NARUTOは始まりませんでした。   作:ウラウララ

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小隊編…鉄の車は走るよどこまでも。

ナルトは今回の任務に関して正直行く気はほとほとなかったが。前日イルと一緒に出かけることを約束していたことを思い出し、木の葉の里以外の国に行ってデートするのも有りではないかと思い直し。その旨をイルに伝えればケイさんも含めてみんなで家族旅行に行くことになった。

 

ヒナタとハナビを連れていけないのは残念だがこんな機会は木の葉の忍びである以上仕方がないと割り切りヒナタ・ハナビにも許可を取って波の国に行く支度を始めた。

 

しかし、行くと言っても用意は大事だ。

旅行に関して注意しなければならないのは身の安全これに尽きる。

この世界では移動は基本足だ、何故なら馬や牛は食料と休憩が必要になりながらもそこまで多くの物資を乗せることは出来ない。そこで考えたのは前世コロニー移動に使っていた空間拡張型装甲車だった。

 

ヒナタを含め四人で思い出しながら組み上げだ、一番難しい部分はイルに任せ外枠をヒナタが中の空間拡張をナルト、そして中の小物はマナカが顕象で作り上げた。

 

任務初日ナルト達の装甲車は安定した走りを見せている。いつものようにマナカと手を掴んで装甲車の中から外の景色を眺める。

 

人を引くことも考えそこまで速度を出してはいないが、普通に歩くよりも遥かに早い速度の中、ここ最近雨が降っていないのに道端に怪しい水溜りがあるのを見てイルに指差し教えればイルはこの世界の技術で作り上げだ手榴弾もどきを投げ爆殺した。

 

ああ、いい日だこれで今日は眠れる。

 

血の雨を見ながらナルトの中の星の声が落ち着くのを感じる、愛したものと共に居れば声は気にならないが矢張り人の魂を回収することで声が歓喜して静かになるのを感じると落ち着くのだ。

 

この任務に対してイルとのデート程度しか楽しみを見出せなかったナルトの口は静かに笑みを作っていた。

 

その様をイルとマナカは心配そうに見る、どんどんナルトが…葵が彼で無くなってしまう気がして。

その胸の痛みを隠しながら、自分達が彼の意思をここに留めようと決意を新たにその上がった口角にイルは口づけを交わした…カカシやサスケ、タズナな変な顔をしているが気にしない。

 

波の国に着いて霧の中陸地につけば感じる魂の波長。人間のものだと感じながらナルトは笑う。さあ来い殺しに来いよ、お前の魂は美味そうだ。

深く熟成した魂の波長如何程殺したのか、どれ程の惨状を作り出したのか。その香りは甘露、アレの魂に比べれば極上の酒すら水に劣る。

 

 

そしてその時は来た。殺気と共に投げられた巨大な剣ナルトは歓喜とと共に車内から飛び出して飛んで来た剣を掴んで自分の力を合わせて速度を上げ近づいて来た襲撃者に振り下ろす。

 

振り下ろされた剣は襲撃者のクナイ毎その右首に浅く刺さり皮膚を浅く切って止まる。

襲撃者がクナイで勢いを止めなければ彼の首は体から一生離れ離れになっていたはずだ。

 

「グ…」

 

「はは…なぁ置いてけ、その首を置いてけよ。充分生きたろ?殺したろ?なら死ねよ」

 

ギチギチと音を鳴らして剣がクナイを割り切っていき、それと同時に体から何か大事な物が吸い取られていく。既に襲撃者は両腕で支えているがそれでも押される現状に焦りながらも咄嗟に蹴りを放ってナルトと距離を取らせることに成功した。

 

「化け物が…」

 

「ナルトまて!そいつは桃地再不斬お前では勝てない!」

 

ナルトはカカシの声に振り向くがその瞳は金に輝き前髪の生え際からは小さな漆黒の角が天を突くように飛び出し、額には三つの目が開き、嘲笑う口からは牙が覗く。

 

「勝てない…そんな事は無いさカカシ先生、最近美味い魂を喰って無いんだ…無限鳥居の魂だけじゃ足りないんだ。

だからお前の魂俺にくれよ再不斬」

 

地面を揺らす程の踏み込みと共に振るわれる剣は再不斬が咄嗟に防いだクナイに阻まれながらもその巨体を川まで吹き飛ばす。

 

「ぐを」

 

しかし流石カカシを焦らせる忍び、再不斬は川の上に立ち咄嗟に片手で印を組むが、チャクラを練る暇など与え無い程の速さを持ってナルトの追撃に術を止められた。

 

「いいなぁ、いい反応だ」

 

先の飛ばされた一撃で骨を痛めたのか先程までの拮抗は無いが攻撃の反動を使い飛ぶ事で距離を離した再不斬は素早く印を組んで周囲に濃厚な霧を作り出し姿を隠す。

かなりの量のチャクラが練られているのだろう、霧に覆われた場所全てから再不斬の気配を感じる。

 

「くそ、サスケ、マナカタズナさんを守れ!」

 

焦るカカシが指示を出す中。

再不斬は己の不調を感じその場から逃げ去った。

 

しばらくすれば霧は晴れていきその場所にはタズナを守るサスケとカカシ、ナルトの側に駆け寄るイルとマナカ、ケイ。

その後第七班はタズナの家に招かれ。イル、ケイと別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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