A-1 坂柳有栖
――私と緒祈真釣くんはどのような関係でしょう?
赤の他人ですね。
――私は緒祈真釣くんをどう思っていますか?
どうと言われても、一之瀬さんと仲良くしていらっしゃるDクラスの男子という情報しかありませんからね。今のところは、どうとも。
――私が緒祈真釣くんに望むことは?
赤の他人相手に何を望むもありませんけど……もし私の敵になるというなら、その時は是非とも
B-1 一之瀬帆波
――私と真釣くんの関係は?
大事な友達だよっ。
――真釣くんってどんな人?
頭が良くて、優しくて、運動は苦手で、長い髪が大好きなちょっと変わってる人。
――私は真釣くんのことをどう思ってるかな?
友達として好きだけど……え? 恋愛感情ってこと? うーん……まあ、千尋ちゃんが事ある毎に推してくるから、意識するなって方が無理な話だよね。私の誕生日以来、真釣くん本人もぐいぐい来るし……。にゃははー、参っちゃうねー。
――もし告白されたら?
それは……それは無理だよ。自分の過去を打ち明けることが出来ない今の私には、本当の自分を知られる覚悟が出来ていない私には……誰かと付き合う資格なんてないよ。
――私が真釣くんに望むことは?
これからも仲良くしてほしいな。友達として、共にAクラスを目指す仲間として。
B-2 神崎隆二
――俺と真釣との関係は?
友人だな。
――緒祈真釣はどんな人間だ?
知力はあるが体力はない、長い髪が大好きなちょっと変わった男だ。
――俺は真釣のことをどう思っている?
中学時代の話には驚かされたが、実際に接している限りではあまり怖いという印象はないな。そういえば最近雰囲気が変わって、なんだか明るくなった気がする。前が暗かったというわけでもないけどな。
――俺が真釣に望むことは?
これからも仲良くしてほしいと思う。敵に回ると、何をされるか分かったものではないからな。
B-3 白波千尋
――私と真釣くんはどんな関係?
親友以上、血縁未満……っていうのは流石にちょっと言い過ぎかな。でも、大体そんな感じ。
――真釣くんってどんな人?
とにかく身内に甘い人。私が嫌がらせを受けてるって相談したら、わざわざ黒幕の龍園くんに会って
――私は真釣くんのことをどう思ってる?
本人にも言ったけど、好きだよ。友達としてね。恋愛感情はないけど、もし私が男子を好きになれる人間だったら確実に惚れてるだろうね。まあ、どこにって聞かれると困るけど。
――真釣くんに望むことは?
早く帆波ちゃんと付き合ってよ。この前のデートの話聞いたけどさあ……手くらい繋ぎなよ! なにが「それは流石に恥ずかしい」だよ! このヘタレ野郎!
C-1 伊吹澪
――私と緒祈真釣の関係は?
無関係ね。
――緒祈真釣ってどんな人?
Dクラスの癖にBクラスと仲良くしてる女装趣味の変人。
――緒祈真釣のことをどう思う?
別に何とも思わないけど、強いて挙げるなら龍園に目を付けられてて可哀想ってとこかな。
――緒祈真釣に望むことは?
別に。
C-2 龍園翔
――俺にとって緒祈真釣は?
――緒祈真釣はどういう人間だ?
女装趣味の変人だ。どうやらBクラスの一之瀬か白波って奴に惚れているらしいが、分かりやす過ぎる弱点だな。
――緒祈真釣をどう思う?
俺の計画を邪魔しやがった不愉快な野郎だが、調べてみるとそこまで大した男でもねえな。ちょっと頭が回るってだけで調子に乗ってるアホ猿だ。
――俺が緒祈真釣に望むことは?
俺は過程も楽しむタイプなんだ。そう簡単に潰されてくれるなよ?
D-1 綾小路清隆
――オレと緒祈の関係は?
協力関係だ。
――緒祈真釣はどんな人間だ?
頭は良いけど運動は全然ダメ。手先は器用で人付き合いもオレよりずっと器用。長い髪が大好物で、一之瀬のことになるとキレやすい。
ただ、オレがこの学校で一番話している相手はおそらく緒祈なんだが、それでもあいつの軸になっている思想や主義が何なのか、それは未だによく分からない。
――緒祈のことをどう思う?
怖いな。あいつには何をしでかすか分からない怖さがある。須藤に聞いた話だと、スプーンで眼球を抉ろうとしたらしいからな。狂人じゃねーか。
――オレが緒祈に望むことは?
今度『黒山羊の卵』を貸してくれ。オレも読みたいんだが、買えるほどポイントに余裕が無いんだ。
D-2 堀北鈴音
――私と緒祈くんとの関係は?
クラスメイトね。
――緒祈くんはどんな人?
長髪好きの変態なのだけれど、運動以外は不愉快なほどに優秀ね。先日の期末テストでも、私では須藤くんにあんな点数を取らせることは出来ないもの。
――私は緒祈くんのことをどう思っているかしら?
クラスから一歩引いている感じが不愉快ね。綾小路くんと同じで十分に高い能力を有しているのに、なぜかそれをクラスの為に発揮しようとしない。かと言って綾小路くんのように「目立つのが嫌だ」というわけでもなさそうだし。
綾小路くんは「Aクラスを目指すにあたっては、緒祈は戦力にカウントしない方が良い」と言っていたわね。私よりずっと緒祈くんのことを理解しているであろう彼がそう言うのなら、きっとそうなのでしょう。説得は諦めて心変わりを待つしかないようね。
――私が緒祈くんに望むことは?
須藤くんの手綱を握っておいてくれないかしら? Aクラスを目指すには、彼の短絡的な行動は足枷にしかならないもの。……ふふっ。『足』枷になるから『手』綱を握れと言うのもおかしな話ね。
D-3 緒祈真釣
「へっきしゅん!」
なんの前触れも無く唐突に、くしゃみが出た。
かなり大きなくしゃみだったけど、幸いにも鼻水が一緒に飛び出すという惨事には至らなかった。自室でならまだしも人目のある場所でそんな事態になっていたら、僕は羞恥心から3日間引き籠っただろう。
いや、人目はあるけれど、この場所でならくしゃみで醜態を曝してもギリギリ許容されるのかな。
「風邪薬も買っておきます?」
「いえ、大丈夫です。誰かが僕の噂でもしたんでしょう」
僕は今、ドラッグストアにいた。
明日からの船旅に備えて酔い止めを買いに来たのだけれど、いざ会計を始めようという時に先程のくしゃみが出た。鼻がむず痒いわけでもないのに。
「鼻かみます?」
「いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
従業員用であろう箱ティッシュを差し出してくれる心優しい店員さんだった。
会計を済ませてお店を出ようとすると、「お大事に」と言われた。
自分を大事にするなら明日からの旅行は欠席するのが一番なんだけど、残念ながら僕には学校が頷いてくれるような正当な理由はない。
ちょっと前までは「今年の夏休みは楽しくなりそうだ」って心躍ってたはずなんだけど……こんな沈鬱な気分で8月を迎えるのは初めてだ。どうしてこうなった。
いかんなあ。暑さのせいもあってネガティブになっている。ここは無理矢理にでもポジティブに考えよう。
船は大嫌いだし無人島での体力勝負もすごく嫌だけど、まあ、なんとかなるよね!
……これじゃあポジティブというよりヤケクソだな。
「ははっ」
うん、まあ、自分のしょうもなさにではあるけれど、とりあえず笑えたので良しとするか。
これにて本当に第2.5巻部分完結です。
活動報告にあとがきを載せています。よろしければそちらも是非。