立てば石楠花、座れば牡丹、戦う姿はゴリってる!!! 作:九十九夜
今書いてしまった。
仕方ないねだって頭がアレな自分の作品だから・・・。
冥界なう
死んだと思って目が覚めたら冥界でした。
当たり前である。
更に言えば目の前には前の前の自分が小学校時代に勉強したあの・・・教科書に書いてあった死者の書に描かれている顔が鰐、胴と鬣が獅子、下半身が河馬という地上で最も恐ろしいものをより合わせたと言われる女神、アメミットがいた。
つぶらな瞳でこちらをじっと見つめるアメミット。
それを見つめる自分。下手に動いたら噛みつかれるんだろうか。
と思っているとまるで犬の様にすり寄ってきた。
何だこの女神超かわいい。
そんな邂逅を経て自分とアメミットが遊んでいると咳払いの音が聞こえる。
その顔を見て自分は・・・。
「すまないが少しぎゃああああっ」
条件反射の如くその人物に対して鋼線術を行使していた。
済んでのところで避けたか・・・ッチ。
あろうことか自分に声を掛けてきたのは自分を認知しなかった父親と同じ顔の男だった。
首から下は古代中東の衣装を着ていたが、やはり顔は例のゴリティーン卿である。
「なんなの君ほんとに死にたての亡者!?死にたてのゴリラの間違いじゃないの!?」
「すみません。目の前にいたのが生前首を斬られたアンチキショーもげろ案件野郎だったものでつい・・・手が滑ってしまいました。」
「どんだけ恨みつらみ溜まってんの君。」
「勘違いだったようで・・・あとゴリラはてめーもだろ。ゴリティーン卿。ゴホンッ・・・失礼。」
「ほらやっぱり!!」
その生前は崩れることのなかった美貌を涙と鼻水で濡らしながら恐怖からなのか何なのか嗚咽を漏らす男にハンカチを差し出す。奴の貌でやめろ。というか奴と同じ顔という事は自分ともほぼ同じ顔という事である。
マジでやめて欲しい。あと鼻はかまな・・・あ、いいです。そのハンカチは貴方に差し上げます。
「落ち着いたところで改めて、私はプハタという。職能は・・・まあいろいろ。冥界神だ。あとこの顔は君の認識の中から取ってきた顔であって私の本当の貌じゃないから。頼むからその手に持ってるのしまって。お願い。」
・・・?プハタとは確か緑の肌に包帯で肢体を包まれた死者の姿で登場する神ではなかったか?
そう疑問に思っているとプハタ神が溜息を吐いた。
「やっぱりねえ・・・あのね、この姿はあくまでも君の認識の中の強い印象の人物を持ってきただけなの。だってほら、人間やそれに準ずるものは自分と違うものを嫌うものだろう?このご時世で緑の肌だったり包帯ぐるぐる巻きだといろいろあるんだ・・・。」
神はそう遠い目をして仰られた。
苦労しているんだな。神も。
「・・・それで、私にいったい何の御用で?」
その応答によくぞ聞いてくれました!!と顔を綻ばせるゴリティ・・・プハタ神。
当たり前である。神やらその遣いやら妖精やらといった輩が人の前に現れるのは大体何かしらの厄介ごとがつきものだ。
「あの・・・大変申し訳ないんだけれども・・・」
「はい。」
「君には世界を救ってほしいんだ!」
「はい・・・はっ?」
「よし!決定!!アヌビスーウプウアウトーOKでたよー!!」
そこに走ってきたのはかのミイラ作りの神と戦神である。正直モフりたい。
そしてどちらも冥界神だ。あ、冥界だからか。
「あの、ほんとにそんな安請け合いしちゃって大丈夫?セクメトの本体じゃなくとも化身ってだけでもすごく危険なんだよ?」
セクメト?化身?と首を傾げる自分に心配してくれた方とは逆の・・・こちらは人の身体にジャッカルの頭がついているのでアヌビス神か、が目を見開いてプタハ神の方を向く。
「ちょっプタハ神貴方肝心の概要を説明せずに何してんですか!!」
言われたプタハ神も素で忘れていたのかあ、ヤバい。という表情になって説明してくれた。
曰く、ほんの少し前に重要な役割を持つ子供が生まれたこと。
その子供が様々な手のものから命を狙われていること。
それを見越した神々がちょっといろいろ介入できる者を時間を遡って彼の傍に置いて守れるようにしたこと。
そして、その者・・・彼にとっての姉が現在地上で猛威を振るっていることを聞かされた。
「でね、その子がその・・・いろんな女神の合作でさあ・・・主成分は・・・私の奥さんなんだよねえ・・・。」
詰まる所あれか?自分にそのバーサーク女神人止めて来いと?
自分で行って自分で片付けてこいや。
てかもう所業が人間のそれじゃないんだけど。
「いやいやいや。それを言うなら君もじゃん。普通の人間は熊やドラゴンと並走して首へし折ったりしないよ!?私知ってるんだからね!?きみがパーシヴァルとかいう人と一緒に野山を駆け巡ってハンティングしたりしたの!!」
「それは・・・あの、あれですよ。ファンタジーの国ブリテンだから。」
「なにそのディ〇ニーランドだからみたいな理由。駄目だよ全く信憑性無いよ!!」
あれはそう、空腹だったんだ。仕方がなかったんだ。
ね?と傍にいるアメミットに言うと仕方ないねとでも言いたげな鼻息を鳴らしてくれた。
一方のプタハ神はまたぐちょぐちょの泣き顔でもう君しかいないんだって!!とがっしりと自分の衣服を掴んだ。
やめて、鼻水とかやめて。
「頼むよー。この世界の人間はこれ以上弄れないんだって!!やっと聖杯越しに交信できた君しかいないんだって!!」
大丈夫、君の肉体やら魂やらは既に溶けてて復元不可能だったけどそこは私たちで何とかするから!!と滅茶苦茶いい笑顔でとんでもねええげつない事実を口にするプタハ神・・・これが・・・神か・・・。
どうやら私に拒否権は無いようです。さようなら
身体の製作やら魂の製作やらをしている現場を見ていた時に怒鳴り声とともに「だって!!その通りにって言ったじゃないですか!!あの人元から首離れてましたよ!!」という声が聞こえた。
出来上がった肉体は案の定首が綺麗すっぱりと離れており、製作した職人たちと冥界神は「いやいやあのね、たぶんあれだ。鍛冶関係の神は身体に不具があるのが定評だからプタハ神のが強く出てこうなったんだと思う」と言われたが・・・いやあの、絶対そっちの過失だよね!?
そんなこんなで難行しつつも作られていく間、自分はアメミットと戯れていた。
アメミットちゃん可愛い。
結局いろいろと強化やらなんやらを加えられた肉体と魂はプタハ神とアヌビス神とウプウアウト神の三柱分の複合神性持ちマジカルでミラクルな肉体と魂になってしまった。魔改造もいいところである。
というかこれでも不安がるあたりその女神の合作(スーパー女神人)どんなバケモンだよと思ってしまった。
「体に気を付けてね。気を付けるんだよおおおおお」とこれまた泣き顔で送り出す三柱に苦笑を溢しつつ棺に入る。
神官たちには話を通しておいたからと言われたが本当に大丈夫なんだろうか。
そんなこんなで次に目を覚ました自分を待ち受けていたのは―――。
「お待ちしておりました。セテプエンプハタ様。」
メンフィスの神官一同からの手厚い歓迎と、セテプエンプハタという新たな名前だった。
「あ、はい。」
因みに身体に巻かれていた包帯に染みついていたプハタ神の涙やら鼻水やらを不思議がった神官たちにそのまま話したら着替えとともに包帯を持っていかれてしまった。
いやあの・・・なんに使うの?それ。
因みにセテプエンプハタはプハタに選ばれた者という意味だそうです。
コンラッドオオオオオオオッ