メインはプリシラ。
異論は認めます。
真っ暗闇の森の中、一人の男が疾走している。
視界も悪く、小枝に引っ掛けてしまい、生傷は絶えない。
更に体力の限界は超えているのであろう、酸欠になっており、顔は紫色に変色している。
それでも彼は走るのを辞めない。
自分を兄と慕ってくれた少女を助けるために。
「はぁ・・・はぁ・・・。体が怠い・・・。俺ってこんな体力無かったっけ。」
愚痴を零しながらも足は止めない。
彼の予想が正しければ、親玉が残っているはずだった。
違うところは多いが、彼が過去に体験している事に酷似しているのだ。
「くそ・・・。この体が恨めしいぜ。パトラッシュがいてくれればなぁ・・・。」
走り続けていると、少し開けた場所が見えてくる。
様子を見るために、間を縫うように木の陰から陰へ移動する。
息を整えながら、月明かりに照らされている広場の様子を伺った。
「っ・・・。やっぱりかよ・・・。何で復活してんだあいつ。」
彼の視線の先には、チワワ程度の大きさの犬が一匹。
周囲には覆い尽くすように魔獣が待機している。
数えるのも馬鹿らしくなる戦力差だった。
彼は考える。どうすればいいのか。
最優先事項はぺトラの救出だ。しかし、奴らを放置していいものか。
彼自身は戦えない。しかし、ぺトラを発見した後に奴らを撒いて逃げ切れるのか。
レムが来てくれれば、何とかなるかもしれない。
「第一にぺトラの保護が最優先。次点にレムの合流だな・・・。」
結論を出して、その場を離れようとした際に足元に落ちていた木の枝を踏みつけてしまう。
“ペキッ”と大きな音ではないが、鳴らしてしまった。
魔獣達は一斉に彼がいる方向へと身構えていた。
「はぁ・・・。漫画やアニメじゃあるまいし、何でここでドジっちゃうかな、俺は・・・。
主人公補正なんてない俺は、すぐに死んじゃいますよ?
レムりん、早く俺を助けにきてね・・・?ヒロインのピンチに駆けつけるヒーローの如く。」
彼は小さくため息をついて、周囲に目を向ける。
武器になりそうなものを素早く探すが、見当たらずに諦めた。
軽く息を整えつつ、魔獣達の方へ意識を向ける。
魔獣達はまだ襲い掛かってはこずに警戒をしている。
「これは僥倖・・・。まだ姿も見られてはいない。正確な場所は掴まれてないだろ。
逃げるのは今しかねぇ・・・。ぺトラ、必ず助けに行くからもう少し待っててくれ。」
彼は背を低くして、見られないように走り出した。
後ろから魔獣達の足音が聞こえており、追いかけてきていることがわかる。
追いつかれないようにと必死に走る。“レムが追いつくのが先か、俺が追いつかれるのが先か・・・”
分の悪い賭けにはなるが、ただで食われるわけにもいかない。
彼は吸い込まれるような暗闇の森を全力で疾走した。
――――――――――
“ふむ・・・ここを通ったのか”
場所は変わって暗闇を歩く女性が一人、深夜の森を歩くには適さない恰好をしている。
扇子を手に持ち、何かを考えるように佇んでいた。
「妾の言葉を制止するだけでは飽き足らず、そのまま森へ行くなど凡愚以下の行い。
見つけ次第、首を刎ねてやろうぞ。」
見た目にはわらないが、静かに怒りを燃やしている様子が伺える。
普段とはあまり変わらない凛とした表情。人を見下すような視線も変わらない。
扇子を持っていない手は握りしめられており、森の奥を睨みつけながら歩き始める。
「謝っても許してやらん。どうせまた何かに顔を突っ込んでおるのじゃろ。」
“妾の時のようにな・・・”と小さく零した。
彼女は迷うことはない。
彼女が向かう先にいると確信している。
彼女が望んだもので、叶わぬ願いなどないのだから。
彼女が空を見上げると、雨が降り始めていた。
ため息を吐きながらも、足取りは軽く、彼女は森の奥へと足を進めた。
――――――――――
「はぁ・・・はぁ・・・死ぬ・・・これはまじで死ぬ・・・。魔獣に食われる前に心臓が破れるって・・・。」
しとしとと雨が降り始めていた。
彼はまだしぶとく逃げ続けている。
魔獣とはつかず離れずの距離を保ったまま、全力疾走していた。
魔獣達が本気を出せば追いつかれるのは必須。
しかし、天が味方をしたかの如く幸運が重なり、逃げ続けれている。
魔獣達は警戒していたのか、追いかけてくるのが遅かったため、最初に距離を稼げたこと。
途中から降り始めた雨のお陰で、匂いがかき消されていたこと。
何故か急に木が倒れはじめ、魔獣達を巻き込んだこと。
しかし、人間の肉体ではスタミナは無尽蔵にあるわけではない。
ずっと走り続けている彼の肉体は限界だった。
注意力が落ちていた彼は、足元に出ていた木の根に気付かず、躓いてこけてしまう。
「ぐっ。いてぇ・・・。木の根か?・・・くそっ。折角距離を稼いでいたのに!」
彼は背後を振り返ると、魔獣が追いついていた。
目視では3体。少し警戒する素振りを見せながら、彼を囲むつもりなのか、少し離れて陣取る。
咄嗟に逃げはせずに、魔獣達へ体を向けながらも逃げ道を探す。
“レムはまだか・・・”
諦めにも似た呟き声が彼の口から零れた。
周囲に目をやる。
武器はない。
逃げようとしても、背を向けた瞬間にやられる。
絶体絶命の中、彼の意識は思考の海へ沈む。
【何故あの魔獣は復活していた】
【今回は誰も呪われていないのか】
【プリシラは・・・】
「ぁ・・・!やべぇ・・・。プリシラ放置じゃん・・・。言葉遮って、そのまま出てきてんじゃん。
やっちゃたよこれ俺詰んだよ。 絶対死ぬ、首と胴体がおさらばする・・・。アイツは絶対にやる。」
今の状況とは別の意味で顔が青ざめていく。
“あれ、逃げられてもどっちみち詰みなんじゃね?”
諦めの境地。逃げることも面倒になった彼は座り込む。
「はぁ・・・。これでゲームオーバー?俺らしいっちゃらしいのか・・・?中途半端だよなぁ・・・。
死に戻ったらどこに戻る?今朝か?昨日か?昨日ならもっとうまくやれるかな。」
“屋敷を出ることもなく・・・”とは言葉にならなかった。
空を見上げるスバル。雨はまだ止んでおらず、月は見えなかった。
視線を魔獣に戻すと、今にも飛びかかろうとしてる姿が映る。
“あぁ・・・今回も痛いんだろうな、一思いに殺してくれねぇかな”
3体で一斉に飛びかかってくる姿を一瞥し、彼は目を閉じた。
――――――――――
“首と胴体がおさらばする・・・。アイツは絶対にやる”
ふと聞こえてきた言葉に、彼女は足を止めて聞こえてきた方に目を向ける。
そこには3体の魔獣に囲まれている男がいた。
顔は青ざめており、全てを諦めたような表情をしている。
「ふむ。凡愚の割には妾のことをよくわかっておるようじゃな。
罪には罰を。信賞必罰をせず、誰がついてこようか。」
“はぁ・・・。これでゲームオーバー?俺らしいっちゃらしいのか・・・?
死に...ら...戻る?今朝か?昨日か?昨日なら........”
雨と風の音で全てを聞き取ることはできなかった。
「げえむおぉばぁ?戻る?彼奴は何を言っておる。気でも触れたか?
弁解を聞く前に、周囲の五月蠅い虫を払うとしようか。」
彼女は胸元から扇子を取り出し、ゆっくりと歩き出した。
――――――――――
襲い来る痛みを覚悟して目を閉じたが、一向に痛みが無いことに疑問を持ったスバル。
ゆっくり目を開いてみると、派手なドレスで身を包んでいる後姿が見える。
真っ赤なドレスは、これからの自分の未来を示唆してる気がした。
「プリシラ・・・。」
そこから周囲を見渡すと、倒れ伏している3体の魔獣を見つける。
“プリシラの戦闘は殆どみたことなかったけど、つえぇな・・・”
言葉にはせずに飲み込んだスバル。
彼女-プリシラ-はゆっくりとスバルへ振り向いた。
「何か言葉は必要か?凡愚よ。辞世の句は聞いてやってもよいぞ?」
口は釣りあがっており、少し弾んだ声で問いかけてくる。
しかし、目は全く笑っておらず、プリシラの機嫌を表していた。
「いや・・・その。・・・言い訳はしない。プリシラの言葉を遮ったのことも、何も言わずに飛びしたことも
自分で決めて、自分で行動した結果だ。プリシラにどうされても文句は言えない。言わない。」
目を逸らすことはせずに、見つめたまま一息で告げた。
プリシラは少し目を細めたまま、更に言葉を告げる。
「ほお・・・?生を諦めるか?それも良かろう。言い残す言葉は他に無いのじゃな?」
持っていた扇子を畳み、スバルへ突き付ける。
返答次第では、そのまま首を刎ねるつもりなのだろう。
「言い残す言葉・・・か。あるさ。いっぱいあるよ。それよりも思い残したこともいっぱいある。
エミリアたん大丈夫かな?レムは上手い事村に子供を運んでくれたかな?」
段々とプリシラの目つきが厳しくなっていく。
それでもスバルは言葉を続ける。
「それに・・・プリシラの事をもっと知りたかった。折角主従関係になったのに、殆ど話せなかった。
本当はもっとたくさん話したかったんだぜ?プリシラの事をもっと知りたかったし、俺の事を知ってほしかった。」
“今更だけどな”と小さく零しながら続ける。
「それだけが心残りだ。お互いをもっとよく知りたかった。
色々言ったけど・・・以上だ!もう何もない。一思いにやってくれよな。」
スバルは告げることは告げたと、座り込んだまま目を瞑る。
一方、彼女は少し考えるような仕草をしたまま黙り込んでいる。
「凡愚・・・いや、スバルよ。その言葉に嘘偽りはないか。」
「・・・え?」
「真偽を問うておる。どうなんじゃ?妾に生死を儘にされておる状況で
貴様は先ほどの言葉を吐けるのか?」
言葉と目つきのキツさは変わらないが、どこか不安そうしていると、スバルは感じた。
口元を緩めながら、スバルは即答する。
「当たり前だ。お前の事を知りたいって言ったことも、俺の事を知ってほしいと言ったことも
俺の本心だ。最初に連れてきた時の事を思い出してみろよ?今の状況と殆どかわんねぇって。」
“死を覚悟してたんだしな”と付け加えた。
「・・・わかった。なら、今回の不敬は目を瞑ってやる。
妾の為に、馬車馬の如く働くのじゃ。」
「え・・・?まじで?ほんといいの?俺死ななくていいんですか本当ですか?」
「“まじ”じゃ。そして・・・妾とゆっくり語り合うと約束じゃ。」
扇子で口元を隠したまま、少し目を細めて言葉にする。
少し悪戯っぽくて、年相応に見えた。
「ん・・・。約束だ。ほら」
彼は言葉と共に小指を差し出した。
プリシラは何のことかわからず、不思議そうに小指を眺めている。
「何じゃ?小指を差し出しおって。折ればよいのか?」
「ちげーよ!約束だよ!何でそこでバイオレンスな考えできんの!?
俺の故郷では約束ってこうやんの!」
彼はプリシラの小指を無理やり絡めとり、指切りを始める。
「指切りげんまん、嘘ついたらハリセンボンのーます。指きった。」
指切りをしている間も、プリシラはどこか呆けたような表情をしている。
勝手に手を取ったことから、殴られるくらいは覚悟をしていたスバルも呆けている。
指を切ったはずが、きれずに繋がったままという、異様な光景だった。
「あのー・・・?プリシラさん?指を切ってくれないと約束が締結しないのですが・・・。」
「っっ!痴れ者!誰の許可を得て妾に触れておる!・・・前もって言わぬか・・・。」
「あぷりこっ!」
我に返ったプリシラから一方的に指を切られ、そのままの勢いでスバルは殴り飛ばされた。
殴り飛ばされたにことよって、プリシラの最後の言葉はスバルには届かなかった。
「いてて・・・。あ、そうだ!まだ一人行方不明な女の子がいるんだ!急いで探さないと!」
スバルは起き上がると同時に叫ぶ。
慌てて行動を起こそうとした際に、襟首を捕まれた。
“ぐえっ”と聞こえてきたが、プリシラは無視して言葉を紡ぐ。
「慌てるでない。スバルよ。“その子はもう助かっておる”。
心配する必要はないのじゃ。」
「は・・・?助かってる?何言ってんだよプリシラ。
そもそも、お前はその女の子が誰か知ってるのか?」
「やれやれ・・・何度も言わせるでない。世界は妾の都合の良いようにできておる。
何故、妾がここにおると思うておる?」
自信たっぷりと、胸を張りながら腕組みをしている。
胸器・・・いや凶器が目に入って毒だ、なんて考えていない。
「む・・・貴様、このような状況で何処を見ておる。
妾の体が彫像の如く美しいが為、見惚れることは許す。しかし時と場合を弁えよ。」
言いながらも、胸を強調するポーズは辞めない。
“こいつ誘ってんじゃねぇの”とスバルが考えても仕方のないことだった。
「うるせぇ・・・こっちはいっぱいいっぱいで、今にもパンクしそうなんだよ。
何だよそれ。俺の頑張りは無駄ですかそうですか、その胸を揉み倒してやろうか。」
視線を斜めに下げて、アヒル口をして拗ねていると全開でアピールをしているスバル。
男がそのような拗ね方をしても気持ち悪いだけだと、今の彼は気付いていない。
「ふん。出来ぬことを吠えよるわ道化が。
心配なら村に戻って確認すればよいのじゃ。ゆくぞ。」
プリシラは踵を返して歩き出した。
スバルは慌てて追いかける形で歩き出す。
“なんだかなー”と小さく零しながら、彼は空を見上げた。
雨はいつの間にか止んでおり、頭上には綺麗な星と月が瞬いていた。
――――――――――
「スバルくーん。どこですかー?スバルくーん。」
森の中、一人の少女が鉄球を引きずりながら歩き回っていた。
急な雨により、彼の匂いをかき消えてしまい、途中から追いかけられなくなっていた。
「途中で女の子を拾って、全員無事に送り届けたので、ご褒美に頭なでなでを所望しようと思っていたのに・・・。
スバル君、レムを、褒めてくれますか?」
空を見上げながら彼女は呟く。
雨も上がったが、彼の匂いを辿ることが出来ない。
明確なナニカの意思に邪魔をされているかの如く。
彼女は探し続ける。既に探し人がいない森の中を。
魔獣達の屍の山を一瞥もせずに、彼女は歩き始めた。
――――――――――
スバルとプリシラが村に着いたことに、広場へ集まっていた大人たちが気付き集まってきた。
「おう、兄ちゃん!無事か!?ロズワール様のところで働いているメイドの嬢ちゃんがきて、
“スバル君がこの子達を保護していました。レムは変わりに連れてきただけです”って言っててな。
なかなか兄ちゃんも帰ってこないし、迎えに行くと言っていた嬢ちゃんも帰ってこないから心配してたんだ。」
『兄ちゃん!ありがとなー!』『本当にありがとう・・・。』
『ちょ、ちょっとだけカッコいいじゃない・・・。ちょっとね!?』
『若いのに、人間できておるのぉ。』
スバルは村人たちの大喝采についていけなかった。
彼からすれば、確かに子供たちは見つけたが、助かったのはレムのお陰だと思っている。
連れてきてくれたのもレムで、誇るべきはレムだと思っているからだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。俺は何もしてねぇよ。レムが助けてくれたんだ。」
「その嬢ちゃんはお前が助けたって言ってたぜ?
どちらにせよ、探しに行ってくれたこと、助けてくれたことにはかわらねぇ。本当にありがとな。」
「止めてくれよ、そんなんじゃねぇって。
ところで、子供たちは無事なんだよな?」
「おう、全員まだ眠っているが、外傷もなくて問題なしってとこだ。」
“良かった”と呟く。
知っている人間が死ぬのは、ある種自分が死ぬより辛いことがあると、スバルは身に染みてわかっていた。
安堵したところで気付いた。
“あれ、プリシラいないんじゃね?”
周囲を見渡しても、あれだけ目立つプリシラがいなかった。
「ん・・・?金髪の嬢ちゃんか?先ほど宿へ向かってたぜ!」
“置いて行かれた!”
絶望しながら叫んで、彼は思う。
プリシラも助けてくれたんだから、一緒にいればよかったのに、と。
彼女なりの照れ隠しなのか、素で面倒なのかは、まだ彼にはわからない。
しかし、彼女も-表には殆ど出ないが-人を思いやる気持ちはあるし、
スバルなんかよりもっと出来た人間だ。
“きっと恥ずかしかったんだろう”と勝手に決めつけて、彼も宿へと向かった。
――――――――――
「遅かったな。凡愚よ。妾は歩き疲れた。もう寝るので静かにするのじゃぞ。」
宿に戻ったスバルを出迎えたのは、黙れという一言だった。
少なからず、プリシラと思いが通じ合えたと感じていたスバルは堪えきれずに言葉にした。
「ちょ、語り合いは!?何となくお互いいい雰囲気になりましたよねぇ!?
ここでお預け・・・というか、待てはちょっと酷くない!?」
「五月蠅い。締め出されたいのか?妾は眠いと申したじゃろ。静かにせい。」
有無を言わせない眼力と強い物言いに言い返せなくなっている。
“悪戯してやろうか”とは口に出せない、ヘタレ系男子は黙ることしかできなかった。
「まぁ、また明日話せばいいか。色々と聞きたいこともあるしな。
おやすみ、プリシラ。また明日な。」
告げて出ていこうとすると、何かに服を引っ張られる感触があった。
振り返ってみると、プリシラが腕だけ伸ばし、顔は此方に向けずに引き留めている。
「待て、スバルよ。何処に行くというのじゃ。貴様の寝床は其処じゃろう。」
プリシラは床を指さしながら告げる。
「は!?ちょっと待てよ!俺も疲れてるの!ベッドで寝たいの!疲れを癒したいの!
わかる?床で寝ちゃうと疲れがとれるどころか、もっと疲れるよ?OK?」
「何をわけのわからんことを・・・。そんなに床が嫌であれば寝具で寝ればよい。」
「え・・・?この部屋にベッドは一つしかないですけど・・・?まさか・・・?」
漸くプリシラは此方を振り向く。
その眼は眠たそうに、半分ほど閉じられている。
「妾の隣があいておろう・・・?妾は眠いのじゃ。疾き来るがよい。」
「いやいやいや!プリシラさん何言ってんの!?俺男だよ!プリシラは女だよ?
間違いがおこるよわかりますかねぇ!?」
「いちいち五月蠅いやつじゃ・・・。
・・・いいから。おいで?」
普段では聞くことの出来ない、彼女の甘えたような声で告げる。
スバルはその一言で何も言い返す事もできず、ふらふらとベッドの隣に入り込んだ。
「ふふふ、初めからそうしておったら良いものの・・・。
疲れたろう?眠るがよいぞ。おやすみ・・・。」
既に目はあいておらず、告げることを告げてすぐに寝息をたてはじめる。
起きた後の事を考えると、頭を抱えたくなったが、流されることに決めた。
“役得だしな”と呟き彼も目を瞑る。
「おやすみ、プリシラ。今日は本当にありがとうな・・・。」
頭を少し撫でて、意識を闇に落とす。
撫でられた彼女は嬉しそうにほほ笑んでいたが、彼はそれに気づかず眠りについた。
以下おまけ
“今日のぷりしらさん”
「うぅ・・・暗いのじゃ・・・。何でこんなところに入ったのじゃぁ・・・」
がさがさ
「ぴっ!音がしたのじゃ・・・!」
「風・・・。驚かすでないわ!」
ごそごそ
「ふ、ふん。どうせ風じゃろ。何度もひっかからんわ!」クルッ
「・・・」←足のない透けている人
「・・・」←ぷりしら
「うぅ~ん。」気絶
・・・・・・・・・
「はっ!」きょろきょろ
「いない・・・。夢じゃったのか・・・。」
がさごそ
「ぴぃ!もう嫌なのじゃ・・・怖いのじゃ・・・すばるぅ・・・。」うるうる
「・・・」
「っ!どこいってたのじゃ!滅茶苦茶探したのじゃ!心配させおって・・・。」
「ふん、絶対に許さん。首を飛ばしてやるのじゃ。」ぷいっ
「どうしてもと言うなら・・・今晩一緒に寝るのじゃ。」
「仕方ないからそれで許してやるのじゃ。」
※本編とは全く関係ありません
第二話 後編 でした。
次回、きっと説明をする回。
誤字脱字報告や感想などお待ちしております。