ハイスクールD×S~SPIRITSを受け継ぐ者~   作:ユウキ003

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前回のを読んで滝が死んだと思った人、
すいません!!
死んでないです!そこはおいおい説明します!


第2話 「転生」

~~前回までのあらすじ~~

かつて仮面ライダーたちの姿を見て育った青年、『滝誠一郎』こと

『セイ』は、悪魔と呼ばれる存在、『リアス・グレモリー』と彼女の

眷属たちの協力者として、人間でありながら世界の裏側に関わっていた。

しかし、そんなある日、特殊なアイテム『神器(セイクリッド・ギア』

を宿したセイの友人である『兵藤一誠』こと『イッセー』が神器の

存在を危惧した堕天使によって殺されてしまう。

しかしある事がきっかけでリアスを呼び出し、彼女の持つ力で

一命をとりとめたイッセー。彼はまだその身に起こった事実を

知らず、そしてセイもまた、イッセーが襲われていた事を知るのだった。

 

 

渡されたイッセーの写真を見て驚き目を見開いているセイ。

リアス「セイ?」

セイ「あ、す、すみません」

そして、驚いて固まっていたセイだったがリアスが声をかけると

ハッとした表情ですぐに意識を戻した。

祐斗「今の君の反応からして、もしかして彼は友人なのかい?」

セイ「あぁ」

と、隣に居た祐斗の問いかけに、どこか戸惑っているような

表情で頷くセイ。

  「こいつは兵藤一誠。俺のクラスメイトで駒王に進学してからの

   知り合いだ。……けど、まさか神器の保有者だったなんて」

と、一通り説明してから、やるせないような表情を浮かべるセイ。

  『まさか、見す見す知り合いを殺されていたなんてな。

   ……クソッ!!あの堕天使がやりやがったのか!?』

険しい表情を浮かべるセイ。

   『ポンッ』

そんな時、隣に居た祐斗が彼の肩に手を置いた。

祐斗「落ち着いて。殺気がダダ漏れになっているよ」

セイ「え?あぁ、すまない」

彼に注意され、セイは俯いて荒ぶっていた感情を落ち着けた。

リアス「友人を一度は殺されたんだもの。あなたの心中は

    察するわ。けど安心して。彼は無事よ」

セイ「はい。分かってはいるんですが……」

そう言って、どこか自責にも似た表情を浮かべるセイ。

彼の表情を見てリアスが何かを言おうとした時。

   『ピクッ』

リアス「ッ、この感じは……」

何かに気付いて窓の方を見つめるリアス。続いて朱乃たちも何かに

気づいたように視線を動かした。

セイ『まさか……』

その様子を見て、すぐに感づいたセイ。

  「もしかして堕天使ですか!?」

リアス「えぇ、そのようね」

窓の方を睨みながら、険しい表情を浮かべるリアス。その時だった。

セイ「そういや、今日イッセーが放課後に松田達の家に遊びに行くって」

不意に、学校でイッセーが話していた事を思い出すセイ。

それを聞いたリアスはすぐさま立ち上がった。

リアス「みんな、急ぐわよ!」

朱・祐・小・セ「「「「はい、部長!!」」」」

 

各々すぐに準備をするメンバー達。

セイは鞄の中に魔法を掛けた布で隠していたDEをヒップホルスター

ごと取り出して腰に巻き、更に、とある恩人から与えられた

特殊ナイフ、『電磁ナイフ』を鞘ごと左足腿側面に巻き付けた

祐斗も既に左腰に帯剣し、小猫も戦闘用のフィンガーレスグローブ

を手に嵌めていた。

3人は互いの様子を見て頷く。

 

朱乃「では、参りましょう」

そう言って赤い魔法陣を展開する朱乃。これは本来リアスと

彼女の眷属しか転移出来ないのだが、今のセイは特殊な

術が刻まれたお守り、メダリオンを持っておりそれによって

転移が可能なのだ。

 

魔法陣がより一層輝き、5人を堕天使が居ると思われる場所に

飛ばした。すぐに周囲を見回すセイ。

そして、木々の隙間を越えた先、そこでは案の定、

イッセーが堕天使に襲われていた。

 

 

 

時間は少し遡り、イッセーが松田達とエロビデオを見つつも

違和感を覚え二人と別れた直後の事だった。

 

二人と別れたイッセーは、普通とはかけ離れた自分の現状に

戸惑いながらも、あの時の公園へと来ていた。

 

イッセー「……あの夢の通りなら、俺は昨日ここで……」

    『いやいや、待て待て待て!』

不意に、額に手を当てるイッセー。

    『そんな馬鹿なっ!俺が死んだ?じゃあここに

     居る俺は?!俺は生きているじゃないか!記憶だって

     しっかりしてる!じゃああれは一体……!』

    「……クソッ」

考えても答えが出ない現状に、毒づくイッセー。と、その時。

 

周囲の空の色が変わった。

    「ッ!何だこれ!?」

慌てて周囲を見回すイッセー。その時。

ドーナシーク「まさか、悪魔になって生きながらえていたとはな」

不意に後ろから声がした。バッと振り返るイッセー。そこに

居たのは、ドーナシークだった。

イッセー「なっ!?お前は、あの時の……!」

    『つ~か何だよ悪魔って!俺は人間だぞ!?

     何訳の分かんない事言ってんだよ!』

彼の頭は、既にパンク寸前だった。それは無理もない。だが、

現実はそんな事お構いなしだ。

ドーナシーク「殺し損ねていたか。だが、どうやら助けがくる

       様子も無し。弱さ故に捨てられたか?まぁ良い。

       生きているのならば、もう一度殺すまで」

そう言って、ドーナシークは右手の光の槍を作り出し……。

      「ふんっ!」

すぐさま投擲した。そして……。

   『グサッ!』

イッセー「ぐっ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

その槍が、彼の腹を貫いた。『このままじゃ死ぬ』。彼が

そう思い始めた時。

 

 

セイ「イッセェェェェェェッ!!」

 

彼の知る友人の声が聞こえて来た。

 

 

セイ「間に合えっ!」

すぐに駆け出すセイ。彼はヒップホルスターからDEを抜き、

マガジンを装填してセーフティを解除。そして……。

  「イッセーッ!」

   『ドンドンッ!』

木々の間を突っ切り、射界が開けた瞬間、セイは迷わず堕天使に

向けて引き金を引いた。

ドーナシーク「ッ!?何!?」

突然の銃声に、ドーナシークは後方へ飛ぶ。

その隙にイッセーのすぐ隣に立ち、地面に倒れる彼を庇うセイ。

そこへ更に、小猫がベンチを投擲してきた。更に後ろにジャンプ

するドーナシーク。

それを見たセイはDEにセーフティを掛けるとホルスターに

戻してイッセーの隣に屈みこんだ。

セイ「おい!イッセー!しっかりしろ!俺が分かるか!?」

イッセー「お、前……セ、イ?」

セイ「あぁそうだ!」

  『くっ!?腹部を貫通されているのか?!光は悪魔に

   とって猛毒!心臓や頭が大丈夫でも、この分だと

   毒と出血で……!この腹部の貫通創じゃ止血なんて

   意味が無い!クソッ!』

  「イッセー!俺の声が聞こえるか!良いかよく聞け!

   お前はまだ助かる!だから頭と心臓を動かせ!

   すぐに治療してもらうからな!」

イッセー「ち、りょ、う?」

セイ「そうだ!だからそれまでお前の意思で命を繋ぎ留めろ!

   ハーレムを作るんだろ!?夢を諦めるな!」

 

その時のセイは、必死にイッセーへと呼びかけた。

そうこうしている内に、ドーナシークは撤退していった。

リアス「セイ」

その言葉に振り返るセイ。そこにはリアスや構えを解いた

小猫や祐斗の姿もあった。

セイ「部長、堕天使は?」

その問いに、静かに首を左右に振るリアス。

  「そうですか」

と、静かに呟くセイ。そしてリアスがイッセーの近くに歩みよると

セイは立ち上がって場所を開けた。

傷ついたイッセーを介抱するリアス。そして、セイはその後ろで

きつく拳を握りしめていたのだった。

 

 

それから数時間後。セイは自分の家、正確にはマンションの一室に

帰宅していた。あの後、イッセーはリアスが何とかすると言って

気を失った彼に応急処置をすると、イッセーと共にどこかへと転移していった。

朱乃たちもそこで解散し、各々帰宅したのだ。

   『ボスッ』

自分の部屋に入り、電気を付けず薄暗い部屋でベッドに

寝っ転がるセイ。

セイ『イッセーが悪魔に、か。……これから先、あいつは

   世界の裏側に、一般人のままじゃ決して知りえない

   場所に足を踏み入れる事になるんだよな』

天井を見つめながら、考えるセイ。

  『世界の裏側なんか、足突っ込んだって良い事なんざ

   ありゃしねえ』

「……そうですよね。『本郷さん』」

自らの命の恩人、始まりの人。そして、セイにとっての英雄の

背中を頭の中に思い描きながら、戦い続ける戦士の背中を

思い描きながらセイは帰ってくることの無い問いを呟くの

だった。

 

その後、風呂に入ったり遅めの夕食、明日の予習を済ませてから

セイはベッドに入り眠りについた。

そして翌朝。いつも通りの時間に起きて、朝食を食べたセイは

普段通り、仏壇の前に正座して手を合わせた。

しかしながら、いつもより長めに正座しているセイ。

彼の前には、彼の両親だった『橘夫妻』の写真が飾られていた。

だが、今のセイの苗字は『滝』だ。

……その事は、いずれ語るとして、今は……。

 

セイ「母さん。父さん。……俺は、今度こそ守って見せるよ。

   どんだけボロボロになろうと、『あの人たち』の背中を

   見て育った、一人の人間として」

と言うと、セイは鞄を持ち家を出るのだった。

 

 

それから数十分後。校門近くに到着するセイ。

しかし……。

  「ん?何か騒がしいな」

校門の辺りに人だかりが出来ていて、何やら悲鳴のような、

怨嗟のような声が聞こえてくることから疑問符を浮かべる

セイ。やがて彼が近づくと……。

  「おい、どうした?何かあったのか?」

見知ったクラスメイトを見かけたので、声をかけるセイ。

同級生A「あ!セイか!た、大変だ!一大事件だ!」

セイ「は?事件?」

  『って、割には血の匂いや悲鳴も……。いや

   悲鳴は聞こえるが、この感じって……』

と、疑問符を浮かべるセイ。

  「で?何があったんだ?」

同級生A「それが、それが……あのグレモリー先輩が、

     イ、イイイ、イッセーと一緒に!!

     あの変態野郎と一緒に登校してきたんだよぉっ!?」

セイ「……は?」

と、クラスメイトの言葉に疑問符を漏らすセイ。

彼にとっては……。

  『あぁ、そういや昨日はイッセーを治療するとかって

   言ってたし、それ関係か』

程度の認識だったのだが……。

同級生A「分かる!分かるぞセイ!俺が何を言っているか

     理解できんだろう!だが、それが事実なんだ!」

一方のクラスメイトは、セイが現実を理解できていないと

勘違いしてそんな事を言い出したのだ。

セイ「は?あ、いや。俺は……」

と、言い出しかけたが、悪魔云々は口に出来ないのでそこで

言葉を区切るセイ。

  「まぁ、俺には関係無いか。俺は先行くぞ」

同級生A「あ!おいセイ!」

と、叫ぶ同級生に手を振りつつ、その場を離れて、なるべく

イッセーやリアスに近づかないように遠回りで先に校舎に

入ったセイは、そのままイッセーよりも一足先に教室へと向かったの

だった。

 

そして放課後。

   『ヴ~ヴ~』

セイ「ん?」

不意に、彼のケータイが震えた。それを取り出し見るセイ。

メールの差出人はリアスだった。内容は……。

リアス『セイ。兵藤一誠を部室に連れて来て頂戴。

    彼には後で使いの者を送ると言ってあるから、

    私の名を出せば大丈夫だと思うわ』

と言う物だった。短く、『了解。これから行きます』とだけ

返信したセイはケータイをポケットにしまうと鞄を手に

席を立った。

そして、イッセーの元へと歩み寄るセイ。

セイ「イッセー、少し良いか?」

イッセー「ん?何だセイ?はっ!?まさか俺の今朝の登校の事か!?」

と言って身構えるイッセー。

セイ『そういやこいつ、昼休みの時クラスの奴らにぼっこぼこに

   されかかってたっけな。男女問わずに』

と、昼休みの一幕を思い返しながらため息をついたセイはイッセーの

肩に手を置き、顔を近づけて耳打ちをした。

  「昨日の夜、お前を襲った男。お前の身に起こった事、

   全てはあのグレモリー先輩が知ってる」

イッセー「ッ!」

と、静かに呟くとすぐに息をのむイッセー。それを確認したセイは

すぐに顔を離した。

セイ「ここじゃ詳しく話せない。場所を変えるぞ」

イッセー「あ、あぁ」

彼の言葉に、表情をこわばらせつつも頷くイッセー。

そして二人は鞄を片手に教室を出た。

ちなみに……。

 

女子「ま、まさか滝×兵藤!?」 「そんな!?滝君に限って!」

   「い、いやでも滝君って彼女とか全然居ないし、まさか……」

と、女子たちの間で変な噂が流れ始めたのを、セイとイッセーは

知らないのだった。

 

 

歩く事数分、旧校舎にやって来る二人。

イッセー「ここって、旧校舎だよな。ここにグレモリー先輩が

     いるのか?」

旧校舎を見上げつつ、セイに続いて中に入るイッセー。

セイ「あぁ。ここはもう校舎本来の目的では使われてない。

   が、今はグレモリー先輩が部長を務めている部活の

   部室みたいなものとして使われている。俺もその

   部活の部員だ」

イッセー「先輩が部長の、部活?」

と、歩きながら説明をするセイと疑問符を浮かべるイッセー。

セイ「まぁ、細かい話は部長から聞いてくれ。っと、

   着いたぞ。ここが俺達の部室だ」

そう言いつつ、彼らは一つの扉の前に辿り着いた。

イッセー「ん?オカルト、研究部?」

と、扉の前に掛けられたプレートを見て呟くイッセー。

    『な、何か先輩とイメージ合わねえなぁ』

と、内心そんな事を考えるイッセー。

   『コンコン』

セイ「部長、イッセーを連れてきました」

ドアをノックし、告げるセイ。

リアス「えぇ。入って頂戴」

すると中からリアスの声が聞こえて来た。

 

セイ「失礼します」

イッセー「あ、お邪魔しま~す」

そう言って扉を開けるセイと彼に続いて入室するイッセー。

しかし入室するなりイッセーは驚いた。何せ不気味な魔法陣やら

文字やらがそこら中にあるのだ。それも無理は無かった。

そして、イッセーが部屋の中を見回していた時、人の姿が

彼の目に映った。

    「ん?んんっ!?あ、あの子は!?」

 

イッセーが視線を向けた先では、丁度小猫が羊羹を黙々と食していた。

彼女もイッセーに気付いてそちらに視線を向ける。

セイ「そっち系に敏いお前なら知っていると思うが、一応

   紹介しておこう。1年の塔城小猫だ。一応俺らオカルト

   研究部、オカ研の部員だ」

イッセー『ば、バカな!?小猫ちゃんだって!?小猫ちゃんと

     言えばそのロリっ娘属性全開のその容姿から学園の

     マスコットとしても、ロリ属性の奴らからも

絶大な人気を誇るあの小猫ちゃん!?』

え~!?とでも言いたげな表情をしているイッセー。

そこへ。

   『シャーーッ』

    「ん?これって……」

不意に、耳に届いた流れる水音に気付いて周囲を見回すイッセー。

そして彼は、部室の奥にあるシャワーカーテンに気付いて、更に

そのカーテンに映る影、リアスの影を見て、鼻の下を伸ばすイッセー。

対して……。

小猫「……いやらしい顔。滝先輩とは大違いです」

更に……。

セイ「ハァ。……ふんっ!」

   『ゴガッ!』

イッセー「イッテェェェェェッ!!?」

ため息をついて、セイはイッセーの頭に拳骨を振り下ろしたのだった。

 

その後、出て来たリアスと、自己紹介をする朱乃。

更に……。

リアス「あら?そう言えば祐斗は?」

セイ「あ。まだ来てませんね。あいつが遅れるなんて珍しいが……」

なんて言っている横では……。

イッセー『ゆ、祐斗だと?!ま、まさかあの学園1の美形と呼ばれる

     木場祐斗か!?い、いや、そんなはずはない!そうだ!

     ただ下の名前が同じってだけだ!きっとそうに違いな――』

祐斗「すみません部長、遅くなりました」

イッセー「やっぱりお前かぁぁぁぁぁっ!!」

で、祐斗が入って来るなりイッセーは涙を流しながら叫んだのだった。

 

その後、セイがイッセーを(殴って)落ち着かせた後。改めてリアス達の

口からイッセーの身に起こった出来事が説明された。

リアス達が悪魔である事。以前、そして昨日イッセーを襲った

男が堕天使である事。更にイッセーが神器、セイクリッド・ギアを

所有していたが為に襲われてしまった事。

更にイッセーが神器を発現させたりもした。そしてセイは、それを

ただ黙ったまま見ていた。

 

そして、更にイッセーが殺されてからの経緯を説明したり自己紹介を

していた時だった。

セイ「んじゃ、次は俺か。まぁ、名前云々は知ってるから名乗る

   必要もないだろうが、改めて。滝誠一郎、

オカ研には1年の頃から参加している。後、俺は悪魔じゃない」

イッセー「え?いやいやいや、何故にそうなるんだよセイ。

     だってここに居るみんなは悪魔なんじゃ」

セイ「あぁ。但し、俺を除いて、と言う意味だ」

と、彼の言葉に疑問符を浮かべるイッセー。そこへ。

リアス「イッセー、彼の言っている事は本当よ。セイは悪魔

    ではなく人間なの。今の彼はこの街における協力者

    として私達と一緒に活動しているの」

それを聞くと、イッセーはどうして?と言いたげな表情を

浮かべた。

イッセー「なら、どうしてセイはわざわざそんな事を」

セイ「……人々を守る為だ」

イッセー「え?」

セイ「イッセー、今のお前や俺は世界の裏側に足を突っ込んでる。

   現にお前は、悪魔や堕天使の事を知らなかった。神器の

   事もな。今回の一件で、お前も痛感しただろ?堕天使に

   限った話じゃないが、奴らはそうやって、御託を並べて

   人間を殺す」

そう言っている時、腕を組んでいたセイの指先に力が籠る。

  「俺は1年前、訳あって部長たちと知り合った。そして、 

この世界の裏側の事を知った。その為に、大勢の人の命が

危険にさらされている事もな。知ってしまった以上、

知らんぷりを決め込める程、俺は器用じゃなくてな」

イッセー「じゃあ、その、人を守る為に?」

セイ「あぁ。協力者として、せめてこの街の人の命を、一つでも

   多く守る為に、な」

そう、静かに、されど決意を籠った目で答えるセイ。しかし

彼には、イッセーには理解できなかった。

イッセー「何でお前、そうまでして戦うんだよ」

そう疑問をぶつけるイッセー。彼には見ず知らずの誰かの

為に戦おうとするセイの理由が分からなかった。

リアス「そう言えば」

と、更にリアスも続く。

   「改めて思い返すと、私たちも聞いた事はないわね。

    あなたが人のために戦う理由を」

その言葉と共に、リアスや朱乃たちの視線がセイに集まる。

 

セイ「理由、理由か。そうだな」

やがて、少しだけ考えてから、彼は口を開いた。

 

  「俺が、そうやって誰かのために、ボロボロになってでも

   戦い続けた男たちの、英雄たちの背中を見て育ったから。

   そんな所だ」

その言葉と共に、彼の脳裏に、7人の英雄の姿が思い起こされる。

『仮面ライダー』と言う英雄の姿が。

そしてイッセーは、セイのその、憧憬が籠った目でどこか

遠くを見つめる彼の姿に驚きと戸惑いが混じった表情を

するのだった。

 

 

結局、その日はイッセーに対する説明などで終わった。

それから悪魔として、チラシ配りに人との契約仕事に精を出すイッセー。

(ちなみに、契約仕事で色々盛大にミスったイッセーを後目にセイは

苦笑する事しか出来ないのだった)

 

ある日の放課後。

イッセー「ハァ。クッソ~ダメダメだ~」

その日、イッセーは夕暮れ時に旧校舎を出てようとしていた。

まだ契約仕事に慣れていないため今日だけは早帰り、と言う事だ。

そして、旧校舎を出た時だった。

セイ「どうしたイッセー、浮かない顔だな」

近くの木によりかかるようにしてセイが立っていた。

  「ほれ」

イッセー「っと」

そして、セイが手にしていた缶の飲み物を放り、それを

キャッチするイッセー。

セイ「悩み事があるなら、相談くらい乗るぜ?」

と言って、彼は持っていたもう一つの缶のプルタブを開いた。

それを見たイッセーは、セイの近くの木によりかかって自分の

缶のプルタブを開いて一口、口を付けた。

イッセー「……ハァ。なぁセイ」

セイ「ん?」

イッセー「俺、悪魔稼業しっかりやれてんのかな?

     悪魔なら子供だって出来るって言う転移だって   

     出来なかったし、何つ~か、お先真っ暗って言うか

     悪魔として、ちゃんとやっていけるのかな~って

     思ってさ」

セイ「そうか。……悪魔稼業に関しちゃ、俺は関わってる訳じゃ

   無いから言える事は無いが、今後に関してのアドバイス

   くらいなら出来ると思うぞ」

そう言って、飲み物に口を付けるセイ。

イッセー「アドバイスって、どんなだ?」

セイ「そうだな。まず、お前はこの仕事を始めたばかりだ。

   今はまだ出来なかった事を悲観するには早すぎるだろうな。

   お前は今まさに仕事を『経験』している真っ最中だ。

   研修中って言っても良いかもな」

イッセー「研修中……」

セイ「それに、最初から初めて与えられた仕事をこなせる人間

   なんて早々居ない。運動でもそうだ。まずは準備運動、

   そして体を温めてからがスタートだ。イッセー、

   お前はまだ準備運動の段階なんだよ。だからまず

   何よりも経験を積め。そして覚えるんだ。仕事の事をな。

   まずはそっからだろ」

イッセー「経験かぁ。そりゃそうか」

頷きながらドリンクに口を付けるイッセー。

セイ「それに、ハーレム王を目指すんなら日々精進じゃねえのか?」

と、笑みを浮かべながら呟くセイ。

  「結構変態だが、でっかい夢じゃねえか。くくっ」

イッセー「へ、変態言うな!男の夢だろうが!」

セイ「そのためにはまず、仕事を覚えて平社員ならぬ

   平悪魔から成りあがらないとな~」

イッセー「うぐっ!?そ、それはその」

ニヤニヤと笑みを浮かべながらのセイの言葉に図星を

突かれるイッセー。

やがて……。 

    「だ~~~!」

ガシガシと頭を掻きむしるイッセー。

    「良いかセイ!絶対俺はハーレム王になって、

     お前に羨ましいって言わせてやるからな!」

セイ「面白れぇ!俺が羨ましいって言ったらまた何か

   おごってやるぞ!」

イッセー「よぉし!絶対言わせて何か奢らせて

     やるからな!出来るだけ高い物を!」

セイ「うぉい待て待て!お前俺の財布すっからかんに

   する気かよ!?」

と、そんなやり取りに発展した二人。やがて……。

イ・セ「「く、くくく、ハハハハハッ」」

二人は揃って笑い出した。

 

セイ「ま、そう言うわけだ。これからはよろしくな」

イッセー「おう!」

   『『カ~ン』』

そして、二人はそう言って缶を打ち付け合い、セイは

改めて友人をオカ研の部員として向かい入れるのだった。

 

そして、窓越しにそれを見ていたリアスは小さく笑みを漏らすの

だった。

二人が歩いて行く姿を見送ってから、執務机に座るリアス。

そして彼女が座ると、朱乃が横から紅茶の入ったカップを

置いた。

リアス「ありがとう」

礼を言ってから、紅茶に口を付けるリアス。

朱乃「あの二人、仲がいいのですね」

リアス「良い事じゃない。私としても下僕がこの環境に

    馴染んでくれるのは嬉しい限りよ。あの様子だと、

    セイが私達と彼のクッション役になってくれる

    でしょうし」

朱乃「クッション、ですか?」

リアス「彼はまだ悪魔になったばかり。この数日で彼の

    世界に対する認識はがらりと変わったのは

    言わずもがな。戸惑う事や驚く事も多いでしょうし、

    セイならきっとフォローしてくれるはずよ」

朱乃「ふふ、確かに。面倒見のよい彼ならそうですわね」

と、彼女はリアスの言葉に頷き、笑みを漏らした。

 

しかし、リアスはすぐに表情を引き締め、それに気づいた朱乃も

表情を引き締めた。 

  「何か、不安でも?」

リアス「えぇ。イッセーを二度も襲った堕天使が気になるの。

    あの男、ドーナシークはなぜイッセーを殺害した後、

    まだこの駒王町に残っていた。なぜ?あの男は

    目的を達成したのよ?ここに残る理由が無いわ」

朱乃「確かに。妙ですわね。あの堕天使の目的は神器が

   覚醒する前にイッセー君を始末する事だった。

   ……彼が生き延びているのを、知っていたのでは?」

リアス「それも有るでしょうけど、イッセーの話によると、

    あの二度目の遭遇の時、こう言ったそうよ。

    『まさか悪魔になって生きながらえていたとはな』と。

    恐らくドーナシークはあの瞬間、イッセーを前にする

    その時まで彼の生存を知らなかったのよ」

朱乃「つまり、あの男がここに居るのは、イッセー君を狙ったのとは

   また別の狙いがある、と?」

と、彼女が聞くとリアスは静かに首を横に振った。

リアス「確証は無いわ。ただ、普段以上に警戒をする必要

があるのも確かよ」

そう言うと、彼女はもう一度立ち上がって窓へと歩み寄り、

夕暮れの空を見つめた。

   「何事も無いに越した事は無いわ。……最も、

こういう時は必ず何か起こるのだけど」

と、静かにそう呟いた。

 

 

そして、彼女の読みは図らずも当たった。今、新たな出会いが

はじまろうとしていた。

 

それは、これから始まる大いなる歴史の一ページに過ぎない事を、

今はまだ、誰も知らないのであった。

 

     第2話 END

 




まだ本格的なバトルシーンが描けない……。
次回はバイサーが出てくるから描ける、はず……。
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