10月15日 火曜日
目覚ましが鳴る前に、カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた。
ゆっくりと身体を起こす。
佐藤が大人しく帰ってくれたおかげで、睡眠をばっちりとることができた。
ようやく頭が回りだしたような気がする。
ボマー5人のうち1人が解決したのもあって、いつも以上にスッキリしている。
そして、特別試験が始まったという実感が今さらながら湧いてきた。
昨日までは前哨戦で、今日からが
◇◇◇
昼休み。
クラスの中心メンバーで集まって、特別試験に向けた打ち合わせを行う。
「綾小路くん。今日が締切だけど、攻撃は
「それ以外、選択肢がないからな」
平田の確認に、同意する。
昨日は説明を省略したが、期末テストはペアを組んで戦うだけじゃない。
クラス間の争いにもなっている。
攻撃したいクラスを指名して、期末テストのクラスの総合点を比較する。
勝利したクラスが負けたクラスから50クラスポイントを奪うというルールだ。
各クラスが攻撃するクラスが被らないように調整されるため、必ず攻撃側と防衛側の両方の立場で戦わなければならない。
Aクラス→Bクラスへの攻撃
Bクラス→Aクラスへの攻撃
このケースだと、Aクラスが勝利すれば、攻撃分と防衛分で合わせて100クラスポイント奪うことができる。
増えるポイントと減るポイントを考えれば、一気に200ポイント差が詰まることになり、勝っても負けても変動が大きいルールだ。
「今のクラスの状況だと、総合点で勝てそうなのがDクラスしかない。これがどうにかならない限り、他のクラスを攻撃することはできない」
「結局、そこに落ちつくのね」
この辺りは共通認識だから、話が早い。
指名先が被った場合、ランダムになるというのが怖いところだが、そこまで心配しなくていいと思う。
まずは、
一之瀬率いるBクラスは、このチャンスにAクラスを叩きに行くはずだ。
C→D
B→A ここまでの指名は、確定と言っていい。
読めないのがAクラスだ。
慎重派の葛城が、強敵であるBクラスを指名することは考えにくい。
指名するとすれば、CクラスかDクラスのどちらかだが、半々だと思う。
元々Dクラスで、学力的に低いと見られている現Cクラス。
現在Dクラスに落ちたが、元々はCクラスに居たDクラス。
どちらの方が与しやすいと判断するのかは、葛城の胸の中次第だ。
どちらを指名しても勝つ自信があるだろうから、どちらでもいいとも言える。
A→C or D(ハーフ&ハーフ)
最後に残ったのが、龍園率いるDクラス。
C→D
B→A
A→C or D
ここまでは、龍園にも見えているはずだ。
龍園がどんな戦略を描いてくるのか、読み切ることは難しい。
だが、Bクラスを狙うと予測する。
体育祭でのターゲットが、明らかに一之瀬だったこと。
一之瀬を助けたオレとも因縁ができたが、C→Dが実現すれば、その時点でCクラスとは勝負することができるわけで、指名する優先度は低い。
つまり、攻撃側でBクラスと勝負して、防衛側でCクラスと争う。
この選択の最大のメリットは、龍園に決定権があることだ。
D→B
B→A
が被り無しで相手が確定する。
残ったのが
パターン1 AクラスがCクラスを選んだ場合。
C→D
A→C
これはそのまま確定だ。
パターン2 AクラスがDクラスを選んだ場合。
C→D
A→D
一見すると被っていてランダムで選ぶことになりそうだ。
だが、守備側として残っているのは、CクラスとDクラスしかない。
自クラスは指名できないので、C→Cは成立しない。
つまり必然的に、こうなる。
D→B
B→A
C→D
A→D→C(A→DにするとC→CになるのでAクラスの指名が弾かれる。)
この選択なら運に天を任せなくても、対戦相手が選べる。
最大のメリットは、一番強いAクラスを確実に外すことができることで、龍園なら選ぶはずだ。
一方で、堀北クラスはAクラスから攻撃されることになり厳しくなるが、唯一勝ち筋のありそうなDクラスへ攻撃できるので、プラスマイナスゼロってところか。
有利を取りたいが、クラスの状況が中々それを許してもらえない。
これで、どのクラスを指名するのかは決まった。
「あとは問題作成か」
「私の担当ね。何人かに声を掛けて、今日にでも動き出すわ」
問題を作る。それが今回のテストで、一番重要な部分だ。
Cクラスでは堀北を中心に作ることが決定している。
「ああ。ただ、対戦相手が決まってからでもいいんじゃないか?」
期末テストの特別ルールその2
攻撃されるクラスに対して出題する問題を、攻撃する側が作成する。
どれだけ難しい問題を相手に押しつけることができるのかが、結果を大きく左右することになるだろう。
「早く動き出した方が有利じゃないかな」
「時間をあまり無駄にしたくないわ」
対戦相手は、ミニテスト後に発表される。
待つとしても数日の差だ。
とはいえ、期末テストに用意しなければならない問題は、8科目×50問で400問だ。
それをおよそ一ヵ月後の締切までに作らなければならない。
数日間でもロスするのは痛い。
「問題を作り始めても無駄にはならないと思うが、対戦相手次第で取れる手も変わるはずだ」
時間がないことが分かっていても、急がないことを提案する。
「相手に応じて問題を変えるってこと?」
「それができれば理想だが、そこまでは無理だ」
松下の質問に、軽く首を振った。
そもそも相手クラス全員の得意不得意が分かっていなければ、問題を変える意味がない。
もしかしたら隣でニコニコしている櫛田に聞いたら「だいたい分かるよ」とか言い出しそうな気がするが、そこまで知っていたら怖すぎる。
里中*1は漢字が苦手で、とか把握してたら怖い。
せいぜい、女子の好感度と爆弾所持の有無を教えてくれるだけで十分だ。
つーか、それだけでも十分怖いし。
よくよく考えたらどうやって知っているんだ。……掘り下げるのは、やめておこう。
「オレが考えているのは、共闘だ。上手く対戦相手が分かれれば、Bクラスとなら協力できる」
想定通りなら、各クラスの攻撃相手はこうなる。
A→C
B→A
C→D
D→B
Bクラスは、Aクラスを攻撃し、Dクラスから防衛する。
Cクラスは、Dクラスを攻撃し、Aクラスから防衛する。
つまり、BクラスとCクラスは、争わずにすむ。
「どこまで協力するのかは話し合い次第だが、例えば半分ずつ教科を分散して、担当して持ち寄るとかどうだ」
「そうね。問題作成が半分で済むのなら、質をより上げることができると思うわ」
8科目×50問をBクラスとCクラスで分けて製作する。
4科目×50問×2クラスだ。
これだけで400問から200問への大幅減となり、一問あたりに使える時間が増える。
「Bクラスなら今までも協力してきたし、一緒にできそうだよね」
櫛田がみんなはどうかなっといった感じで、オレの考えに乗ってきた。
「なるほど。綾小路くんの言いたいことは分かったよ。船上試験でも協力して結果を残せたし、体育祭でも一緒だった。Bクラスと協力できるのなら、僕も賛成するよ」
「Cクラスには、デメリットがない話に見えるわ」
これまでの試験での積み上げが、取れる戦略を広げている。
入学早々、クラスポイントが0になったことを思えば、堀北クラスも戦えるクラスになってきたことを実感する。
対抗してAクラスとDクラスが組まれると厄介だが、龍園の信用の低さがそれを許さないだろう。
意見がまとまった。問題作りは、対戦相手が決まってから動き出すことになった。
予定通りいかない可能性もあるが、せいぜい数日だ。許容できる範囲だろう。
やらなければならないことは、他にもある。
Cクラス全体の底上げのための勉強会だ。
「綾小路くん。あなたが池くん達を引き受けてくれたら助かるのだけれど」
「……勘弁してくれ」
それは中間テストだけでコリゴリだ。
山内が体育祭で下位に入ってしまい、中間テストが減点されるペナルティーを受けたことについてオレに責任があった……気がしたから引き受けたが、望んでやったわけじゃない。
「次のテストは、クラスの合計点で争うんだよね?」
「そのはずだよ」
「それじゃあ退学だけを考えるんじゃなくて、私たちも頑張っていい点狙わないとだね」
「そうだね。勉強の心配がない生徒も、より高得点を狙ってもらうのがベストかな」
今までの勉強会は、退学が危ない生徒に向けたものがメインだった。
出来る人たちは放っておいても自主的にある程度の点数を取ってくれるから、わざわざ勉強会に巻き込む必要はない。
今回ばかりは、そういうわけにはいかない。
他クラスと争う以上、勉強ができる組もより上を目指す必要がある。
「できるだけみんなに参加して貰わないと……」
「櫛田さんの言う通りだね。参加しやすいように、今回の勉強会は、二部構成にしたいと思う。
一部は、部活をやっていない生徒向けに、早い時間から。
二部は、遅い時間からでこっちは僕が主に担当するよ。あとは一部だけど」
「私が担当するわ」
「堀北さんには問題作成のメインを頼もうかと」
「優先順位は間違えないわ。だから一部だけよ」
堀北のリーダーらしい姿を久しぶりに見た。ちょっとした感動だ。
いや、あれは単に自ら苦難に追い込むドMなだけか。感動を返せ。
ハードスケジュールになるが、堀北ならやり遂げるだろう。
むしろご褒美なのかもしれない。
「私は、両方に参加できるだけ参加するね」
「お願いしてもいいかしら」
「うん。堀北さんからのお願いなら頑張っちゃうかもっ」
櫛田が、実にいい笑顔を浮かべていた。
ニコニコしているが、内心は堀北ウゼーって思っているんだろうな。
爆弾処理が終わったら櫛田のストレス発散のフォローしておこう。
「僕と堀北さんで赤点が危ない生徒を中心に見るから、櫛田さんはそれ以外を頼めるかな」
「うん、分かった。っていいたいところだけど、難しい問題だと私も教えられないかも」
櫛田は優等生だが、学力トップ層からは少し劣る。
「私がフォローできる範囲でフォローするってのでいい? どっちにも参加できるし」
「……そうね。任せるわ」
そこで名乗り出たのが松下だ。
二学期に入ってからその実力を発揮し始めた松下は、中間テストで堀北、みーちゃんの成績最上位層に次ぐ成績を叩き出していた。
Aクラスを目指す仲間としてクラスに貢献してくれている。
あとは男子のトップの幸村が、加わってくれたらいうことないんだが、幸村は須藤の面倒をある程度見てくれているので、それでよしとするか。
高円寺は知らない。成績が良くても戦力外だ。
こうしてある程度の方針が決まって、クラスの打ち合わせは終わった。
◇◇◇
放課後。
「タブレットでいいのか? 前は、デジカメを買い替えたいって言ってたけど」
「うん。前はデジカメを良い奴にしたかったんだけど、写真だけじゃなくてちょっと動画も増やそうかと思ってて……」
「動画目当てならビデオカメラの方がいいんじゃないか」
「最近のは画質もよくなってるから大丈夫、これなら編集までしやすいから」
「そういうもんか」
佐倉と二人で、家電販売店を物色していた。
家電というものにはまだまだ疎く、佐倉の説明に頼るしかない。
こうなるんだったら、博士に事前に相談しておけばよかった。こういう場面では、博士の方がオレの100倍くらい役に立ちそうだ。
「でも、本当にいいのかな。買ってもらっちゃって」
「だいぶ余裕があるから心配しなくていい」
「欲しいのだと10万超えちゃうよ」
「愛里の撮った動画なら俺も見たいし、先行投資みたいなもんだから」
「うーん……分かった。買ってもらうね」
悩みに悩んで佐倉が選んだのは、ミドルレンジのタブレット端末だった。
PRO仕様?の20万オーバーからしたら安い。
が、それでも11万弱というなかなかの品物だ。
地味に痛い。
もっとも体育祭で高円寺に代理で出てもらうために、10万ポイント支払ったことを考えれば、こっちの方がだいぶ有意義な使い方か。
体育祭総合1位で取り返せたとはいえ、
レジへと持っていき、購入完了。
当たり前だが、店員は佐倉のストーカーではない。あいつはあの事件で退職になったらしい。
「愛里、誕生日おめでとう」
「ありがとう。プレゼントもだけど、清隆くんに覚えててもらったことの方が嬉しい」
一緒に買ったこともあって、ラッピングも何もないプレゼントだったが、それでも佐倉は嬉しそうに胸に抱いていた。
「当たり前だろ。特別な友達なんだから」
「うん。でも嬉しいし」
そう。佐倉にタブレット端末をプレゼントしてのは、気まぐれや爆弾処理ではない。
爆弾が非常に気になるところだが、それよりも優先すべきことがあった。
本日10月15日は、佐倉の誕生日だ。
特別な友達に対して、誕生日プレゼントを用意するのは当然だろう。
本当はデジカメを買う予定だったが、佐倉のリクエストでタブレット端末となったというわけだ。
本人に直接聞いてよかった。デジカメをプレゼントしていたら、微妙な笑顔に終わった可能性もある。佐倉なら喜んでくれそうだけど。
「どんな動画を撮るつもりなんだ?」
「……プールの後、みんなで動画撮ったでしょ」
「ああ、あったな*2」
池や山内の盗撮計画を防いだ後で、オレの部屋で堂々と着替えと水着の撮影をしたんだっけ。
悪ノリがし過ぎたと反省している。
いつメンは、百歩譲って問題がなかったと思うが、オマケでついてきた園田と石倉にまで手を出したのは問題だった。
あれ以来、ちょっと気まずい。
そりゃそうか。
ああいうのは二度とやるべきじゃないな。
「毎年撮るって約束だったから、せっかくだから画質が良い映像が撮りたいなって」
「……ソウダナ」
二度など言わず、毎年やろう。オレはやるべきじゃないと思ったが、佐倉がそういうんだから仕方ない。
しぶしぶながら、承諾するしかなかった。
うん、しぶしぶだから。オレは全然やりたくないんだが、特別な友達に言われたら、やるしかないってだけで。
「清隆くん?」
「いや、なんでもない。来年が楽しみだな」
「うん」
佐倉が良い笑顔で笑っているんだから、間違いなかったと思いたい。
それでいいことにする。
問題は、あることに気づいてしまったことだ。
これってあれだな。
佐倉の誕生日という名目で、みんなの裸体を綺麗に撮影するために、11万払った形になるのか。
あ、でも、よくよく考えてみたら別にいいか。元々は、佐藤からもらった48万ポイントが原資だから、佐藤の裸体を撮るために使うのは正解な気がしてきた。
せいぜい佐藤の裸体を綺麗に撮ってやろう。
ついでに編集でちょっと盛ってやってもいいかもしれない。来年までに編集技術を磨かないと。
「それで……その……」
「どうした?」
「さっそく、撮影してみたいんだけど……」
「いいですとも」
佐藤の前に、佐倉だった。
「それで、どこで撮る?」
「わ、私の部屋でいい?」
「分かった」
佐倉と言えば野外のイメージがあるけど、流石に野外撮影はハードルが高いか。
今日は佐倉の誕生日だ。出入りを見られても誕生日を祝っていたで言い訳が立つ。
さっそく購入したタブレット端末を使うため、佐倉の部屋へと向かった。
うん、なんか佐倉って感じのする部屋だ。すごく女の子っぽいのに、落ちついてもいるし、片付けられている。
「うー……部屋はちょっと恥ずかしかったかも」
適当にベッドに並んで座ると、佐倉が悶えだした。
普段自分が生活するスペースを見られるのが恥ずかしいらしい。オレにはなかった感情だ。元々部屋には私物が少なく、あまり自分というのがなかったせいかもしれない。
ならば恥ずかしくないように、撮影モードに入る手もあったが、その前にやらなければいけないことがあった。
そう、爆弾の解除だ。
「わざわざ部屋に入れてくれたんだ。何か話があったんじゃないか?」
「ちょ、ちょっと相談があって」
ビンゴだ。佐倉の相談したいこととか予想がつかない。
とはいえ、佐倉だ。そう変なことではないと思いたい。これが相手が堀北からの相談なら逃げだす準備を考えたいし、万が一櫛田からだとしたら想像するのも怖いくらいだ。
もじもじとした佐倉が落ち着くまでしばらく待った。
「私、どうしたらいいのかなって」
「…………」
「みんなでAクラスを目指したいのに、体育祭もあんまり活躍できなかったし、勉強もカテゴリー3だし……足手まといになっちゃってる」
良かった。かなりまともな悩みだ。学生なら誰でも大なり小なり悩みそうなことで、競争を強いられるこの学校なら余計にだろう。
特別試験に向けた堀北クラスのミニテスト対策。
中間テストの結果を受けて、佐倉はカテゴリー3、下側に分類されていた。リードする側とされる側でいえば、される側だ。とはいえ、22位とか23位とかだったはず。中間層だ。
「そうだな。そこまで心配しなくていいとは思うが、不安は残るか」
「……やらなきゃって分かってるのに、中々前に進められない自分が嫌になりそうで」
「なるほど」
体育祭で一之瀬が狙われた時に、龍園に証言してくれただけでも十分大活躍だったんだが、本人が気にしているのなら、言っても届かないか。
どうアドバイスするべきか。
「愛里は前に進んでいると思う。前は参加していなかった体育にも参加するようになったし、アイドルの姿を隠さなくなった。勉強会もしっかり参加している、あとは結果がついてくるだけだ」
「…………」
佐倉は根が真面目なだけに、やるべきことはやっている。それでも結果が出ていないもどかしさが、余計に焦らせてしまっている可能性が高い。
「そうだ。中間テストの解答を見せてもらえないか。点数を聞いただけで、中身を見てなかったな」
「……ちょっと待ってて」
佐倉が丁寧にファイリングされた中から、2学期中間テストの答案用紙を取り出した。
それをざっと確認する。
「なるほど、こんな感じか」
佐倉の学力は大体把握している。が、その学力からしたら点数が伸びていない。
「愛里、焦りすぎ」
パシ、と軽く愛里のおでこをチョップする。
「あいたっ」
「落ち着いてとけばもうちょっと解けただろ。ケアレスがミス多すぎる」
「うう……緊張しちゃって」
「基礎的な部分は出来ているのに、途中で計算間違えたり、問題を読み間違えたり。今の愛里に、応用問題が出来ないのは仕方ないが、これはひどい」
取るべき問題が取れていない。取捨選択が下手過ぎる。
まともに解けていたら、カテゴリー1は無理でも2には入れていたはず。
「退学が掛かってるって思うとどうしても……私、ダメだよね。せっかくみんなと一緒に勉強会してるのに」
「こればっかりは慣れるしかないからな」
緊張から実力を発揮できないタイプか。模試ではA判定を取っても、受験本番で失敗するのは愛里みたいなタイプだ。
愛里は、基本は出来てても応用が苦手なタイプでもあるので、そこはこれからも勉強会で補っていくとして、問題は性格からくる不得手か。
うーん、どうしたもんか。
「とりあえず、本番の練習をしよう」
「本番の練習?」
「そうだ」
愛里、知っているか。
本番という意味に込められた意味を。
今日は誕生日プレゼントを使って、着替えとか水着を撮る予定だったが変更しよう。
カメラの前でどんどんプレッシャーをかけて慣れさせていこう。
「愛里」
「清隆くん」
「「綾小路ティーーレーーーーーックス」」
佐倉の不安に対して、一定の道筋をつけることに性交し、爆弾を解除することができた。
こうして、佐倉への誕生日プレゼントとして新たな武器を手に入れたのだった。
あの頃は、ポイントに余裕がなかったんだ。
とはいえ、いろんな意味で一之瀬には秘密にしなければ。
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