無口・無愛想・無欲の三無提督   作:零崎哀識

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久しぶりの三無視点
いつも通り勢いで書きました。
多分、今回大分読みづらいです。

5話のUAは4話の3分の2でした。

やったぞ!これは更新速度が3分の2になっていいということだ!
よくやった大淀!


妖精さんという名のカタカナ

「「「「「は?」」」」」

 

……はっ!?

 

空気が死に過ぎて時間さえ止まったんじゃないかと思った。

 

体感だと2週間くらい。話数的には2話くらい。

 

「おい!信頼がいらないってどういうことだ!」

 

え?信頼って信じて頼るって書くんだぞ。

 

いやいやいやいや、俺みたいなボッチ信じてどうすんだよ?

 

ドが付く程の素人の俺を頼ったらここ潰れるよ。

 

「大淀さん。この鎮守府に今最も必要なものはなんですか?」

 

この鎮守府が潰れない為には俺なんかを頼らずともやって行けるだけの力を艦娘達は身に付けねばなりません。

 

というか、むしろこっちがブラックって言われる程の労働環境で得た艦娘達の経験を信じるし、この道のプロと言える艦娘を頼るわ。

 

はッ!?知らない内に俺ってば艦娘信頼してるじゃん。

 

「なるほど、そういうことでしたか」

 

お、大淀さんは分かってくれたっぽい。

 

そりゃ、心意気は気にいられたみたいだけど能力面はダメダメって分かってるもんね。

 

「それでは大淀さん。後はよろしくお願いします。自分は部屋に戻り、荷ほどきしなければならないので」

 

提督嫌いの彼女達の為にも早く視界から消えますね。

 

「では、皆さん。明日から職務が始まるので今日はゆっくり体を休めてください」

 

挨拶だけして大広間を出た。

 

あーしんどい。

 

大勢の前で話すとか吐きそうになる。多くても5人までにして欲しいわ。

 

え、1艦隊の基本的な人数は6人?

 

大淀さんにぶん投げちゃおっかな。

 

そうすれば俺も幸せ、俺に会いたくない艦娘も幸せ。まさにWin-Winの関係。

 

大淀さん?……中間管理職はキツいって利根川さんが言ってた。

 

というのは冗談でぶん投げなんてしないせいぜい8割くらい。

 

残り2割の為にタブレットに入った資料でも見直しながら提督室に戻る。

 

歩きタブレットは他の人に迷惑がかかる。

 

おいおい、この鎮守府には俺と艦娘しかいないんだぜ。

 

艦娘は現在大広間にいる。

 

迷惑かける他人がいない。

 

なんなら鎮守府の敷地外にもいない。

 

……ホント、スゴイトコロキチャッタヨネ。

 

ドン!

 

「あっ、すいません」

 

なんか誰かにぶつかった。

 

やっぱながらタブレットは危ないねー。

 

てか、誰だよ。誰もいないって言った奴。いや、俺ですけどね。

 

とりあえず、ぶつかった相手を確認を……あれー、誰もいないんだけど。

 

あれ、気のせい?

 

さっきも言った通りこの鎮守府だけでなく、この島には俺と大広間にいる艦娘しかいない。

 

うん、気のせい『オイ、チャントマエミテアルケヤ』じゃない!?

 

え、姿見えないのに声が聞こえる。まさか幽霊?

 

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、これは新手のスタンド能力で攻撃を受けているだけだし!!

 

ほら、最初は承太郎だってスタンドのこと幽霊だって勘違いしてたし。

 

べ、別に幽霊が恐いわけじゃないよ。

 

ただ、こっちからは干渉出来ないのにあっちからは好き勝手攻撃出来るのはズルいと思う。

 

だから、殴れば黙るお化け屋敷とかは平気だし。

 

いや、係の人にメッチャ怒られて若干トラウマっす。

 

『オイ、キイテンノカ!』

 

ちっ、俺はまだスタンド使いじゃないからスタンドが見えねえ!

 

きっと巻き込まれ系主人公やってた康一くんみたいに矢で射られてスタンド使いになるんだよ!空母の艦娘は弓使うらしいからその辺りが怪しいな。

 

え、四部の主人公は康一くんじゃなくて仗助だって?

 

四部は主人公がいっぱいいると思え、川尻早人だって主人公してたし。

 

能力者相手に無能力で駆け引きするなんて最高に主人公じゃん。

 

はっ!今俺に求められているのはそれか!

 

スタンド使いにスタンド無しで対抗する。

 

この二次創作は運営系コメディかと思っていたが、異能力バトルコメディだったかのか!

 

バトルラブコメじゃないのかって?

 

言わせんなよ。俺にラブなんてスタンドに目覚めるよりありえない。

 

艦娘も異能力者っちゃ、異能力者でしょ。

 

周りは異能力者だらけなのに奮闘する主人公。

 

……やべ、普通ならここで燃えてくるのかと思うんだけど、俺の性格上冷めちゃった。

 

そして、冷めて考えると無理でしょ。異能力者相手に無能力者の俺が異能バトル?

 

勝てねえよ!死んじゃうよ!

 

矢よ来い!射され!後遺症残らないくらいの傷ならどこでもいいから矢射され!今ならあの父親を殺すスタンドにも目覚められる気がするからお願いします!

 

『……オイ、キイテンノカヨ。……ムシスンナヨ。……グスン』

 

結局矢は飛んで来ず、代わりにスタンド攻撃がなんかもう泣きそうだった。

 

「なんかすんません。でも、スタンド使いじゃないんでスタンド見えないんですよ」

 

『スタンド?ナンノコトカハシラネエガ、アンタテイトクダロ?テイトクナラオレタチヨウセイガミエナイッテコトハナイトオモウンダガ』

 

妖精って艦娘が使ってる謎技術の妖精さん?

 

てか、小文字でその長文は見辛い。

 

『オウ!オレハコウショウヨウセイ。ミヅライノハシヨウダ』

 

こいつ脳内に直接!?

 

『イヤ、ヨウセイハモトモトテレパシーデカイワダカラナ』

 

え?じゃあ、こっちの考えだだ漏れじゃないすか。変態!覗き魔!

 

『アンシンシナ。コンカイハアマリニモハンノウガナカッタカラジュシンリョウフヤシタガ、フツウハソッチガツタエヨウトシタコトシカツタワンネーヨ』

 

でも、それってその気になればこっちの思考覗き放題ってことじゃ。

 

そして、やはり見辛い。

 

『……サテ、シカタナイカラミヅライノハアトデソウビデナントカシテヤル』

 

えっと、思考覗き放題の件については……

 

『ホラ、ヘヤデヨウセイニツイテオシエテヤルカラハヤクイコウゼ。チナミニオレハアンタノミギツマサキノマエダカラナ』

 

ねー、覗き放題の件は?

 

『ウッセー!オトコガチイサイコトヲキニスルナ!』

 

逆ギレ!?

 

 

三無冷利自室

 

 

『ツマリ、チンジュフノシセツハテイトクノソウビトイウコトデス』

 

自室で待ち受けていたのはたくさんの妖精さんだった。

 

妖精さん声は相も変わらず小文字だったが、工廠妖精が持ってきたワイヤレスイヤホンのようなものをつけたら大文字カナになったので少しマシになった。

 

大文字カナは深海棲艦の台詞として区別したかったのだが、あまりにも見辛かったから仕方ない。(メタい)

 

んでもって、水兵帽に三つ編みの妖精さんが何故妖精の声が分かるか教えてくれた。

 

妖精には担当となっている装備があり、その装備を装備している者にはテレパスできるそうだ。

 

そして、提督は鎮守府を装備しているので鎮守府の施設の妖精がガンガンテレパス出来るそうです。

 

いや、うるせえよ。このイヤホン付けてから目の前にいる妖精以外の声も聞こえる。

 

『ジャア、ワタシタチトカイワスルトキイガイハハズシタラドウデス』

 

あ、やっぱこっちの思考筒抜けなのね。うん、もう諦めた。むしろ喋らずに会話出来るって結構便利。

 

(こうしてコミュ力は低下の一途を辿る)

 

ま、三つ編み妖精『チュートリアル娘!』チュートリアル娘の言うことはもっともなので気分的にはこのイヤホンは外すことにする。

 

さて、妖精さん講座でまだ行えていない荷ほどきをしちゃいますか。

 

『モヨウガエデスカ?ナラワタシタチモオタテツダイシマス』

 

何こいつらめっちゃ便利。

 

『ココハワタシ、ワタシノデバンデスネ』

 

『トクチュウカグショクニンサン!』

 

『ドーモ、テイトク=サン。トクチュウカグショクニンデス』

 

「ドーモ、トクチュウカグショクニン=サン。ミツナシレイリです」

 

挨拶されたら挨拶を返さなければならない。古事記にも書いてある。

 

『オオ、ヒマスギテネットイジッテタトキニミツケタネタガツウジルトハ』

 

こいつパソコン使用する講義にいる大学生かよ。

 

『キホンテキニシツムシツデシカ、カグノサクセイハオコナワナインデスケドコンカイハツクッチャイマス』

 

ただで家具もらえるとかラッキー

 

『ニホドキトカモコッチデヤッチャウンデ10フンホドソトデジカンツブシテクダサイ』

 

了解。

 

そんじゃあ、ちょっくら執務室に引きこもってきます。

 

『……ヒッキーデスカ、キョウキタバッカナンダカラ、チンジュフノシセツミテキテクダサイヨ』

 

え、さっき大広間探すのにあらかた見たし。

 

『ドンナコトデキルカシリョウノチシキダケデショ。ワタシタチガアンナイシマス』

 

資料の知識あれば『カグホシクナイデスカ?』

 

よし、案内してくれ。

 

『ゲンキンナヒトデス』

 

なんとでも言うがいい。ただより安いモノはない。

 

こうして大勢の妖精を連れたリクスー姿の男が部屋から出て、廊下を歩き出した。

 

まだ、提督用の服とかもらってないんですよ。

 

……もう6話なのに。

 

さて、気を取り直してどこから行くか。

 

『コウショウ!』

 

『ショクドウ!』

 

『アイテムヤ!』

 

『マーミヤ!』

 

『ドック!』

 

『カンムスリョウ!』

 

うるせえ!それと、最後の2つは無し殺される。

 

艦娘寮は俺のことを殺したいほど嫌っている艦娘達の巣窟であり、ドックはそんな艦娘を修理する施設だが、どう見ても風呂。

 

運が良くても社会的に殺される。

 

君子不近刑人(くんしあやうきにちかよらず)

 

『ウワー、カンゴナンカツカッテチシキジンブッテルデス』

 

おい、ちょくちょくお前ら黒い部分出てきてるよな。

 

『ソンナコトナイデス!』

 

『テイトクノコトシッテタラ、タイテイハオナジカンソウイダクダケデス!』

 

分かった。お前ら妖精って言うより悪魔だろ。

 

『アクマトハシッケーナ!』

 

『ワタシタチハレッキトシタヨウセイサンデアル!』

 

『チナミニデュラハンヤグレムリントカモヨウセイデアル!』

 

『ジコトカオコシタクナカッタラアマイモノヲショモウスル!』

 

もう隠す気ねーじゃねーか!

 

はー、お前らがデュラハンかグレムリンかって聞かれたら後者だし、伝承通り飴やるから大人しくしてくれる?

 

『ワーイ!』

 

『ヤッター!』

 

『アメー!』

 

『カンミー!』

 

金平糖がリクスーの中入ってて良かった。

 

『シゴトシテルワタシタチニモ!』

 

分かってるから別の部屋からテレパスしないで、収拾がつかなくなる。

 

「……提督」

 

ん、あれ?読みやすくね?

 

……カタカナじゃない!?

 

おいおい、お前ら漢字使えるなら最初から使えよ。

 

『ワタシタチハツカエマセン』

 

嘘つけ。ついさっき使ったばかりじゃねえか。

 

『ワタシタチジャアリマセンモン』

 

ん?……さっきの『 』じゃなくて「 」じゃね?

 

はっ!先ほどの声はつまり艦娘!?

 

警戒せねば下手したらタマ取られる。

 

声がした方向を見ると銀髪の目隠れボブカットの巨乳がいた。

 

マシュ!?マシュが何故ここに!?(オプリチニキから)逃げたのか?自力で(カルデアから)脱出を?

 

『(無言の腹パン)』

 

『カノジョハマシュデハナイ!』

 

 




今日の妖精さんのコーナー
チュートリアル娘
今回出た見た目は水兵服に三つ編み
お茶を飲んでいる

……お前は呼んでないぞ猫吊るし

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