無口・無愛想・無欲の三無提督   作:零崎哀識

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一週間くらいで更新できるように頑張ります。

てか、ヤバい。どの艦娘出るペース遅すぎ。
そもそも、誰所属してるかほとんど決めてない。
今のところ武蔵、天龍、不知火、初雪だけ。


挨拶という名のマヒャド

幌筵泊地とは幌筵島にある泊地である。

 

深海棲艦が現れたことによって、以前から問題となっていた北方領土問題は瞬く間に解決した。

 

日本が権利を主張していたのは国後と択捉島2つのみだったのだが、ロシアは他の北方領土も全て引き取るのならその主張を認めると言ってきた。

 

深海棲艦のせいで領海の広さに旨味は無く。海で囲まれた島国の防衛などの維持にかかる負担の方が大きいとロシアは判断したのだ。

 

日本は島国であるために今さら島が増えたところで負担はさほど変わらないと判断した。

 

その北方領土の中で二番目に大きい幌筵島であるが、艦娘の出現によって価値は大きく上がった。

 

艦娘には人間とは違う採掘技術を有しているからである。

 

人間と比べると種類は四種類(燃料、鋼材、弾薬、ボーキサイト)のみ、一度に取得出来る量は場所にもよるが、艦娘を建造するのに必要な資材に満たない程度と少ない。

 

しかし、艦娘による採掘は枯渇することがない。

 

どのような原理か不明だが、永遠に資材を取得することが出来る。

 

この幌筵島は艦娘が採掘を行えるポイントとなっている。

 

現在も活動している火山がある為か四種類の内、燃料を除く三種類が採掘可能である。

 

ロシアはその事実を知ると以前日本が主張していなかった二つ以外の島の返却を要求してきたが、日本は当然拒否。

 

深海棲艦がいる為、海からの直接的な行動も出来ないでいる。

 

まぁ、そんな背景がこの幌筵島にあるのは正直どうでも良い。

 

俺が一番問題視しているのはこの幌筵島が北方領土の北から三番目の位置にあるということだ。

 

てか、本州よりロシアの方が近い。なんなら北海道の一番大きい部分よりロシアの方が近いまである。

 

文字通り島流しである。しかも、国外追放一歩手前の。

 

俺なんか悪いことした?

 

「あなたにはこの幌筵泊地の提督になっていただきます」

 

そうか、提督という存在そのものが罪ということか。(錯乱)

 

幌筵泊地の応接室で大淀さんに職務の説明を受けることになった。

 

しかし、現在自分がいる場所だけで正直もうお腹いっぱいなのだが、仕事内容というか提督という役職でもう吐きそうである。

 

「艦娘は艦娘としての力を使用する際に艤装と呼ばれる装備を使用します。しかし、艤装は艦娘が好き勝手使用出来るものではなく、提督の承認が必要となります。つまり、艦娘は提督がいないと海に浮かぶことすら出来ないのです」

 

なんか今あまり外に出回ってない機密的な情報を聞いている気がする。

 

「そして、公には出来ないのですが、提督には必要な才能というものがあります。その為、提督は常時不足しております」

 

ほら、今、公に出来ないって言った!

 

これは才能が無い振りをしてでも日本に帰らなければ!こんな北の島は日本と認めない。

 

「その才能というのが、三無さんの肩にも乗っている妖精さんと呼ばれる生物が見えることです」

 

ちきしょうッ!ファーストコンタクトで見えてますって言ってるどころか、何それ?って聞いてたわ。

 

「それでは職務内容や労働条件に関する資料をこちらのタブレットにまとめてあるのでご確認し、質問や要望がありましたら言ってください。要望は出来るだけ叶えさせていただきます」

 

え、じゃあこの仕事やりm「そういえば、私達がこの島に来るのに本州の艦娘に協力していただいたのですが、彼女達は予定があるとのことなので所属する鎮守府に帰っていきました」

 

はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ?

 

この鎮守府に提督はいない→艤装使えない→帰れない→帰りたかったら提督になれ。

 

ハメやがったなこの腹黒眼鏡!!

 

いや、まだ荷物取りに帰ると言って逃亡を。

 

「三無さんの所持品は全て一緒に持ってきて提督用の部屋にあります」

 

大淀に回り込まれてしまった。

 

てか、特殊な職種だけどこの人やっちゃダメなこと色々してるよね。

 

国も深海棲艦相手になりふりかまっていられないってことか?

 

はぁ、国相手じゃ、俺はどうしようもありません。

 

エロい人が言いました。

 

『人生は妥協だ』

 

妥協してここで出来るだけまともな生活おくれるように色々と注文ふっかけるか。

 

資料には人通り目を通したが、唯一嬉しい誤算がありました。

 

基本給がヤバい。

 

確かに他の仕事に比べて給料いいんだろうなーと思っていたが、他の職種より0が2つ程多い。

 

1つじゃなくて2つだ。つまり、100倍ってこと。

 

しかも、この鎮守府は毎月資源を一定量国に送っているのだが、その一定量を超えた場合は他の鎮守府と直接やり取りを行うことが出来る。

 

売り上げの一割は国に、八割は鎮守府の運営費の足しにし、残りの一割が自分の財布に入ってくる。

 

決めた。働いて早期退職する。

 

さて、そうなると問題になってくるのはどうやって辞めるかだが、申請をしてから五年程期間が開かないと辞めることが出来ない。

 

これは後進を育てたりするのに必要な期間である。

 

辞めた後も何年間は国から監視がつくようだが、機密情報に触れた者が馬鹿なことをやらかさない為だろう。

 

「35歳。遅くても40歳までには辞められるよう手続きをお願いします」

 

「へ?……分かりました。退職の手続きを行っておきます」

 

よっしゃ!腹黒眼鏡の鼻を明かしてやったぜ!

 

初っぱなの質問要求が退職についてなんて普通やらねえからな。

 

「次に完全週休2日制を所望します」

 

月月火水木金金なんて働いてらんない。

 

「分かりました。しかし、基本給の方が休まれる日にち分引かれることになります。構いませんか?」

 

基本給が高いから1割2割減っても人生設計に狂いはない。

 

「半年に一回は一週間の休みをください」

 

「半年に一回は厳しいです。一年に一回ならば取れると思います」

 

「それで、構いません」

 

一年に一回でも長期休み貰えるならおけ。

 

「本州からの輸送が二週間に一度となっているのですが、個人的な私への郵便物はその輸送と一緒に輸送されると考えて良いですか?」

 

給料良くてもこの島鎮守府しか無いから密林とかで物を買えなきゃガチャに回すしか意味がない。

 

どこぞの石油王かよ。

 

「はい。ただ規定量は決まっていますのでお気をつけください」

 

さて、だいたいのことは資料と質問で分かったし、注文した。

 

てか、最初の腹黒眼鏡の鼻を明かしたことで満足した。

 

でも、一つだけ気になることがある。

 

「ところで私の前任者はどうしたんですか?」

 

「っ!?……お気付きでしたか」

 

この鎮守府の大きさ、年期の入り方からして最近出来たものじゃない。

 

なら俺より前の提督が運営していたはずだ。

 

「ま、だいたいそちらの考えは見当つきますが、しっかり説明していただけます?安心してください。そのことが原因で仕事に支障をきたしたりしません」

 

後任を育てる暇が無かったってことは十中八九戦死だろ。

 

死を意識して俺が逃げる意思を強くさせたくないってところだと思うけど、あんだけ高い給料貰ってるからそれくらいは受け入れる度胸はある。

 

高い給料貰ってるからね。

 

「……騙すような形をとってしまい申し訳ありませんでした。三無さんが予想している通り、前の提督は粛清されました」

 

は?……粛清?

 

「正確には前の提督は隠れながら艦娘を酷使、不当な扱い、性的暴行に加え、横領を行っていたことが発覚した為、無期懲役となりました」

 

ちょっと待って。無期懲役って今日本で一番重い罪だよね?

 

(※無期懲役となった者は人権を剥奪され、過酷な強制労働などの国の資源として使われる。死刑は資源の無駄使いなので撤廃された)

 

「なのでこの鎮守府の艦娘は提督に対して不信感、嫌悪感だけでしたら良かったのですが、殺意を持ってる者もいます」

 

だからちょっと待って。なんか味方の誤射で戦死しそうなんだけど。

 

「ですが、そこまで分かっていながらこの鎮守府の運営を問題無く行うと言う三無さん。いえ、三無提督。三無提督の監視、護衛の命を横須賀鎮守府から派遣されてきた大淀型一番艦 大淀。これよりあなたを私の真の提督とし、精一杯護衛を勤めさせていただきます!」

 

マジでちょっと待って!なんかすごい盛り上がってるけど監視って今言ったよね!?いや、それよりも横鎮なんてデカいところより俺を重きを置かないで!

 

誤解だから!そんな重い背景の鎮守府背負えないから!

 

「それでは現在1700ですが艦娘達を集め、挨拶を行いましょう」

 

お願いだからちょっと待っ……大淀さん行っちゃったよ。

 

はぁー。死にたい……嘘です。死にたくありません。

 

艦娘に殺されたくありません。

 

でも、分かった。大淀さんは勘違いしていたけど横須賀鎮守府というか国はこの立地最悪かつ職場関係最悪の鎮守府に優秀な提督送るのは勿体ないからへっぽこな俺を送ってちゃんと後任用意しましたよって体裁とりたいのね。

 

なんか大淀さんが可哀想に思えてきた。

 

エリート鎮守府から泥舟鎮守府に左遷されたんだもん。

 

ごめん。腹黒眼鏡とか言っちゃって。

 

大淀さんの為にも出来るたけのことは精一杯やろ。

 

ピンポンパンポーン

 

『提督が鎮守府に着任しました。これから提督の挨拶を行うので大広間にお集まりください。参加は必須です。参加しない場合はそれ相応の覚悟をしてください』

 

なんかメチャクチャ脅し入ってなかった?

 

大淀さんってそんな子じゃ無かったと思うんだけど。

 

いや、どんな挨拶するか考えねば。大広間に着くまでになんか良いの思いつけばいいけど。

 

……大広間ってどこ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後

 

大広間

 

ざわざわざわざわ

 

なんとか大広間を見つけた。

 

あの後大淀さんが戻ってくるかもと10分程待っていたのだが、戻って来ず。

 

仕方なく一つ一つ部屋見て探した。

 

ざわざわざわざわ

 

メッチャざわざわしてるし。

 

たよねー、この後っていってから30分だもん。

 

ざわざわするよねー。

 

みんなの前に立ったはいいが、喋りずら過ぎる。

 

「それでは提督。よろしくお願いします」

 

……大淀さん。そんな期待した目で見ないで。

 

そして、喋り煩いのに急かさないで。

 

いや、喋るけどさっ!

 

「本日付で提督を行うことになった三無冷利です。最初に2つ程皆さんに言っておきたいことがあります。

 

まず、ビジネスライクの関係で行きましょう。仕事さえしてくれればいいです」

 

性的暴行されてたとか言ってたし、仕事以外は艦娘達の方も関わらない方が良いよね。

 

「次に何か要望などがあったら言葉にするか、目安箱を設置するのでそちらに投書してください。検討し、利にかなっていたら実現させます」

 

何かあったら言葉とか文字にして。察するなんて高等技術すぎて無理。

 

それと、肉体言語とかマジ勘弁。

 

「以上です」

 

校長とか上司の長話って殺意沸く。

 

殺意持ってる艦娘達は殺意の波動に目覚めるかもしんないし、長話はしない。

 

「おい」

 

最前線の眼帯かけた艦娘が何かあるっぽい。

 

えーっと、確かあの艦娘は「……天龍さんでしたよね?何でしょうか?」

 

資料に載ってたから多分あってる。

 

なんかメッチャ睨んでくるんだけど。

 

「この鎮守府でまともに生活を送りたかったら。俺達からの信頼してもらえるよう努力するこったな」

 

「あ、信頼とかしなくていいんで仕事してください」

 

「「「「「は?」」」」」

 

なんか空気が死んだ。この人でなし!

 

 




今日のオリジナル兵装
多量輸送兵装 方舟
名称は本文中には出て来なかったが、本州から車ごと幌筵島に運ぶのに使用された。
円柱の形をしており、内径役11m全高役18m。
通称超大型ドラム缶
頑丈さと浮くというこの二点に特化しており、艦娘六隻で曳航されることを前提に設計されている。
ノアの方舟は箱の形では無く、円柱状だったという文献が見つかったので正式名称がつけられた。
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