誤字報告、評価、お気に入り登録ありがとうございます。
何か、評価とお気に入り登録数が短期間で伸びたな、と思ったら7月28日付けのランキングで4位でした。
どうもありがとうございます。
――――――――黒羽家、地下隠し部屋。
『良いかい、
灯りを付けると同時に、部屋の奥に設置されたジュークボックスが作動し、レコードに録音された、亡き父‐
ジュークボックスには複数のレコードが保管されており、どのレコードが流れるかは完全なランダムだったが、不思議とその時の
いつものように、ジュークボックスの前に備えられた1人掛けのソファに座り、目を
『客に接する時、そこは決闘の場…。決して
父の低く甘い声が、
元々甘い響きの声の持ち主の父だったが、母‐
幼い頃はその膝に抱かれ、良くお気に入りの絵本を読み聞かせてもらっていたものである。どんなに怖い夢を見ても、嫌な事があっても、父の声はいつも
『相手の心を見透かし、その
並外れた知能と身体能力を持つ
初めて父の秘密を知った日、“怪盗キッド”を継ぐと決意した日、初めてスネイクと
不安に涙した日もあった。
恐怖に震えた夜もあった。
興奮で眠れずに迎えた朝も。
そんな時は、決まってこの隠し部屋で父の声を聴いた。
それだけで、どんなに心が乱れていても落ち着きを取り戻す事が出来たのだ。
この時間は、“怪盗キッド”になる為の大切なルーティン。
そして同時に、“黒羽
『いつ何時たりとも…、ポーカーフェイスを忘れるな…。………分かったかな?
「………分かってるよ、パパ……。」
レコードの父の言葉に、目を
それと同時に、再生の終わったレコードが
ゆっくりと開かれた
――――――数時間後、羽田空港。
「函館は雷雨みたいだね…。」
空港内のテレビから流れる天気予報に、世良が呟く。
「あーあ…。せっかくめかし込んで来たのに、雨とはねぇ……。」
「ねぇ、
園子が不満気に呟く横で、
「さぁ…。でも、欠航にならないって事は、プロの目から見て心配無いって事じゃない?」
不安を
舞台“ジョゼフィーヌ”で
そして、
正直なところ、このメンバーの中で
直接“運命の宝石”の警備に関わり、
しかし、
確かに
言っては何だが、
彼女の言動は全て、自分にとって得になるかどうか、という一点にのみ重きを置いている。
そんな彼女が、呼んでも何の得にもならない女子高生2人を打ち上げに呼び、自分の別荘に招待する、というのも妙な話だった。
(一体どうして……?)
考えるが、心当たりは全く無い。
「それにしても、
「探偵の依頼が入っちゃったんだから、仕方無いわよ…。」
溜息を
そのやり取りを眺めながら、内心
(上手くいって良かった…。)
“怪盗キッド”としての“仕事”の下調べの最中に手に入れた、いくつかの反社会派組織の情報を公安の複数人の捜査官のパソコンをハッキングして
“ゼロ”である彼が出張る程の案件かどうかは判断が付かなかったので一種の賭けだったが、どうやら情報の裏取りと洗い出しに時間を
残る唯一の不安要素は、探偵としての実力がある意味未知数の世良
(いつも以上に気を引き締めていかないと危ないな…。)
下手をすると足を
「いやあ、すみませんなぁ…。私らまで舞台の打ちあげにお招きいただいて…。」
「皆さんのお陰で宝石が無事だったんですから、当然の事ですわ!」
「そうそう、そんな事気にせずに函館を楽しみましょう…。」
小五郎の
「それにしても、
「ホント…。」
「すいません、今なつきさんにメイクしてもらってるんです…。駐車場の車の中で…。」
「メイクですか…。大女優ともなると大変なんスなぁ…。」
矢口の説明に感心したような声を上げる小五郎だったが、それは
「大変なのはなつきちゃんの方よ!」
「ああ、
その言葉を聞いて、世良が
「どうやら、あの噂は本当みたいだね…。」
「そうみたい…。」
ニヤッと笑いながら小声で
「ハ~イ!!お待たせ、皆さん!!」
「いやあ、今日は一段とお綺麗ですなあ!」
「どうも、毛利さん…。」
鼻の下を伸ばすような小五郎の
「全員揃ってるみたいね…。」
「いや、まだ
同じく“ジョゼフィーヌ”で共演していた俳優‐
「ああ、
それに最初に反応したのが
「あら、そうなの…。残念ね
「…え?何が?」
「ううん、別に…。」
ある種の
(恐っ…!)
「あのう…、他の役者さん達は来ないんですか?」
「当たり前じゃないの。
ニッコリと微笑む
その様子に、世良が再び
「イイ性格してるよ…。ホントに…。」
一部を除いて微妙な空気になったが、一同は函館行きの飛行機‐スカイ・ジャパン865便へと乗り込んだ。
コックピットのすぐ
つまり、
A B| 通路 |J K
の順で席が並んでいる。
図解すると
1A 2B| 通路 |1J
2A
山口 酒井| 通路 |コナン 世良
蘭 園子 | 通路 |5J 5K
となる。その他は空席で完全な貸し切り状態だった。
「ホントに良いの?
元々4A、つまり窓側は
「良いよ。景色、見たいんでしょ?」
「へへ…!いつもありがと!!」
いつも新幹線などで窓側に座りたがる
その為、不思議そうな顔をしていた
(通路側の方が機内を把握し易いしね…。)
これぞwinwin。
何食わぬ顔でこれからの手順をシミュレーションしている時だった。
「どうしたのよ、蘭。さっきから振り返ってばっかりで…。」
後ろの席で蘭が最後部の階段をしきりに気にしているようで、隣に座っていた園子が不思議そうな顔をしている。
「あ、ううん、何でもない…。」
蘭が
(貸し切りじゃないんだ…?)
「来たって誰が?」
「しっ!黙って…。」
園子の問いかけを制止し、蘭が前に向き直った。
「どしたの?」
「しー…!」
後ろのやり取りを耳にした
直後、後方から歩いてきた女性がチケットの座席番号を確認しながら小五郎に声をかけた。
「あの、お隣の席……。」
「ああ、どうぞ……。」
返事をしながら機内誌から顔を上げた小五郎が、その女性を見るなり驚愕の声を上げる。
「いっ!?
「あ、あなた!!」
そう。新たに入って来た乗客は小五郎の別居中の妻で蘭の母親‐妃
(ああ、そういう事……。)
そういえば、こんな展開が映画にあったかもしれない、と
その後、小五郎が
『業務連絡です…。乗務員はドアモードを変更してください…。』
機内に離陸間際のアナウンスが流れる。
ふと、通路を挟んで斜め前の席に座っていたコナンの様子が変わった事に気付く。
(予告状の意味が分かったみたいだね…。)
予告状の暗号が解けたタイミングは、映画とほぼ同じ。
しかし、安心は出来ない。
少しでもしくじれば、“怪盗キッド”は一巻の終わり…。
(さぁ、始めましょうか“名探偵”…。私の
既にいくつかの
最後に笑うのは、一体どちらか…。
上空1万フィートの密室で、“怪盗”と“探偵”の化かし合いが今、始まる―――――――…。
千暁の狡い作戦で、安室さんは不参加。
次回、世良ちゃんがどう動くのか!?それは作者にも分からない←