神様に雇われて、異世界転生者を殺すことになったラッパー少女の物語*リメイクするため凍結   作:しじる

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ラップと異世界転生組み合わせたら面白そうじゃない?
そんな思いでの見切り発車。
一応完結までの道はありますので、のんびりお待ちください。

感想もらうとはねて喜びますので、遠慮なく書き込んでいってください。


第1章 水の世界【アクアマリン】・傲慢の偽皇
1.韻 それは突然始まる


 走馬燈を知ってる人はいるかな?

 人が死ぬ直前に見ると言われている、自身の人生を振り返るとかそんなんだ。

 私は今それを味わっていた。

 私は鎖腐華(くさり ふか)、自分でも変な名前だと思うが、こんな名前でも気に入ってたりする。

 年は16、趣味はゲームとラップ。

 両親は私が物心つく前に他界、その後叔父に引き取られる。

 学校では優等生だった、叔父はテレビゲームが嫌いな人で、成績優秀でないと捨てると言ってたから死ぬ気で勉強してたからだ。

 私にとって、ゲームは人生の全てと言っても過言じゃない。

 現にこうして走馬燈で見える光景はほぼゲームだ。

 生まれて初めてやったドットのゲーム、それからCG。

 RPGからADV、アクションからシュミレーション。

 出来るものは片っ端やって、その中でもあるMMOが特に記憶に残っている。

【スカイウォーオンライン】

 VRMMOの中では異色で、ありえないほどのやり込み要素と数多の役職と種族、そしてとてつもない自由度。

 多くの人がのめり込んだ作品で、私もこれにハマった。

 走馬燈の中で一番濃い思い出はこれだった。

 タイトルどおりに空戦できる飛空艇を手に入れた時、自分の好きなラップと好きな属性で戦えると知った時。

 ソロでシナリオラスボスを倒した時、膨大すぎるステータスをカンストさせた時。

 数多の思い出が溢れてくる。

 ああ、まだ死にたくないな。

 課金したさのプリペイドカード買いにコンビニに出かけるんじゃなかった。

 

 空から到来

 鉢植えがほーら

 頭上が崩壊

 暗闇が到着

 

 ………死ぬ直前になにラップ思いついてるんだろう。

 馬鹿だな私は。

 そう思いながら私は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、眠りについた筈だったのに。

 どうして目の前に人がいるんだろう。

 

 「やっほー、クサリちゃーん」

 

 軽く声をかけてくる真っ白な何か。

 ぼやけて輪郭しか見えないけど、随分とイケボだ。

 

 「ごめんねー、君に依頼があって死んでもらいましたー!」

 

 ……は?

 今この白いのなんて言ったの?

 死んでもらった?

 

 「そうだよー、僕は神様だ。君らが一般的にそういう存在さ」

 

 白いのがそんな頭のおかしなことを言う。

 何を言ってるだろうこいつはというのが私の素直な気持ちだ。

 そんな私の考えなどほっといて、白いのは続ける。

 

 「さっきも言った通り、僕は君に依頼があって死んでもらったんだ。死んでくれないと僕は君に話せないからね」

 

 あっそ、神様がこんな私に何のようなんだ。

 私は一般的なゲーマーであり素人ラッパー。

 神様が頼むなんておかしな話だ。

 

 「それは君が強いキャラを持ってるからだよ」

 

 そう言って、神は私が【スカイウォーオンライン】で使ってるキャラを見せてくる。

 レベル9999で全ステータス999のカンスト。

 ここまで到達させるのに5年かかった努力の結晶。

 たしかにランキングや攻略掲示板に乗せられる位には強いけど…それがどうしたのか。

 

 「このキャラの姿と力を手に入れたくないかい?」

 

 そう言って白いのが何かを唱えると、私を光が包む。

 えっ、なにこれ。

 体が変な感じ、丸ごと変わってく感じだ。

 そうして光がおさまれば、なんと私の体はキャラのものに。

 そう、まだネットのルールが分からず本名を入れたキャラ、【フカ】になっていた。

 

 「その肉体の力があれば、大抵の事は解決できるだろう?」

 

 白いのはそう、ニヤついたような声で伝えてくる。

 少しイラッとくるが、まあたしかに自分はこのキャラが好きだ。

 自分にはない190センチという超身長、決して大きくはないが体に似合った胸、反対に大きく張ったお尻。

 そして人間ではなく、【竜人】という種族を選択したためにある大きな角と尾と翼。

 2本の独特な、ドラゴンのような角。

 お尻のちょっと上から生える爬虫類の尾。

 そして背にはコウモリのようは翼。

 うん、気合い入れてキャラクリエイトした価値ある。

 って、そういう事じゃない。

 

 「依頼がなにか気になる?」

 

 さっきから人の心を探り当ててくるなぁ…

 なんなんだこの人。

 少しイライラするけど、喋ってくれるならいいか。

 ふざけた依頼だったキレるけど。

 殺してでも呼び出すんだ、余程じゃないとね。

 

 「依頼はねー、転生者をぶっ殺して欲しいんだ!」

 

 ……はぁ?!

 訳の分からないことを頼んでくる自称神様。

 転生者ということは、神様自身が転生させたものの事じゃないの?

 だいたい殺したいなら自分でやればいいじゃないか。

 私を殺したみたいにさ、神様の方が強いだろうし。

 それになんで殺したいのさ。

 

 「ほかの神の転生者で干渉できないし、殺さないとその世界が危ないほどやべぇし、神だって1人じゃないし」

 

 と、私の心を相変わらず読んでるのか、さっきから一言も発した無いけど会話が繋がっていく。

 というか、神は複数いるのか。

 唯一神とか信じている人キレそう。

 

 「キレるのは勝手さ、それに君を選択したのは他にも君の【戦い方】が面白いからさ」

 

 そう言って笑う。

 …まあたしかに私の【戦い方】は、普通のファンタジーものの人物の戦い方じゃないけど。

 

 「相手はいわゆるチート転生者ばかり、直接殴るよりそういう変化球の方が通じるのさ」

 

 …確かにそうかもしれない。

 敵が転生者ならば、よくラノベとかで登場してくる主人公クラスということだからな。

 それと殴り合うのはご勘弁だ。

 そういう意味では私の【戦い方】は上等なのかもしれない。

 というか、世界をぶっ壊すレベルと戦うの?

 

 「まあそうだねー一応段階的に君の仲間を送り込むけどね〜」

 

 ということはまた殺して連れてくるのか…

 外道だこいつ、本当に神様かい?

 まあそれはいいか、本当は良くないけど。

 さて、神様は依頼といった。

 つまり完遂すればなにか報酬をくれるわけだ。

 それを聞かなきゃ。

 

 「なんでもいいよー、よっぽど変でなければ」

 

 そういう白いのこと神様は余裕ぶってる。

 まあ、私の望みはそんな変なものじゃないし。

 

 「元の世界に帰りたい」

 

 「はい?なんで?」

 

 神様が疑問を呟く。

 本当にそれでいいのかと問いているようだ。

 だけれどこれでいいんだ。

 たしかに元の世界でだと、私は一般人。

 両親が居ないだけで、それ以外は普通。

 そんなつまらない世界何故望むと。

 たしかにつまらないかもしれないけど、その先面白くなるかもしれないじゃん。

 それも見ずに死ぬのは嫌だから、元の世界に戻りたいんだ。

 

 「変なやつ…他のやつなら間違いなく異世界転生をお望みなのに、お前は帰還か…ますます気にいっちゃった!」

 

 そう言って神は愉悦そうに指を鳴らす。

 すると私の体が急に宙に浮く。

 それはまるで上空に【落ちていくような感覚】

 

 「君の【船】を拠点にしてね〜!また改めて依頼を送るから、そこでしばらく寛いでいてね〜」

 

 そんなことを言った瞬間、視界が急上昇。

 真上に向かって吹っ飛び、私の意思が消えていく。

 …普通こういうの、下に向かって落ちるものじゃない?

 疑問に思ったが、それを語る前に私はブツリと視界が黒に染まった…

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