これで炎上都市冬木は終わりっ
書き溜めがなくなっちまった!
この作品はマイルドな魔王ジルさま、頑張るオルガマリー所長の提供でお送りします。
「この先に居るのはセイバーだろう!?
なあ!セイバーの首置いてけ!置いてけよお、なあ!!!
セイバー居ねえなら…死ねよお前ェ…!!!」
■■■■■■■■■■■■■■ッッ!!!!!!
「くっ…!?
動きが速すぎて読めん!なんだあのスピードは!?というかあのアサシンの首への執着心は一体…」
■■■■■■■■ッッ!!!
「なっ!?クソっ!!」
アサシンXと魔人アヴェンジャーの動きに翻弄され、不得手な接近戦を余儀なくされるアーチャー…と思ったんだけど、あの弓兵接近戦結構強いな。
「頑張れー私のまじーん。ファイオー。」
どっから持ってきたのかポンポンを両手に持って応援する魔王様、幻術で隠してるけど全裸チアガールとかAVでも早々ないぞ。
「Xさんも凄いですね、さすがはアサシンのサーヴァントです。動きが速くて目で追えません。」
感心しているマシュちゃんだけど、初手アーチャーからの不意打ち狙撃を直感で防いでくれたのは凄いよ。ウチの最高戦力(魔王様)は気づいてて無視したからね。全滅すればいいとか考えてるもんね。
「違うぞ下僕、デミの娘を試したんだよ…」
「小物感凄いですね魔王様。」
「なんだとぉう!?」
ポンポンでポカポカ殴られた。
そんなこんなしてるうちに『
「なんでさーっ!?」って捨て台詞残して消えてったよ向こうのアーチャー、かわいそう(小並感)
「ふう…前哨戦は終わりました、マスター。
この先にセイバーが居ます。私の中の対セイバー用レーダーがビンビンですさあ行きましょうすぐ行きましょうそして殺す。」
「あ、あんまり気負わないでねXさん。マシュも協力してあげてくれ。」
「はい、私に出来ることなら力の限り。」
だんだん2人の息も揃ってきたね、良いコンビだァ。魔人アヴェンジャーもお疲れ様。
■■■■……
「ふむ、及第点だな。これなら一個師団任せても大丈夫だろう。」
1万人規模の軍隊従わせて何させる気だよ魔王様…
「くう…藤丸も有栖宮も、上手くサーヴァントを使役してるじゃない。私だって適性があれば…」
おんやあ?所長は自己嫌悪かな?
人間向き不向きがあるんだから、出来るやつに出来ることを精一杯させればいいんですよ。「競うな、持ち味をイカせッ!」とは某漫画のお言葉だがその通りだと思う。
「所長は皆の指揮を上手く執ってるんだからそれでいいじゃないですか。」
正直Aチームとか魔窟だよな、特にガリルとデイヴィッド。シミュレーション遠巻きに観てただけだけど、アイツら何やらかすか全く予想出来ん。よくあんな連中纏められるよ…
「でも結果を出さないと誰も認めてくれないわ…魔術師なんてそんなもんよ。今まで能天気に暮らしてたアンタには分からないでしょうけどね!」
「それ言われると立つ瀬ないっすわー。
でもいいじゃん、所長が頑張ってるのはみんな知ってるよ。」
「ふんっ、どうせ私はカルデアでも小言の多い女だと思われてるわよ。」
そんな事ないと思うけどなあ、父の遺した物を小さな手で必死で守り通そうと頑張ってるお姫様だ。尊い、護らなきゃ(決意)
「なんで頭を撫でるのよいつもいつも!?止めなさい!年上だからって許さないわよ!」
怒られた、解せぬ
「………ふん」
どした魔王様、そんなに頬を膨らませて。おたふく風邪?
「…なんだよ…私の方が一緒にいた時間長いのに…普段あれだけヤってるのに…1度も…」
なんかぶつぶつ言ってる、聞こえんぞ。
「魔王様なんか言った?」
「うっさい死ね!」
バシーン!!!
オゴワアアアッ!?
ケツにローリングソバットは止めてェッッ!?
なんて魔王様から理不尽な暴力を受けている間に洞窟を抜け、キャスターの言っていた冬木の大聖杯の下までたどり着いたみたいだ。
不自然に盛り上がった山のような大地からは光が漏れ出して、ちょっと幻想的だったけど周りの雰囲気が禍々し過ぎて台無し。なんだこのラスボス空間は!?
「ほう、貴様らが…」
静かな声が空洞内に響く、一瞬Xさんの声かと思ったけどどうやら違うようだ。
「皆さん、あそこに人影が…」
マシュちゃんの指さすほうを見る。
そこには漆黒のドレスに身を包み、キャスター兄さんの言っていた星の剣の二振り目、黒く染まった聖剣を携えた王の中の王、騎士王アーサー・ペンドラゴンが堂々と立っていた。
溢れ出る魔力が黒いオーラとなって漏れ出して大気が震える。その金色の瞳は全員をその場に釘付けにする程の迫力だ。(魔王様は呑気に口笛吹いてたけど)
「よォセイバー。もはや残ったのはテメェ一人、多勢に無勢だ、俺としちゃ大人しく降参して貰いたいんだが?」
「今更腰が引けたかキャスター、クランの猛犬、その別側面よ。やはり本来のクラスでないと腑抜けになるか?」
「オイ聞いたかマスター。セイバーの野郎、黒化してかなり煽り属性高くなってるぜ。」
こちらは三騎士こそ居ないとはいえサーヴァントが3基、それにこっちには魔王様がいる。けど目の前のたった一人の騎士王は臆することもなく、剣の柄を握り絞めた。
「問答は無用だ、来い。カルデアのマスター達よ。」
「やる気は充分ってか…そんじゃこっちも、始めますかねェ…ッ!!!」
叫んだキャスターの杖が振るわれ、幾つもの火球がマシンガンのようにセイバーに向かって降り注ぐ。セイバーはそれを1発ずつ最小限の動きで躱し、斬り捨てた。
■■■■■■■■■ッッ!!!
「セイバー殺す絶対殺す!!!」
続けざま、疾風のようにXさんとアヴェンジャーが飛び出して、両側から襲い掛かった。
アヴェンジャーから振り下ろされる鎌刀を聖剣でいなし、Xさんの斬撃を弾き返す。
一撃がどれも致命傷になる攻撃ばかりだが、まるでそよ風を受けるようにセイバーは楽々と2人を手取ってる。
超高速戦闘に目が回りそうだ。
前の戦闘ではこの連続攻撃でアーチャーを圧倒したけれど、流石近距離最強と謳われるセイバーのクラス、二人がかりでやっとと言ったところ。しかもまだ彼女には余裕がある。
「小賢しいッ!!!」
「くあっ…!?」
■■ッッ!?
セイバーから魔力の嵐が吹き荒れて、二人が風圧に負け吹き飛ばされる。
そのままセイバーは剣先を後に向けて…
「
風を纏い、魔力を噴射してジェット機みたいにこっちへカッ飛んで来た!?
「先輩!!!くううううううっ…!!!!」
凄まじい激突音が響いてマシュちゃんの盾とセイバーの剣が火花を散らす。
「貴様のその力、見覚えがあるが…何者だ?」
「マシュ・キリエライト。この力はお借りしたものですが…貴女を倒して、先輩達と共に特異点を修復する者ですッ!!!」
ガッキイイイン!!!と一際大きな音が響いてマシュちゃんがシールドバッシュでセイバーを吹き飛ばす、即座に俺達の身を案じてくれたのかアヴェンジャーとXさんが帰ってきた。
「デミの娘、構えろ。強めのが来るぞ。」
魔王様が忠告した途端、突風が吹き荒れる。
黒い魔力が剣を伝ってセイバーから溢れ出し、その余波で地面が抉れる。
「受けるがいい…極光は反転する、光を呑め…ッッ!!!」
聖剣から放たれた黒の極光が俺たちを飲み込もうと容赦なく突き進む。あっこれは不味いですよ。
「どうした娘、貴様の力はそんなものか!」
「まだです!私は…先輩を…有栖宮さんを…所長を…そしてカルデアを護らなきゃ行けないんです!
あああああああッッ!!!」
叫んだマシュちゃんの盾が淡く輝きセイバーの攻撃を受け止めた、支えている手脚は軋み、悲鳴をあげてもなお、彼女は闇の極光を受け止め続ける。
「仮想宝具/擬似展開…私に皆を守る力を…お願いッ!」
盾の輝きが増して、エクスカリバーを押し戻し始めた!
「
いっそう光り輝く盾から一瞬だけなんかの壁が現れた気がして、それはセイバーの攻撃を完全に霧散させた。
マシュちゃんの宝具が星の剣に勝ったんだ。
「はぁっ…はぁっ……うぅ…」
「マシュ大丈夫!?」
「はい、先輩…まだやれます。
まだ…耐えきって見せます!」
気丈に振舞ってるマシュちゃんだけど、脚が生まれたての子鹿みたいだ。盾を支えにして辛うじてたってる感じ。
「ふむ、なかなかやる。ならば…おかわりをくれてやろう!」
セイバーがまた聖剣に魔力を集中させる、あの宝具何発でも撃てるのお!?こんなんチートや!チーターや!
「あのセイバー、聖杯から直接魔力を吸い上げてるわ。あれじゃ宝具打ち放題じゃない!こんなの卑怯よ! 」
「そりゃまずいな、キャスター兄さん作戦は?なんかないの?」
「ああ、確かに打ち放題だろうが宝具のチャージ中は無防備になるな、そこを狙うか…」
「了解。因みに魔王様、戦う気ある?」
「はたらきたくない。」
うーんこの…
「デスヨネー…じゃあアヴェンジャー、ちょっとこっちに…」
■■■…
こそっとアヴェンジャーに耳打ちして、魔術回路を起動。これで準備完了。
「藤丸君、合図したらアサシンに令呪使って強化して貰うよ。
よし、行けアヴェンジャー!」
■■■■■■ッッッッ!!!
合図とともに声高に吠えたアヴェンジャーが再び高速でチャージ中のセイバーの右側面から飛びかかる。
「甘いぞ…チャージ中なら身動き取れんと思ったか!」
そんな事はお見通しと言わんばかりにセイバーは笑って、チャージを速攻中断して応戦した。してしまった。
黒の聖剣がアヴェンジャーの胴体を真っ二つに分けた……ように見えるだろ?
「何!?これは…幻か!」
■■■■■■■■ッッ!!!
セイバーの
俺がアヴェンジャーに掛けたのは、見たものが左右対称に映し出される幻術、そしてセイバーがアヴェンジャーを目指した後遅延で発動させたのは昔なんかの潜入ゲームやった時に思いついた、『体の表面を背景と同じにする』幻術。これ結構魔力食うから長続きしないんだけど、これの掛かったアヴェンジャーを見たセイバーは、本当はは左から攻撃する背景と同化したアヴェンジャーを右側で応戦し、隙を見せた。1回きりのねこだましみたいなもんだけど、隙を衝くには十分だ!
「今だ藤丸君、Xさんを!」
「分かりました!令呪を持って命ずる…
セイバーを倒せアサシン!」
「了解、私以外のセイバーぶっ殺す!」
令呪を使用するとXさんの周りに青い魔力の渦が生まれ、2本の剣が輝きだすXさん。さっきのセイバーがやってたような魔力放出でぶっ飛んで一瞬で肉薄し、嵐のような連続攻撃を叩き込む。
そして…
「セイバーは私1人で十分だ…!消えろコンパチっ…
乱れ飛ぶ斬撃がセイバーに突き刺さり、地面に巨大なバツの字を作り上げた。
…貴女アサシンですよね?
空洞内に大きな衝撃が走る、勝敗は決したみたいだ。黒いセイバーはあれだけのダメージを負いながらも自力で立ち上がり、お前達の苦労はここからだと言って消滅していった。
「おお!?どうやら聖杯戦争はここまでみてえだな。」
そう言って光の粒子になって消えていくキャスター兄さん、そういえばこれ聖杯戦争だったね。結果的にキャスター兄さんが生き残ったから勝者が決定してシステム自体が終わりを告げてるのかな。
「次は本職の方で呼んでくれよ、頼むぜ。じゃあな!」
「はい!クー・フーリンさんもお元気で、お世話になりました!」
体力を取り戻したマシュちゃんがお礼を言って、俺達も手を振って別れを告げた。
ズシンと大きな振動が響き、地面が揺れ始める。途端にカルデアからの通信が!それ急に来られるとびっくりするよ、ドクター。
『無事セイバーは倒したみたいだね、それによってその特異点は終わろうとしてる。
カルデアスもなんとか復旧したから大至急皆をレイシフトさせるよ!』
カルデアスって便利なタクシーみたいだな…
「その言い方は酷いと思うぞ下僕。」
その時
パチ…パチ…パチ…
揺れが一旦収まって静まり返った空洞に短い拍手が響く。
小山のようになった大聖杯の上に誰かいた、見覚えがあるぞ……アンタは…
「レフ教授…?」
『レフ?レフ教授だって!?』
「レフ!?無事だったのね!」
喜びのあまりレフ教授に駆け寄っていくオルガマリー所長。でもなんだろ?前に見た時より雰囲気が
「ほおう…あの男…」
魔王様もニヤニヤしながらレフ教授を見てる、十中八九嫌な予感しかしない。
それから俺たちはレフ教授の裏切りを唐突に告げられ、仕掛けた爆弾で本当はオルガマリー所長が既に死んでいると知らされる。肉体のなくなった所長はこの特異点と一緒に消滅してしまうらしい。
真っ赤になった擬似天体カルデアス。人類は皆死に絶え、人の歴史は2016年で幕を閉じた。と。
「ではさらばだオルガマリー、カルデアスに飲み込まれ永遠に苦しみ続けるといい。」
「そんな…止めてレフ…!嫌よ…嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ!!!
まだ私…誰からも認められてない!
まだ…アイツからしか褒めてもらってないのに…」
泣きながら叫ぶオルガマリー所長をマシュちゃんと藤丸君は呆然と見つめてる。
二人の魔力はセイバーとの戦闘でもう空っぽだ、助けようにも助けてやれないだろう。
でも、俺にはまだ戦力がいる。
おそらくこの世で最も最凶で、最狂で、最強な
魔王が、いる
「…
「言うと思ったぞ、
だからお前はあまちゃんなのだ。停滞を望み、進歩を辞めて、ぐうたら努力しないのが性分じゃ無かったのか?」
「今回もそうだよ。
俺はこのまま所長がカルデアから居なくなるという変化を拒む。だからこれは、壊れかけの幽霊を1人救うだけ。」
「魔王の私にものを頼むという事は…分かっているな?」
「………魔王のお気に召すままに。」
「3日だ。私に全て捧げろ、それで手を打ってやる。」
「………あこぎだなぁ。」
「これでも大分まけてやった、本当なら魔人にして永遠に私の奴隷にしてやるところだ。」
「ワー魔王様は優しいナー…」
「あと……いや、これは帰ってから言おう。
楽しみにしておけ。」
「猛烈に嫌な予感しかしない…が、そろそろ始めよう。
アヴェンジャー、令呪を持って命ずる。
『所長をこっちに連れてこい。』」
■■■■■■■■■■■■■■■■ッッッッ!!!
有栖宮さんのサーヴァント、アヴェンジャーの咆哮でパンクしそうになっていた頭が一気に冴えた。
人類滅亡、人理の終了、レフ教授の裏切り、色んなことがいっぺんに起き過ぎて、俺とマシュは固まってしまっていた。
高らかに吠えたアヴェンジャーは高速で…というか瞬間移動してカルデアスに取り込まれかけてたオルガマリー所長の手を掴み、引き剥がした。片脚は取り込まれ無くなってしまってるが、オルガマリー所長は無事だ。良かった…
「所長!」
「オルガマリー所長、無事ですか!?」
「あ…有栖宮、私を助けてくれたの?」
「といっても所長は既に死んでるらしいですけどね。アレに取り込まれると生き地獄なんでしょ?降霊術の生まれとしては、魂の安寧を手助けするのは当然ですから。」
飄々と言ってのける有栖宮さん、こんな時でもいつもの調子だったけど、どこか雰囲気が違う。
多分、怒ってるんだ。
「チッ、後一歩だった所を…まあいい、計画に狂いは「敵前で何をのんびり喋っとるかこの肉塊は」何っ!?」
多分『ボンっ!』とか『キュボッ!』ていう音がしたんだと思う。
何かが破裂したような音が響いて、さっきまで有栖宮さんの隣にいた『魔王さん』が一瞬でレフ教授の前まで迫っていた。
「人類を滅ぼされるのは困る、奴らには不完全なまま生きていてもらわないと私が弄べないからな。」
「貴様…何者dッッ!?
なん…だと…!?」
驚愕するレフ教授、そりゃそうだ。
魔王さんの腕のたったひと振りで、レフ教授の腰から下は消し飛んだのだから。
「ん、本体はこれじゃないっぽいな。
この私の前に使いっ走りを寄越すとは…
ムカつく、消えろ。『黒色破壊光線』。」
「なっ…キャバッ!?……」
魔王さんの手から放たれた黒い極太レーザーが残っていたレフ教授の身体を消し飛ばした。それどころか洞窟を貫通してこの場所が崩れかかってる!?
『……!………!やっと繋がったよ!
全然大丈夫じゃなさそうだね、君たちの座標を固定したから今すぐ帰還させるよ!』
まるで照らし合わせたようにドクターロマンから通信が入る。思い返せばこの時からカルデアの残念通信が始まったのかも知れない。
「でもオルガマリー所長は…」
「……所長、少しの間お別れです。」
「ふんっ…まあ取り込まれそうになったのを咄嗟に助けくれたのは感謝してるわ。い、言っとくけどそれだけだから!
藤丸、マシュ、聞きなさい。」
「はい。」 「はい所長。」
「人類の歴史は終わり掛けてる、貴方達とカルデアスタッフ全員に伝えるわ。
亡き私に代わり、我がアニムスフィア家のグランドオーダーを貴方達に託します。カルデアスを修復し、人類をもとの形に戻しなさい。これは最期の所長命令よ!」
そこの馬鹿も存分に扱き使っていいからね!と有栖宮さんを指さして言う所長。
そういう間にも俺、マシュ、有栖宮さん、魔王さんの身体が消え掛かっている。
「レイシフトね…いい?最後まで絶対に、止まるんじゃないわよ!」
「はい!ありがとうございました、オルガマリー所長っ!」
「絶対に…私達で成し遂げて見せます!」
「所長、もうちょっと辛抱して下さいね。直ぐに会いに行きます。」
最期まで気丈に振る舞うオルガマリー所長に見送られながら、身体が中に浮くのを感じて俺は意識を手放した。
え、有栖宮さん。直ぐに会いに行きますって、どういうこと?
壊れかけの空洞内、崩れ落ちる瓦礫を見ながら、私は岩に座ってもうすぐ死んでしまうこの世界を眺めていた。特異点がなくなれば私という意識は消滅してしまう、私は既に死んでいて、魂はここにあっても帰るべき
「消えたく…ないよ…」
つい言葉に出してしまった、ボロボロととめどなく涙が溢れ出る。みんなのいる前では辛うじて平静を保ってたけど、本当は泣きたかった。なんで私が死なないといけないのか、子供みたいに泣きじゃくって喚き散らしたかった。でもなんとか頑張れたわ。
だから私を褒めてよ…頑張ったのよ…ねえいつもみたいに…有栖宮ぁ…
アイツはカルデアにいる間、あのバカはことある事に私の前までやって来て、何かしら理由をつけて私を褒めてくれた。
「その若さで皆を取りまとめられるなんて凄い。」
「死んだ父親の夢を継いでるなんて凄い。」
「所長はいつも頑張ってる。偉い、凄い。」
理由はなんでもいい、とにかく褒めてくれた。鬱陶しいことこの上なかったけど、思い返せば私は所長の職に就いてから一度も誰かに褒めて貰うことなんてなかった。
魔術師として必要なマスター適正を持たない、親の七光りで所長の座に就いていると、ほかの魔術師達からいつも陰口を叩かれて、挙句Aチームのキリシュタリアの方が所長に向いていると比べられて、誰も私を見てくれようとはしなかった。
でも有栖宮に褒められて、頭を撫でられると、昔お父様と過ごしていた時間を少しだけ思い出す。初めて魔術を行使した時、お父様はしこたま喜んで私の頭を撫で回したりだっこしたり、とにかく褒めてくれた。そんな姿を見るのが嬉しくて、私はますます魔術に没頭していった。アイツといるとそんなキラキラした記憶の一欠片を思い出す。
そうだ…私は…
「ただ…褒めて欲しかっただけなのね…」
魔術師の目指す〝根源〟への到達も、お父様から託された一族の使命も関係ない。
「一言くらい…お礼言っとけば良かったわ…」
俯きそう呟いた時、魔術炉心ごと洞窟が崩れ落ちてきて、世界が潰れる音がした。
これにて序章終了、エピローグはまだ書いてないのでこれから(デデドン!(絶望))
Fateシリーズの深い深い歴史と設定を本作品で取り扱うにあたって、原作との差異やらキャラの崩壊がある事でしょうが、最初にも言った通り主はFateシリーズ、ランスシリーズが好きなだけ、にわかと称されても文句言えないクソザコナメクジなので、「この違いはFate的におかしい!」と思った人は左フリックでページをサヨナラするか、ブラウザバックでもっと原作に忠実な作者様の作品を読む事を推奨します。幸い、Fateシリーズはハーメルンでも数多のSSが揃っていますので、広い広い海の中から新たな作品を新規開拓するのもいいゾ。
頂いた評価、ご感想は高い、低い問わずありがたく受け取っております。一作品の作者として素直に嬉しいです、皆に見てもらえてるって実感できます。好き(直球)
ちな主の初アリスソフトはランスではなく、『大帝国』でした。外道とか言わないで。
エロもいいですがシュミレーションゲームとしてとても楽しめて、後にランスシリーズに手を出す切っ掛けを与えてくれた作品です。ジルさまは幼女姿も好きですが10の大人バージョン立ち絵が尊すぎて…ありがとうアリスソフト、パッチでジルさまルートはよ。
当初は単発で終わらせる予定でしたが、主が黒塗りの高級車に追突しない限り続くと思います。更新が止まったら…なあ?(暗黒微笑)