…はあ、それはそうとベールはどうしてルウィーに?」

 

 

抱えていた頭を解き、ノワールはベールさんに質問する。項垂れていた俺も、ノ

ワールの言葉を聞いてそう言えばと思い考えていた。ベールさんは何でブランさ

んのところへ来たのだろう?何か特別な話し合いでもあったのだろうか?テーマ

パークに来た…訳ではないと思う。それなら別にブランさんのところに行く事は

ないし、うーん…考えても思いつかない。

 

 

「きゃん!?」

 

 

あれ?ロムちゃん?可愛らしい声が聞こえて来たと思ったら、遠見から見ていた

ロムちゃんがこけてしまったようだ。痛みに身体を震わせながら、必死で立ち上

がろうとするロムちゃん。そんなロムちゃんの傍に、ラムちゃんが慌てて駆け寄

ってくる。そんな姿を見ていたら何だか心配になって来た、そう思うのと同時に

俺は立ち上がる。

 

 

「真司?」

 

「悪い二人とも、俺ちょっと行って来る」

 

 

立ち上がった俺に気づいたノワールが声をかけてきた。その声に反応したと同時

に、俺はノワールとベールさんに声をかけて走り出す。目指す場所はもちろんロ

ムちゃんとラムちゃんがいる場所。ロムちゃん、怪我がなかったらいいけど…そ

んな事を心配しながら、俺はその場を後にしたのだった。

 

 

「…まったく、誰にでも優しいのね真司は」

 

 

真司が去り、その場に残されたノワールとベール。間を置いたノワールは、少し

だけ溜息をついて呟いた。その時だ、ふとノワールの言葉に反応するベール。ベ

ールは悪戯っぽく笑うと、ノワールにその言葉の事を尋ねてみた。

 

 

「あら?ノワールにもそんな経験が?それに真司くんの事をいつから呼び捨てに?」

 

「ま、まああれよ。私もその…助けてもらったことがあるし、その時にね。た、た

だそれだけの事よ」

 

 

頬を赤くしながら、ノワールはベールに返事を返す。そっぽを向きながら口籠る

その姿は、あまり素直になれない彼女らしい。そんな性格を知っているベールは

、内心あまり素直じゃないなと思う。口元に人差し指を当て、ベールは少しだけ

声を出しながら笑うと、その姿を見たノワールは少しムッとした表情となりベー

ルに聞き返す。

 

 

「な、何よ?」

 

「ふふ、ノワールにそんなことを言ってもらえるなんて。真司くんは信頼されて

いますわね」

 

「は、はぁ!?べ、別にそう言うわけじゃ…もう!」

 

 

ベールのその言葉に反論しようとするノワールだが、今の自分じゃ分が悪いと思

ったのか途中で中断した。その代りノワールは頬を膨らましながらそっぽを向き

、沈黙と言う形で少なからずベールに反抗したのだ。そんなノワールを見つめる

ベールは、満足そうに笑いながら話を続けた。

 

 

「最初は彼のことを疑っていましたが…もうそんな事をする必要は無さそうです

わね。ネプテューヌとノワールの保証付きですし」

 

「…私は保証なんてしてないわよ?」

 

 

ノワールはベールの言葉を聞くと、目だけをベールの方へ向けて言葉を返した。

ベールの言動から、彼女は真司が一体何者なのか、そして彼が異世界から来たと

言う言動に少なからず疑いをかけていた様だ。ベールも国を背負う女神、不審な

人物がいたらそうなるのは自然である。それは真司も例外ではない、名も知らぬ

青年がいきなり式典がある場所まで落ちてきた。救出されたかと思うと自分はこ

の世界の人間じゃないと話す、彼の話からして嘘はついてはいないと思うが、ど

うしても全部を信じきれなかったのが現状だ。だが、その思いはネプテューヌと

ノワールのおかげでいい意味で壊されたのである。

 

 

「二人の表情を見ればわかりますわ、特にネプテューヌの表情、真司くんを完全

に信頼している表情ですもの。ノワールにしたって完全とまではいきませんが心

を許せる様な相手になった、と言う感じですわね」

 

 

ネプテューヌは普段のほほんとしているが、彼女だって人を見る目がある。何せ

アイエフやコンパがそのいい例だからだ。そしてノワール、その性格故に心を許

せる相手と言えば身内か女神の仲間達と言うのが事実だ。その心を許せる相手で

さえ、素直じゃない言動や態度を取ってしまうのもまた事実。そんなノワールが

助けてもらったと言った、そしてその助けてくれた真司の事を呼び捨てで呼んで

いる。少なからず彼の事を信頼し、心を許せる様になったかもしれないと思うの

は必然だと思う。

 

そして何より。四女神の内の二人が真司の事を信頼している以上、もう自分が彼

を疑う必要はない。ベールはそう解釈した。

 

 

「うっ!?そ、それは…」

 

「その顔を見れば十分ですわ♪」

 

 

うっとなりながら、ノワールはベールの言葉を否定しようとする。だがその言葉

を否定するための言葉が見つからない、ベールの言葉が否定しようがないからだ

。満足そうな笑顔を向けるベールとは裏腹に、ノワールはあわあわとしながらど

うにか言葉を紡ごうと努力するが、まったくもって言葉が浮かばない。そんな表

情を見たベールが、追い打ちをかける様に言葉をかける。それがさすがに我慢で

きなかったのか、どうにかしてノワールは声を張り上げた。

 

 

「べ、ベール!「ねぷぅ!?」…ネプテューヌ?」

 

 

声を張り上げた瞬間、傍からネプテューヌの声が聞こえた。声色からして何かに

驚いている様な声、一体どうしたのかと思い、その声のする方へ振り向いて見る

。するとそこには…

 

 

 

 

「この亀私のピーチを狙ってるよおおおおおおおお!?誰か助けてええええ!?

ねぷぅううううううう!?」

 

 

何故か巨大な亀が、ネプテューヌが買った桃を奪い取りに彼女にのしかかってい

る光景が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

                  ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いたた…」

 

「ロムちゃん大丈夫!?」

 

「うん、平気…」

 

 

転んだロムちゃんに寄り添い、ラムちゃんは慌てて声を出しながら手を出し身体

を起こす。ロムちゃんはラムちゃんの手を握り、転んだ時にぶつけたであろう膝

を擦りながらラムちゃんの声に応答した。こんな短いやり取りだが、お互いの事

を本当に大切に思っているのだと感じる。今の二人の表情、笑顔になっていてす

ごく和やかな空気だから。

 

おっと、和んでばかりもいられない。当初の目的を忘れては困る。そう思いなが

ら、俺はロムちゃんとラムちゃんの下へと駆け寄った。二人はまだ、俺が来たこ

とに気が付いていない。なるべく驚かさない様、優しい口調で話しかける事にし

よう。

 

 

「大丈夫か?」

 

「うん…え?」

 

 

俺の声掛けに反応したのはロムちゃん。目はキョトンとして、綺麗な丸い瞳で俺

の事をジッと見つめた。その表情はとても可愛らしく、見ていたら不思議と笑顔

になってしまった。そしてロムちゃんと同じ様な表情をした後、頭に人差し指を

当てて何かを考えるラムちゃん。う~んう~んと、何かを必死で思い出そうとす

る。そしてあっ!と何かを閃いた様だ。人差し指を俺に向け、声を張り上げる。

 

 

 

 

「あ!確かあの時の!名前は…え~と…」

 

「真司、加賀美真司だよ。あの時からずいぶん経ったから名前を忘れてても無理

ないさ」

 

「そうそう!真司だ!」

 

「…いきなり呼び捨てですか」

 

 

名前を思い出してくれたのは嬉しいんだけど、何だろう?年下の子に呼び捨てに

されるのはどうかなと思ったり。だけどまあ、そこが年相応らしいと言えばらし

いかな?…あれ?でもロムちゃんもラムちゃんも一応は女神なのなら俺より年上

と言う事になるのか?あれ?どっちだ?

 

…細かい事は気にしないでおこう!

 

 

「ラムちゃん、いきなり呼び捨てはよくないよ…?」

 

 

俺が意味が解らない事を考えている間に、ラムちゃんに対するロムちゃんの発言

。思わず目が見開いてしまう、大人しそうに見えても言う事はちゃんという子な

のか。以外にしっかりしている、まさにお姉ちゃんだ。ロムちゃんからお叱りを

受けたラムちゃん、少しばつが悪そうに笑っている。おお、ロムちゃんに感心し

てばかりしてないで少しはフォローを入れておかないと!俺は微笑みながら二人

に声をかけた。

 

 

「あー、いいよいいよ、別に気にしてないから。それよりロムちゃん、大丈夫

かな?」

 

「あ、うん…。えへへ…コインを捕ろうとしたらこけちゃった」

 

「コイン?」

 

 

そう言われて上を見てみると、確かにコインが浮かんでいる。さながらどこかの

兄弟が登場しているゲームにでてくるコインみたいだ、ピョーンと飛んでイヤッ

フーする感じのやつ。

 

 

「レアアイテムなの…お姉ちゃんに持って行ってあげたくて…」

 

 

なるほど、それで勢い余ってこけちゃったのか。それにしてもロムちゃん、すご

く心の優し子なんだ。ブランさんは一緒に来なかったのに、そのブランさんのた

めにせめてお土産を持って帰ってあげようと思ったのか。俺だったら不貞腐れて

そんな事を思わないかもしれない、そして俺と同じ事を思っているかもしれない

子がここにも一人。

 

 

「え~!お姉ちゃん一緒に来てくんなかったんだよ?」

 

「で、でも…」

 

 

ラムちゃんが頬を膨らましてプンプンとしながらぼやく。気持ちはわからない事

もない、本当だったら自分の家族とこの場所に来たかったはずなのだから。でも

逆に言えば、それくらい自分のお姉さんの事が好きだと言う事。内心ではロムち

ゃんと同じ事を考えているのかもしれない、これはあくまで憶測に過ぎない事だ

けど。

 

だけどラムちゃんの言葉でロムちゃんの表情は少し暗くなる。うむ、どうしたも

のか…あ、それだったら。

 

 

「それじゃあさ、ブランさんにいっぱいとってきてあげようか。ここに絶対来た

くなるくらいに、ラムちゃんもどうかな?いっぱい捕ってブランさんに自慢しよ

う!」

 

 

お土産を確保しつつ、二人にやる気を起こさせる作戦!なんてね。でもこれだっ

たら二人も楽しめる、ロムちゃんの目的も達成出来て次回からはブランさんが二

人とここに来れるきっかけになるかもしれない。そんな俺の発言を聞いたロムち

ゃんとラムちゃんは目をパチクリとさせているが…その反応を見たら、逆に俺何

かまずいこと言っちゃったか?と思ってしまう。しばらくの沈黙の末…

 

 

「えっと…一緒に、捕ってくれるの?」

 

「お姉ちゃんに自慢する…面白そう!」

 

 

…よかったぁあっ!どうやら二人ともやる気になったみたい。思わず安堵の息を

漏らした。

 

だけどロムちゃんの上目使いにラムちゃんの小さな手でのガッツポーズ、思わず

愛でたくなる衝動に駆られてしまう。二人の仕草が可愛くて、笑顔になるのを止

められないほどだ。だけどそんな事をしている暇はない、せっかく二人がやる気

を起こしたのだから俺もそれに応えないと!

 

 

「もちろん、一緒に頑張ろう!」

 

「うん…!」

 

「よ~し、やってやるわ!!」

 

 

三人で意気込むと、空中に浮かぶコインを捕り始める。ラムちゃんは自分の身体

能力を生かし、飛んだり跳ねたりしながらコインを集めていく。ロムちゃんは、

ゆっくりと自分が取れる範囲でコインを集めて行った。俺もコインを一つ手に取

る、これがレアコインか、こんなにたくさん浮かんで…ん?

 

 

「…レアアイテムってこんなに多く浮かんでるものなのか?」

 

 

俺はこの時気がつかなかった。ロムちゃんとラムちゃんを影でじっと見つめてい

る黒い影の存在を…

 

 

 

――――――――

 

 

 

一方その頃。テーマパーク内をキョロキョロと見渡しながら歩く女の子と、それ

に付き添う様に歩く女の子が二人。ネプギアとユニである。二人もこのパーク内

に浮かんでいるコインを集めたりしながら、各個人思い思いで遊んでいた。だが

ネプギアはその途中で、何かを探す様に辺りを見渡していたのだ。

 

 

「ネプギア?どうしたの?」

 

「ロムちゃんとラムちゃんがいなくて…」

 

 

ユニの言葉に返事を返すネプギア。探していたのはロムとラム、二人の事を気に

していたのだが途中で見失ってしまった様だ。だがネプギアの言葉を聞いたユニ

は、あっ!と口元に手を当てると、思い出した様に声を出した。

 

 

「そう言えば、確かそっちの角を真司さんと曲がって行ったのを見たわ」

 

「そうなの?よかった…」

 

 

ユニの言葉を聞いたネプギアは、ホッとした様子で胸を撫で下ろす。二人が迷子

にならなくてよかった、それに真司もいるなら安心だと、そんな思いを抱いてい

た。このまま合流して、一緒にパーク内を回ろう。ネプギアはそう思いながら、

建物の角を目指し歩いて行く。だがその時だ、ドンッ!と大きな音と共に、黒い

影が目の前を横切る。一体何事か!?そう思ったネプギアとユニ、横切った影の

正体を突き止めようと目を凝らす。その正体は…

 

 

「がはっ!?」

 

「え…?し、真司さん!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

黒い影の正体、それは真司だった。だが彼の様子がおかしい、よく見ると身体の

あちこちに傷を作っており、口元から血が流れ出ていた。要はボロボロの状態で

彼を発見したのである。真司の下へ慌てて駆け寄るネプギアとユニ、だが真司は

腕を上げ、人差し指をある方向へと向ける。そして弱弱しい声で、二人にある事

を伝えた。

 

 

「ネプギア…ユニちゃん…ろ、ロムちゃんとラムちゃんを…」

 

「え…?っ!?な、何やってるんですか!?貴方達!?」

 

 

一瞬何を言ったかがわからなかったネプギアとユニ。だがその答えは、真司が示

した指先の向こうにあった。指を刺す方へ視線を向けるとそこには、巨大な舌を

出しながら涎を垂らしている怪物、そして変な色合いのパーカーを着た女が立っ

ていた。そして怪物の手には、口元を塞がれたロムとラムの姿が。

 

 

「二人を離しなさい!!」

 

 

ユニが叫び、ロムとラムを取り戻そうと走り出す。だが――

 

 

「幼女以外に興味はない!!」

 

「きゃぁあああっ!?」

 

 

怪物の舌が勢いよく飛び出し、ユニの身体に直撃する。そのせいで身体が吹っ飛

び、ユニは地面に叩き付けられてしまった。ユニを助けようとネプギアが立ち上

がるが、怪物はそれを見越していたのだろう。舌を起用に操り、傷ついた真司ご

とネプギアを叩き伏せた。

 

 

「きゃぁああああっ!?」

 

「うがっ…!?」

 

 

ユニと同様、地面に叩き付けられる結果となってしまったネプギアと真司。三人

はどうにかして立ち上がろうとするが、ダメージが大きすぎるせいか立ち上がれ

ずにいた。その様子を見ていた怪物と女は、三人を嘲笑うかの様に見ながら互い

に視線を合わせる。

 

 

「やりましたね、トリック様」

 

「まだまだ…お楽しみはこれからだ」

 

「う~!?」

 

「む~!?」

 

 

怪物の名前、トリックと呼ばれるそいつは、自身の舌でロムとラムを舐め回し始

めた。舐め回される事により、トリックの唾液がロムとラムに纏わりつく。その

行為がとても険悪で、そして恐怖を感じたロムとラムは、涙目になりながら必死

で声を出そうとしていた。だが二人の努力も空しく、トリックは二人を捕まえた

まま飛び跳ねる様にその場を後にしたのだった。

 

 

「ぐ、う…ロムちゃん…ラムちゃん…」

 

 

その影を捕まえようと、ロムとラムを取り戻そうと必死に手を伸ばす真司。だが

現実は残酷だ、その手はロムとラムに届く事もなく、その場を去っていくトリッ

ク達の影を目に焼き付けながら真司は気絶した。

 




次回主人公がキレます、マジでキレる五秒前、MK5です。
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