幻想の聖杯戦争   作:黒猫街夜

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沖田オルタが当たらない黒猫街夜です!
呼符で引いたらすり抜けで三蔵ちゃんが来たんだが?w
あとちょっと活動報告見てって下さい。
では本編どうぞ!


交渉と裏路地

千夜は夜の夏門(かもん)市を歩いていた。

聖杯戦争に参加するためにサーヴァントを他のマスターから奪い取る。

その為には令呪を譲渡して貰わなければならないが、自分のサーヴァントを縛る令呪をはいそうですかと渡す奴はいないだろう。

ならばマスターを殺し令呪を無理矢理奪い取るしか方法はない。

 

しかし千夜は魔術は習っていても人を殺したことは1度も無かった。

魔術師は確かに根源を目指すためには人殺しも辞さない風潮がある。

 

だが千夜は家が没落しており、魔術を使えるようになった頃には既に根源を目指す余裕はなかった。

それ故に千夜にとっては根源への到達よりも北条家の復興を行う方が大事な事だった。

 

だがそれでも千夜は他のマスターを殺して令呪とサーヴァントを奪うことに何の抵抗もない。

それは自らの幼い頃の没落した家を嘲笑い貶されていた経験があり、その時の周りの人間の顔が自分達より上にいたものが自分達より下に落ちたということに愉悦と侮蔑を浮かべているのを見て、幼くして人間の本質を垣間見てしまったことが関係しているが本人はまるで気づいていない。

 

「さて強めの魔力の反応は・・・こっちか」

 

街のあちこちに仕掛けてある魔術で魔力の反応を感知してその方向に向かう。

この方向は確か雑木林がある方角だ。

そんな事を繰り返しつつ歩いていると微かに何かがぶつかり合う音が聞こえた。

十中八九サーヴァントによる戦闘の音だろう。

息を押し殺して近づくとそこには…

 

黒い燕尾服と黒いシルクハットを被った男が杖を持って踊っていた。

しかも男はサーヴァントのようだった。

 

驚いて一瞬思考が停止するがその直後に着弾音とともに男の足元が爆ぜる。

 

「ッ!!おいまじかよ…」

 

どうやら全身黒ずくめのサーヴァントは遠距離攻撃を受けているようだ。

とすれば相手はおそらくアーチャーのサーヴァントだろう。

なおかつあまりにも遠いためか発砲音は聞こえないがおそらくライフルを使う近代の英霊だろう。

 

しかしさらに驚いたことは黒ずくめのサーヴァントのクラスがバーサーカーだということだろう。

バーサーカーのクラスは理性を失い狂気に身を落とすことでサーヴァントを強化するというクラスだ。

 

しかし当然デメリットもある。

 

まず理性が失われる。故にバーサーカーのクラスは意思疎通をすることなどほぼ不可能なのだ。

次に一部の能力の劣化または使用不能になること。狂気に飲まれている故に使えないものがあるのは当然だと言える。

最後に魔力消費量が膨大な事だ。この膨大な魔力消費量のせいでバーサーカーのマスターは第五次聖杯戦争以外すべてが自滅している。

 

ここで今問題となってくるのは理性が失われているということだ。

バーサーカーは理性がないため真正面から突っ込んでいくサーヴァントが多い。

しかし目の前のバーサーカーはアーチャーの狙撃を避けている。

狂気に身を囚われているバーサーカーには本来ありえないことだ。

その光景を見て本能的にこのサーヴァントが欲しいと思った。

 

しかしどうやら周りにはバーサーカーのマスターはいないようだ。おそらく使い魔などの手段でこの戦闘を監視しているのだろう。

ならばまず使い魔を潰してマスターを引っ張り出す。

なのでひとまずこの場を離れようと1歩下がり

 

パキ

「ッ!!」

 

「…オヤァ?一体ダレですかね~?」

 

今度こそ思考は完璧に停止した。

理由は言うまでもなく目の前のバーサーカーが喋ったことだろう。

 

だがサーヴァントを前にしてその隙は致命的だった。

 

一瞬で目の前まで近づかれ顔をのぞき込まれた。

もはや驚愕で声が出ないでいるとバーサーカーが口を歪めて笑った。

 

「ハジメマシテェェですかね?ワタシはバーサーカーのサーヴァントデス。どうぞヨロシクオネガイシマスネ?」

 

礼儀正しい様に見えてどこか狂気を含んだ声を聞き我に返る。

だがこれはチャンスかもしれない。

バーサーカーが何故言葉を話せるのかなどという疑問もあるが今は置いておく。

言葉が話せるのならば会話が出来る可能性はある。ならばこの場でバーサーカーと交渉してこのサーヴァントを手に入れる。

 

「なぁ少し話があるんだが」

 

「オヤァ別にワタシにはないんですけどネェ?」

 

「今のマスターを捨てて俺のサーヴァントになる気はないか?」

 

「ホホゥこれはこれは・・・オモシロイことをイイマスネェ」

 

「で?どうなんだ?」

 

「お断りイタシマス」

 

「・・・何故だ?」

 

「今のマスターに不満はアリマセンシネェ。特に裏切るつもりはアリマセンヨォ」

 

「チッそうかよ」

 

「エェ、なので死んで下さいませ」

 

とんでもなくあっさりした会話の後何の躊躇いもなく杖が脳天に振り下ろされる。

バーサーカーの腕力で振り下ろされる杖は間違いなく頭部を粉々に粉砕するだろう。

だが魔術を使えば話は別だ。骨ぐらいは折れるかもしれないが頭を両腕で庇い魔術を発動する。

 

バーサーカーがいきなり飛び退いた。

次の瞬間頭部を庇っていた腕にとんでもない衝撃が加わった。

2、3メートル吹っ飛んだがもし魔術を発動していなければ腕どころか頭も消し飛んでいただろう。

 

いったい何が起こったのか分からずにいると、バーサーカーが身体をひねった。

次の瞬間また足元が爆ぜる。

それを見て千夜はようやくアーチャーによる狙撃だという事を理解した。

この隙に逃げなければ次はない。

そんな確信を胸に痛む両腕を無視して走り出す。

後からはいつまでもアーチャーの狙撃の着弾音が響いていた。

 

どれだけ走ったか分からないが気が付くと家の前にいた。

逃げ切れたことに安堵して家の中に消えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夏門市 某裏路地

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・クソっ何なんだよあいつは!」

 

男は必死になって何かから逃げていた。

服装はいかにも不良ですとアピールしているような学生服を着ている。

背格好はだいたい高校生くらいだった。

既に男の友人はみんな殺されている。

 

男はいつも通り仲間と裏路地でたむろし、酒やタバコを楽しんでいた。

しかしそこに黒いフードをかぶった男が現れいきなり仲間の首をナイフで切り落としたのだ。

 

人の首が飛ぶ瞬間を初めて見た男達はその光景に言葉を発せずにいた。

普通に暮らしていれば人の首が飛ぶ瞬間なんてそうそう見るものではないからしょうがないのだろう。

 

だが目の前の男は非日常を生きる男であった。

直後に首をはねられた男の隣にいた男の首もはねられた。

 

そこまで来てようやく現実を実感し男達は2つの行動をとった。

1つはフードの男に殴り掛かる者達。

2つ目は全力でその場から走り去る者達に分かれた。

 

だが殴りかかった男達は即座に首をはねられ、逃げていた者達にはナイフが飛んできた。

 

そこからは無我夢中で逃げていた。何処かで悲鳴が聞こえる度にまた一人殺されたことを分かっていた。

 

そうしてどれ程の時間が経ったのかもう自分の出す音以外は何も聞こえない。

 

「ちくしょう・・・俺達が何をしたっていうんだよ!」

 

「いや?特に何もしてないぞ?」

 

自分達とそう変わらない年齢であると思われる男の声は真後ろから聞こえた。

 

「ひぃ!・・・た、頼む!・・・殺さないでくれ!」

 

「悪いけど見逃す気はないよ。せっかくの獲物だしね」

 

「なんでもする!あんたの奴隷になるから!いやならせて下さい!」

 

「いや奴隷なんて要らないんだけど…本当になんでもする?」

 

「します!何でもしますから!」

 

「ふーん。じゃあ死んでくれ」

 

「え?」

 

それが男の最後の会話だった。

何が起こったのか理解できないように男の目は大きく見開かれている。

それを満足そうに眺めたフードの男は自分の手に痣のようなものがある事に気づいた。

 

それを見てこれが令呪である事を直感して男は早速サーヴァントの召喚を試みる。

 

素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する

――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

先程殺した男の血で書いた魔法陣が光だし、魔力が形を作る。

そして現れたのは純白の美女だった。

 

「サーヴァントアサシン■■■■...はじめましてあなたが私のマスター?」

 

鈴の転がるような可愛らしい声でそういった。

 

 

 

 

 

 

 




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