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今回、ちょっと急展開です。
『皆様、本日もスカイ・ジャパン航空をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。この便の機長は
アナウンスに、それまでつまらなそうに機内誌を眺めていた
「?どうかしたのか?コナンくん。」
「ううん、別に何でも無いよ…。」
それを
(
(あの人、サービス業向きには見えないけど……。)
だからこそ女優に転向したのか、はたまた上手く外面を取り
しょうもない事を何とは無しに考えている間に、一同が乗った飛行機はいよいよ離陸態勢に入った。
865便が滑走路を走り出し、機内のビデオスクリーンに移り変わる滑走路の様子が映し出される。
「見て見て
「完全に離陸しないうちにずっと外見てると酔うよ?」
子どものようにはしゃぐ
大型の旅客機だけあって揺れはそうでも無いが、その分窓の外を流れる景色は速く、みるみるうちに過ぎ去っていく。乗り物酔いし易い体質の人間なら、それだけで酔いそうな位だった。
「平気平気!」
まぁ、
ニコニコと機嫌良く答える
ゴトリ、と微かな振動と共に機体が浮き上がり、上昇していく。
(さて、いよいよ……。)
離陸時のGによって微妙に座席に体が押し付けられるのを感じながら、
機内に点灯していたシートベルトの着用ランプが消える。どうやら完全な水平飛行に切り替わったらしく、非常口の
そのまま座席後方のギャレーへと向かって仕切りのカーテンをくぐるのを、首だけ振り返った状態で確認する。
「どうしたの?」
「ん?ちょっと
機内サービスを待っていたのだ、と
「そういえば、
「話には聞いてたけど、やっぱり機内って乾燥してるみたいだね。」
乾燥を理由に
「仕方無いよ。一般的に飛行機が飛ぶ上空1万mは、気温-50℃の極寒の世界。機内を暖める為に、エンジンの高熱を利用してるんだけど、湿度を上げると外気と機内の温度差で結露が起こって、
「………コナンくん、難しい事知ってるよね…。」
(ホントに正体隠す気ある……?)
「って、この前テレビでやってたから!!」
(
「ちっちゃいのに凄いね~!昔の
(げっ……!)
本心から感心したらしい
「昔の
いつの間にかシートベルトを外して立ち上がったらしいコナンが、通路から
「
「え?!ち、
普通の小学生ではあり得ないエピソードに、コナンが本気で驚くのが分かる。
そう。その頃の
小学校で習う範囲など既に完璧に頭に入っていた為、正直、学校へは友達と遊ぶ為に遊びに行っていたようなものだ。
今考えると、歴代の担任の先生には申し訳無い事をしていたと思う。
中学生になってもそれは変わらず、むしろ基本的な授業態度は高校生になった今も変わっていない。精々、堂々と寝るのでは無く、真面目に授業を受けるフリが劇的に上手くなった位の変化である。
しかし反面、その頭脳を惜しげも無く
高校に入ってからは多少取り
唯一例外として、同じくクラスメートの白馬
「だからコナンくんも今の友達は大切にね。あんまり知識ひけらかしても良い事無いよ。」
興味津々に根掘り葉掘り聞きたそうな“
「あ、ほら機内サービス来たよ!
(逃げたな…。)
ギャレーから出てきたキャビンアテンダントを指差し、そそくさと自身の席に戻ったコナンに半ば呆れつつも、カートを押してきたキャビンアテンダントに向き直る。
「洋菓子と和菓子、どちらになさいますか?」
「洋菓子お願いします。」
「あ、同じく洋菓子で!」
「お飲み物は何に致しましょう?」
「紅茶をお願いします。」
「ウーロン茶ください。」
「かしこまりました。」
受け取った紅茶を1口飲み、マドレーヌを
もし、“
(…何を考えているんだか……。)
怪盗と探偵、それこそが自分たちの間にある唯一だろうに。
自身の思考に思わず笑いながら、溜息を1つ
「コーヒーを。お菓子はいらないわ。」
「かしこまりました。」
キャビンアテンダントが
「
「ん?」
不意に
「ちょっとトイレに行って来るね。」
「トイレなら前と後ろにあるみたいだけど…。」
そんな話をしている間に、前のトイレへ入っていた
ちょうどその様子を
(女優の割に顔に出過ぎ……。)
内心苦笑しつつ、ゆったりと席に座り直す。
数分して
トイレに入った
「ちょっと、
酒井がそれを見て隣の矢口を促す。
直後、
「あれ?」
「ん?どうしたんだい?コナンくん。
「
「え?」
コナンの言葉に、世良が立ち上がって前を見やる。コナンはその間に席を立ち、カーテンの隙間からコックピットを覗き込んでいた。
「
「へぇ、あの人、元CAだったんだ…。」
その後、コナンが戻って来た直後に
それを見た矢口が立ち上がり、先程酒井に促されていたチョコレートの箱を差し出す。
「
「ありがとう。」
箱の中の数種類のチョコレートの中から、1つを選び
「毛利さんもいかがですか?」
「ああ、いただきます!」
矢口が小五郎にもチョコレートを勧めている間に、
その途端、
映画では、
予告状を出した直後、
元々の酒井の殺意の
だからその証拠と、これまでに
“手を汚すのではなく、世間に公表して味方を作る方が建設的ですよ。”
“あなた程の腕を持つ“アーティスト”が、堕ちる必要はありません。”
“あなたと同じような被害に
その言葉は、思い留まらせるだけの方便ではなく、
それが伝わったのか、酒井は思い留まった。
“そうね。あんな奴の為に一生を棒に振る事は無いんだわ。”
そう言って笑った酒井は、まるで
その笑顔を見て、
これでこの人は大丈夫だ、と――――――――。
だから、
矢口が差し出したチョコレートは、
全てに睡眠薬が仕込んである。
効力は口にしてから2~3分後。持続性はさほど無く、30分程度で目覚めるように調整してあるが、その代わりに服薬してから5~20分前後は眠りが深くちょっとやそっとの事では目覚めない。
アルコールを摂取している状態での睡眠薬の服薬は
そして、それからきっかり10分後。席を立ち、前のトイレへと進んだ。
小五郎は腕を組んで大イビキをかき、
その横を通り過ぎる一瞬の間に、右手の薬指から“運命の宝石”を抜き取り、代わりに精巧に作った偽物とスリ換えた。
まして、スリ換えた指輪は
光りに
スリ換えるシーンも、時間にして1秒足らず。
ずっと
(良し…。)
スリ盗った“運命の宝石”を隠し、トイレを出る。
(後は乗り切るだけ…。)
内心でほくそ笑みながらも、何食わぬ顔でそのまま席に戻った。
これで後は無事に函館に着くのを待つだけ、と一息
後方からキャビンアテンダントの進藤の困惑した声が聞こえてきたのは。
「お客様、こちらはスーパーシートになりますのでチケットをお持ちでない方の出入りは……。きゃあっ!!!」
「「「!?」」」
突然上がった悲鳴に、コナンと世良、そして
「おっと!動くなよ…。下手に動くとコイツの
進藤を後ろから拘束し、その
「余計な真似をするなよ…。コイツを殺したくなきゃな…。」
「な?!」
コナンの息を呑む声に、
(ハイジャック………?!)