綾小路Tレックス   作:チームメイト

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エピローグとプロローグ もっとも綾小路Tレックス

 10月11日金曜日

 

 体育祭が終わってからの1週間は、色々と大変な日々だった。

 というのも、昨日、一昨日と行われていた中間テストのせいだ。

 

 一言で言うなら、山内、山内、健、山内といった感じのどうしようもない日々。

 そのせいで一之瀬と付き合えたのに、カップルらしいことは、一切出来ず終いだ。

 

 これもそれも全て、体育祭が中間テストと連動していたのが悪い。

 

 体育祭の報酬。総合1位は無事……にしてはダメージが大きかったが、致命傷を受けながらもオレが受賞し、10万ポイントのボーナスポイントを手に入れることが出来た。

 高円寺の推薦競技参加分で10万ポイント払ったのでチャラになっただけだが、マイナスにならなかっただけ、良かったと言える。

 

 問題なのは、体育祭のペナルティーだ。

 ・全競技終了後、学年内で点数の集計をし、下位10名にペナルティを科す。

 

 そのペナルティーの内容というのが、中間テストで10点の減点というものだ。

 一教科あたりで言えば、2点でしかないが、その2点がバカにならないバカな生徒も居る。

 

 そう、体育祭のМVPこと山内くんだ。

 

 ()()()()()によって、3種目目の棒倒し以降の競技を最下位で終わった彼は、下位10名に入り込んでしまった。

 ただでさえ赤点スレスレの低空飛行を常とする男だ。そこから更に減点されてしまうと、退学の二文字が現実味を帯びてしまう。

 

 おまけに、体育祭準備期間中に行われていた勉強会は、半分しか顔を出していなかった。

 なぜならば、デートで忙しかったからだ。

 

 放課後の体育祭の練習は、須藤が怖いので参加していた。

 勉強会ならサボってもいいよなって理屈だったらしい。

 

 もう退学でいいんじゃないか山内のことを守らなければ。 

 

 8日間は忘れないという誓いを守るべく、山内の赤点回避に奔走する羽目になったってのが、テストが終わるまでの時間の使い方だ。

 不慮の事故でオレに責任はないとはいえ、山内が退学してしまうと後味が悪いからな。

 

 具体的には、体育祭の翌日から平日の放課後は、連日夜10時まで。土日は、朝9時から夜8時までを勉強会で過ごすと言ったスパルタっぷりだ。

 綾小路グループの方は、一切関与していない。というか、かかりっきりで出来なかった。

 

 ここまで関わるつもりはなかったが、全て山内が悪い。

 どうやら山内は、1学期に学んだことを2学期に持ち込まなかったらしい。

 夏休みに記憶をなくしたのかってくらい、1学期の学習内容を覚えていなかった。

 

 ということで、1学期の内容+αを1週間ちょっとでやり直すという、超ハードモードに突入してしまっていた。

 寝ても覚めても山内っていう地獄みたいな日々だ。

 

 山内が逃亡しないように須藤が参加したり、おまけで池も参加したりしたが、元々池とは微妙な間柄だ。本来なら空気を軽くする池が参加して、空気が重くなるっていう救いのなさよ。

 

 あとは、山内がついて来れるのかどうかだったが、流石に退学によって彼女と別れる気はなかったらしく、頑張ってくれたおかげで、ギリギリ突破することが出来た。

 

 試験が終わった昨日は、山内の日々から解放されたものの、消耗しきっていた。

 綾小路グループで打ち上げをしたが、早めに切り上げて休んだくらいだ。

 

 テストの返却日である今日、無事に全員が赤点回避したことと、厄介ごとを茶柱から告げられて、無事にお役御免となったというわけだ。

 

 これで山内のことは、一之瀬との件を邪魔された恨みだけ覚えておける。

 

「大変だったのは分かるけど、自業自得じゃないかな」

「そうか?」

「山内くんだから何となく問題になってないけど、潰れたのが池くんだったら、ちょっと騒ぎになってたかも」

 

 それはそれで山内が哀れ過ぎないか。

 

「池も山内も似たようなもんだろ」

「池くんは、あれでまだ人望が少しは……あるから。どこがいいのか分からないけど」

 

 どちらにしても、辛らつな評価だ。

 流石は、櫛田さん。さらっと言ってくれる。

 

「綾小路くんが3人を担当してくれたから、こっちの勉強会は順調だったけどね」

「そのせいで、山内が退学になりかけたとか、笑えないから」

「平均点あがったもんね」

 

 そう。堀北クラスの勉強会は、3バカだけが対象ではない。

 普段なら足を引っ張る3バカの面倒を、オレが一手に引き受けたおかげで、その他の勉強が苦手な生徒は、勉強が捗ったらしい。

 

 結果として、中間テストの難易度が控えめだったこともあり、平均点が想定されたものよりも上がり、今日の返却までオレがビビるというオチまでついてしまった。

 山内にいたっては、教科によっては、1点差の首の皮1枚での回避というギリギリっぷりだった。

 

「なんにしても、もう二度とごめんだ」

「期末試験やミニテストは?」

「勘弁してくれ」

 

 中間テストが終わったばかりだというのに、返却と同時に次のテストについて、茶柱から発表があった。

 しかも、次の試験は、特別試験だ。

 

 まあ、期末試験とそれに絡んだミニテストは、来週考えればいいだろう。

 今週末くらいは、何もかも忘れてゆっくりさせてくれ。

 

 一之瀬をデートに誘うか。

 でも、中間終わったばっかだし、打ち上げとかで忙しいか。

 Bクラスも、体育祭の打ち上げは、中間後って言っていたはずだ。

 

 なかなかままならないものだな。彼女との恋愛ってやつも。

 

 1人で考えても埒が明かない。

 

「なあ、櫛田」

「どうしたの?」

「どうやったら彼女と良い感じになると思う?」

「それを私に聞いてどうしたいのかな?」

 

 おっと。櫛田に聞いたのは失敗だったか。

 櫛田なら恋愛相談乗りまくってるから聞いてみたが、オレが聞く相手じゃなかった。

 

「あー、無理に答えなくていい」

「ううん、いいよ。恋愛相談得意だし、答えてもいいけど」

「お願いします」

「そこで土下座するんだ」

 

 一之瀬とするためなら、額を地面につけるくらいする。

 櫛田は仕方ないな、とオレの後頭部に足を乗せて、ぐりぐりと地面に押しつけながら答えてくれた。

 

 土下座したけど、そこまでは求めてないんだが。

 櫛田さんがご機嫌なら我慢してやるか。

 

「弱みを握って脅せばいいんじゃないかな?」

「すみませんでした」

「綾小路くんの得意技だよね?」

「本当に、申し訳ございませんでした」

 

 どうぞ、櫛田様。オレの頭を自由にお使いください。

 根に持ってないと思うが、うん、櫛田の初体験ってトラウマものだ。

 全く櫛田ほどの美少女の始めてを脅して奪うとは、けしからんやつめ。

 

 これ一生弄られるんだろうな。

 

 未来の櫛田家での子供とのほのぼのとしたやりとりだ。

 

 パパとママはどうやって出会って、お付き合いしたの?

 それはね。パパに脅迫されてしぶしぶ寝たのが始まりだよ。

 

 こんな未来、地獄すぎる。パパの威厳がどこかへ旅立ってしまう。

 

「真面目な話してもいい?」

「もちろんだ」

 

 ようやく頭から足を離してくれたので、話を聞く姿勢を作る。

 

「綾小路くんは、一之瀬さんに構ってる暇ないんじゃないかな」

「というと」

「今、結構、大変なことになってるよ」

「心当たりがないんだが」

 

 とかいいつつ、あるといえばある。堀北ペット事件のことだろうか。

 それとも生徒会長と南雲に勝ってしまった件か。

 

 前者なら、話題になって欲しくない。後者なら歓迎だな。モテ期が来てしまう。

 体育祭でペットを公開した男とか、呼ばれたくないに決まっている。

 

 鈴主とかいう呼び名を定着させるわけには、いかないのだ。

 

「体育祭からずっと大人しかったよね?」

「勉強つーか、山内で、かなり忙しかったからな」

「1週間放置は、まずかったかも」

「どういう意味だ」

 

 そう。確かに1週間以上、Tレックスとは、遠ざかっている。

 夏以降では、最長記録だ。

 

 性欲が溜まりまくりだ。

 なんだったら今朝、朝勃ちで布団が消えてしまって、目が覚めたくらいだ。

 

 布団が吹っ飛んだをTレックスでやることになろうとは。

 

「そのせいで、今の女の子からの評価はこんな感じになってるよ」

 

 情報通の櫛田が、オレに対する女子の評価をまとめてくれていた。

 

 女の子からの評価

 ・櫛田桔梗   …普通

 ・堀北鈴音   …ときめき 爆弾

 ・佐倉愛里   …ときめき 爆弾

 ・長谷部波瑠加 …好意

 ・佐藤麻耶   …好意 爆弾

 ・松下千秋   …好意 爆弾

 ・小野寺かや乃 …好意

 ・一之瀬帆波  …好意

 ・橘茜     …好意

 ・白波千尋   …嫌い 爆弾

 

「なんだこれは」

 

 これは色々ひどい。特に最後の子が怖い。

 

 爆発までの猶予は、来週末らしい。詰んだか。

 

 いや、今日が金曜日なので、まだ9日もあるじゃないか。

 1日1人ボマーを捕まえればいけると考えれば、まだリカバリーできる範囲のはずだ。

 櫛田の情報が早くて助かった。

 

 大丈夫だ。まだ慌てるような時間じゃない。

 

「これは大変だ」

「大変だね」

「櫛田からの好感度が普通だなんて低すぎる」

「そこなのっ!?」

「これは何が何でも好感度を上げなければ」

「それですぐ服を脱ぐのは、いくら私もどうかと思うんだけど、爆発しちゃうよ」

 

 Tレックスの力を借りて、櫛田の好感度を上げる。何も間違ったことをしていない。

 

「幸い今日は金曜日だし、学校まであと50時間あるか」

 

 櫛田の好感度を上げる時間は、たっぷりとある。

 

「えっと、綾小路くん? じょ、冗談だよね?」

「安心して欲しい。1週間以上溜まっている」

「それ安心できないやつだから」

「食料も数日なら問題ない」

「問題あって欲しかったんだけど」

「櫛田の好感度を手に入れるためだ、オレは何でもする」

「ちょっと待って、好き、好きだよ。大好きだから、愛してるから」

 

 問答無用だ。今更遅い。

 

「TレックスのTは?」

「ときめきのT」

 

「櫛田」

「綾小路くん」

 

「「綾小路ティーーレーーーーーックス」」

 

 ここから、50時間の長い戦いが始まった。

 

 なんだかんだあって櫛田からの好意を勝ち取ることが出来たのだった。

 

 女の子からの評価の変化

 ・櫛田桔梗   …普通→ときめき

 

 ペーパーシャッフル編に続く。




女の子情報(最新版)
 ・櫛田桔梗   …ときめき
 ・堀北鈴音   …ときめき 爆弾
 ・佐倉愛里   …ときめき 爆弾
 ・長谷部波瑠加 …好意
 ・佐藤麻耶   …好意 爆弾
 ・松下千秋   …好意 爆弾
 ・小野寺かや乃 …好意
 ・一之瀬帆波  …好意
 ・橘茜     …好意
 ・白波千尋   …嫌い 爆弾
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