蛇の元夫   作:病んでるくらいが一番

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現在更新していたシンフォギアの作品で続きが書けなくなり、逆にこちらが書けそうでしたので、暫くはこちらを更新していきたいと思っています。
前回までのあらすじは「第37話:デスサイズvsデスサイズ」の前書きに記載されています。


第38話:「知識」の旧支配者

 マカ達は本来ならシュタインマリーペアが行うはずだった、ラスト島中心部で渦巻いている竜巻の中に入ってきた。この作戦のキモである魔道具『BREW』の奪還が目的だ。

 

 竜巻の中は特殊な磁場が発生していて、ここに20分以上居ると、映像化という特殊な状態になってしまい、この竜巻の中から出れなくなる。ようは20分竜巻の中にいれば死ぬことになる。

 

 ブラック☆スターなら入ってすぐに内部に走っていって、それをマカが大声で止めて、キッドが呆れるのがいつもの彼らだ。しかし今のブラック☆スターはボーッとどこかを見ていて、キッドは異常に周りを警戒している。

 

「本当に外で見た光景と全然違うね」

「これが全部映像ってんだからすげえな」

 

 マカとソウルは竜巻内部の光景に唖然としていた。

 

 外から見た竜巻内部は瓦礫が高く積まれていて、廃墟同然だった。だが、今の彼女たちの目に入る景色は密林の中にそびえ立つピラミッド。壊れているわけでもなく、確かにピラミッドはそこにある。映像のはずなのにどう見ても実物にしか思えない。

 

「……! 待てッ!!」

「え? なんでキッドが暴走すんのよー!」

「早く追え!」

「ブラック☆スター、行こ?」

「……ああ」

 

 マカ達が光景に圧倒されていた時、キッドは空の彼方にある人物が見えた。それを追いかけるべく、キッドは周りの人達など無視してスケボー(ベルゼブブ)を出して追いかけていってしまった。

 

(漆黒のあのマントは間違いない! 鬼神を生み出した父上、魔道具にも自らの名を刻んでいた父上……BREWという魔道具があるこの場所で、一体何をやっていたのですか!!)

 

 キッドはトンプソン姉妹の言葉すら耳に入らず、急いで死神を追った。

 

 

 *****

 

 

「……ああ、もう! 勝手な行動はやめてよ! 20分しか中にいられないんだよ!!」

「ああ、すまない」

「……はぁ、それで何が見えたの?」

「何でもない。ただの勘違いだったようだ」

「……はぁ」

 

 黒血も狂気も使わずにベルゼブブを使うキッドを追ったマカは肩で息をしながら、キッドの暴走の原因を聞くが、答えてもらえず眉間に青筋が軽くたつ。

 遠くから見えていたピラミッドの内部に入り、暴走するキッドを追っていたが、敵は一切出てこなかった。

 

「んで? なんでここで立ち止まってんだ?」

 

 ブラック☆スターは気持ちが折れていても、この場に漂う嫌な気配に椿()を構えて警戒する。どんなに心が弱ろうと、彼は正しく武人である。

 

 キッドが入った部屋は何も無い部屋だった。この部屋にたどり着くまでに見えた部屋は、どこも魔道具研究のための機械や書類が積まれていたのに、この部屋だけは何も無い。苔や砂埃1つ舞っていない。

 

 そんな違和感よりも感じる奇妙な気配に、キッドもブラック☆スターも警戒を強める。ちなみにその気配をマカは感じ取れていない。

 キッドは死神特有の超感覚、ブラック☆スターは獣じみた直感で感じ取っていて、マカの持つ強力な魂感知能力はこの竜巻の中ではまともに働かない。

 

『直接会うのは初めまして、だな。あいつの息子、デス・ザ・キッド。あのホワイト☆スターの忘れ形見、ブラック☆スター。そして君は……ああ、あのデスサイズの娘、マカ・アルバーンだね。私はエイボン、巷で騒いでいる玩具(偽物)とは違う、「知識」の旧支配者と呼ばれている者だ』

 

 いつそこにいたのか、キッドもブラック☆スターも感知できなかった。

 大きすぎるローブを羽織り、大きな仮面を被ったそれは自らを旧支配者エイボンと名乗りをあげた。その声はノイズの入った音であるが、何故か言っている意味は寸分違わず理解出来る。男か女かも分からないその存在に、猪一に興味を示したのは同じ頂上の存在である死神キッド。

 

「エイボン……BREWやその他様々な魔道具を生み出した父上と同じ域にいる者」

『BREW……か。私の魔道具の尽くは悪に転用されていて、嘆くべきか、それとも喜ぶべきか。まずこの世はあいつの引いた規律が守られているが、さてはて、それ自体は本当に善なのだろうか』

 

 エイボンは体を揺するとシャンシャンと鈴の音が鳴り、マイペースに頭を傾げている。エイボンは彼が生み出した魔道具でどれほど世界に混沌を産んでいるのか分かっているはずなのに、まるで他人事のように語る。

 

「おいキッド。俺たちはこんな奴と話に来たわけじゃねえよ。BREWとかいうのを探すんだろ?」

「しかし、ここに居るのはそのBREWを作った本人なのだぞ! 手掛かりがあるのに無闇矢鱈と探す気か!」

「あ? 何てめえは俺様に命令してんだ? あァ!?」

「ちょっと、喧嘩はやめて」

 

 心は折れてもシド(育ての親)が頭を下げて頼んできたこのミッションは、たとえ自らが最高で最強じゃなくても完遂してみせる! とブラック☆スターにしては卑屈になった考えが先行し、うだうだエイボンの前で考え事をしているキッドの肩を叩いた。

 それにキッドは過剰反応を示し、そんなキッドにいつもの様に喧嘩を買う。

 マカの言葉は当然聞こえていない。

 

「腑抜けていた貴様が言えたことか?」

「ビビりな坊ちゃんに言われたくねえわ! なに周りを見てキョドってんだよ!! キッド! てめぇが真面目にやらねえから共鳴連鎖もまともに出来ねえんだぞ? 分かってんのか!!」

「ねえ、やめなよ! こんな所で言い争いなんてさ」

 

 マカは苦笑いをしながらも二人の間に立って止めようとするが、二人してマカの肩を押し、マカは尻餅をついた。

 ソウルはこのあとの展開が読めたので、精神世界にいる小鬼の助言通りにマカ達から離れた。

 

「貴様にだけは言われたくないわ! ハヤテ先生に勝てず、SAMURAIミフネとは勝負の舞台に立てず、魔狼フリーにはコテンパンにされていた貴様にだけは言われたくない!! 貴様は命を落とさずに生きているのに、愚痴愚痴と悩んでいる。それでも貴様は男か!?」

「キッドもブラック☆スターも言い過ぎだって!! もうやめろ!!」

『ほう……』

 

 マカの頬がひくついているのにも気が付かず、そんなマカを見て、知的好奇心が高ぶっているのか、顔が見えないのにエイボンの表情がとてもいい笑顔になっているのが何となくソウルには分かった。

 ああ、強いヤツらって皆やべえんだなとソウルは内心で思い、追いつくためには隣でため息をついている小鬼に歩み寄らないといけないのかとテンションが下がる。

 

「ぶっ殺す! 男を語れないように、金玉ひっこぬいてやる!」

「いいだろう、死刑を執行してやる。最初から本気で相手をしてやろう」

「お前ら、いいかげん、話を聞けッ!!」

「「ゲフッ!?」」

 

 ブラック☆スターは無理やり影☆星零ノ型「正宗」という、椿の妖刀モード状態で影を纏おうとした。

 キッドも同じように死刑執行モードに移行し、トンプソン姉妹を変形させていた。

 

 そんな中、いつ着替えたのか、黒い露出の高い黒ドレスに身を包んだマカの拳が二人の顔面を吹き飛ばした。

 

『これはマカを守り、長く愛するための狂気であって、ツッコミを入れるためのモノではないんだけど』

『ハヤテさんも愚痴愚痴言わない!』

『……はぁ』

 

 マカの精神世界にいるソウルでいう小鬼のポジションにいる真っ黒なハヤテは、喧嘩を止めるために狂気を身にまとったマカを咎めるが、マカはその言葉を一蹴りした。

 

「なん……だと!? マカ、それは狂気ではないか!」

「そうだけど?」

 

 死神様や大人達はマカが鬼神復活阻止戦で狂気を操ったことを知っている。その戦いで直接戦ったクロナや治療をしたキムも知っている。

 しかし、キッドやブラック☆スターはもちろん、椿もリズもパティもこの事を教えられていなかった。当然だ、狂気は悪という教育をされている場所でみだりに広めていいことではない。

 

 キッドは自分がいつ飲み込まれるかわからない狂気を操れているマカに一瞬強い嫉妬を向けてしまい、ブラック☆スターは中務の意識が仄めかしている強さの秘訣をその目で見れて、暗い表情で静かに笑う。

 

「健全な肉体と健全な精神にこそ健全なる魂が宿る。マカだって分かっているはずだ! それなのに何故!!」

「……愛かな?」

「なぜそ『あはははははは!!』……」

 

 マカは少し今の露出の高い黒いドレスが恥ずかしいのか、はたまた強さの秘訣が愛(欲)と言ったのが恥ずかしいのか、体を腕で抱きしめる。

 それに対してエイボンが体を思いっきり後ろに倒しながら、高笑いをしてキッドの言葉を止めた。

 

『……ふふ、いやー、すまない。まさか造られし旧支配者でも無いものが、ただのデスサイズの子供が、ただ愛という感情によって、狂気を支配するとは。やはり適度にヴァカじゃないと狂気を扱えぬのかもしれぬな』

「……」

「……」

「どうしたの?」

 

 エイボンの馬鹿の言い方があまりにも、あれ(エクスカリバ〜)の言葉のように聞こえ、キッドとブラック☆スターは虫酸の走った顔になった。

 その態度に更にエイボンはくつくつと笑う。

 

『本来なら私たち旧支配者は君たちに関わらないと決めていた。鬼神と死神の戦いも、全て自業自得。故に我々は干渉をしないと口にしていたのだが、あのヴァカは既に根底から関わってしまっている。あのヴァカが踏み入るのは止すべきだと口にしていたのに、干渉しているのだから、私も少しくらい若人に口を挟んでも怒らんだろう』

 

 あいつは話を聞かないからな。エイボンは心底疲れた声を出しながら、彼方を見てため息を吐く。

 

「……あのエ、剣が父上を慮り手を引く? ふっ! ありえんな!! それで?」

「俺様よりも偉そうにしてんじゃねえよ、うぜえな。でもお前のその忠告とやら、俺様が聞いてやるよ」

「メモとるから待って!」

 

 先程まで父親や自分のことでいっぱいいっぱいだったキッドも、自信を喪失していたブラック☆スターも、ある程度冷静に対応? 出来ていたマカも、エイボンの言葉を今か今かと待ち始める。

「知識」の旧支配者。彼の放つ狂気は簡単に言えば好奇心だ。知りたい、全てを世界の全てを知りたいという知的好奇心を高ぶらせる。シュタインがもしここにいたら面白いことになっただろう。

 

『まずはキッドだが……父親と話せ。終わり』

「は?」

『次にブラック☆スターだが……お前の心を折った奴に本気で挑み、そして会話をしろ』

「……は?」

『最後にマカだが……略奪愛を熟知したいのならエイボンの書を求めよ』

「……わかった」

 

 エイボンはそれだけ言うと、その姿を薄らせながらその場を後にしようと、

 

「「ふざけるな!!」」

「なんだお前は! 知識を司る旧支配者なのに、何故マカのように具体的に助言をしない! きっちりかっちり平等にだな!」

「俺様があのクソ野郎(ハヤテ)に心が折られただと!? ざっけんじゃねぇ!」

『私は今やこの地の映像の一部だ。君たちじゃ触れんよ』

 

 キッドもブラック☆スターも具体的なアドバイスが来ると思ったら、できるならやっていることや、絶対に認められないことを面と向かって言われた。

 二人は左右からエイボンに掴みかかろうとしたが、エイボンの言う通り、そのまま二人は互いの手を取る事になった。

 

「なんで映像なのに、私たちに対して的確に、求めているものを伝えようとすることが出来るんですか?」

『まあそう焦るな。次は武器諸君へのアドバイスだ。トンプソン姉妹、君たちはキッドがもし踏み外しそうになった時、殴ってでも止めれば君たちの生活は平和そのものだろう』

「言われなくてもそのつまりだよ」

「それでなんで喋れるの?」

『椿、君は中務と三船の因縁……そこに闇への対抗策があるだろう』

「アリスさんやハヤテ先生の家との因縁……」

『そしてソウル……言わなくても何をすればいいのかは分かっているのだろう?』

 

 ここまでエイボンは濁したりしていたが、助言という形を保ってきた。しかしソウルだけには、既に答えを見つけているが覚悟がないソウルには、別の言い方をした。

 

「……んなもん、分かっている! だが」

『君は私に似ている。他の旧支配者とは違い、熱くなることが乏しい昔の私を見ているようだよ』

「は? お前みたいな訳分からないやつと似ているわけが」

『君が吹っ切れない限り、マカ・アルバーンは死ぬ。これは決して避けられないことだよ』

「え? 私このままだとおっ死ぬの?」

 

 それだけ言うとエイボンはその姿を少しずつ薄れさせ、まだ騒いでいるキッドとブラック☆スターを放置して、その存在を消失させた。

 

「クソッ! まるであの虫酸の走るアレのように人の話を聞かんやつだ!」

「……俺がハヤテのクソ野郎に心を折られただァ!? 俺様の心が折れる訳がねえ!! 次会ったらぶっ殺してやる」

「いや、それは辞めて欲しいんだけど……ソウル大丈夫?」

 

 この場に来るまでずっと挙動不審だったキッドも、心ここに在らずだったブラック☆スターも、忘れていたいつもの調子をいつの間にか取り戻していて、虫酸の走る顔で地団駄を踏んでいる。

 その横で目を閉じ、血が滲み出すほどの力で拳を握るソウルをマカは心配する。

 

『お前が足を引っ張るから、あの知識の旧支配者すら、お前のせいでマカが死ぬって言ってたな?』

「……」

『マカを殺したくないなら選ぶ選択肢は決まってるよな? いつでも俺は行けるぞ。ギヒヒヒヒッ』

 

 最近マカの中にいる黒いハヤテ(愛欲の狂気)に押され、若干影が薄かったソウルの中にいる鬼は笑いながら、ソウルを狂気に落とそうと高笑いを続ける。

 

「……アッ!?」

「どうした!」

 

 ソウルが黙りこくって、男二人が騒いでいた中、パティが大声をあげた。

 

「もう竜巻に入って15分経ってんじゃん!!」

 

 今回の作戦は時間が重要であったため、リズがパティの為にキッドに買わせた時計を指す。

 その時計は確かに侵入時に0分に合わせた針が既に15分経ったことを示している。

 

 

***

 

 

 慌ててこの場所から出ようと出口に向かうマカチーム。結局エイボンの言葉を聞くだけで、BREWを確保できなかったことに気を逸らせるキッド達の前に、()()が現れた。

 

「ほう、我が主の仇敵、その欠片である死神か」

 

 黒い燕尾服を着た()()()()。周りには沢山の蝙蝠が空を飛び、奇怪な模様のキューブ(BREW)を持っていた。

 

 本来ならこの姿で出歩かない存在だが、アラクネの側仕えから外されてからは、ずっとこの姿で今の側仕えのメイド(アリス)を殺せるタイミングを伺っていた。

 

「……そうだ。アラクネ様に死神を献上すれば、側仕えをあのメイドから変更して頂けるかもしれない」

「何をブツブツと。その手に持つ魔道具を渡してもらおう」

「最強であった時代の私に会ってしまった時点で、貴様たちは何もすることなく敗北するのみ」

 

 マカはこの荒れ狂う磁場の中、それでも相手の力量を正しく理解してしまった。正確に言えば、マカの中の黒い狂気の存在であるハヤテが慌てたことで、やばい存在であることを理解した。

 それでもマカは()()()()()()()()()()()()()()()()()、エイボンに言われる前から理解していた代償が掛かるその力を解放……いや、その力に堕ちる。

 

「キヒヒヒヒヒッ……駄、目。今はこういう風になっちゃ駄目。私が時間を稼ぐからキッドとブラック☆スターは逃げてッ!!」

「は? てめえ何言ってるのか分かってんのか? 俺様よりも目立とうって……」

 

 マカの手は恐怖で震えていた。狂気に堕ちたとしても、元々の人格を失わずに狂気に浸れてしまうマカだからこそ、未だに埋まらない力量の差に震えてしまう。

 

「死刑執行モード」

「椿、やるぞ」

 

 ブラック☆スターもキッドもその事を理解し、相手がそれほどの力量であることを理解しながら、二人の使える本気のモードになる。

 

 マカは黒いドレスに身を包み、目は狂気に堕ちているためか、混沌に澱んでいる。

 

 キッドは高威力の攻撃の出来る死刑執行モードになり、()()()()()()()()()()を考え始める。

 

 そしてブラック☆スターは影☆星を発動させ、影☆星参ノ型「絶影」(クナイ)を構えて、いつでもB()R()E()W()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 例え心が折れようと、例え生みの親が信じられなくなろうと、ブラック☆スターもキットもどちらも正しく、死武専の職人である。

 己の心を奮い立たせ、目的のBREW奪還とこの場所からの退避を叶えるために戦おうとした。

 

 

 

 しかし、あの時から姿を隠していた彼らはこれより作戦を開始させる。彼ら彼女らのシナリオにここでマカ達が死ぬシナリオは存在しない。弱体化などせず、死神にすら牙を立てようとした蛇の最愛の夫が現れた。

 

「……メデューサの予想ではこの場にモスキートが来る可能性、BREWを確保しに来る幹部がモスキートである可能性は極めて高いと言っていた」

 

 モスキートが着る燕尾服よりも更に漆黒のスーツを身にまとう。メデューサが呪いを解いたことにより、既に傷が塞がっている首元を撫でながら、マカやキッド、ブラック☆スターの前にその男は立つ。

 

「アリスは絶対に主の傍から離れない。ミフネはまだ信用されていない。ギリコは捜索には向かず、奇襲や乱戦の方が得意だから、確実に竜巻の外にいる。俺たちはアラクノフォビアの幹部が単独になる機会を待っていた」

「貴様、やはり裏切ったか!!」

「初めから貴様らと仲間になんかなっていないだろ? 俺たちが求めているのは一つ。平和な世界だ。ただ愛した人と平和に愛し合う。それだけを求めてここにいる。故に、モスキート、お前はここで死ね」

 

()を片手で持ち、もう片方の手には紅の血を纏った剣が握られている。

 

「貴様を殺して、すぐにあの蛇を嬲り殺すッ!!」

「やってみろ蚊がッ!!」

 

 真紅に輝く瞳で、発狂しながらハヤテは開戦の狼煙として、武器である弓梓の弩による一撃を放った。

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