最強の勇者はポーション中毒者   作:ec

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第23話

 

 流石にクオリティブレイバーに差があるとそれだけボーナスの報酬が追加されるらしい。そんな事より支給品を増やして欲しいとは思った。

 

 指定出来る支給武具は少なくとも俺達の装備とは比べ物にならないが、武器と防具は合わせて1人2点までだ。支給品はそこそこ良いらしい。

 

「しっかし仲間が欲しいな……」

 

 ギルドのクエスト控え室に行くのもだるくて、場所は移動せずにその場で武具を注文することになった。

 

「4人じゃ足りないのかしら?」

 

 ライトは至急可能アイテムを眺めながら俺の愚痴に噛み付いた。

 

「街の戦士達が総員で失敗だからな? それ分かってんのかよ」

 

「私達のブレイバー見て言ってる? 低くても経験は豊富なのよ」

 

「どうせお前の経験なんて下半身の話だろ」

 

 見た目的にチャラいしな。

 

「私の下半身知らないでしょう!?」

 

 ドラゴンは最優先で対策したい、物理にも耐えれる防具はあるか……?

 

「無視はダメよ? ちょっと」

 

「うるせえな! 終わってから聞いてやる」

 

「そうですよ、シンクさんが折角倒す為にしてるんですし」

 

「……そうね」

 

 防具はドラゴンの鱗を使ったタイプにするとして、あとは武器か。

 

 出来れば属性に囚われなくてバランスよく立ち回れる武器がいいな。

 

 俺は早速クロスに聞いてみた。

 

「ポーションブレーダーとかどうでしょう?」

 

「ほう?」

 

 俺の為にあるような武器の名前だ。

 

 鍔に専用のポーションを埋め込む部分があるらしく、そこに様々な効果のあるポーションを嵌めて柄の引き金を引くと効果が発動するらしい。

 

 ガンブレードって感じだな。

 

「大体はひと振りしたら効果無くなりますけどね」

 

「そうなのか?」

 

「ポーション自体小さいので、ひと振りするほどしか時間が無いんです……それでも使いこなせたら強いと思いますけど」

 

「それにするか」

 

 俺は防御力と軽さを両立したカルミ鉱石の防具とポーションブレーダーを選んだ。専用のポーションはありったけ選ぶ。

 

 他の3人は魔力を高める、透き通ったミスリル鉱石の鎧を纏っていた。お陰で3人の露出度が若干高い

 

「シンク騎士っぽいー」

 

「そうか?」

 

 まあ腰には2本の西洋風な剣がぶら下がってるしな。持ち手のガードがある辺りレイピアだと思える。

 

 武器の方だが、アンジュは雷鳴の斧鉞という見た目重視の武器を選んだらしい。そのまま斧である。

 

 クロスは教会の譲り手、ミスリル鉱石を挟んだ回復の最上位だな。

 

 ライトだが……。

 

「なんでこんな重い斧を持たないと行けないのかしら!?」

 

 クロスと同じ武器じゃない事に疑問を持っていた。

 

「まあまあ、シンクさんは考えてるんですよ」

 

「何処が? ねえ、何処が?」

 

「すまん、何も考えてない」

 

「ほら!」

 

 ライトには俺達の体を隠せるほどの斧を持たせていた。斧に血走った血管のように浮いている真っ赤な亀裂。何もかも壊してしまいそうだ。

 

 斧が2つもあるんだな、そういえばだけどな。

 

「ま、待て。これは斧に見えるけどな、メイスだから」

 

「これは……サタンオーガですね」

 

「余計な事を言うなよ!」

 

 なんとか説得してライトを斧にさせて、支給品を選んだ。

 

 俺はありったけのポーションとブレーダー用のポーションにした。

 

 3人は好きに選ぶだろう。

 

「あー! あんぱんあるね」

 

「では、メロンパンを貰うかしら」

 

「ぼうしパン懐かしいです……」

 

「…………」

 

 選び終えた後、俺は後悔していた。

 

「なんでだ?」

 

「ん……美味しいな〜」

 

 3人が選んだ支給品は全て食べ物だった。なんかこう、手榴弾的な手投げ武器は思いつかなかったのか?

 

「パンっていいよね」

 

「アンジュが言うと説得力があるな」

 

「なんで?」

 

「そこ、口にパン付いてるぞ」

 

 気が折れそうなパーティーだ。俺はそう思いつつ、準備を済ませてギルドを出る事にした。

 

 

 

 

 草原には不気味な事に人が転がっていた。

 

「ひっ……生きてる?」

 

 クロスが無言で転がった人に触れる。

 

「死んでますね。ギルドクエストなんでしょう」

 

 転がった人は数しれず。門の前だと言うのに目に見える距離で沢山の人が転がっている。

 

 ファントムキングに殺られたのだろうか。

 

「警戒していこうか『教会の譲り手』」

 

 クロスに回復用の杖を投げ渡した。

 

 武器は現場に着くまで俺が持つ事になっている。

 

「分かりました」

 

 ゆっくり歩きながら、確実にゴブリンの集落に向かっていく。いつもの草原ではなく、曲がって森に入るのだ。

 

 ファントムに遭遇するのは避けたい所だが、同時にドラゴンと遭遇するのはもっと避けたい。

 

「なあ、ファントムキングは不死とかじゃねえよな?」

 

「不死はないと思います」

 

「そうか」

 

 ドラゴンは火を吹いたら森が焼けてしまうと分かっているのだろうか。

 

 ふと疑問に思った。ドラゴンが森に居るとしたら争いに向かない気がするんだ。

 

 

 

 

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