鋼殻のレギオス another tale   作:SHOYA

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はい!!!
いっぱいキャラだしてくよ!!!


第二話 「VS二ーナ」

 

 第二話「VSニーナ」

 

 ツェルニが汚染獣に襲われた翌日。

 

 ニーナ・アントークは生徒会室へ呼ばれていた。理由は今日から転校してくる青年を小隊へいれてみないかという相談。

 

 「会長、私たちの隊は問題児を押し付けられているような気がしますが?」

 

  二ーナは提案に若干苦い顔をする。隊に人が増えることは越したことはない。というか、歓迎すべきことだろう。しかし、問題は、レイフォンと同じように強者だという話である。また波紋を呼ぶのは間違いない。

 

 「そんなことはないさ。あくまでこれは私からの提案だよ。彼を隊に入れるかどうかは君次第だ。」

 

 そう言いながら、カリアンはニーナに書類を渡す。ニーナはそれを受け取りざっと目を通し、そしてそのまま踵を返し、カリアンへと背を向ける。

 

 「分かりました。今日キルファ・アンゼルムを試します」

 

 それだけ言うとニーナは颯爽と扉の外へと出て行った。カリアンはそれを人の悪い笑顔で見送る。

 

 「さてさて、どうなることやら」

 

 そのつぶやきはだれにも届くことなく、生徒会室の中で消えた。

 

 ***

 

 絶句。

 

 レイフォン・アルセイフは目を見開き、まるで異形の者を見たかのような顔をしていた。

 

 理由は至極簡単。

 

 彼の幼馴染、いや、好敵手といったほうがよいか、キルファ・アンゼルムが武芸科の制服を着て、自己紹介をしていた。

 

 「キルファ・アンゼルムです。槍殻都市グレンダンから来ました。よろしくお願いします」

 

 キルファは自分が出来るかぎりの笑顔を持って、滞りなく自己紹介を進めた。その際、レイフォンはあえて無視。

 

 クラスには最初は何故この時期に転校生が、という疑問の声が端々で聞こえていたが、キルファの笑顔によって塗り替えられ、自己紹介の終り頃には無くなっていた。

 

 「じゃあ、君はレイフォン・アルセイフの隣に座ってくれるか?」

 

 教師の声にうなずきを返し、素早く、席に向かう。

 

 「分かりました」

 

 (図らずもレイフォンの隣か)

 

 キルファはレイフォンの隣の席へと座り、満面の笑みを浮かべて話し掛ける。そこには、久しぶりに会う親友への念だけではない何かがどう考えても含まれている。

 

 「よろしく。レイフォン・アルセイフ君」

 

 「どうしてここに?」

 

 友好的なキルファにたいしてレイフォンは冷たい態度を取る。それはもちろん、彼の笑みにしてやったりの雰囲気がとれたからであるが。

 

 しかし、いくら冷たい態度でも声音には、はっきりと困惑が含まれている。なぜここにいるのかと、レイフォンの表情にはっきりと書いてある。

 

 「おいおい素っ気無いな。折角親友の俺がここまで会いに来たってのに」

 

 そこまで言うとキルファの前に座っていた少女がものすごい勢いで振り向いた。

 

 「え~!!レイとんとキルファンって知り合いなの?」

 

 どうやら話を聞いていたらしい小柄で貧にゅ・・・で茶色ツインテールの髪が印象的な少女がキルファに食い付くようににしゃべりかける。キルファは気圧されながらもなんとかその質問に答を返した。

 

 「そうだよ。俺とレイフォンは小さいころからの親友だ・・・っていうかキルファンって何」

 

 「ん?渾名だよ?」

 

 さも当然のように返される。どうやらキルファンは決定らしい。横でレイフォンが笑っていたのでキルファは、とりあえず椅子ごと蹴倒いておいた。

 

 「ところで君の名前は?」

 

 キルファは若干キルファンという名前から目を逸らしつつも目の前にいる女の子に名前を尋ねた。

 

 「あたし?あたしはミィフィ・ロッテン。交通都市ヨルテム出身。んであそこにいる赤い髪で背の高いのがナルキ・ゲルニ。ナッキって呼んであげて。そしてあたしの後ろで先刻から隠れてるのがメイシェン・トリンデン。メイッち。この二人はあたしの幼馴染なの」

 

 そう言って彼女はキルファに向けて手を差し出した。

 

 「よろしくミィフィ」

 

 キルファもまたその手を握り二人は固い握手を結んだ。もちろんこの時二人には別々の思惑があるのだがそれに気付いた者は誰もいなかった。

 

 

 放課後、キルファはヨルテム三人衆プラスレイフォンで学校の近くの喫茶店に来ていた。正確には拉致されたと言った方が正しいが、そこはあえて見ないふり。

 

 テーブルにはキルファの隣にレイフォンその隣にメイシェン。キルファの目の前にナルキ。ナルキの隣にミィフィという席順になっている。

 

 「直接の自己紹介がまだだったな。私はナルキ・ゲルニ。武芸科だ」

 

 男らしいというより軍人のような喋り方でナルキが自己紹介する。キルファもまた改まった口調でそれを仕返す。

 

 「俺はキルファ・アンゼルム。武芸科。よろしくナルキ」 

 

 キルファは先程ミィフィとやったように手を差し出す。ナルキは一瞬戸惑ったような気配を帯びたが、

 

 「ああ。よろしく」

 

 と、強くその手を握りかえした。今回はお互いに含みのない純粋な握手だったのだが・・・

 

 お互いに手を離すタイミングを失い机の上で握手をしたまま固まってしまう。キルファは思った以上に柔かいナルキの手に感動して我を忘れ、ナルキもまたいつもとは違う良く分からない感情のせいでフリーズしてしまった。

 

 そしてようやく手が離れたのは、ミィフィにからかわれてからだった。

 

 それなりにワイワイやりながら時間が過ぎ、時刻は丁度夕方。

 

 「レイトン。そろそろ小隊の訓練なんじゃないの?」

 

 ミィフィがレイフォンに声を掛ける。キルファは小隊とは何なのか解らず首を傾げた。それに気付いたナルキが説明してくれる。

 

 「小隊っていうのは武芸科の幹部候補。武芸大会・・・一般的に言う都市と都市の戦争の時中心になる部隊のことだよ。レイトンはそれに選ばれてるんだ」   

 

 「へ~」 

 

 キルファはナルキの説明を聞くと、爆弾を投下した。

 

 「レイフォン。俺も小隊に連れてけよ。んで俺も小隊に入る」

 

 周りにいた武芸科の生徒もナルキ達もが全員キルファの方を向いた。目は驚きお通り越して呆れている感じだ。

 

 「あ~ごめん俺なんか変な事言った?」

 

 「小隊には実力のあるものしか入れない。レイフォンは例外だぞ?」

 

 ナルキが皆が驚いた理由を説明したが、むしろそれは更にキルファの爆弾を投下させることになる。

 

 「俺とレイフォンは大して強さは変らないよ?」

 

 一瞬にして、空気が凍り付いた。無理もない話だが、レイフォンは汚染獣を一人で倒すような人間なのだ。そんな彼と強さが変らないと言ってのければ誰だって凍るだろう。

 

 「・・・レイとんほんとなの?」

 

 メイシェンがいちはやく立ち直りレイフォンに問い掛ける。レイフォンは苦笑まじりにその言葉に頷いた。

 

 「キルファは本当に強いよ。それこそ汚染獣を一人で狩れるほどに」

 

 凍り付いた空気が更に凍り付く。化け物が二人もこの世界に存在しているのかという空気が喫茶店中を満している。

 

 「キルファ行くなら行こう」

 

 レイフォンが立ち上がり出発を促す。キルファはそれに頷き、ポケットから財布を取り出して、ナルキの目の前に勘定を置いていく。

 

 「じゃあ俺達は行くよ。また誘ってよ」

 

 それだけ言うとレイフォンに従ってキルファは外に出た。

 

 ナルキ達が再起動するまでにたっぷり一時間掛ったという。

 

 

 

 店から出るとレイフォンは即刻キルファの脳天にパンチを見舞った。

 

 「痛ったいな、何すんだよ」

 

 「悪めだちしすぎだよ・・・折角の僕の平和な学園生活が」

 

 「汚染獣一人で討伐しといて何が平和だよ・・・」

 

 キルファはブツブツ言いながらレイフォンの後を追った。

 

 この言い合いは練兵場に着くまで続いた。

 

 

 ***第17小隊練兵場***

 

 そこには武器を復元して構えるキルファの姿があった。目の前には二本の鉄鞭を手からぶら下げている金髪の女性。

 

 「私が小隊隊長のニーナ・アントーク。三年だ」

 

 キルファは武器を構えたままで本日三度目の自己紹介を行なう。

 

 「キルファ・アンゼルムです」

 

 やりとりはそれだけ。それ以降二人に言葉は必要無かった。

 

 先に動いたのはニーナ。活剄で身体能力を高め、一気にキルファとの間合を詰た・・・かに見えた。

 実際には縮まってなどいない。ニーナが動くと同時にキルファは別の場所へ移動していた。

 

 「やるな。だがこれならどうだ」

 

 衝剄がキルファを襲うが、彼は避けるでもなくそれをあっさりと斬り払う。と同時にキルファが反撃に動いた。

 

 「活剄衝剄混合変化:千人衝」

 

 ニーナの周りに幾人にも分裂したキルファが現れる。その数およそ30。

 

 そして次の瞬間、

 

 「千人衝変化:千弾 霧雨」

 

 分身したキルファから放たれた無数の弾丸がニーナを襲った。

 

 元々千人衝は格闘術の一つ。それをキルファが使うとすれば無数の弾丸で襲うのが効率的だと考えて生まれたのがこの千弾シリーズである。ちなみにこの霧雨というのは相手を傷付けずに倒す千弾のバリエーションだと後にレイフォンはニーナへと語ったという。

 

 「やれやれ。隊長の私がしょっちゅうやられていては示しがつかないえはないか・・・」 

 

 気絶から回復したニーナがレイフォンへ愚痴を零す。よっぽど堪えたようで、まだ顔には生気が戻っていない。日はとっくに暮れており皆既に解散している。

 

 「相手が悪かったですよ。彼もまたグレンダン有数の武芸者ですから」

 

 レイフォンが気休め程度の慰めを口にする。しかしニーナの表情は浮かない。

 

 「すまないレイフォン。一人にしてくれるか」

 

 「わかりました。でも隊長まだ休まないと駄目ですよ」

 

 レイフォンはそのまま更衣室へと向かった。

 

 更衣室には先客が待っていた。

 

 「ニーナさんは回復したか?」

 

 レイフォンは首を横に振る。

 

 「まだ完璧じゃない」

 

 「そうか・・・ちょっとやりすぎたな」

 

 キルファは肩を落とした。彼も膝を着かせる程度の攻撃にしようとしたが加減を誤った。結果これだ。

 

 (やれやれ、俺も腕が鈍ってんのか?)

 

 いつものキルファならこんなミスはしない。しかし実際彼はミスをした。何が原因か彼にも分らなかった。

 

 キルファは立ち上がる。

 

 「いっちょ隊長さんに謝ってくるわ」

 

 レイフォンが何か言っていたが無視して彼は出て行った。

 

 

 




第三話投稿です。

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