ダークソウルVRMMO   作:南洋

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お待たせしました!次回も玉ねぎ騎士の
視点になります。何故玉ねぎ騎士の話を
書いたら2万字以上になる・・・なんでだ。
5000文字以下になるよう編集中です。
次回は2〜4日後の投稿予定です。
あと誤字脱字報告ありがとうございました!


冒険者が玉ねぎになるまで

僕は何の変哲も無い社会人だ。

根暗で引っ込み思案。

そんな性格だから上司には怒鳴られ頭を下げて謝る。

先輩や後輩にもこき使われ、毎日クタクタになるまで働く。仕事でのミスは自分だけ許されない。

仕事は正に生きる為に行く。

飲み会だって苦痛でしかなかった。

 

平日はいつも憂鬱。

休日はどこにもいかず、唯一の癒しのゲームをする。自室が僕の居場所。ゲームだけが僕の日常でのたった一つの楽しみ。ゲーム仲間と会話して、冒険して、一緒に遊んだ。現実ではダメダメな僕がゲームの中なら輝けていた。だから自然とゲームに、仮想の現実にはまり込んでいった。

 

そんなある日、クタクタになり帰宅してもはや日課となりつつあるネットサーフィンをしてるととあるゲームでの掲示板を見つけた。

 

「まずは装備をだな5スレ目」

1:この場所はロールプレイをする者が

崇高な使命を持ち、生き様について語る

酒場だ。人の生き方にケチをつける輩は

大人しく帰りたまえ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

302:いや、しかし王女様の胸はやはり・・・

 

303:王女様・・・おいたわしや・・・・

 

304:>>302死に急ぐこともあるまいに!

 

305:このスレのモラルも限界とみた。

 

306:>>302貴公・・・死にたいらしいな

 

307:淑女を悪くいう者は立派な騎士にはなれんぞ。

 

308:若いのう・・・

 

 

ロールプレイをする人が集まる掲示板だった。

姫プレイをする人、アイドルになる人、無口な職人になる人。果ては馬鹿になる人。

 

新鮮で衝撃で、馬鹿馬鹿しいなんて毛ほどにも思わなかった。

だって羨ましかったから。

 

そこから自分はロールプレイをする掲示板をずっと見てた。飽きもせず毎日、仕事の合間にも。

だって楽しそうだったから。

現実ではできないことが出来るから。

英雄になれるから。

ヒーローになれるから。

本やゲームでの体験を生身で感じてみたかったから。

 

掲示板を見た日からしばらく経ち、掲示板を見ているだけでは物足りなくなる自分がいた。

 

「やってみたい・・・」

 

そんな言葉が出るぐらいに悩み、もしできたらどんなロールプレイをするか妄想する日々。仕事も手がつかず、怒鳴る上司の言葉も右から左に抜けて行く。

 

そこからまた数日、悩みに悩み、

遂に決心した。

 

「やろう。」

 

決心してからは僕の行動は早かった。今まで貯めてきた貯金を崩しVR専用のカプセルを買った。貯金はそんなに多くなくて懐は寂しくなったけど構わない。不思議と後悔はしなかった。

 

買ってからは早速有休を取り、ルンルン気分で帰宅する。

家の前にはもうすでにカプセルと業者さんが居てすぐに設置してもらった。設置した後、我慢出来なくて注意事項が書いてある説明書を読まずにカプセルの中に入りゲームを起動する。もちろんやるゲームはあの

「ファンタジーオンライン」だ。

ドキドキと胸が踊る。

 

起動した後チュートリアルとキャラクリをしてこの仮想現実に降り立った。

 

「おぉ・・・」

 

最初の街の中心にある噴水。

辺りを見回すと初心者装備の人や明らかに凝った鎧を着た人。冒険者が辺りを埋め尽くしていた。

他にも賑やかな露店、市場。

酒場やギルドなど現実では無いお店。

楽しそうに話す人々。

獣人やハーフなどの色々な種族の人々。

 

画面から見ていた景色が

今、目の前にある。

 

感動でしばらくその場から動けなかった。

 

 

「貴殿、その場から動いていないが

どうしたのだ?」

 

いつまで経っても動かない自分に対し装飾が豪華な鎧を着た人に声をかけられる。

 

「あ、いや、ちょっと感動してて・・・」

 

「あぁ、確かにわかる。

我も最初はこの街並みが圧巻で

感動に胸が震えたものだ・・・」

 

「すごいですよね・・・

現実ではありえない光景ですし。」

 

「そうだな、

この景色はリアルではありえん。

他にも様々な景色があるぞ?

王城だったり地底湖や天空にある

都市などな。

そうだ、貴殿が良ければこの辺りを

案内しようか?」

 

「・・・!是非!お願いします!」

 

「・・・おぉ、随分と食い気味だな貴殿」

 

余りに食い気味で少し相手が引いてしまう。恥ずかしいけどこれから冒険が始まると思うと僕は居ても立っても居られずにいた。

 

その後親切な人はこの街を案内してくれたり、ステ振りとスキル構成やおススメの狩場、戦闘スタイルまで教えて貰った。更には

 

「お下がりで申し訳ないが

貴殿の役に立ててくれ」

 

「いえ!受け取れませんよ。

ここまでしてもらったのに・・・」

 

「ふ、我にはもう使わない代物だ。

貴殿が使ってくれる方がその装備も

喜ぶだろう。受け取りたまえ。」

 

親切にも初期では買えない装備を譲って貰い別れ際には

 

「貴殿の旅路に祝福あれ!」

 

と激励を受けた。

「ありがとうございました!」

と僕は返し、早速あの人のアドバイス通りにクエストやシナリオを有休二日間丸々使い進めていった。

有休が終わった後、すっかり僕はこのゲームの魅力に囚われてた。

リアルでは味わえないスリルだったり、

非科学的な魔法とスキルを体験したり。

有休が終わっても楽しすぎて会社に遅刻しそうになるまでやりこみ、終いにはカプセルのセーフティーモードが入り強制的にログアウトさせられたりもした。

 

会社では早く帰って冒険がしたい一心で必死に仕事をする。その余りの気迫にお前どうしたんだと言わんばかりの顔を仕事仲間は浮かべていたけどそんなのはどうでもいい。上司の呼び出しも理不尽に怒鳴られはするけどゲームのためだと思うと楽に思えた。

 

二週間経った日、ロールプレイする際は必須の見た目を変えれる強化素材を全財産を使って遂に買った。

このゲーム、鎧や衣服の見た目をオリジナルで作れるのだ。もちろん剣や盾も出来るのだが値段が高い。

明日からまたゴールド稼ぎだな、

そんな風に思いながら早速鎧の見た目を前々から考えいた見た目に変える。僕はリアルぽっちゃりでゲーム内でも体型は変更しないで遊んでいた。何故かと言うとその方が身近に感じられると思ったからだ。そのため既存にある鎧や格好は似合わず、どうしても重装甲な鎧しか似合わない。

だけどそれだと面白くないから見た目は奇抜な鎧にしようと前々から考えていた。

 

強化素材を使うとウィンドウが開き設定画面が出る。嬉しくて震えてしまう手で慎重に設定していく。

まず現実での鎧でもあり得ない丸っこい形の胴体。

おまけに三段腹のような装甲。

玉ねぎみたいなヘルム。

篭手も指が無いタイプに。

 

そして出来上がったのが自分が考えていた見た目の玉ねぎ騎士だった。この見た目にした後しばらく鏡の前で自分の姿をまじまじと食い入るように見ていた。

まるで玉ねぎのようだと心に思いながら鎧の見た目を変更したら見せてくれてと約束していたフレンドに早速この姿を見せに行った。

見せた瞬間にフレンドが固まる。

 

「おま、おま、なんだその見た目!?」

 

「玉ねぎにしかみえねーぞwwwww」

 

「三段腹www三段腹www

腹いてぇwwwww」

 

結果はご覧の通り。更に悪戯心が芽生え、無言で剣を構えてスキルを発動する。使用するスキルは動きが派手な特大剣用の回転切り。しかも連続で。

 

「玉ねぎが回るとかwww」

 

「ふぁーwww」

 

途中で気分が良くなり

 

「まわれ〜玉ねぎ〜命を抱いて〜♪」

 

一斉にフレンドが崩れ落ちていく。一通り笑かした後、回転を止めて未だ腹を抑えて笑うフレンドに対しかっこよく右手を振り上げて大袈裟に、しかし優雅に一礼をする。

 

「ブッフォwwww」

 

「ハッハッハッハッ!!やめ、やめてぇ!」

 

フレンドの腹筋は崩壊したようだ。

満足した自分はその後ロールプレイをするため自分の性格とは反対の豪快で騎士のような口調に変えた。その見た目で豪快な口調は掲示板でも話題となり

 

502:おいwwwなんか変な見た目のやつがいるぞwww

 

503:何故玉ねぎが回ってるんだwww

 

504:玉ねぎの妖精かな?

 

505:お、玉ねぎ騎士さんもこっちに来てるのか。

 

506:玉ねぎだけでわかる見た目よwww

 

颯爽と戦場に現れ回る玉ねぎ騎士。何故か見た人は幸せになれると噂されるようになった。

なんで?

 

その後数ヶ月、この見た目でロールプレイをしてたある日、最初に出会った親切な方からとある興味深いメッセージが来た。

 

「貴殿、巨人に挑んでみるか?」




アイテム名 ヨハンの大鉈
ヨハンがとある巨人を参考に鍛冶屋に作らせた特注の鉈。その見た目からくる威圧感と圧倒的なリーチは対峙した者を恐怖させる。
ヨハンはこの鉈を日常でも手放なさずいつも背中に背負ったままだった。
しかしヨハンが亡くなった後、この鉈は今どこにあるのか分からず小さな友もその所在について決して語らなかった。
わかることと言えばこの鉈は今も主人と共にあることだけだ。
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