NARUTOは始まりませんでした。   作:ウラウララ

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小隊編外伝…地の底へ挑んだ者達!

ガトーにその報告が入ったのはナルト達が迷宮を作ったその日の晩の事だった。変化と影分身を合わせたナルトがガトーカンパニーの資財を新しく作った迷宮陂池処に運び込む姿を確認した事でガトーに伝わった。

 

ガトーは自分が滅ぼした村の事など覚えてはいなかったが、今までそんな場所に大穴など無かった事は部下の報告で知っていた。

 

しかし、資財が無ければ他国に自分の会社も自分の何もかもが奪われる事は間違いがなく、ここで奪われたものを取り戻せるか否かで今後の人生が決まる。

だから彼は決めた。

 

「霧隠れの忍びも合わせて全員であの穴に挑むぞ!

明朝までに用意を済ませておけ‼︎」

 

 

 

翌日波の国は今までにない程静かだった、借金取りの怒声も泣き叫ぶ人の声も何も無い。

 

不思議に思った人々は固く閉められたドアを開け外をみればガトーカンパニーの社員は誰一人見当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

ガトーは大穴の中心にある螺旋階段の前で祈るように部隊が戻るのを待っていた。既に全ての部隊を侵入させ終えてから日が沈むまで待っていた。側にいるのは最低限の腹心達だけだ。

 

最初の攻略は霧隠れの忍び再不斬を筆頭に全ての者達を行かせた。

霧隠れの忍びに連絡員としてガトーに付けられた男トニーが降りた場所は地下とは思えない光景だった。

見渡す限りの草原、その草原の上を美味そうなキャベツや白菜、人参や大根が走っていた。

 

「おい」

 

「はい!」

 

最初に出会った頃のに比べれば大分老けた再不斬に呼ばれて声が裏返りながらも必死に答え。

 

「先に周囲を調べてくる、お前はここで待ってろ」

 

凄みの効いた睨みに首を縦に振るう以外の選択肢は無かった。

 

再不斬が走り回る人参に近づくと人参は急に飛び上がり茎や葉を爆音と共に燃やしながら突っ込んでいく。

咄嗟に肩にかけた大きさだけは大きい普通の鉄の刀で叩き切れば人参は地面に落ちた。

 

そこで感じたのはえもいわれぬ匂い。この匂いだけで腹いっぱいご飯が食える。そう思うほどに美味そうな匂いが脳髄を刺激した。

 

再不斬は人参の半分を取って迷わず口に入れ、その動きが止まった。

もしや毒かとトニーが思い、白と呼ばれた少年が再不斬の元に向かい。

 

「再不斬さん大丈夫ですか⁈」

 

再不斬は次第に震え、限界まで目を見開き。

 

「うんめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

その声に反応したのか近くに居たキャベツが再不斬に突っ込むが再不斬は危なげなく十字に切って4当分に切り裂く。

 

そしてキャベツの中で最も甘く美味しい中の葉を大きく開いた口で食らいつく。

再び止まるが、今度は一瞬で直ぐに再起動すると貪るようにキャベツと人参の残りを食い始めた。

 

「白、お前も食ってみろ。今まで食ってたもんがゴミに思えるほどうめぇぞ」

 

「……わかりました」

 

白と呼ばれた少年は千本で近くを走っていた大根を仕留めて茎の近くに齧りつく。

びくりと身体が震えた跡ビックンビックンと身体を震わせて。

 

「うんまぁぁぁぁぁいゾォォォォ‼︎」

 

 

小一時間程して落ち着いた霧隠れの忍び達に呼ばれて一緒にこの草原を歩む。

この草原はまさに夢の国だった、霧隠れの忍び達が野菜を倒している間地面に生えている草をむしって食べてみたが、ガトーさんの元で食べさせてもらった高級料理屋の料理がゴミに思えるほどに美味かった。

 

しばらく歩けば地の底に向かう階段。

そこを行くと次の階層は食肉に向きそうなウサギやネズミ達が思い思いの姿でコロコロと遊んでいる階層だった。

 

霧隠れの忍び達は躊躇いなく殺して血の滴るその肉に食いつく。

ああ、なんて羨ましいんだ。僕も耐えられないと側にいたネズミを捕まえて息を止めるのも面倒くさいので、そのまま頭から齧り付く。

 

口に広がるのは芳醇な血の香り。甘く暖かい、母親の母乳とはこういうものかもしれない。咀嚼する中感じるのは彼らの内容物、この大穴の草を食べたのだろう美味いのだ。

内臓など臭くて食えたものじゃ無いと思うものも多いと思うが本当に美味しい内臓はこんなにも滋味に溢れた味なのだと初めて知った。

 

その階層でもひたすら食い尽くした僕たちは身体が重くなっている。しかしこれが食べられるなら多少身体が重くとも関係ない。

一階よりも二階の方が美味かった。

なら次の階層は?…皆んなの目は血走り鼻や耳・口からも血を垂れ流しながら何かに呼ばれるように三階層に向かう。

 

三回層は木々が生い茂る林だった。

木々には赤く色づいたリンゴやミカンなど様々な果実が成っている。

 

その果実の匂いに呼ばれるように木々に近づき果物を木々からとって口にする。

 

ああ……天国はここに有ったんだ。

 

誰も彼もが無言で食べる。ひたすら食べる。

 

身体から根が生え葉が茂っても食べる。

 

ふと気がついた、こんな美味しいものを食べてきたんだ僕もきっと美味しいぞ。

試しに身体から生えた葉を千切って食べてみる。

美味い。美味いぞ!感動する程の旨味では無いが不思議と心が落ち着く旨味だ。

 

其処からは一心不乱に食べて食べて食べ続けていたら食べるものが無くなってしまった。仕方がないと周りの木の実を取ろうと思ったが、何故だろう手がないぞ?

近くにいこうとしても足がない。何処だ僕の身体は、何処に行ってしまったんだろう。

 

 

ガトーの前に物資の一部を持って連絡係の男が来た、その男の言うには物資は地下3階に有って、其処には奪った奴らがたむろっているそうだ。

 

それを聞いたガトーは喜び全員に物資の奪還を命令した。最低限の部下を残して突撃した部隊。

 

しかし、そこからどれだけ待とうとも部隊は戻って来なかった。

いい加減部隊が全滅したのだろう事を感じたガトーは。横から感じる美味そうな物に目をやる。

 

つい先ほど、ガトーが知ることではないが部隊が全滅した瞬間に戻った雑草の山。

知らず知らずに匂いに誘われて食べたがもう無い。匂いに誘われてガトーは皿を舐めるが足りない。本物が欲しい。

 

ガトーが命令する前に既に腹心の部下達は大穴の下に進んでしまった。これは急がねば。あいつらが全て食い尽くしてしまうかもしれない。

運動などあまりしないガトーは自身が出せる全力で穴の中に潜ると辺り一面にある草や襲いかかる人参、大根キャベツ白菜をひたすら食べた。

 

いつしか太った身体は動かなくなり地面に帰って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も無かった地面から腕が生えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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