NARUTOは始まりませんでした。   作:ウラウララ

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小隊編
小隊編


アカデミーを卒業して

イルカ先生の判断で班を決められた。ヒナタ・マナカと一緒が良かったが。残念なことに上忍を待つ俺たちの班は俺、マナカあとよく知らないうちは。

 

今頃ヒナタは何処にいるんだろうか。班の仲間とはうまくやれているだろうか、寂しくて泣いてはいまいか。心配が尽きない。

 

「ナルトさん、ナルトさん。はい、あ〜ん」

 

イルが朝持たせてくれたショートブレッドをマナカに食べさせてもらう。

ザクッと小気味いい歯応え、それを噛み締める毎に広がるバターの風味と全粒粉の香ばしい香りが口一杯に広がる。

 

お返しと俺のショートブレッドをマナカの口に持っていけば頬を染めて口を開く。その姿が雛鳥が親鳥に餌を求めているみたいで実に愛らしい。

 

そんな事をしているとガラリとドアが開く音がしたが、気にせず行為を続ける。

正直アカデミーに通っていたのは人間を学ぶためだ、これ以降は人間を育てその魂を刈り取るシステムの構築をするだけでいい。

未だ木の葉に残るのもハナビが五年後に卒業するのでその間の暇つぶしでしかない。

 

だから自己紹介後にこれから下忍になる為の演習をすると言われてこれはチャンスだと思った。

 

「上忍さん忍びをやる気は無いんで俺たち二人は不合格でお願いします」

 

「……はい?」

 

 

ーーーーー

 

ハタケカカシは苛立っていた。

 

先程火影に呼ばれて次の任務を聞いてみれば、なんと子供の監視だと言う。

 

一人はうちはの生き残り、同じ写輪眼だから出来れば教えて欲しいそうだ、御免被る。

 

もう一人はあの狐憑き、確かに恩師の子供だが正直それがどうしたと思う、たかが子供忍術もロクに使えないならそれこそ中忍だって監視ぐらい出来る。

 

最後は他里の生き残り、骨を操る術を使うらしいが正直分からない。暗部にでも頼んでサスケ共々子を残すだけの道具にすればいい。

 

しかし今回は任務だ、今までのように気分次第で卒業生を辞めさせる事は出来ない。何としてでも下忍になって自分の監視下に置かなければならない。

 

だがこれでも暗部だ殺すだけでなく、数ヶ月から数年に渡る潜入任務なども当然ある、別組織に入り込んで組織の人間に好かれ情報を抜き取り木の葉に流す仕事に比べれば難易度は下がる、そう思わなければやってられない。

 

陰鬱な気分を感じながら教室に入ればイチャつく二人と無関心な一人、気に入らない。

そんな想いは表に出さず、にこやかに先ずは第一声。

 

「ん〜お前達の事俺は嫌いだ」

 

掴みはバッチリだろう、この位の年齢だ絶対に反発してくる。それが狙いだ反発すれば否応無く俺を意識する、意識されない相手より第一印象から衝撃的な方が後から上手くいく。

 

そう思っていたが、釣針に掛かったのはうちはだけ、イチャついてる二人は気にした風もなく乳繰り合っている。

盛大に爆死しろ。

 

落ち着け俺、これは任務だ潜入任務の為に何ヶ月もトイレ掃除だけをしていた事に比べれば屁でもない。

 

「そうだな…先ずは自己紹介してもらおうか、それじゃ右から順に」

 

「うずまきナルト以上、それからこいつは俺の女の人りマナカなんでよろしく」

 

おい!何だその自己紹介は舐めてんのか?それと12で俺の女とか何言ってんのこいつ。

それとナルトの膝に対面して座ってるクソ女、こっち向け背中と後頭部しか見せてねぇだろ。せめて顔ぐらい見せろ。

 

「そっそっか〜他には好きなものとか嫌いな物とか将来の夢とか趣味とか」

 

「あっそう言うのいいんで、次行ってください」

 

お前が決めんな!それと喋ってる途中でキスすんな発情狐!

 

やばい、自分でも額に青筋が立ってるのがわかる、もうお前ら俺の千鳥で殺してやろうか?

 

「そっ、そっかそれじゃあ次な」

 

今度はまともでいてくれ。

 

「名はうちはサスケ、嫌いなものなら沢山あるが好きな物は別にない。

野望はある!一族の復興とある男を、必ず…殺す事だ」

 

良かった…普通だ、いや普通じゃないよ両手を組んで口を隠す、何だかサングラスと無精髭が似合いそうなポーズしてるし。はたから聞けば普通じゃないよ。でも他二人と比べれば普通だ。

 

チラリと横を向けば女が口の中にクッキーみたいなものを入れて咀嚼した後口移しでナルトに与えている。

キモい。気持ち悪い。人の口で咀嚼して唾液まみれになった物を与えるって何してんのお前ら変態なの死ぬの?

 

気が付かれないように心を落ち着かせる。これは任務だ要人暗殺の為に上忍や暗部と戦うことと比べれば…いや戦う方が楽だわ実際。

 

組んでいる腕を握りつぶす勢いでその痛みでこのイライラを我慢する。

 

「自己紹介はそこまで、明日から任務やるぞ」

 

反応ないな〜もういいやさっさと進めよう

 

サスケはこっちを睨んでいるがそれ以上の行動を起こそうともしない。

問題は二人だ、イチャイチャしやがって任務じゃなきゃ絶対に仲間にしたくないタイプだ。

 

「くくく、余裕が有るのも今の内だこの任務は。

卒業生二十七名中下忍と認められるのは僅か9名・残り18名は再びアカデミーに戻される。

脱落率66%以上の超難関テストだ!」

 

どうだ、流石にこれを言えば

 

「上忍さん忍びをやる気は無いんで俺たち二人は不合格でお願いします」

 

……はい?

 

ああ、そう言えば俺の自己紹介をしてなかったな……

 

 

 

 

 

 

 

この任務もう失敗で良いや。

 

ーーーーー

 

火影執務室

 

ハタケカカシは執務室の机の前で対面する火影に。

 

「任務失敗でお願いします。他の任務なら何でもやりますんで」

 

カカシは祈るような気持ちで火影を見る、火影はキセルを吹かしながら任務表を選び。

 

「ふむ、この中なら可能かのぉ、どれをやりたい?」

 

渡された任務表は3枚、高鳴る胸を押さえて一枚目に目を通す。

 

〜アナル・スキー大名への潜入任務〜

 

波の国の大名アナル・スキーに使えて彼から重要情報を得ること!

 

アナル・スキーは波の国の大名、彼が犯罪組織と結託して違法薬物[後ろの菊の花]を販売、木の葉の里にも入ってきている為早急に取り掛かるべし。

 

アナル・スキーは紙媒体を残さず全ての情報を記憶しているため、火の国から男娼のプレゼントに紛れてアナル・スキーに近づき情報を得よ。

 

期間

小国とは言へ戦争になるのは避けたいので、情報を得られるまで何年も。

 

アナル・スキーは男娼と日夜励む性癖を持っている為後ろの後ろをしっかりと開発すること。

 

なお後ろの後ろを開発するための張り型は支給する物とする。

 

〜〜〜

 

辞めようこれはダメだ、俺は顔もばれてるしきっと任務についても良いことはない。これは暗部の山中一族向きだきっとそうだ。

 

次こそは。

 

そう思ってめくってみれば。

 

〜大名スレイブ・マスターからの情報を入手せよ〜

 

大名スレイブ・マスター(S・M)は火の国の大名。

男娼に対する激しい鞭打ちや蝋燭垂らし、菊の花への蝋燭を活けるなど激しいプレイを望む傾向があり、暗部の中でも激しいプレイ対応している忍びを求む。

 

波の国から違法薬物[後ろの菊の花]を仕入れてばら撒いている。

入手経路及び、S・Mがばら撒く為に使っている企業及び犯罪組織の情報を入手せよ。

 

期間

明確な証拠も無く大名を名指しで尋問できないので、情報を得るまで何年でも。

 

S・Mは男娼と日夜励む性癖を持っている為後ろの後ろをしっかりと開発すること。

 

なお後ろの後ろを開発するための張り型は支給する物とする。

 

〜〜〜

 

次だ次‼︎

 

〜うずまきナルトを監視せよ〜

 

木の葉の下忍うずまきナルトを監視せよ。

うずまきナルトは九尾が封印され里の者からは忌み嫌われ命を狙われて。

田里の忍びからはその体を狙われている。

護衛及び監視役として第七班に指導上忍として潜入し、その身を守り九尾が暴走しないようコントロールせよ。

 

〜〜〜

 

普通だ?

 

あれ?・いやいや違うだろ、この任務が受けたく無くて違う任務を頼んだんだ。

 

こちらを伺うことなくキセルを吹かし書類を片付ける火影を見て。

 

「あの……他の任務は…」

 

嫌な予感がする非常に嫌な予感が。

自分の脇が緊張から汗ばむのを感じるのだ。

 

ーーーーー

 

「……ふむ、何が気に入らんのじゃ」

 

目の前で緊張からか汗ばむカカシを見て火影は考える。

カカシは確かに優秀だ、しかしそれは戦闘に関してはと付く。

 

本来暗殺や抜け忍の始末、村の襲撃程度なら上忍で充分。それ以上に重要なのが対象が暗殺するに値するか、依頼人の情報が正確か、などの裏付け調査。

暗部はこの裏付け調査や潜入をメインとして動く部隊が多くいる、暗殺などの戦闘系の仕事は言わば暗部的には雑用でしかない、そんな物は顔の割れた上忍がやれば良いのだから、度々顔の割れていない暗部を使う必要は無いのだ。

 

「何が気に入らんのじゃ?」

 

「あの、自分的にはですね出来れば戦闘系を…」

 

「その戦闘系の任務をするための情報収集が上二つの任務じゃよカカシ、戦闘系の任務に就きたいなら先ずは情報を集めなければならん」

 

「……」

 

不満そうな顔をするカカシに対して火影は肺の中の煙と溜息を吐き出し。

 

「今までお主が戦闘系の任務に従事してこれたのは、これらの任務をこなして来た者があったからじゃが。

4年前うちはイタチがうちは一族を皆殺しにした後その行方を追った暗部、志村ダンゾウを含め多くの人員が行方不明。その後を継げる者がいない以上暗部でも古株のお主にこの様な任務について貰う必要が出てくるのじゃ。

今まで戦闘系の任務ばかりさせていたからのぉ、これも勉強じゃ、性的に相手を落とす技術を手に入れるためとこの二つ受けて見てはどうかのぉ?」

 

「あの……やっぱりこれでお願いします」

 

そう言ってカカシが出したのは第七班の担当上忍だった。

 


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