愛しい人   作:右近

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ご無沙汰の方も初めての方も改めまして右近です。
GS横島争奪大作戦が長期間更新出来て無い事をここでお詫び申し上げます。
漸く再開しましたので、もう暫くお待ち下さい。
そして今回、GSキャラによるGSとはほぼ無関係な物が頭に浮かんで、無謀にも新連載を始める事にしました。
自分の息抜きで書いていますので、矛盾点も出ると思いますが、何も考えずに読んで頂けると有難いです。




プロローグ

上下左右、前も後ろも解らない場所を2人の男が歩いている。

 

「ホンマにこんな所に居るんかいな?」

 

「ええ、そのはずですよ。彼も最高指導者の1人で、命の運航を管理してますから」

 

歩みを止める事なく会話は続く。

 

「律儀と言うかなんと言うか」

 

「真面目な方ですから」

 

何処に向かっているか検討も付かないが、それでも2人は真っ直ぐ歩いている。

 

「ここやな」

 

「そうですね」

 

暫くして2人は立ち止まると、前に手を差し出す。すると何も無かった空間が淡い光を放つ。

 

「間違いないです」

 

「そやな」

 

現れた光を懐から出した箱に入れる。

 

「アシュタロスの魂や」

 

 

 

 

 

~愛しい人~

 

 

 

 

アシュタロスの魂を入れた箱を懐にしまうと、どちらからもかく深呼吸をした。

 

「ホンマにムチャさせよるわ。こんなトコワシらでも気抜いたら持ってかれるで」

 

「仕方無いです。彼が直接来る訳には行きませんし、誰かに代わってもらうにも、主神や魔神クラスしか来れません」

 

2人が居る場所は、神魔族でも最上級の一部しか来る事の出来ない輪廻の外側。

 

「ほな、戻ろか」

 

「ええ。早くしないとブッちゃんが怒りますしね」

 

そう言うと2人の姿が消えた。

 

 

 

 

「遅かったですね。何時もの様に逃げたかと思いましたよ?キーやんにサッちゃん」

 

2人が転移で戻ってくると後ろから声を掛けられる。

 

「「ブッちゃん!?」」

 

2人が振り返るとそこには、無の境地を体現しているブッちゃんが居る。何故か黄色いエナメル質のガウンを纏って。

 

「それで、アシュタロスの魂は見つかりましたか?」

 

「ああ、あったで」

 

懐から箱を出し、ブッちゃんに渡す。

 

「それで、どうするんですか?彼はもう役目を降りてますよ?」

 

「直ぐにわかります」

 

ブッちゃんは受け取った箱を開け魂を取り出す。そのまま印を結ぶと魂を放した。

 

「スッゴい嫌な予感がするで」

 

「私もです」

 

一連の動きを見ていた2人はこれから起こる惨劇を予知してしまう。

 

一方、放された魂は形を変え、朧気ながらもアシュタロスになる。

 

「何の用だ。今更戻れとも言うまい。私は解放されたのだからな」

 

うっすらと目を開けたアシュタロスは、ブッちゃんを見据えて皮肉混じりに言う。魔神の座を辞しても、気高く気品は失っていない。

 

「誰も魔神に戻れなど言いませんよ。ただ…」

 

今まで無を体現していたブッちゃんの表情が変わって行く。

 

「貴方のせいで、バランスが崩れてこっちは苦労してるんです!!なのに、勝手に休んむのは許しません!!」

 

着ていたガウンを脱ぎ捨てると、アシュタロスにいきなりシャカミキサーをかます。

 

「あ~っと、ブッちゃん、まだゴングが鳴っていないにも関わらずシャカミキサーで、アシュタロスを吹き飛ばした~!!」

 

━カンカンカン!!

 

「ここでようやくゴングです!!やはり不意打ちを喰らったアシュタロス、苦しそうです!!」

 

「それにしても、これはいけませんね~」

 

「遅れましたが、実況は良貝と解説のアートネイチャー中野さんでお伝えします。それにしても中野さん、今のはどうなんでしょう?」

 

「相手が、幾ら悪魔でも、今のは仏としてあるまじきこーいですね~」

 

「なるほど~。お~っと!?リング上に動きがあります!!立ち上がったアシュタロスの腕を捕り、ブッちゃんが回転し始めましたー!!」

 

「凄いですねー凄いですねー!!」

 

「ブッちゃんを中心に竜巻が起きてます!!中野さん、これはもしや!?」

 

「いにしえの必殺技の一つですねー!!」

 

「アシュタロスを上に投げたー!!」

 

「風林火陰山雷ですねー!!」

 

「誰がそんな技をしますか!!」

 

いつの間にか出来ている放送席で盛り上がる良貝と中野にブッちゃんは強く否定する。

 

「私は怒っているんです!!」

 

「ブッちゃんが後を追うようにジャーンプ!!そして、アシュタロスに複雑なサブミッションを仕掛ける!!」

 

「もしやこれは!?」

 

「どうしたんですか中野さん!?」

 

「私も噂でしか聞いた事しかないんですが、曼荼羅には、幻の技が描かれていると」

 

「まさか、ブッちゃんがしているのがそうだと!?」

 

「曼荼羅には、諸仏諸尊の集会が書かれていると言われてますが、実は闘いの風景だと最近の研究では言っています。その中心に描かれているのがブッちゃんですから、私の聞いた噂と併せると…」

 

「よく判りましたね。そうです、これは二体重層技。ホットケスパーク天です!!」

 

「あ~っと、これは天を舞う鳳凰のようだー!!」

 

「優雅ですねー綺麗ですねー!!」

 

初めて見る幻の技に興奮する放送席。しかしブッちゃんは更に技を変化させる。

 

「何を言いますか。先程言いましたよね、二体重層技だと。そしてこれが、ホットケスパーク地です!!」

 

「凄い勢いで落ちてます!!山が落ちて来ます!!」

 

「判りました!!」

 

「どうしたんです?中野さん」

 

「山岳信仰は、神仏が作った山が起源です!!」

 

「どういう事ですか?」

 

「見てください、ホットケスパーク地の形を!!貴方が言った様に、山の形をしています。これは天地創造の一部です!!」

 

「なるほど!!あ~っと今マットと言う大地に山が出来ます!!そして決まったー!!」

 

「ありがたやーありがたやー」

 

これで終わりかと思われたが、ブッちゃんは技を解く流れでアシュタロスをもう一度上に放り投げる。

 

「最後の仕上げです。破ッ!!」

 

ブッちゃんが素早く印を組むと今まで何処に居たか判らない2人が背中合わせになりキーやんがサッちゃんをで背負う形でリングに現れた。

 

「「えっ!?」」

 

全く意味が判らない2人の声がハモる。

 

「中野さん!!あれはまさしく」

 

「モンゴルの大草原を走る闘牛列車!!」

 

「あれ、アカンやつやん…」

 

放送席の2人のボルテージは最高潮だが、アシュタロスは朦朧とする意識のなかでその光景を見た。何故自分がこんなことになっているかも判らない。最初にあった気品など既に無くなっており、周囲に流されるまま呟く。

 

「それだと私がする意味がありません。これは更に昇華した三位一体の技。アシュタロスよ、心配ありません。仏教は殺生を禁じています。その代わりに、人間道から徳を積み直して来なさい。行きますよ、ロングホーン・リニアー!!」

 

「「ギャー!!」」

 

「ブッちゃんに蹴り出された2人が、リニアの名に相応しいスピードで発射されたー!!」

 

「怖いですねー速いですねー!!」

 

そして

 

「アシュタロスが弾き翔ばされ、そのまま空間を突き破り何処かに消えましたー!!」

 

━カンカンカーン!!

 

「ここで試合終了のゴングです!!10分25秒ロングホーン・リニアにより場外負け、ブッちゃんの勝利です!!さて、中野さん。今の試合振り返っていかがですか?」

 

「見応えのある試合でしたね~」

 

「やはり、ホットケスパークですか?」

 

「それもですが~、それだけに留まらず、ロングホーン・リニアに繋げるなど思いませんでした~」

 

「そうですね。それではこの辺でお別れです。実況良貝と解説アートネイチャー中野でお伝えしました」

 

「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」

 

「「ぐはっ」」

 

試合が終わり全てが元通りになった時、壁にぶつかるキーやんとサッちゃんが居た。

 

「ワイらの扱い酷すぎへんか?」

 

「理不尽です」

 

辛うじて生きている2人に黄色いエナメル質のガウンがふわりと被さる。背中部分に大きく書かれている『南無』の文字が少しだけ動いた。

 

続く?




読んで下さり有り難うございます。
今回の導入はアシュタロスです(笑)
酷い扱いにしてしまいましたが(汗)
ただ、今後そこまで話に関わりません。この話の主人公は横島です(笑)
GS横島争奪大作戦と同じく本編に入る理由が欲しかったので。

ブッちゃんが魂の運航を管理してる設定は、輪廻転生は仏教の考え方で、GS美神もこれを採用しています

次はで人間道(現世)の話になり、バトンを横島に渡して行く予定で、メインの女性陣との関わりを書ければと思います。
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