全裸魔王と人理修復   作:ハンバーグ男爵

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遥か長い時を過ごした気がする…(1ヶ月ぶり投稿)

3周年だよ!新キャラガチャだよ!
ばら撒いた石の数だけ爆死がある。此処は戦場、呼符と聖晶石に己の欲望を賭け、皆無様に散っていく。爆死報告と呼符来ました報告飛び交うTLの中でキリコの飲むウドの珈琲は、苦い(Cv銀河万丈)

福袋はオルタニキでした。持ってない鯖で良かったけど、本当はえっちゃんが欲しかったんや…



12話 堕ちた元帥と魔王様

 

此処とは違う世界のお話

 

ほの暗い奈落の底から、地獄の軍隊がやって来る。

人間達を嘲り嗤う魔物の軍勢、雄叫びを上げる異形の集団は、無差別に村を焼き、街という街を蹂躙した。国と名のつく集団は全て崩壊し、人々は魔物に虐げれられ、人類という存在は『人を産み、英雄を呼ばぬ為の装置』と成り果てた。

 

魔王の破壊衝動と、いつまでも治まらぬ人間への憎悪に身を任せ、思いのまま気の向くまま、向こう千年、大嫌いな人間達への復讐は続いた。

 

人間は嫌いだ

 

人への憎悪は魔王になった事で得た破壊衝動と混ざってドロドロに溶け合い、幽閉された今も尚、この胸奥に巣食っている。私は魔王である限り、未来永劫人間を憎み続けるし恨み続けるだろう。

 

だから下僕、お前は私を裏切るな

 

ずっとずっと、そばにいろ

 

もう二回も失敗した、次はきっと二度とない

 

今度は上手く愛してやるから

 

お前だけは、私の味方でいてほしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ぅん……げぼく…」

 

おはようございます魔王様、ご機嫌いかが?

 

「ぼちぼち……いまどうなってる…」

 

アヴェンジャーとバサランテが頑張ってるよ。

全門のタコ、後門のワイバーンって奴だ。

敵さんの呼び出した海魔がワラワラこっちへ進軍中、捕まったらR指定確実の展開になりそうなので全力で抵抗してる。

 

「…………二度寝しよう…」

 

わーおマイペースだぁ!

 

どかっと背中にもたれ掛かり、眠そうに瞼を擦る魔王様。

 

所長の調べによると、海魔を召喚しているのはフランス大元帥ジル・ド・レェだそうな。過去には聖杯戦争に参加して殺人犯のマスターと一緒になって一般人に甚大な被害を出した事が記録に残ってるらしい。

いたいけな少年少女を人間オルガンとか、かなりえげつない詳細があって、読み上げる所長の声が怒りで震えてた。ヤベー奴だぜジル・ド・レェ、被害が出る前に此処で始末せねば。

 

「なんだこいつ趣味悪いな、ドン引きだわ…」

 

えっ魔王様がそれ言っちゃう?

 

「こいつはアレだ、人殺しが神に対する反逆だーとかいってやってるうちに趣味になっちゃった感じだろ。哀れ~まじ哀れ~。」

 

 

それから直ぐに海魔達を引き連れて、ジル・ド・レェは俺達の前までわざわざ姿を表した。デメキンみたいな目にキモい柄の本を持って、醜悪な笑みを浮かべながら。

 

「おやおやぁ…海魔に抵抗している者共がいると思えば、貴方でしたかジャンヌ…」

 

「貴方は…ジルなのですか……!?」

 

「そのお言葉に偽りなく、我が名はジル・ド・レェ…貴女の死後、神を恨み、冒涜し続けた男の慣れ果てにございます。

此度は貴方様の秘める御心に応え、フランスを地獄に変えるべくこうして馳せ参じた次第。」

 

仰々しく頭を垂れるジル・ド・レェ、その目はどこを向いてるかも分からない程ギョロギョロ蠢いて、完全に頭イッちゃってる人だこれ。

 

「私が…フランスへの復讐を望んでいると?」

 

「如何にもッ!!聖処女はその細腕を取り、軍を率いて見事祖国を取り戻した!あの日の歓喜を、栄光を、片時も忘れた事など御座いませんとも!

しかしフランスは貴女を裏切った!あらぬ罪を着せ、犯し尽くし、用済みとばかりに切り捨てた!!私はそれが我慢ならないィッ!」

 

「ジル……」

 

首を掻き毟りながら叫ぶ奴の慟哭からは、怨嗟の念がありありと感じられた。

その嘆きは、出会った頃の魔王様とほんの少しだけ似通ったものを感じる。

 

「いっしょにすんなー」

 

心詠まれた

 

「フランスへの復讐!きっとそれが貴女の悲願に他ならない!

ならば私は復讐しましょう、亡き聖処女がきっと望んでいたであろう光景を、邪龍を率いてこの地を冒涜者共の血で染め上げて見せましょう!

それが私の願望だ!聖処女を(いたずら)に導き、絶望の淵へと突き落とした蒙昧なる神への反逆であるゥッ!!

…おや、貴女は…」

 

急に静かになったジル・ド・レェ、どうもこっちを凝視してる。いや、見てるのは魔王様の方か。

 

「水色の髪…パジャマ…

…そうですか、貴様が聖処女を貶めた不逞の輩…!!絶対赦さんぞこの匹夫めがァァァッッッ!!!」

 

おういきなりキレたぞこいつ、流石精神汚染付きのサーヴァントは挙動不審だな!

 

「ジル!貴方は一体私の何を見て…」

 

善ヌんが何か言いかけたが、それより先にジル・ド・レェの魔本が妖しく光る。

 

「私の手で、蒙昧なる神を…愚鈍なる神を…今こそ御座より引きずり下ろす……ッ!!!そして彼女を貶めたそこな水色髪に復讐するのですッ!!」

 

最後思いっきり私怨を交えて叫ぶジル・ド・レェの周りに海魔が集まる。グチャグチャ不快な音を立てながら次々と群がって、繋ぎ合わさり、やがて巨大な一匹の海魔へと姿を変えた。

…デカ過ぎィ!?どう小さく見積もってもこの街1つ分はある大きさだ!聖杯ってこんな事も出来るの?教えて所長!

 

『これがあいつの宝具…?魔力を海魔の合体に使ったの!?』

 

ああ成程、スラ〇ムが合体してキン〇スライムになるみたいな。

 

『キン…何?そんな事より、あのサーヴァント滅茶苦茶怒ってるじゃない!アンタいつ彼を怒らせるようなことしたの!?』

 

「そうは言われましてもね、心当たりが…」

 

「大方、あのなりそこないがアイツに告げ口したんじゃないのかー?」

 

なり損ない?竜の魔女(悪ヌさん)のこと?ああ、成程それで…て、それだとあの変態が狙ってるのは魔王様では!?

 

「まあ、そうなるな。」

 

街を覆うほどの巨体にうねうね動き回る大量の触手が行く手を阻む。何処に逃げても捕まって薄い本まっしぐらだ。

 

「G指定の方な。触手にエロ要素が無いし、棘とか着いてるから撫でられるだけでもれなくハンバーグのパテみたいにされるぞ。」

 

呑気に分析しとる場合とちゃいますで魔王様!

 

「くっ…すまないマスター、遅くなった。」

 

■■■■■■■ッ!!

 

その時、雄叫びを上げながらアヴェンジャーが駆けつけてくれた。バサランテも一緒だ。

どうやら戦っていた海魔達が急に退いて行ったのでこっちへ戻って来たらしい。

だがしかし、こっちのサーヴァントは大怪獣を討伐できるような火力は備えてない。

 

『ムニエル!解析班!大至急海魔の全体データをスキャンして送りなさい!そこから魔力源の位置を割り出して、砕けば海魔の結合も解除されるはず…』

 

『全速力でスキャン掛けてます!でも海魔の装甲が分厚過ぎて内側の魔力が遮断されてるみたいです、反応がありません!』

 

『精度上げて!必ず見つかるわ、シバのレンズに視えないものなんてないんだから!』

 

「有栖宮さん、来ます!!」

 

ぶぅんっと風を切り、無数の触手が飛んでくる。

 

我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)ッッッ!!!

 

旗を掲げる善ヌさんが張った半円形の膜みたいなバリアが俺達を包み込み、物凄い音を立てながら触手を弾く。

 

「今度は何とか間に合いました…ッ!!」

 

大量の触手にバリアの上からサンドバッグにされながらも気丈に振る舞う善ヌさん、なんと健気な…

しかし目に見えて彼女が衰弱しているのが分かる、残った魔力の殆どを宝具に回してるんだろう。このバリアもいつまでも持つか分からない。

せめて藤丸君チームが来るまで時間を稼がないと…

 

「カルデアのバックアップを上手く受けられないのがキツいなあ…まあだいたい魔王様がくっ付いてるせいだろうけど。」

 

「なんだこら文句あるか。」

 

「うんにゃ全く。所長何とかなりません?このままだと善ヌさんの魔力切れで俺達ぺちゃんこですよ。」

 

『この手の海魔は核となる魔力源を砕かないと永遠に再生し続けるわ。海魔を制御しているのは…ええと…ジル・ド・レェの逸話で一番近いのは確か…螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)…!彼の持っていた魔本が海魔達の制御装置になっている筈よ、それを破壊するか傷付けさえすれば状況は打開出来るわ!』

 

それが見えないから困ってるんですがねえ。

 

「ん~~~……アレだ。あの色の違う部分からちょい右、上から二段目と三段目の触手の間、あそこから変な魔力感じる。」

 

ちょいちょい指さす魔王様。え?マジで?分かるの?

 

「当たり前だ、魔王舐めんな。」

 

まあ位置が割れてもそこまで攻撃する手段がないんですがね。さっきからアヴェンジャーが何本か触手を切り落としているけど、切った先からウネウネ新しいのが生えてくる。えらいこっちゃ。

 

『ていうか有栖宮!ジル・ド・レェはアンタのお供の魔王を狙ってるんでしょ、彼女にも戦わせなさいよ!』

 

お?所長はフランス全土がドン引きする程えげつない地獄絵図の如き蹂躙劇をお望みで?

 

『なにをどう解釈したらそんな話になるの!?』

 

魔王様が戦うって事はそういう事だ。

だいたい俺と魔王様は主従関係じゃねーですし、むしろ俺の方が魔王様に引っ張られてる感ありますし。この子に任せると人理焼却より先に人類がポアされること間違いなし。あと俺の息子が死ぬ。

 

「いいんだぞ、私に全てを委ねても…♡」

 

はいそこの魔王、甘い声で囁きながらいやらしい手つきで俺の身体撫でないの。耳吸うのも止めて。

 

『な…なんて破廉恥な魔王なのかしら…』

 

「この程度でハレンチとか未通女かよお前、こちとら〇〇〇で〇〇が〇〇〇〇〇〇〇…」

 

『きゃあああああ通常回線で何言ってるのよ!?セクハラよセクハラ!』

 

「とどのつまりは魔力供給の延長線だ、それから私の趣味だ。」

 

『今趣味って言ったわね!?』

 

セクハラトークに興じている場合ではありませんぞ魔王様。こうしてる間にも善ヌさんの宝具は壊れかかっておりまする。

 

「槍一、前にも言ったろ、私に命じてみろと。

お前の魂は私のモノ、私の魂もお前のモノ。サーヴァント共ではあるまいが、人理焼却(めんどうごと)を前にした非常事態だ。他の輩ならともかく、お前の命令ならば従って、お前の思うさまに戦ってやるのもやぶさかではない。」

 

……本当に?

 

「ああ、本当だ。」

 

……無闇に拷問とか掛けたりしない?

 

「しないしない。」

 

……後で死にかけるまで魔力搾り取られたりしない?

 

「………しない。」

 

おうなんだ今の間は。

 

「ふ、ふーん!多少のご褒美くらいあってもいーだろー!?」

 

はあ…じゃあ分かった。

くれぐれも無茶はしないでね?ジルが居なくなったら俺、後追って自殺するから。

 

「奇遇だな、私もお前が死んだら世界滅ぼして死ぬつもりでいた。」

 

つくづく物騒だな魔王様は!?

 

「後追い自殺宣言した馬鹿に言われたくないわ。

………でも悪くない。」

 

ちゅっ…と唇に柔らかいものが当たる。

 

「んふふ…前借りだ♡」

 

御満悦の魔王様も随分やる気のご様子なので、サクッとこの場を片付けよう。

と言っても、本気出せばジルならこの程度…

 

「「五秒で片付くな。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シベリア』

 

そう魔王が唱えた瞬間、モニターが真っ白に染まる。

 

生き残ったマスターの一人、有栖宮槍一。

彼の傍らにいつもの居る全裸の女。顔が隠れる程長い水色の髪に水色の瞳を持つ彼女、名前はジルと言っていた。有栖宮の幻術によって隠されてはいるけれど、その華奢な肉体は男性はもとより女性である私すら見惚れてしまうほどの黄金比を保っている。一言で表すならば『魔性の女』。

そんな彼女は『魔王』と呼ばれ、尊大で、ワガママで、傍若無人。趣味は拷問だとかも言っていたとんでもない女だ。

 

「うそ…だろ?どんだけデタラメな魔力だよ…トップサーヴァントの宝具に匹敵するぞ!?」

 

モニターの前に座る観測係、ムニエルが呆然とそんな事を呟いた。無理もない。

画面の向こうは一瞬にして白銀に染まり、宝具を使用しているジャンヌ・ダルク作り出した防御円の外は、まるで時が止まったように凍り付いていたのだから。

無論、ジル・ド・レェが呼び出し、合体させた海魔も氷のオブジェと化していて、ピクリとも動かない。

 

「切っても焼いても再生するから、海魔ごと凍らせたっていうの…?滅茶苦茶だわ…」

 

「いやはや、これが〝魔法〟が恒常化した異世界の魔王様の力かい。想像以上だな。」

 

隣にやって来たのは仰々しい杖を携えた万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。

 

「魔法…?魔法ですって!?」

 

「そうだね、有栖宮君から聞いたんだ。

彼女は私達のいる世界とは異なる場所から呼び出された存在だと。更にその世界は魔術ではなく魔法が一般的に行使されていたんだとね。」

 

魔術と魔法は言い方こそ似ているものの、本質は全く異なる。魔術師にとっての終着点でもある魔法の行使を一般的に…一体どれだけ混沌とした世界に住んでいたのよ、あの魔王。

 

「それよりも、レオナルド女史。

彼女について詳しい情報は得られたの?」

 

「もう、つれないなあオルガマリー。私の事は親しみを込めて『ダヴィンチちゃん』と呼んでくれって言ったろう?

…結果から言うと成果はゼロだ。魔王という呼称は人類史には数あれど、彼女を指す逸話や物語、人物は該当しない。マシュの様に擬似サーヴァントである可能性もあるけれど、彼女は既に有栖宮君の身体を借りる形で受肉を果たしてる。ともかく彼女は英霊の類ではないね、ましてや神霊でもない。あの魔王は人類史の何処にも存在し得ない異物で間違いないだろう。」

 

「…そう、やはり有栖宮の言う通り『別の世界からやって来た』と考えるのが一番妥当みたい。得体が知れないのは代わりないけどね。」

 

「にしても興味深い、完全に異なる世界からの来訪者なんて!こんなモノを呼び出した有栖宮君の家系は一体どんな魔術を研究していたのかな?」

 

「一応は降霊術だけど…日本の魔術師はかなり拗れた人物が多いと聞くから、独自の進化を遂げて、辿り着いた先が魔王を呼んだのかもね。私もその魔術によってこうしてオバケになってる訳だし。」

 

そう言いながら自分の透けた腕を見た。

冬木の地で消滅しかけた私を幽霊として現世に留めているのも有栖宮の魔術、生憎降霊術は専門のオフェリアほど詳しくないけれど、相当に手の込んだ魔術なんだろう。これができて落ちこぼれ扱いされるって有栖宮の一族はどれだけエリートだったのよ…

 

「それで、どうするんだい?監視を続ける?」

 

「…ええ、お願い。

有栖宮は恩人よ、だけどあの魔王は不確定要素が多すぎる。私達とは異なる世界からの来訪者、更に人類を憎んでいると言っていた。なら彼女が本当に味方なのか否か、私達で見定めないと…」

 

「うんうん、そう来なくっちゃ。」

 

 

 

 

それにしても、氷の魔法だからシベリアって…名前安直過ぎない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こなああああああああああゆ〇いいいいいいいい!

 

心まで白く染められたならァ!!(ヤケクソ)

 

「私はお前の〇〇で白く染まってるけどな。主に下半身が。」

 

はいそこナチュラルに規制に引っかかりそうな発言しない、頬を赤らめながら下腹部をさすらない。えっちなのはいけないと思います!

 

魔王様の放った氷の魔法により、辺り一帯銀世界となってしまった訳です。なんということでしょう、あの醜悪な触手を持つ巨大海魔が匠の手によって透明感のあるオブジェに早変わり。これで殺風景だった玄関にも彩が…

 

「有栖宮さん!?現実に戻ってきて下さい!」

 

おっとまずいまずい、善ヌさんの聖なる呼び声によって現実に戻ってこれた。

バサランテ、魔王様がさっき言ってた場所弓で撃ち抜いて。ありったけね。

 

「承知した。せあっ!!」

 

人の技を超越した絶技を持つバサランテから放たれる何本もの黒い矢が、まっしぐらに海魔の一角へ突き刺さる。その衝撃で凍った海魔に亀裂がはいり、やがて粉々に砕け散った。

氷の瓦礫と一緒に中からギョロ目魔術師が落ちてくる。

半分凍って汚ねえシャーベットみたいになってるぞ。

 

「魔王の超強いパーンチ!」

 

「ぼほぉうッッ!?!?」

 

そんなジル・ド・レェのボディに魔王様は容赦無くその黒く染まった拳をぶち込んだ。

思わず蹲るジル・ド・レェ、降りてきた顎に今度は魔王のアッパーカットが炸裂した。

 

「からの〜…昇・〇・拳ッッ!!」

 

「アバーーッッッッ!!!?」

 

俺より強い奴に会いに行くと言わんばかりの綺麗なアッパーカットを決められた哀れなフランス大元帥は宙を舞い、べしゃっと地面に叩き付けられる。

魔王の昇竜拳なんてきっと二度と見られないだろう。

 

「おおおおのれぇ……匹夫めが…」

 

ヨロヨロと起き上がり尚もこちらをなじるジル・ド・レェだが、腹の痛みを抑えながら脚はガクついて、産まれたての子鹿のようだ。

 

「貴方達の努力は評価しましょう、今日はここまでにして差し上げます…!」

 

あー、きっとアイツ魔王様の実力が予想外過ぎてビビってんだぜ。

 

「黙らっしゃァッッ!!!

我等はまだ夢半ば、このようなところで死ぬ訳にはいかないのです…

この続きはオルレアンにて。しからばッッ!」

 

螺湮城教本が怪しく光り輝く、それを魔王様が許すはずもなく…

 

「いいやダメだね。

今死ね、すぐ死ね、骨まで砕けろ。

紫色破壊光線(なんかすごいビーム)ッッ!!」

 

魔王様が魔力で編んだ影の斧の切っ先から紫色の破壊光線が迸り、大地を消し飛ばしながら一直線に突き進む。反動で大気が震え、爆風と共に周囲へ破壊を撒き散らしながらあっという間にジル・ド・レェを飲み込んだ。やったか!?

 

「いや、寸前で転移された。逃げ足の早いヤツめ。

…形まで拘って造ったのは失敗だったかな、発動までに時間が掛かる。決してゲームに影響されて自分で魔法を考えてみようとか思ったわけじゃないぞ?本当だぞ?」

 

アッウンソウダネ

 

斧が宙に霧散して、あからさまに残念そうにする魔王様。どうやらジル・ド・レェは逃げ去ったらしい。この特異点の重要人物を排除できるチャンスだったのに、残念だ。

 

とりあえずご苦労様です魔王様。

はいだっこー、よ〜しよしよし(ム〇ゴロウさん並感)

 

「犬か私は!?」

 

文句たれながらも一通りなでくりまわされ、定位置の背中へと戻りもたれかかる。

 

「皆さん、ご無事ですか!?

先程巨大なモンスターが此処に現れたように見えたのですが…」

 

「まあなんてこと、私ったらまだ出遅れてしまったかしら!?」

 

村人達を逃がしていたゲオルギウスとマリーさんがこちらへ合流したようだ。残念ながら諸悪の根源は追っ払った後なのだよ。

 

あとから藤丸君達とも合流できた、彼等も無事にファブニールを撒いたようだ。代わりにアーチャーとランサーが足止めの為犠牲になってしまったが…彼等には二階級特進で勲章を差し上げよう。

 

「すいません、俺の力不足でアーチャーとランサーが…」

 

藤丸君のヒロイン力が高すぎる件について。

彼等は既に死んだ英雄なのだし、カルデアに帰ればまた呼び出せる。犠牲を買って出たアーチャーはそれを承知で捨て駒になったのだ。藤丸君は納得していないみたいだけど、彼の足止めが無かったら負傷したジークフリートをここまで連れて来るのは不可能だっただろう。アーチャーの英断に感謝。

何はともあれ、これでマスターは無事集合した聖人も2人、ジークフリートもいる。竜殺しが復活したらいよいよオルレアンへ進軍しなきゃならない、この特異点での最終決戦だ。気合入れて…

 

「…ゼットンで城ごと蒸発させてやろうか?」

 

「「「「『『えっ……』』」」」」

 

駄目です(念押し)






シグブリュ?スカディ?うるせえナポレオンで灰にすんぞ(2部2章はナポとワルキューレしか来ませんでしたファッキン)
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