全裸魔王と人理修復   作:ハンバーグ男爵

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ぐだ帝都始まったから更新遅くなるかなー

なんかの間違いでFateとランスコラボしろ(願望)




3話 全裸魔王と冬木の街

「居眠りする馬鹿は出ていきなさああああいッッ!!」

 

オルガマリー所長の怒声が響いて遅れてきた子がミーティングルームを追い出された。確かあの子が最後のマスター候補、藤丸君だったっけ?大事な話の途中に居眠りとは、将来はきっと大物に育つぞ。

 

オルガマリー所長は御立腹だが会議は続く、どうやら藤丸君以外のマスター全員をコフィンに繋ぎ、特異点と呼ばれる歴史のターニングポイントへ飛ばすようだ。

数の暴力とは恐ろしい…それにカドック君のいる選抜部隊Aチームもいる。よく分からんが時計塔の天才だの所長よりも出来る奴だの言われて持て囃されたキリなんとかっていう奴が指揮を執るようだしそれに従ってりゃいいだろ。

 

『果たしてそう上手く行くかな?くくく…』

 

はいそこの魔王、不穏な事呟かない

 

「じゃあマスター候補生は皆コフィンに入って。早速レイシフトを始めるわよ!」

 

所長の合図で皆が動き出し、それぞれコフィンに入っていく。

そして俺もコフィンに足を掛けた時、上の展望室みたいな所で腕組んでる全身緑色の服着た男と目が合った。アレが確か所長が大好きなレフ教授だっけ?

レフ教授はにっこり笑い、俺もぎこちなく笑い返して視線をコフィンに戻す。

 

なんだろう、あの人魔王様と()()()気がする

 

『私をあんな毛むくじゃら緑男と一緒にするな下僕。』

 

サーセン

 

 

コフィンに入った。

扉が閉まり、所長のアナウンスが聞こえる。

 

『貴方達マスター候補生が最後の希望よ、人類の未来を守る為、特異点を力を合わせて解決なさい。』

 

コフィンに数字が表示されて、カウントダウンが始まった。

 

5

 

4

 

3

 

2

 

1

 

 

ゼロのアナウンスが聞こえる直前、視界は真っ赤に包まれて、俺は意識を手放した。

 

遠くの方で魔王様が笑ってる声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満たせ

 

満たせ

 

縛り付け、磔にしろ

 

その内蔵を生きたまま抉りだせ

 

決して殺さず痛めつけ、その慟哭で人間共へ恐怖を撒き散らせ

 

私に嫉妬した人間を

 

私を拒絶した人類を

 

苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて、その刹那の絶叫を奴らの魂に刻み付けろ。

 

私は魔王だ

 

生ける厄災だ

 

我が命尽きるまで、悲鳴と叫喚で世界を満たそう

 

永遠に、血の詰まった肉袋で(あそ)び続けてやる

 

これが大嫌いな人間共への〝仕返し〟だ

 

 

 

でも

 

ああ、ちくしょう

 

私だって

 

 

 

 

誰かに 愛して 欲しかったんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ッ!?!?」

 

飛び起きた。ここは何処!?

 

見渡す限り火の海だ

 

「ここが地獄か。」

 

『まだ死んどらんわバカ下僕、周りをよく見ろ。』

 

「ウイッス」

 

魔王様のありがたーいお言葉で正気に戻った俺は辺りを見回す。

なんか燃え尽きた大きな城の跡地?に居るみたいだ。

 

ずるりと影の中から全裸魔王登場、どうせ傷つかないと思うけど、火の粉飛び散る焼け跡に全裸ってのはちょっと怖いな。

 

「魔王様、何があったか覚えてます?」

 

「ああ、影の中から全部観ていたぞ。

結果だけ教えるとな、お前以外の〝ますたー候補生〟とやらは皆死んだ、もしくは瀕死の重傷だろう。」

 

なんでもあのコフィンの中、爆弾仕掛けてあったんだって。レイシフトの瞬間に足元からドカンッ!といったらしい。

 

「まあ、貴様には私が憑いていたから大した事は無かったが、他の者は別だ。〝こふぃん〟の中でメタクソの挽肉だろうな。」

 

ぷくくくく…と笑いを堪えながら話す魔王様。人間嫌いだもんね、超楽しそう。

 

「そうか、じゃあカドック君も…」

 

残念だな…せっかく友達になれると思ってたのに。

 

「なんだ、下僕の癖して挽肉の心配か?」

 

「んー、まあ残念だなと。」

 

何故だろう、人が死んだというのにそれ程感情が湧いてこない。自分とは全然関係ない人の死をニュースで見てる気分だ。

 

「それはそれとして、囲まれているぞ。」

 

「マジすか?」

 

改めて周りを見回すと、剣や槍を持った人形の骨が俺達を取り囲む様に次々生まれていく。あっという間に包囲された。

 

「ふおおおおおいきなりファンタジー的なピーンチ!」

 

これ逃げられないなあ!?ていうか魔王様注意するの遅いなあ!?

 

「どうしようこれ!?俺ガンドと簡単な幻術位しか魔術使えないんですけどォ!?」

 

「なら私に命じてみるか?」

 

Why?

 

「いや何故俺が命令して魔王様を闘わせんといけんのですか。」

 

「なら私は暴れたいぞ、下僕。文句あるか?」

 

魔王様の決定なら仕方ないね!

 

「ああそれなら文句ないな、こんな状況だし存分にやぁっておしまい!」

 

「あらほらさっさ!!」

 

飛び上がった魔王様のかざした手の下の空間が歪んだかと思うと、ドンッ!という大きな音と共に衝撃が周囲に走り、周辺の地面を抉りながら骨達を吹き飛ばす。文字通り一瞬で塵に還っていくホネホネマンを見ながら俺は思った。

 

魔王強過ぎじゃね?

 

「え…思ったより脆い…遊び甲斐もない。」

 

「そういえば魔王様がマトモに戦ってる所初めて見たかも。」

 

「ふーん強いだろ、かっこいいだろ。」

 

ふふんと得意げに笑う魔王様。

機嫌がいいようなので頷いておく。

そりゃ人類を千年苦しめてきた五代目魔王って言ってたんだし強くて当たり前か。でも全裸じゃなけりゃもうちょっと格好がつくのになあ…

 

「魔王様、本当に魔王だったんスね。」

 

「どういう意味!?失礼な下僕だ!」

 

「それより此処は一体何処だろう、カルデアは雪山の筈だし…」

 

そういえばレイシフトの際、所長が2004年の冬木がどうのって言ってた気がする。じゃあ俺はレイシフトでそこへ飛ばされちまったと考えるのが妥当だろう。

 

「ああそういえば。〝こふぃん〟が吹き飛んだ後、男が1人慌てて飛び込んで来ていたぞ。

そのまま一緒に〝れいしふと〟されたのならそいつも彼の地へ飛ばされている筈だ。」

 

成程、まだマスターの生き残りがいたと。じゃあその子と合流して現状を把握しなきゃいけないな。カルデアへの戻り方が分からん。

などと考え事をしていると、飛んでいた魔王様がすうっと背中に擦り寄って抱きついてきた。胸当たってますよ…当ててんのか、そうか。

 

「今後の方向性は決まったか?」

 

急に甘い声を耳元で囁かれるとこそばゆい、それ何度もやられてる俺だからこそばゆい程度で済むけど、免疫のない奴にやったら一瞬で理性が吹き飛ぶからね?過去にそうやって俺に絡んできたチンピラをテクノ〇レイクさせた前科あるでしょ?

 

「アレは勝手に死んだ向こうが悪いだろ。私悪くない。」

 

などと供述しており。

人間で遊ぶのも大概してあげて下さい魔王様。あと尻を撫で回すの止めて。

 

「うふふふ…」

 

「取り敢えずその無事であろうマスターと合流しよう。味方は多い方がいい。

場合によっては魔王様の事、話さないといけないからね。」

 

今は緊急事態だ、秘密がどうとか言ってられない。

そもそも魔王様が特別だから隠そうとしてる訳じゃない、結果的に隠すのが最善だと思っただけだ。

だって、こんな歩く公然猥褻罪を引き連れて街を闊歩していたらどう思われるだろうか?先ずはお手元の連絡機器で110番か最寄りの国家安全保障機関へ通報するだろう。俺だってそうする。それが魔術師じゃない一般人の感性だ。

 

「ようしそれじゃあ出発しん」

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッッッッ!!!

 

「コーッ!?」

 

「?」

 

叫び声のような、ただの不快な擬音のようなよく分からない音が辺りに響き渡る。

 

「さ…流石魔王様はお腹の音も魔王級だなー憧れちゃうなー…」

 

「…帰ったら赤玉出るまで搾り取ってやるから覚悟しとけ。腹の音な訳ないだろが。」

 

「やっぱり…?」

 

その時、物凄い音を立てて何かが降ってきた。

その身体は全身真っ黒だが、その上からでもわかる筋骨隆々な体躯。片手には人間なんて一発で挽肉にできそうな無骨な形をした斧を担ぎ、俺の身長の3倍はある。

そして何よりビシビシ伝わってくるのが、こいつは敵意剥き出しだという事。それはもう、視線で人を殺せるくらいの殺気を香水みたいに振り撒いてる。

 

「一応聞くけど、魔王様の知り合い?」

 

「あんな焦げ肉達磨知らんわ。」

 

■■■■■■■■■■■■■■■ッッッッ!!!

 

再び吼えるよくわからん黒いヤツ、さっきより怒ってるカンジ。あれー?知らない間にまた機嫌を損ねていくー?

 

「下僕、まだ分からんぞ。もしかしたら仲間になりたそうにこっちを見てるだけかもしれん。」

 

「いや明らかに差し出した手を袈裟斬りにされそうな勢いじゃないっすか。あんな悪質な勧誘待ちいてたまるか。」

 

魔王様の小粋なジョークに反応していたら、大男の姿が消えた。あれ?

 

「あいつどこ行っ…」

 

全てがスローモーションになっているような感覚、大男がいつの間にか横にいて、その大きな斧を振りかぶり俺の首をチョンパしようとしてた。

ああ、アカン。思ったよりあの斧鋭利だ。楽には死なせて貰えなさそう…

斧は一直線に首筋を捉え、あと数センチで俺の命を刈り取る刹那。

 

斧は止まった。

 

否、止められた。

 

他ならぬ魔王の手によって

 

魔王様は片手で大男が振り下ろした戦斧を掴み勢いを殺している。恐らく大男は必死で力を入れているんだろう、斧が小刻みに震えているのが分かる。でもビクともしない。

 

「私の下僕に何をする」

 

普段とは比べ物にならないくらい底冷えするような低い声、15年一緒に居たけどあんな声は初めて聞いた。

 

瞬間、大男が斧から手を離し、大きく後方へ飛び退いた。その途端、バキバキと音を立てながら握っていた斧が砕け散る。

 

「暴れるぞ下僕、私から離れるな。『雷撃の嵐』…!」

 

そう呟いた魔王様の周りを赤黒い雷が舞ったかと思うと空に向かって弾け、直後に雨のような落雷が大男に向かって降り注いだ。

大男もあのガタイでかなり俊敏だ、咄嗟の判断で横へ飛び、走って雷から逃げ続ける。

 

「小賢しい…『雷神雷光』!」

 

鬱陶しそうに魔王様が言うと、今度は焼け跡の敷地一杯に爆音を響かせながら更に大きくて大量の雷があらんかぎり地上に向かって降り注ぐ。

正直言って滅茶苦茶だ、逃げ場なんて何処にもない。何故か俺の所には落ちてこないので魔王様が意図的に外してくれてるんだろう。

流石に避け切れなくなったのか大男は雷に飲み込まれ苦悶の悲鳴を上げたようだが、それすらも落雷の轟音にかき消される。

魔王の雷は城全体をひとしきり飲み込んで、元から半壊していた城は膨大な熱量に晒されて更地へと成り果てていた。

 

「ふむ…終わりか?」

 

「それフラグって言うんすよ魔王様。」

 

■■■■■■ッ■■■■■■■■■ッッッッ!!!

 

ドカーンと瓦礫を押しのけて大男復活。やっぱり生きてたじゃーん!?

でもさっきより動きが鈍いし身体もボロボロだ、雷が相当堪えたんだろう。

 

「ふん、そんな半端な姿になってまで何を守るというのだ。

…最早貴様に主命はあるまい、還るべき城も、使えるべき主も、此処ではとうに消え失せた。

残ったのは只の狂った忠犬、帰らぬ主を未だ待ち続ける哀れな狗畜生だ。」

 

■■■ッ…■■■ッ…■■■■■■■■■ッ!!!

 

魔王様は何を言ってるんだろう、それを聞いて明らかに大男が激昂してるのが分かる。

というかさっきから魔王様が魔王してる、全裸なのに。なんか違和感。

怒り狂った大男が猛進する、そして振り抜かれた拳を魔王様はするりと躱して、大男の後ろは回り込み悪どい笑みを浮かべ…

 

「だから貴様は狗なのだ、愚物め。」

 

その首筋へ歯を突き立てた。

 

■■■!?■■■■■■!?!?■■■■■■■■■ッッッッ!!!

 

傍から見ても分かる、魔王様は大男から吸血という形で魔力を吸っていた。

 

「……んっ…ごくっ…ごくっ……」

 

■■■■■■ッ■■■!?■■■……■…■■……

 

最初は抵抗していた大男だったが、血と一緒に魔力を吸い尽くされたんだろう。どんどん元気が無くなっていき、やがて膝をついた。

 

■…■……■……

 

遂に地面に倒れ、そのまま光の粒子になって消えていく大男。どうやら人間じゃなかったようだ。黒いモヤモヤ出してる人間なんているわけないか。

 

「……ふむ…ふむふむ…うん。」

 

血を吸った魔王様は何やら目を閉じて考え中、口から血が滴って胸の方まで垂れている。衛生的に宜しくないから拭いてあげよう。

 

「…ん、なんだ下僕。こんな時に欲情したか?場所が無いから魔力補給はその辺の森で…」

 

「血がついてて汚いから拭いてやってんですよ。大人しく拭かれなさい。」

 

「ふん、下僕の癖に生意気な。

まあ心遣いは受け取ってやろう、私は寛大な魔王だからな。」

 

「はいはいアリガタキシアワセー。

で、どうしたん急に考え込んで?」

 

「こいつ…絶対枯らす…

あの狗から魔力のついでに情報も抜き取ってみた、そしたら面白そうなことが分かってな。」

 

魔王様曰く、あの大男は元は古代ギリシャの大英雄ヘラクレスのサーヴァントだったらしい。

サーヴァントについてはセミナーでいくつか説明を受けた。人類の守り手、過去に偉大な功績を残した偉人達は死してもなお英雄として語り継がれ、『座』という場所からこちらの世界へ〝英霊〟として派遣されるらしい。それをカルデアは掘り下げて研究してきた。

本来なら聖杯戦争っつー魔術師の狂った宴を盛り上げる為の駒だったらしいけど、その辺の講義は寝てたからぼんやりとしか覚えてない。勿論幻術で誤魔化してたからバレてませんよ、藤丸君のようなヘマはしませんとも。

 

「今のまっくろくろすけが大英雄ヘラクレスだなんて、理想と現実ってやっぱ違うんすね。」

 

「いや、さっきのは元になった〝へらくれす〟とやらの紛い物らしい。

本物は12回殺さないと死なないっぽいぞ。」

 

「なんだそれめんどくさい。」

 

「なー」

 

確かヘラクレスの神話には『十二の試練』ってのがあったからそれだと思う。

 

それからヘラクレスのコピー品から情報を抜き取った魔王様曰く、ここは間違いなく2004年の冬木市だ。そして本来ならルールに基づき聖杯戦争が行われていたところ、何らかの邪魔が入って街は炎上。ここに召喚された七基のサーヴァント達は一部を除きさっきのヘラクレスみたいになっちゃったらしい。

その異常が所長の言ってた〝特異点〟ってことなのかな?

 

「此奴は紛い物に成り果てても尚、主が待つこの城で待ち続けた。とうに主は消え、そこには瓦礫の山しか残って無いと分かったうえでな。愚かな事さ。」

 

せせら笑う魔王様、でもヘラクレスはあんな姿になってもマスターに忠義を尽くしたんだ。すごい英雄だ。

 

「ロマンチックでいいじゃないっすか。

……あれ?これなんだろ…札?」

 

ふと足下を見てみると、瓦礫の下に挟まってる金色の札っぽい何かを見つけた。

 

「貰っとけ貰っとけ、どうせこの城の主はいないんだ。」

 

「なんか空き巣やってるみたいだけど、今回ばかりは仕方ないか…頂いていきますよっと。」

 

なんまんだぶなんまんだぶ、と心の中で焼けていった人達のご冥福をお祈りして、俺と魔王様は焼けた城を後にした。

 

 

 

……と思ったら、近くの林に引っ張って連れていかれアーーーッ!?!?ズボンがパージ!?

 

いけませんお客様!あーいけませんいけません!

 

「結構使ったから魔力を寄越せ。赤玉出るまで搾り取ると言っただろう…?ふへへへ…」

 

あーお客様!目が本気です!魔王様捕食モードです!ここはお外ですお客様!それにそんなことしてる場合ではありませあー!アーーーッ!?!?

 

 

 

 

青年の悲しい悲鳴がアインツベルンの森に響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外って開放感あってこうふんした(賢者)






オリ主に誰召喚させようかな(暗黒微笑)

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