全裸魔王と人理修復   作:ハンバーグ男爵

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★有栖宮槍一
当作品の主人公、魔王のヒモ系男子。
魔王様専用肉便k(それ以外いけない)、主な役割は魔王様に魔力を搾られること。今日も唐突に魔力供給(意味深)をさせられる。
でも本人はまんざらでもない。

★魔王ジル
1000年もの間、発想が部下にドン引きされるくらい人間に酷いことした五代目魔王。歴代の魔王達は皆それらしい装束を着ているにも関わらず、何故か彼女だけ全裸。
人間大嫌い、どうやって人間をいたぶってやろうか常に考えてる。そのせいで部下で愛人だった奴からぶっ刺されて異空間に幽閉された。
今となっては魔王としての能力は全盛期の5%程しか使えないが、不死性と無敵結界は健在。異空間に居た間に塵のように細かい魔力を吸収していたので素でもトップサーヴァントとタメ張れるくらいの強さはある。それに有栖宮の魔力を加算して強化、魔法を行使する。ただし燃費が悪く、魔力供給をする為ことある事に有栖宮を襲う(性的な意味で)。
気に入った奴皆から酷いことされて裏切られてきたから人間不信になりそう、有栖宮が死んだら世界滅ぼすつもりでいる。全裸。

★魔人アヴェンジャー
元はライダーのサーヴァント、体長3mの狼とそれに跨る首無し男のペア。
英霊としては不完全な状態で召喚され、ジルの腕を食う事で魔人となり消えかけの霊基を補強されアヴェンジャーとして蘇った。
自分の妻を殺した人間は全員喰い殺したいくらい大嫌いだけど主人であるジルの命令は絶対なので我慢してるかしこいわんこ。オレ オマエ マルカジリ
上の人は影は薄めだが気の利くジェントルメン、ただし首がない。

★バーサーカー(アタランテ・オルタ)
有栖宮パーティ唯一の良心(になる予定)。通称バサランテ。
狂化を付与されながらもたいして狂ってない常識人。アタランテ・メタモローゼとも言われる、悲しきオルタ商法の被害者。
マスターのことは信頼しているものの、ジルとのただれた関係には一言申したい模様。
子供の話題は禁物、最悪噛みちぎられる。


7話 竜と聖女と全裸魔王

 

 

 

見渡す限りの大草原…頬を撫でる爽やかな風…俺たちを包み込むようにさんさんと輝く太陽…そして…

 

gyaaaaaッッッ!!

 

異形の叫び声、ハイ。

 

『あれは!?ワイ「どっからどう見てもワイバーンです本当にありがとうございました。」有栖宮君!僕の台詞に被さないで欲しいなあ!?』

 

「あーあれバリバリ人間襲ってますわ、不味いですなー。藤丸君、助けに行く?」

 

「勿論!マシュ、行こう!」

 

「はいっ!」

 

主人公気質のある方々はワイバーンに襲われている人達を助ける為、駆けて行った。

そんで俺達はというと…

 

『あいつらにやらせとけやらせとけ。どうせ救ってもアヴェンジャーにびびって余計警戒されるだけだ。』

 

まあ確かに、体長3mある巨大狼が急に現れたら誰でも腰抜かすわな。それに鎌刀両手に提げた首無し男が乗ってれば尚の事。それにアヴェンジャーならワイバーンと一緒に人間まで殺しそうだ。

いやいや、そんな酷いことする訳ないよね?

 

…………プイッ

 

おいワンコこっち見ろや

 

「見たところ、どこかの村から逃げてきたのだろう。それにしても妙だな、此処は神秘など殆どない時代のフランスの筈だろう?何故ワイバーンがいる?」

 

「それがおかしいから『特異点』なんて言われてるんだろうね。こんな感じで所々おかしくなった歴史を正すのが、人類の歴史を取り戻すのに必要らしい。」

 

『ええ、その通りよ槍一。

だから……アンタも行って働けえっ!』

 

ヒステリックな怒鳴り声が懐かしいな、所長!

 

「そうは言ってもね所長、藤丸君や騎士王様がバッタバッタと英雄っぽく倒してるんですよ。放っといてもいいじゃないですか。」

 

はたらきたくないでござる。

 

その後所長にガミガミ怒られてる間に、藤丸君からワイバーンが片付いたと連絡が来たので渋々あの人たちに話を聞いてみることにした。

案の定アヴェンジャーには皆びびってたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?何故所長がいるのかって?

レフ教授の爆弾で木っ端微塵に吹き飛んで、崩壊する冬木と一緒に消え去った筈だろって?

 

残念だったな、トリックだよ…

 

お忘れかもしれないが、我が家は降霊術を主として行使し、死者との対話を目的とする魔術を研究してきた一族だ。

日本に昔からある『魂』や『言霊』など、スピリチュアルな部分を深く掘り下げ、最終的には『死者転生』、死人の魂を別の肉体に入れ替え、生き返らせる為の魔術を会得する。それが有栖宮の目的で、最終目標(グランドオーダー)だった。

 

死んだ人ともう1回話せたら、それはどれだけ幸せだろう。死に別れた恋人と、言い残した事があるまま死んでしまった家族と、ほんのひとときでも話せたら、それはどんな人助けよりも価値があり、尊い事だ。と、当時、名のある寺の住職だった有栖宮の初代当主は考えた。その延長線上に生まれたのが『魂の輪廻を人間の手で行う』というものだ。

初代も最初は人助けのつもりで始めたんだろうね、でも現実は非情だった。

人間の手で魂の輪廻なんて、日本の仏教会に右ストレートぶち込むような内容を大っぴらに喧伝したせいで、初代は追放された。

誰にも理解されず、山奥の村でひっそりと有栖宮は研究を続け、その過程で『降霊術』という、肉体から離れた死者の魂を一時的に別の依代に留める魔術を手に入れる。勿論魔術の基本である『等価交換』に則って、使用者には相応の代償が必要になるが。

 

降霊術はガキの頃、俺の親からさんざ教えられていたからやり方は知ってたのでそれを所長に使っただけ。才能ナシの、実に15年振りの実戦だったけどなんとか上手くいった。今や所長はカルデアのその辺に置いてあった、なんか包帯だらけの痛々しい熊のぬいぐるみに宿り、管制室からドクター達と一緒に俺たちのレイシフトを眺めている。喋るぬいぐるみだったので所長の声も聴けるよ、やったね!カルデアスに完全に取り込まれていたらこうはなって無かっただろう。

 

因みにその代償ってのが、降霊術の使用者は降ろしたい魂が肉体から離れていた時間だけ自身の寿命を削られるって事。しかも降ろしている間、使用者は常に魔力を垂れ流し、魔力が尽きれば寿命を蝕む。

降霊術とは言わば究極の奉仕、誰かの為に自分を犠牲にするある種呪いのようなもの。要するにだ、クッソ燃費が悪い。

所長が死んだのは俺が魔王様に色々搾られていた3日4日程前なので、俺の寿命はそれだけ減った事になるんだろう、多分。万能の天才様にこの魔術を説明する事により、降ろしている間の魔力はカルデアの負担にしてもらってるらしい。まあなんだ、所長が戻ってくるんなら安いもんだ。

色々と曖昧で申し訳ないが、俺も真面目に魔術に向き合ってたのは5歳までだし、もう滅んだ一族の魔術だ。色々と不明瞭な事が多い。

 

………魔王様、確か時の止まった異空間に自分でも覚えてないくらい長い間幽閉されてたって言ってたもんな。だから呼び出した時、動き出した分の寿命(時間)を憑代である俺以外の一族全員から持っていったわけだ。ひええ…くわばらくわばら…

両親には悪いが、非合法な事ばかりやってたから罰が当たったんだと思ってる。平気で村の子供攫って生贄にしようとするからな…それ助けた俺を今度は生贄にするっつって座敷牢に入れたりしたし…

 

『それで?あの避難民たちはなんと言ってたの藤丸。』

 

「なんでもワイバーンを率いてるのは火刑から蘇ったジャンヌ・ダルクらしいです。

彼女が指示を出して、村を襲わせてるんだとか。」

 

コミュ力天元突破の藤丸君が助けた人達から情報を持ってきた。流石。

ジャンヌ・ダルクといえば、この1431年から現代まで幅広く伝わる超が付くほどの有名人。村娘から救国の聖女の聖女とまで言われるようになった聖教者様だ。そんな彼女が何故ワイバーン引き連れてフランス襲ってるのか、コレガワカラナイ。

まああの人最後は民に裏切られて処刑されたし、復讐くらい考えてても不思議じゃないけどね。

 

『人の為に戦って、最後は人に裏切られて処刑された。無様な人生だな。』

 

けけけっと影の中で笑う魔王様、こんなだから悪性とか言われるー。

 

『何を言うか、悪こそ人の本質だ。

妬み、怨み、嫉み、僻み。自分を満足させる為なら容易く他者を蹴落とすんだよ、人間って奴はな。』

 

流石経験談は違うね。

 

『ふっふーん。』

 

 

 

 

 

 

 

そのあと向かった先の、襲撃に会ったのか壊れかけの廃れた砦で渦中のジャンヌ・ダルクとご対面。何故かバサランテ急に霊体化して隠れちゃった。

じゃあこの女を倒せば事件解決…と、思ったら、このジャンヌは善のジャンヌで、もう1人現れた悪のジャンヌがワイバーン達を仕切ってフランスを火の海にしようとしてるらしい。

善のジャンヌと悪のジャンヌ……それって魔人b『それ以上いけない。』

最終的には合体して究極完全体ジャンヌ・ダルクが現れ、この特異点を救ってくれるんだろう。楽しみだ。

 

「なにかものすごく変な誤解をされている様な気がしますが…藤丸さん同様、短い間ですがよろしくお願いします。有栖宮さん。」

 

あーはいはい宜しくー

 

『…私、こいつ嫌いだ。』

 

「えっ!?今の声は何処から…」

 

ずるり…と影の中から魔王登場、不穏なBGM流した方がいい?

 

「要らんわ、バカ下僕。

お前のその目、むかつく。ばーかばーか。」

 

「えぇ〜…」

 

何のひねりもないストレートな罵倒ありがとう魔王様、話拗れるから座ってようか。

ぷいっとそっぽを向いて、浮いたたまま魔王様は後から俺の肩を抱く。そこが定位置か。

善のジャンヌの言い分によれば、悪のジャンヌの手がかりを探すため、ラ・シャリテという都市に向かうそうな。そこへ行けば何か手掛かりを見つけられるかも、と思って藤丸君達と向かっていたんだけど…

 

『…!前方の都市、ラ・シャリテ近くに複数のエネミー反応よ。

ロマニ、解析早く!』

 

『ハイ所長!……て、あら?そのエネミー達、どんどんラ・シャリテから離れていく…』

 

「…ッ!?まさかッ…」

 

一人走り出す善のジャンヌ…ああもう面倒臭い、善ヌでいいわ。善ヌが何かを察知したみたいだ。まあ…だいたい想像はつくが…

その時、街の一角から赤い炎が燃え上がり、瞬く間に全体を呑み込んでいく。

焼き討ちか、どっかの三国武将が好んでやりそうな事だ。それにさっき聞いた煩い鳴き声もここまで響いてきた。

 

兵は迅速を尊びんぐだなこりゃ。

 

「アヴェンジャー、先行して街の様子見てきて。お前の速度なら1人くらいは間に合うかもだし。あと、殺すのは人間以外な。」

 

ヴヴヴ…と残念そうに唸ったアヴェンジャーが一層早く飛び出して、ものすごい速さで都市へと疾駆した。

 

「マスター、私も。」

 

「ほい宜しく、子供とか生き残ってたら保護頼む。そういうの得意でしょ?」

 

「…任せてくれ、この身は狂気に犯されていても、信念だけは曲げないつもりだ。」

 

そう言ってバサランテさんは霊体化を解き、自慢の脚で一足先に駆け抜けていく。

 

「じゃあランサー達も先に向こうへ…」

 

「待った藤丸君、君んとこのスーパー三銃士+αは出さないで。見たところこの聖女様、サーヴァントなのに魔力が非常に残念な事になってるし、護衛が居ないと戦闘厳しい。

それに……ほら来た!」

 

都市上部を旋回していたワイバーンのギラついた瞳がこっちを向いた。ギャンギャン言ってる、俺は食べても美味しくないぞ。

 

「ほらマシュちゃん出番出番、三騎士と一緒に藤丸君守って。ついでに俺も。」

 

「は、はい!戦闘開始します!」

 

「お願いマシュ、皆も頼む!」

 

「はいっ!」 「無論だ。」 「あいよっとォ。」

「セイバー…は居ませんか、残念!」

 

……………………

 

はえー三騎士すっごい、みるみるワイバーンがスライスされて30匹程襲ってきた奴らは皆テイクアウトされちゃった。

 

「骨が無ぇなあ、こんなモンかよ。」

 

「だが彼の言う通り、我々が居て良かったな。そこのルーラーは既にかなりの魔力を消耗しているようだ。」

 

「申し訳ありません…力不足で…」

 

露骨にしょぼんとする善ヌだけど今はさっさとラ・シャリテに行くのが先決、もうひとっ走りしましょうね~。ほら走った走った。

 

「ありがとうございました。槍一さんの判断に救われましたよ…」

 

いや、サーヴァント居なきゃマスターなんてクソザコナメクジだし。頼みの魔王様は基本働かないからね。『ふーん』ほらね。

苦笑いする藤丸君。もっと自信持ちなよ、君はきっと優秀なマスターになれる。マシュちゃんも慕ってくれてるし、サーヴァントとのコミュニケーションも欠かさないしね。

 

『…なによ…結構いい判断してるじゃない…有栖宮のクセに…』

 

『所長、マイク入ったままですよ?』

 

『…!?煩いロマニ!アンタ、マシュが藤丸の為に用意してた大福勝手に食べて証拠隠したのばらすわよ!?』

 

『それ既にバラしてますよね!?公開処刑ですよねぇ!?』

 

「……ドクターロマン、後でお話があります。逃げないでくださいね。」

 

君ら結構余裕だね!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはひどい

 

ラ・シャリテに到着後、そこで俺達が見たものは地獄以外の何物でもない。

建物は殆ど破壊されていて、そこらじゅうで肉の焼け焦げた臭いが漂ってて吐きそうだし、オマケに死んだ人間がアンデッドになって徘徊してた。

うーわ敵さんから垣間見える明確な殺意ですよ。苦しめる為に襲ったのね。はい魔王様ウキウキしないの、不謹慎でしょ。

 

「そんな…ラ・シャリテが……」

 

「アヴェンジャーとバサランテは何処に行ったんでしょうね、生き残りがいるといいんですが…」

 

つってもこの現状だと生き残ったら生き残ったで辛いだろうなあ、寧ろ全滅してた方が俺たちにとっちゃ荷物が増えなくて有難いんだけど…なーんて、藤丸君の前では絶対言えない。あの子は救えるもん全部救おうとするだろうしな。一縷の望みに賭けて2基を先行させたけどどうなってるやら…

 

「マスター、ここに居たか。」

 

おっ、バサランテさんオッスオッス。

………その手ぇ繋いでる子どもは?

 

「死にかけの街で見つけた希望だ。

アヴェンジャーと私でワイバーンとアンデッドはあらかた始末した。」

 

そう、ご苦労様です。アヴェンジャーもどっかいるの?

 

「少し歩いたところに避難施設があってな、生き残っていた30人ほどの街の者が集まっていた。アヴェンジャーにはそこの安全を確保してもらっている。

…まあ、少し驚かせてしまったが…」

 

気まずい顔をするバサランテ。ああ、アヴェンジャーを見ちゃったからか。そりゃビビる。アイツの見た目なら地獄の使いとか言われても信じるわ、信心深いフランス国民なら尚更。

 

「今も怯えられていてな、悪いんだがマスターから説明してやってくれないか?」

 

おっけおっけ、説得ね。

 

「藤丸君、聖女様をお願い。

俺は生き残りが集まってる施設へ行くから。」

 

「はい、お願いします。槍一さん。」

 

藤丸君にそう告げて、バサランテに案内されながら街の奥へと向かう。

 

「あっ…貴女は…」

 

「…ふん、行くぞマスター。」

 

善ヌさんがバサランテに何か言いたそうだったけど、無視してさっさと行ってしまう。

 

『えっと、テステス。有栖宮君きこえるかな?』

 

歩いていると急に目の前にディスプレイが出てくるのは心の臓に悪いから辞めてほしいぜフィニス・カルデア!

 

『あっはっは、ごめんごめん。

二手に別れると聞いたからね、所長の命令で君のサポートはこの僕、ムニエルがやらせてもらうよ。』

 

「…お腹が空いてくる名前っすね。宜しくです。」

 

よく言われるよ、と笑顔で返すムニエルさん。ちょっとぽってりしたお顔がキュートっすね。女体化して平安時代辺りに飛ばされたらモテモテになれそうだ。

 

『多分褒められてないな!?』

 

バレた

 

「マスター、彼処だ。」

 

マイペースなバサランテの指さす先には、ギリギリ元の形を保っていると見られる三角屋根の教会があった。

その入口にはアヴェンジャーの姿が…

 

めっちゃ中の人に怯えられてた。

 

中にはアヴェンジャーに向かって十字架掲げて必死に祈ってるシスターっぽい人も居るし、なんだこれシュールか。アヴェンジャーも心なしか上の首無し君がオロオロしてる。狼は相変わらず今にも食い殺しそうなくらい不機嫌な面してるが。

 

■■■■……

 

あかん急ごう、アヴェンジャー我慢の限界みたいだ。

それから街の人に事情を説明して、裏手からひっそりと脱出して貰うことに。幸い女子供が半分程で、兵士らしき男手もいくらかいたので、街の外までエスコートしてあげた。

バサランテは子供を心配して安全な村に着くまで護衛したいと言い出したが、俺たちの目的は別なので却下。フランスの正規軍もこの異常事態に動いていると言っていたし、運良く合流してくれる事を祈ろう。せっかく消え掛けの命を繋いであげたんだ、あとは自分達で何とかしなさい。

 

ま、藤丸君に会わせると色々面倒な事になるからね…

 

「うふふふ…敵も勿体無いなあ、アレを先に見つけておけば、ほかの人間を誘き出せたかもしれんのに。」

 

避難してく人達を見送りながら、魔王様がまた物騒な事をつぶやく。

確かに俺が敵なら、そうする。数も力も上回ってるワイバーンを従えているなら生き残りをチラつかせて街の外から人間をこのラ・シャリテに呼び込んで、さらに被害を拡大させるだろう。そんで邪魔になったら生き残りを殺す。そっちの方が人間により恐怖を植え付けられる。

 

「あの翼竜共は統率が取れていない、だからただ暴れるだけだったようだが、あちらさんの大将は悪の素人だな。ぷくくく…」

 

「マスター、この女は…」

 

あ、この人魔王です。人間大嫌いです。趣味は拷問と搾精、殺した相手の髑髏の盃で乾杯とかします。

 

「せんわい、私をなんだと思ってる。」

 

え、しないの?どっかの第六天魔王はやったって言ってたよ?

 

「なんなんだその禍々しい魔力の渦は…この騒動の黒幕がお前だと言われても納得してしまうぞ。」

 

まあ実際人間相手にラスボス張ってた人だしね。余裕の貫禄だ、魔王の年季が違いますよ。

でもそんな魔王様の悪性に引かれて君も召喚されたんやで?

 

「そうだぞ猫娘、召喚された貴様はさしずめ『中途半端に加減して駆け出しの勇者に負けたついでに惚れてしまい、最後の戦いで成長した勇者に思いも告げられず斬り捨てられる哀れな魔王軍紅一点の女幹部』と言ったところか。」

 

「なんだその具体的な配役!?」

 

「ふーん、要するにだ。

お前は中途半端なんだよ猫娘。どうせ貴様、今までも似たようなことやらかして後悔しただろ。例えば…お前の大好きな子供の為にあの聖女とぶつかったとかな!」

 

「ぬぐっ!?な、何故それを…」

 

「図星か。お前、あの聖女をずっと避けてるもんな。昔なんかあっただろ。」

 

「ぐぎぎ…」

 

え、そうなんバサランテ?

 

「煩いマスター、昔の事は思い出したくない。お前ももう黙れえ!」

 

「お?やんのか猫娘。尻子玉抜いたるぞコラ!」

 

ポコスカ殴り合いを始める女幹部と魔王。

2人とも仲良くなってるね、良かった良かった。

 

「「仲良くない!」」

 

和やかな取っ組み合いの結果バサランテが魔王様に尻子玉(意味深)を抜かれて可愛らしい悲鳴を上げた頃、アラートが響きムニエルさんの顔がびゅうんって眼の前に映し出された。ビビった。

 

『有栖宮君、急報だ!今すぐ藤丸君の下へ合流してくれ!

敵性サーヴァントが現れた!それも5体だ!』

 

サーヴァントが…5体も!?

はっはっは、奴さんは戦争でもするつもりか。…いや今まさに戦争してんじゃん。






主人公の過去はだいたい独自設定なんで注意(今更)


次回は竜の魔女とごたいめーん
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