NARUTOは始まりませんでした。   作:ウラウララ

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ヒナタが遠い

4歳になったぜぃ

 

仙術チャクラようやく練れるようになったぜ。

コタロー軍曹が各地から集めたチャクラを貰ったら六道仙人モードになれるようになったぜ。

 

「及第点ですな」

 

コクロー軍曹は強すぎるぜ、どうしてそんなに強いのか聞いたら。

 

「我輩達はこの身体が使えなくなったら直ぐに身体を変えますからな、こう見えても我輩一億年と二千年程前から生きておりますので、当然修行できる期間も練り上げてきた時間も違いますぞ」

 

だそうだ、ぶっちゃけGのみんなでこの星を守れば良いんじゃないのかな?と思ったが。

 

「その場合我輩達が間違って世界を滅ぼしかけた時止める存在がいなければ、今回のように対策を取ることさえ出来ませんぞ。そうなれば皆仲良く死にますな」

 

成る程、彼等は自分達が一歩引くことで世界に過度な干渉をせず星の守護者足らんとしているんだと知った。

 

「本来蝦蟇や大蛇・蛞蝓も我輩達と同じ守護者の一角なのですから人に力を貸すだけでなくキッチリ手綱を握って欲しいところですな」

 

ーーーーー

 

ある日俺はゴキブリ将軍に連れられて筍の様な植物が沢山生えている場所に連れてこられた。

 

「ここは?」

 

「ここに生えている植物こそが神樹の苗です。この中で貴方がコレだと思うものを選んでください」

 

どれ?

どれかを選べと言われても良し悪しが分からん。キョロキョロしながら歩く俺をゴキブリ将軍が離れた位置で眺めている。

 

フカフカの腐葉土に余計な雑草が一切生えていない環境、病気予防なのか巻藁されている物もある。本当にゴキブリ達がこの苗を大事に育ててきたのが伺える。

 

三時間程歩いたろうか、そんな中気になると木が有った、今まで見た中で一番弱く苗の周りは敷き藁されて強い日が当たらないように藁で編まれた傘で日陰の中ひっそりと生えている。

 

導かれるように歩いていけば、その苗の下の土からひょっこりと親指サイズのワームが顔を出した。

 

「この子に呼ばれた気がしたんだけど側で見ても良いかな?」

 

ワームは首を傾げる姿を見せると頷くように首を縦に振って地面の中に潜っていった。

 

手を伸ばせば届く距離で見るその苗は頼りないがそれでも他の苗と違い真っ直ぐに天を突いていた。

 

「ゴキブリ将軍…俺はこれを選びます」

 

「よろしい、眷属達よあの苗に全尾獣のチャクラを込めなさい」

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

ゴキブリ達が苗に集まってチャクラを与える、チャクラを与えたゴキブリ達はその命を使い切ったのか命の輝きを失っていく。

 

「さあナルト、前前前世からの贖罪を」

 

その言葉に導かれるように九尾のチャクラと俺のチャクラを神樹の苗に捧ぐ。

その瞬間魂が引っ張られるような感覚と共にあらゆる映像が川のように流れる空間を落ちていった。

 

長い、とても長い時間落ちた先にいたのは小さな石だその石から思念が頭に直接流れてくる。

 

《人間よ、漸く守護者の導きの元貴様ら種族の贖罪をしに来たか》

 

貴方は?

 

《我はこの星、貴様らの魂の親であり貴様らの魂の子である。》

 

《人間よ余りにも多くの命を我々は失った故に貴様に命じる。》

 

《人の魂を育てよ‼︎人の魂を回収せよ‼︎育て回収し集めた魂が人間が奪った分を超えることで貴様らは初めて許される。それまで貴様に死は与えん!不死の呪いを受けよ‼︎》

 

何か生き物として決して失ってはいけないものを奪われた気がした。

 

《殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ》

 

頭に星の声を聞きながら俺は意識を失った。

 

ーーーーー

 

目を覚ませば見慣れた天井。

 

「起きましたかな」

 

コクロー軍曹…

 

「無事に星に認められたようですな、これで君以外が神樹をどうこうする権利を失い、神樹の抜け殻もカグヤも力を失いましたぞ」

 

それは理解してる、しかしカグヤとは何かと縁があるものだ、前世でもカグヤと一緒に自爆してこちらでも今まさにカグヤが死んだ事を感じた。この世界に根付いていたカグヤの端末も皆んな死んだはずだ。

 

「神樹の苗はここに用意しておきましたので空間忍術でナルト君だけの世界を作って保存しておくといいですぞ。

それからこれからのことに関して話し合いましょうぞ、このままこの里で暮らしますかな?」

 

それは良い、前世から付き合いのあるアイツらと一緒にここで静かに過ごせたらどれだけ良いだろう…

でもそれは出来ない、俺は人の元で人の魂を集めないと。

 

「そうですか…木の葉にはアカデミーと言って子供が通う学校があるそうですな、そこで人間について学ぶのもよろしいでしょうな」

 

一度木の葉に戻る。そう返事をすれば

 

「わかりましたぞ」

 

 

 

ーーーーー

 

木の葉の里に帰って来た、木の葉に行くと言ったら選別として将軍から万華鏡写輪眼を貰った。今俺の額には三つの目が正三角形の頂点にそれぞれ存在している。

 

目をつぶっておけば皺か、傷跡程度にしか見えないだろうな。

それから死んでも良いように単体生殖で作った卵はゴキブリの里と空間忍術で作った箱庭に植え付けていつこの体が壊れても良いように準備を整えておいた。

 

まず訪れたのは火影執務室当然夜遅くにこっそり潜入だ。

 

そこには草臥れたお爺さんが机に向かって書類仕事を行なっている。

机の上の写真は驚いた事に俺の赤ん坊の頃の写真があった、驚きと共に俺の事を覚えていたのかという思いが暖かく胸に染み渡ってくる。

 

「爺ちゃん」

 

ビクリと肩を震わせた爺ちゃんは勢いよく振り向くと俺を視界に納め、目を見開くとその目が潤み目尻から涙が零れだす。

 

「ナルト…生きて…生きておったのじゃな」

 

「うずまきナルト今戻りました」

 

爺ちゃんは俺の頭を痛いほど抱きしめた。

火影執務室には押し殺した爺ちゃんの鳴き声がいつまでもいつまでも続いた。

 

 

朝、爺ちゃんは必要な仕事は影分身に任せ俺の話を静かに聞いていた。当然神樹の事や管理者権限の事・前前世、前前前世など話せないことも多いが爺ちゃんは特に追求する事なく穏やかな笑顔で笑っていた。

 

「そうだ爺ちゃんにプレゼントがあるんだってばよ、ゴキブリの里で手に入れた秘薬なんだけどな老化を含めた全状態異常を回復させる秘薬なんだってばよ。

爺ちゃんも年だろ、五代目が決まるまで大変なら飲んで欲しいってばよ」

 

「む、しかしのうワシは充分に生きた、若返るつもりなどないがのう」

 

「爺ちゃんはそうでも周りが許さない事だってあるはず、実際この前も日向家のお嬢様が誘拐されたらしいって聞いたってば」

 

「はは…恥ずかしいのう、わかった預かっておこう」

 

その後俺は爺ちゃんの紹介でアカデミー併設の孤児院でお世話になる事になった。

 

ーーーーーーーーーー

 

町を歩く狐が見つかった。堂々と町の中を歩いているらしい。四代目火影を含め多くの仲間を家族を殺した狐がこの里にいる。

 

旦那は死んだのになんでお前は生きている!

 

兄ちゃんは死んだのに何故お前は生きている!

 

あの子は決して治らない傷を負って寝たきりなのにお前は何でその足で歩いてる‼︎

 

許せるか。許してなるものか。死ねよ。苦しんでしね。泣いてしね。ゴミのように、誰に思われる事なく…死ねよ。

 

狐が生きていたという情報は里を駆け回り狐に悪意ある者たちは、狐がまた

 

この里を襲う前に殺す為に。

 

これ以上犠牲を出さない為に

 

悲しむ人が出ないように。

そう自分を騙しながら。

 

狐を殺す為に集まって行く、人の憎悪が、憎しみが、怒りが人の目の死角にたどり着いた狐に襲いかかった。

 

鮮血が飛ぶ。周囲は血みどろの惨殺死体の山、ナルトは静かにそのざまを見る。その姿を隙だと思った者たちが襲いかかるが全てナルトに触れる事なく地面から突き出した木の根に切り裂かれ押しつぶされ、すり潰されていく。

 

《足りない……足りないぞ契約者…これでは足りないもっとだもっと寄越せ、貴様らがこの星から奪った命を、貴様らの戦いで失われた関係ない生き物の命を集めろ!殺せ!殺せ!殺せ!》

 

「黙れ……黙れぇぇぇぇッ」

 

ナルトを監視していた暗部は体が震えていた、アレはなんだとアレからは恐怖を感じない感じるのはただひたすらの嫌悪だ気持ち悪い。決して相容れない存在だとそれは分かる。

だがあそこまで強いとは思えない。だって強いならその風格か気配がするはずだ。

 

少しでもナルトの情報を集めようと集中すればそれに気がついた。

アレは人じゃない…狐でも無い…人は海に恐怖しない、人は空気に恐怖しない、人は大地に恐怖しない、人は空に恐怖しない。

 

アレはそういうモノだ。人が戦いを挑もうとは決して思わない自然災害、アレは津波で台風で竜巻で火事で雷で地震で噴火そして隕石だ。

 

だから嫌悪する、だがそれは恐怖の裏返し手を出してはいけない。手を出せば里が国が滅ぶ。

 

「あはははははははははははははははははははははははは」

 

気が狂った暗部はその首にクナイを突き刺し死ぬ事でこの恐怖から逃げた。

 

 

体が熱い星の人間に対する怒りが人間の殺気や憎悪を呼び水に呼び出された結果だ。

クソがこの力をコントロール出来ないと聖に会いにすら行けないぞ。他の人間がどうなろうと知った事じゃ無いが聖の転生体のヒナタが死んだら俺はきっと耐えられない。前世でだって一度気が狂ったんだ今回だってきっとそうなる。

 

里を離れなければ今すぐに戻ろう、俺にはまだ人の近くでは過ごせない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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