今回は“銀翼の奇術師”導入編です。
映画とどう変わっていくのかお楽しみに。
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“運命の宝石”
『
26の文字が飛び交う中
“運命の宝石”を
いただきに参上する。
怪盗キッド 』
赤いバラの花束に予告状を添え、女優‐
ヒュウウウウゥゥ………
バッ、とハンググライダーを開き、そのまま滑空体勢に入る。
(さて、今回はどうなるかな………。)
人目に付かないように高度を上げながら、今出したばかりの予告状へと思いを
今回“怪盗キッド”が狙うのは女優の
最初は、偽物と分かっているものをわざわざ盗む気は無かった。
しかし、連日舞台“ジョゼフィーヌ”の宣伝も兼ねて“運命の宝石”についてテレビで報道されており、中には“怪盗キッド”が狙うのでは?!と余計な
嫌な予感がして
放置すればどんな手段に出るか分からない。
本来ならば、明日の
そのまま前回のように狙撃、もしくは銃撃戦となる可能性がある以上、劇場での犯行は避けた方が良い。舞台のキャストや観客たちにもしもの事があっては遅いのだ。
止む無くストーリー通りの予告状を出したものの、不安要素しか無かった。
(“名探偵”だけでも結構いっぱいいっぱいなんだけどな……。)
“沖矢
―――――――――思わず
―“ブルーパロット”地下―
『成程…。これがキッドからの予告状ですか…。』
『はい…。今朝、自宅マンションのベランダに大きなバラの花束を添えて置いてあったんです…。』
『う~む…。』
「やっぱりこうなったか…。」
たぶん、ここはストーリー通りになるんだろうな、と飼っている
トランプ銃の手入れを行いながらモニターを注視すれば、来ないで欲しいと思っていたうちの1人が同席している。
(やっぱり……?)
せめて“沖矢”の方は来てくれるな、と祈りながら手入れを進めていた
「どうぞ、お嬢様。」
「ありがと。」
一旦手入れの手を止め、温かいココアを
「
心配で心配で仕方無い、といった様子の
「今回は直接やり合う訳じゃないし…。放っとけば“組織”の連中が
何か前にも似たようなシチュエーションで同じような会話をしたな、と思いながらココアを飲む。
「しかし、この
「分かってる…。
密室の中で“名探偵”と対峙しなくてはならない、という難易度は上がるが、“組織”の連中とやり合う事を考えれば1番周囲への巻き添えが少ないのが正直コレなのだ。
基本的に
警察関係者や、あるいはその場で口封じが可能な少人数の人間に姿を見せた事はあるものの、基本的に一般人の目に触れないようにはしているらしかった。
これが地上ならば、数百人単位の人間がいようとテロか何かに見せかけ、劇場に爆弾なりなんなりを仕掛けてその
今回、“怪盗キッド”が予告状を送った事で劇場を囲んで待ち伏せる位の事はするだろうが、その場で“運命の宝石”を狙う事もまず、無い。
“怪盗キッド”目当てのマスコミが多数いる中、顔を
恐らく“怪盗キッド”がいつ現れても良いように
女優という職業柄人間関係も
まぁ、“名探偵”だけでなく
「ま、何にしても本番は明日…。今から心配してても身が
ココアを飲みながらモニターを眺め、
「はぁ…。」
まだ不安そうな
『キッドが今夜その宝石を狙って来るのは間違いありません!!』
「残念…。今日じゃないんだな~…。」
小五郎の断言に茶々を入れつつ、“名探偵”と同席している
どうやら暗号はまだ解けていないながらも、今夜狙って来る、という事に関しては疑っていないらしい。
(このまま
まぁ、そう上手くいく
さて、“組織”の連中が来ているかどうか今夜
そんな事を考えながらココアを飲み干し、モニターの電源を切る。
チケットが無ければ中には入れないし、周辺の様子だけ
――――――――――――午後6時、劇場“
(何で私ここにいるんだろう…。)
自分でもこの展開は想定していなかっただけに、思わず遠い目になる。
「どうしたのよ、
その様子を見
「…何でもないって。開場まだかなって思っただけ。」
良く考えればその可能性は気付けた
最近は鈴木相談役
そして
だから、今回の舞台のチケットを中森警部が
「そう?それなら良いんだけど…。それよりこのワンピースどう?おニューなの!」
大粒のパールを模したイヤリングと、足首丈のブーツもワンピースと合っていた。
「似合ってるよ。可愛いね。シュシュもお揃い?」
「うん!セットだったの!」
夜に開演の舞台、という事もあって周囲の客もある程度フォーマルな服装が多いが、これなら浮く事も無いだろう。
アクセントとして黒いレースの手袋と、アクセサリーに赤い宝石(もちろん
軽くだがメイクもしていた為、普段よりもグッと大人びて見えた。
「
「これ?ママが送ってきたヤツ。
「へぇ~。良いな、ちょっと大人っぽーい!」
クルクルと
「それよりおじさんは?チケットのお礼を言いたいんだけど…。」
「あ、いっけなーい!着いたら電話するように言われてたんだった!」
そう言って
(電話ったって
そんな事を考えている間に無事に中森に繋がったらしい。そのやり取りを何とはなしに聞いて待つ。
「うん。うん、分かった!それじゃ今から行くね!」
そう言って電話を切り、携帯をしまった
「おじさん、何て?」
「今、
「え?入って良いの?楽屋…。」
「今なら他にもお客さんいるから大丈夫って言ってたよ!」
「へぇ…。」
そう言って
「待って!せっかく行くならもっと可愛くして行こ。メイクしたげるから。」
「え?でもお父さんたち待ってるよ?」
「任せて。そんなに濃くしないし、3分で終わらせるから。」
善は急げ、と
―――――――そして5分後。宣言通りに3分で
「ここ?」
「そうみたい……。」
コンコンコンッ………!
ノックする
「何隠れてんのさ?」
「だって緊張するよ~…。」
『はい…。』
ガチャ…
応対したのは、眼鏡をかけたスーツの女性。
「ああ、あなたたちが中森警部の娘さんとそのお友達…?」
「はい。」
「どうぞ。お話は伺ってました。」
話は既に通っていたらしく、すんなり中へと入れてくれる。
「おお、
「あ、お父さん!」
父親の姿を見付けた途端に心強くなったのか、
「あれ?
(そうだった、その可能性をすっかり忘れてた………!)
本当に驚いた顔で