蛇の元夫   作:病んでるくらいが一番

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やっと鬼神復活?編に突入しました。
もう少ししたらマリーが出てくる……楽しみだなー。


第三章:鬼神復活編
第19話:爆破されるゾンビなんていなかった


 死神武器職人専門学校創立記念前夜祭。

 

 この世界で最も入るのが困難な学校をあげるとすれば、ここ死武専と答えることになるだろう。有名な学校が世界中に山ほどあれど、武器の才能か職人の才能がなければ入学できないという、努力ではどうにもならない才能を条件にする学校は他にはない。

 それに死武専にはこの世界の秩序を管理する神である死神様がいる。死神様は基本的に死武専以外には権力を行使しないが、やろうと思えば割となんだって出来るだろう。

 

 そんな創立記念前夜祭では明日の創立記念を祝って、パーティーが取り仕切られていた。

 

「……」

「……」

「……ど、どうしたの? 二人とも」

 

 ブラック☆スターはいつものような大騒ぎをしないで、ずっとムスッとして考え事をしている。

 今のブラック☆スターは自信という原動力にヒビが入っている。度重なる戦いでの実質的な敗北。ブラック☆スターはそれらを振り払うように最近は修行と悪人狩りに精を出していた。

 だからこそ、自分はこんな所で油を売っていてもいいのか? もっと肉体を鍛えなくていいのか? 実戦経験を積むために悪人を狩りに行かなくていいのか? 魂の波長を強化するために吸魂水に浸かりながら飲まなくていいのか?

 

 ブラック☆スターは焦っていた。

 

「こいつ昨日からずっとこんな感じなんだよ」

「私たちが近づくと一定の距離を離しちゃうしね……こうやって」

「や、やめないか! あ、ああ。マカにソウル、ブラック☆スターに椿。存分に楽しんで行ってくれ……」

 

 キッドはそれだけ言うと、また上の空になってしまった。

 キッドはこの死武専の地下に鬼神が居るということはほぼ確定情報だとわかった。死神様(父上)が死武専から外に出られないことから始まり、様々な納得する証拠がある。

 今キッドを悩ませているのは、恐怖以外の狂気が存在する可能性を知ってしまったからだ。もしそんなものがあるのなら、自分が規律を守ろうとしているこの考えも、狂気によるものなのではないか? そんな考えが出てしまう自分の想像力に恐怖する。

 死神様(父上)がこの世界を作り出すのに、一度でも規律や秩序に関する狂気を使っていないのか不安になる。自分たちが本当に正義なのか不安になる。

 

 それとは別に、キッドはリズとパティを見ると邪な考えが浮かんでしまうことに虫酸が走る。あの二人は全くシンメトリーではない。単体でも左右対称では無いのに、なぜ自分がそんな存在に邪な考えを抱かなければならないのか! と頭をガリガリ搔いていた。

 

 

「……なあ、本当に大丈夫か?」

「だから言ってるでしょ! 平気だって」

「マカちゃんどうかしたの?」

「数日前に倒れたんだよ、原因不明にいきなりとな」

「えぇ!?」

「ちょっとした立ちくらみだから大丈夫だって!」

 

 そして本来なら、この時期のソウルは黒血の影響で対話するようになった鬼のことで頭を悩ませているはずだ。しかし今は自分のことを棚に上げ、マカを心配している。

 

 数日前、マカは家で本を読んでいる時にいきなりソファーから転げ落ちた。ソウルが近づいて安否を確認すると、マカが発情し切った辛そうな雌の顔をしていることが分かった。苦しげな声をあげながら、幸せそうにしているマカを見て、ソウルは少し、ほんの少しだが未知に恐怖した。

 ちなみにその時はハヤテとキッドが死武専の地下で会っていた。

 

 皆が思い思いの想いを胸に秘め、前夜祭が開催された。

 

 

「ちょいっす! うっす! ういーす! どもども! ほいさー! お疲れちゃーん!」

 

 死神様が明らかにふざけながら挨拶をするが、死武専生はもちろん、各国から来た著名人たちも普通に笑っている。そんな中、鮮やかな赤のドレスで着飾っていて、ワインに口を付けている保険医メデューサがいた。

 そのすぐ側には、死神様の挨拶が行われているに無視をして、酒をガバガバ飲み続けるシュタインもいた。

 

 死神様は本当にただの挨拶だけで終わり、キッドが開催の挨拶をする中、やっと調子を取り戻し始めたブラック☆スターが乱入し、前夜祭会場内で決闘にまで発展する。

 

「メデューサ先生どうしたんですか? なんかキョロキョロしてますけど」

「つぐみちゃんね。ちょっと今は会いたくない人がいるから」

「へぇ〜。メデューサ先生でもそういうことあるんですね」

「つぐみさん! 踊りますわよ!」

「私踊ったことなんてないよ?」

「私が教えてあげますからご心配なく。行きますよ」

 

 メデューサは壁に寄りかかり、今はまだ会いたくない愛しの人を探していた。今会ってはいけないとはわかっているが、今のこの格好を見てほしい。そんな複雑な心で辺りを見回すが、()()()ハヤテは現れない。

 

(死神がハヤテを拘束したという噂は本当なのかもしれないわね……私のせいよね。ごめんなさい、あなた)

 

 他の人とイチャイチャしているのは許せないが、無邪気になんの柵もなく楽しげにしているハヤテがメデューサは好きだ。きっと彼がここにいればひと騒動でも起こして楽しませてくれるのにと、どんどん思考がネガティブになっていく。

 

 そんな彼女に近づく人影。

 

 

 ***

 

 

「おいマカ。なんでこんな場所にいるんだよ」

「ソウル……」

 

 マカは皆と楽しく談笑していたが、ふらっとその輪から抜け出し、テラスでデスシティーの夜景を眺めていた。そこに生魚などのマカの嫌いな食べ物を省いて、マカの好物なデッドチキン料理などを盛った皿を片手で持ち、ソウルは彼女のそばにやってきた。

 

「最近のお前なんかおかしいぞ」

「……だよね。でも気分はとってもいいんだよ?」

「嘘つけ。なんか悩みでもあんだろ? 俺が聞いてやるよ」

「…………エッチ」

「は!?」

 

 マカは衝動に流されないように心を強く持ち、心の中にいる彼の言葉を無視する。甘い誘惑の言葉を無理やり断ち切る。

 マカが話すタイミングを測っているのがわかったソウルは、黙ってもう片方の手に持っていた自分用の料理をつつき始めた。生サーモンはやはり美味いなと料理に舌鼓していると、マカが口を開く。

 

「ねえ、私が最近……夜になんかやっていることには気がついてるよね?」

「ぶふっー!?」

 

 ソウルはせっかくの美味しいサーモンを口から空へと飛ばしてしまった。むせ返るソウルを見て、マカは微妙そうな顔をして、ソウルのいる方とは逆を見る。

 

「ソウルはさ、魔剣に負けたあとから小さな鬼が話しかけてくるようになったんだよね?」

「……あ、ああ。黒い部屋で俺にもっと狂気を受け入れろってさ」

「私にも似たような存在が出てくるんだ。私のところに出てくるその存在もソウルに出てくる小鬼みたいなのなら、きっと強く拒絶できたんだけどな」

「マカ、まさか!?」

「うん、何度も受け入れちゃってるよ。だってしょうがないでしょ? 私がずっと憧れていた人が出てきてるんだからさ」

 

 ソウルを狂気に落とそうとする存在が小鬼であったが、マカを狂気に落とそうと出てきた存在は三船疾風だった。

 黒いスーツを着て、真っ黒な家具で整えられた部屋でマカを迎え入れる。乱暴な言葉を使わず、マカがあまり持たない承認欲求をくすぐり、そして黒いベッドへと誘う。

 

 マカにとってハヤテは父であり、兄であり、そして憧れていて、多分初恋の相手だ。

 マカはブラック☆スターのように人間関係にそこまで鈍感じゃない。もちろんハヤテが昔はスピリットのような女遊びをしていたことも知っている。それでもハヤテへの憧れは消えない。恋をしてしまった乙女は盲目になってしまう。

 その影響か、マカはスピリットをそこまで内心拒絶していなかったりする。いけない事をした父親に強く当たるが。

 

 そんな中クロナに斬られて意識を失うと、黒い部屋に憧れの人(ハヤテ)がいた。しかも()()()()()()()()ハヤテが()()()()()()()()()。その時気がついた。

 

(あっ、このハヤテさんはハヤテさんじゃない)

 

 マカが憧れたのは悲しいかな、自分以外を愛しているハヤテだった。マカの前では、というよりもスピリットの前でもハヤテは滅多に元妻の話はしなかった。だが、数回ほど誤魔化しながら惚気けたことがあった。

 その時の無邪気な表情、大人なのになんの柵もなく自由に想いを口にして、好きな人を愛しているハヤテの顔を見た時に思いが芽生えたのだ。業深き思いであることはマカにだって分かっている。

 だから忘れよう、この思いは終わらせるべきだと考えていたのに、黒い部屋の自分だけを見るハヤテはマカを抱いた。

 

 それから毎晩の如く、マカだけを見ているハヤテはマカを行為(狂気)へと誘う。マカは目が覚める度に、少しずつ心に、魂に良くないものが溜まってきていることが何となく分かっていた。だが、逃げられない。この幼き恋と愛の区別を付けられない乙女は、愛欲の狂気を遠ざけるほどの精神はまだ持っていなかった。

 

「……だから私は逃げられない」

「…………そりゃ他人にはベラベラと言えないわな」

 

 そんな話をマカはソウルにした。マカは話していく度に顔が真っ赤になり、恥ずかしさが湧いてくるが、自分一人ではあの誘惑からは決して逃げられない。ソウルに話したとしても逃げられるかわからない。それでも自分を常に心配してくれているソウルには言っておくべきだと思ったからこそ、ソウルにだけは語った。

 

「逃げられない、抗えないって言ってるけどよ、ならなんで俺に言えたんだ? それって抗ってるだろ」

「それもハヤテ兄……じゃなくてハヤテさん、夢の中のハヤテさんが忠告してきたんだよ」

「は? 狂気の存在が忠告をしてきたのか?」

「うん。『俺は気がついていないけど、アリスの様子がおかしい。多分あれが復活するだろうから、ソウルくんも黒血を扱えるようにしておいた方がいい』って。多分狂気に落ちろって事じゃなくて使いこなせって心配してくれたっぽい」

「なんだそれ。アリスってアリス先生だろ? なんかおかしかったか? それに心配って」

「わからない。でもその後から誘われる回数が減ったおかげか、こうやって話せるようになったのかな?」

 

 ちょこちょこあまり言って欲しくない、生々しいことをポロリと口にするマカに、ソウルは苦笑いを浮かべながら考える。

 

 自分の中にいる小鬼と同じような存在がマカの中にいると思っていた。だが、本質からその存在が違うのかもしれない。あの小鬼はソウルを狂気に落とすための助言はするが、別の人のことを公言することはない。

 

「前にハヤテさんが「魔女は悪なのか」って言ってたじゃん」

「ああ。必死になってマカがレポートをまとめているやつな」

 

 マカはハヤテに言われたそのお題についてちゃんとまとめていた。ソウルはそのレポートを読まされているので内容はだいたい覚えている。

 

「あのお題と同じなんじゃないかって思うんだよね」

「……? 何がだよ」

「狂気のこと。使いようじゃないかなって」

「そんなわけない。健全な魂は健全な肉体と精神に宿る。狂気が健全か? 魔女が善なのか?」

「……そういう考えもあるかなって思っただけで」

「マカ、少し休め。考えすぎておかしくなってんだろ」

 

 ソウルはハヤテが怖い。マカ関係のことではなく、平然と今の死武専の環境で魔女を擁護できるその意思が怖い。もしソウルがキムのことを知れば考えが変わるかもしれないが、今のソウルにとって魔女は魔剣を生み出した怖い存在でしかないのだ。

 ソウルはマカの皿が開き始めたのを口実に、取ってきてやるとだけ言って、その場をあとにした。

 

「……ブレアと一緒に暮らせてるのに」

 

 魔女のような猫であるブレアを思い浮かべ、マカは改めて考え始める。

 魔女は悪なのか。狂気とは絶対に拒絶しないといけない力なのか。()()()()()()()()()()()

 

 

 ***

 

 

 マカとソウルが青春とは程遠い、この世界の根底を成す問題に足掻いている時、メデューサはため息を内心吐いていた。

 

「メデューサ先生は先生の中で誰が好みですか?」

「シュタイン先生は解剖しかやらなかったけど、イケメンだよね」

「シド先生はゾンビになって接し方がわからないけど」

「ハヤテ先生もいい感じだよね。年齢はシュタイン先生とほとんど変わらないらしいけど凄い若いし」

 

(面倒くさ)

 

 メデューサは夫と決別できていたら(確実に殺していたら)、近寄り難い保険医になっていただろう。だが、ここにいるメデューサは生徒の相談にも親身になって接してくれる優しい保険医を演じている。

 (ハヤテ)の処世術を見習って、いい人キャラを演じたおかげで生徒達からの信用はとても厚いし、職員からのウケもいい。

 

 メデューサはそろそろ作戦の時間に近づいてきたので、パーティーホールから出ようとしたのだが、女子生徒の集まりに捕まってしまい、ホールを出るに出られなくなっていた。

 

「ほら君たち。メデューサ先生が困っていますよ」

「……シュタイン先生」

「どうしたんですか?……もしかしてメデューサ先生にダンスのお誘い!!」

「でも今のところ全滅してるよね」

 

 シュタインがメデューサに気を使うような言葉と共に、その集団に接触してきた。それを聞いて少女達はキャーキャー言っているが、メデューサは内心で舌打ちをする。

 

(こいつ、やはり私のことを監視しているな)

 

 心の中では魔女メデューサのままだが、外面は優しい保険医メデューサ先生を貼り付ける。

 

「メデューサ先生〜、僕と踊りませんか? ちょっと飲みすぎて酔っ払っていて、千鳥足ですけどね、ヘラヘラヘラ」

「「「「……」」」」

 

 女子生徒たちが固唾を飲んで見守る中、メデューサは断りの言葉を口にしようとする。

 

「ご、」

「そういえば最近ハヤテ先生って全然見ませんよね。もしかして、死んじゃってたりするんじゃないですかね?……シド先生みたいに!」

「先生! 女性を誘っているのに他の男の名前を出すなんて誘う気あるんですか?」

「あら? もしかして不味かった? ヘラヘラヘラ」

「不味いですよ!! もう!」

 

 女子生徒が女性を誘う時のタブーにツッコミ、バシバシ叩いている。シュタインが先程から差し出してきているダンスお誘いの手をメデューサは仕方なくそっと掴む。

 

「そうですよ。普通はそんな事したら拒絶されますからね? ですけど、しょうがないですから踊ってあげます(お前絶対に殺す……半殺しにするから。覚えておけよクソガキ)」

「「「「きゃああああ!!」」」」

 

 メデューサは内心で殺人予告をしようとして、シュタインを殺したら絶対にハヤテに嫌われると思い出し、半殺しにすることを決意する。

 

 そんなメデューサを見て、シュタインは狂ったような笑みを浮かべる。

 シュタインはモノを解体してその中身を知るのが好きだ。もしスピリットという()()()に子供の頃に出会わなければ、彼は墓の下で長い長い眠りについていただろう。そんな彼は自分のモノ(成果物)を勝手に解体され、改変され、改良されたという事実にだいぶキレていた。だがそれをシュタインは顔には出さない……というよりも、狂気で酔った頭が様々な快楽的なことばかりを想像させる。

 

 メデューサはホールの中央で踊りながら、ハヤテだけには見られたくないと思いながらダンスを踊る。

 

「メデューサ先生と踊れて嬉しいですねぇ」

「次はあんな誘い方やめてくださいね?」

「どんな誘い方をしても、ハヤテを餌にしない限り乗らないだろ? 魔女メデューサ」

「酷いですね。女性を魔女扱いなんて」

「……ヘラヘラヘラヘラ」

 

 シュタインは楽しくて仕方がない。魔女が滑稽にも一人の男を愛し、それ故に行動を自粛しているのが笑えてならない。

 

「ハヤテ」

「!……一々ハヤテ先生の名前を出して何がしたいんですか?」

「知っていましたか? ハヤテの初めてを奪ったのは僕だって」

「…………は?」

 

 シュタインが零した言葉をメデューサは正しく理解できなかった。シュタインがハヤテの初めてを奪った? 訳が分からない。

 

「初めてだったハヤテに躊躇なくブスりとさして、中を思いっきり掻き乱してやったんですけど、あの時のハヤテの悲痛な叫びと言っ、た、ら」

「…………ハ、ヤテ先生とは、そういう、ご関係だったんですか。だから女性のアプローチは全て断っていたんですね」

 

 シュタインのにやにやしていた顔が一瞬だけ強ばった。彼にのみ向けられた魔女が本気で放った殺意を浴び、本当に僅かだが怯んでしまった。

 

(真実を言っていることは分かっているはず。それでも一瞬殺意を滲ませるだけか)

 

 狂気の快楽でグズグズな頭であるが、快楽的な考えだからこそ、正常な時の変わらない速度で思考ができる。

 一方メデューサは内心荒れ狂っているのだが、同じく顔には出さない。

 

「私とではなくハヤテ先生と踊ったらどうですか?」

「今ハヤテは仕事でいないんですよ。それに趣味とは別にメデューサ先生とは踊ってみたかったもので」

「それは光栄ですね」

 

 曲も終盤に進み、二人はどちらともなく窓際に移動しながら、ダンスは止めない。メデューサはもうやめたいのだが、シュタインが全く離す気がないのだ。

 一方シュタインはだいたいメデューサになんて言えばボロを出すか解析を終え、()()を減らすために人の少なめな方へ。

 

「そういえばメデューサ先生は不老不死の研究をしているんですよね」

「なんですか? 勝手に人の研究所を漁ったんですか? なかなか酷い人ですね」

「ハヤテとの寿命の差を何とかしたくて研究しているんだろ? 魔女」

「……」

「ハヤテを本当に愛してしまったあなたはきっと人間もどきのハヤテと魔女の寿命では、いくらハヤテの老化が遅くてもいつかは先に死ぬ」

「……」

「ハヤテはあなたよりも先に死ぬ」

「殺す!!」

 

 先に動いたのはメデューサだった。

 温和な表情を浮かべていたメデューサの体から、数十体の魔法で出来た蛇が口や腕から出現し、シュタインを殺すべく殺到する。

 死神様がいて、他にもたくさん職人がいるここで正体を表してしまうほど、ハヤテとの寿命の差に関する話はタブーであった。()()()()()()()()()()()()が故に、ハヤテを傷つけてしまったメデューサにはクリティカルな話題だ。

 

「ヘラヘラヘラヘラ。恋をすると弱くなるってのは本当ですね!」

「いきなり仕掛けるな。周りを見てからやれ」

 

 五割の蛇はシュタインに向かったが、近くで様子を伺っていたシドペアによって蛇は対処される。残りの三割は周りの観客へと行くが、

 

「魂威!」

「前夜祭で仕掛けてくるとは虫酸が走る!」

「子供ばかりにやらせるか!」

 

 ブラック☆スターやキッドなどの職人やスピリット、その他戦えるものはこの場にはたくさんいる。それらがキッチリカッチリ蛇に対処する。

 そして残りの二割は死神様の周りにいる一般人に向かって襲いかかるが、

 

「……やっと尻尾を見せたな蛇」

 

 底冷えする声を出力を絞って死神様は口にする。そのあとすぐにいつもの死神様になって、周りを安心させるために声をかける。蛇は死神チョップでちょちょいのちょいだ。

 

「メデューサはどこだ!?」

「逃げられましたよヘラヘラ」

「……相手は魔女だが、さっきのあれはゾンビな俺でもドン引きだぞ」

「でも尻尾は踏めたでしょ?」

「……」

「おい、シド! どういう事だよ!」

「シュタイン先生、さっきのはどういうことですか!?」

 

 シドがシュタインの口撃ぶりに少し引いていると、死武専生が近づいてくる。

 殺せば武器を強くできる魔女を求めてくる生徒()や、会話を盗み聞きしていてその詳細を聞きに来た生徒(マカ)。他にも死神として説明要求に来たキッドなんかもいたが、事態は悠長に説明する時間すら与えない。




マカはソウルが小鬼と対話しているような空間でくんずほぐれつしています。

あと考えれば考えるほどアラクネ陣営が本気で死武専と戦う気なら勝てる気がしないんですが。メデューサ陣営弱体?してますし。
ちなみにこの作品のアラクネ陣営は当然のように強化されています。理由はのちのち。
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