立てば石楠花、座れば牡丹、戦う姿はゴリってる!!! 作:九十九夜
といってもお試しなので続くかどうかは未定。
「私はこの通り国に仕え、王に仕えるもの。故に貴女を寂しがらせてしまうこともあるかもしれない。ですが、これから先何者からも貴女を守って見せると誓いましょう。ですからどうか、私を受け入れてください。」
熱の籠った男の、宣誓にも似た言葉に、思いがけずも心が揺れた。
こんな私でも、誰かを愛していいのだろうか、恋に生きていいのだろうか。
幸せを夢見て、いいのだろうか。
「誠実な方。けれど、それならば。条件があります。次の新月の日の夜にまたここにきて私と語らってくださいまし。その時に明かす私の身の上を聞いて、それでも受け入れてくださるというのであれば、私は貴方の物になりましょう。」
そして次の新月の夜。待てど暮らせど、ついに朝日が昇っても、男が来ることはなかった。
―――ああ、どうして。どうして、来てくれないのですか。
約束したのに、約束したのに。
ポロリポロリと女は泣く。
信じていたのに。と、顔を覆って。
***
オス、おらモブ。名前はもうある。コンラッドっていうんだ。よろしく。
早速だが俺の自慢の家族を紹介しようと思う。
まず、我らが一家の大黒柱、父・アグラヴェイン。(年齢不詳)
まるでやーさんみたいな強面でごつごつした印象を受けるけど、何でもこなして且つ、俺とかーちゃんを大切にしてくれる自慢のとーちゃんだ!
次に、我らが家族のオアシス、母・クローディア。(かなり若く見えるけどこっちも年齢不詳)
すげーぞ。何がすげーってうちのかーちゃん超美人。更に更に料理も出来て、そこらの騎士じゃ勝てねーくらいつえーんだぞ!スゲくね!?
あ、でもさ。たぶん俺のかーちゃん転生者っぽいんだよね。なんせ作ってくれるのブリテン料理じゃなく日本食が主だったりするから。いやまあ、うまいんだけどさ。
は?なんでわかったか?ああうん。オレも転生者だから・・・。
え・・・死因を晒せ・・・?落ちたんだよ・・・肥溜めに・・・。
管理者がさ・・・蓋・・・締め忘れたんだって。
・・・・はいはいはいはい!気を取り直していってみましょう!
続いての話題はこちら!
どん!はい、見ての通り水面に俺の顔が映ってますね~。
ね?ほら、すごい美形でしょ?
この母親譲りの青い目に~どっから来たかわからない金髪に~
これまたどっから来たかわからない精悍な清々しいイケメン面~
どう見たって目の色違う太陽さんじゃねーかどチクセウ!!
どーなってんだよアッくん要素一つもねーよ。
不義の子()確定じゃねーか!!
何故かアグラなヴェインさん何も言ってこねーしよー・・・。
あ、もしかしたら隔世遺伝みたいなもんか!!
なーんだそっかあ、心配して損した~
・・・なんて思ってる時期か俺にもありました。
今日ってか明日。オレは騎士として城仕えが決まった。
その際に兜を渡され俺の出自とこの役割の理由を打ち明けられた。
曰く、本当はオレの父はかのガラティーン卿でいろいろあって俺の存在を知らぬまま母と別れてしまった。
曰く、父(アグラヴェイン)が下手に動くことのできない円卓内部の不忠者を発見またはそれの兆候を見せたものへの対処、報告をするため。
とかなんとか・・・うん知ってた。
そして父よ。多分俺に気を使っていろんなところの言葉ぼかしてんだろうけれどさあ・・・
結局あれだろ。なんやかんやあって酒の勢いで同僚だった男装騎士(かーちゃん)と関係を持ったガラティーンさんがなんか勘違いの末に別人だと思って逢瀬()重ねて婚姻迫ったけど返事待ちの間に他に婚約者できて身重のかーちゃん捨てたってことだろ。
それぐらい俺でもわかるよ。
え?アグラヴェイン優し過ぎねって?
なんか最初男性不信だったかーちゃんに親近感湧いて取り敢えず気遣ってたみたい。だけど、そのうち俺にも懐かれて情もあるからってかーちゃんと結婚することになったんだと。
それからまともな家庭の中で家を回しつつオレを目一杯可愛がるかーちゃんを見て色んなところのネジが緩んだり取れたりして現在のちょい親ばかと嫁馬鹿が入った鉄の男に転身した。
愛の力()ってすげーな。熟年夫婦ばりのコンビネーションの万年新婚夫婦がそこにはいた。
あ、もうすぐ俺にーちゃんになるんだぜ。
ちなみに俺の顔とかゴリラ卿そっくりだけどムカつかないのかそれとなく聞いてみた。ら、「見た目は兄上だが中身は私とほぼほぼ変わらないから気にしない。」と返ってきた。マジで?それ喜んでいいの?
ちなみに同じようなことをかーちゃんにも、モードレッドの姐さんにも言われた。Oh・・・。
取り敢えずアレだ、ゴリラ卿。首洗って城の裏な。