コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

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今回は1話にまとめたスタイルです。
これからは度々、主人公の本音と勘違いを混ぜたスタイルがあると思います。




新たな仲間

 シンジュクゲットー。主要メンバーが集まっているという部屋に案内された薫は待ち構えていたメンバーと顔を会わせる。

 

「どうも~」

 

 軽薄そうな青髪の女性、柏木遥は手を脱力しながら振る。伊坂シュンは緊張したような面持ちでこちらを見ていた。

 

「よく私の願いを聞いてくれた。本当に感謝するよ」

 

「いや、俺としても兵力は欲するものだった。互いが求めるものが一致しただけにすぎない」

 

 奥から現れたのは桐山。彼女の傍らには小さな子供が着いていた。その子はあの時の血だらけの子供だ。この目で見ると感慨深い。

 

「で、作戦があるんでしょ?早く話してよ」

 

「柏木!」

 

「私はまだその仮面に信頼を寄せるだけの材料がないんだよねぇ。この目で見ないとさぁ…」

 

 伊丹が叱るが柏木はなにも言わずにカオルを見つめる。

 

(思ったよりキャラ濃いかも。この組織…)

 

 一瞬だけ気圧される薫だがここで負けてはいけないと踏ん張り。手にしていたアタッシュケースを彼女らの前に置くと開ける。

 

「作戦に必要な情報だ。この作戦は単純に言えば救出作戦、それもブリタニア人のな」

 

「ブリタニア人?」

 

「なんで敵を助けるんですか!助けるべき日本人なんていくらでもいる!」

 

「人種などどうでもいい」

 

「なっ!?」

 

 不満を漏らすシュンの機先を制するように重く話すカオル。こういうのは下がったら敗けだと勝手に思ってる。

 

「ブリタニアを打倒する。その目的ならブリタニア人とて助けよう。俺は彼女らは力になると思っている」

 

「ふーん」

 

「でも!」

 

 シュンはそれでも納得いかなそうだったが柏木に止められ黙る。どうやら柏木というやつの攻略が先のようだ。

 

「作戦は?」

 

「実に簡単だ。地下のルートから侵入する、警備システムは救出対象が止めてくれる」

 

「へぇ、もう準備は万端だってことかぁ。なら私たちが行かなくてもあなた一人でも大丈夫じゃないの?」

 

「いや、屋敷の制圧は我々が行う。借用書などの目標を滅却し、ついでに地下に眠っている脱税金をたっぷりと頂く。人員と資金問題をここである程度、解決させる」

 

 作戦内容は簡潔にすまされたが全員に渡された資料たちがこの作戦の成功率の高さを物語っている。だがこの資料があくまでも正確であればこそだ、罠ならどうしようもない。

 

「トラックを二台。無頼を二機づつ載せて付近に待機、もしもの時は証拠もろとも焼き尽くす」

 

「……了解」

 

 しばらく思考を巡らしていた柏木だがなにも言わずに了承する。

 

ーー

 

「このトラックならナイトメア3機はのるなぁ」

 

「ぎゅうぎゅうに積める必要もないでしょ」

 

「私たちは作戦命令書どおりに動けばいいのよ。合図を見過ごさないで」

 

 ナイトメアのパイロットに選ばれた人員がトラックに無頼を載せながら談笑する。そして白蛇含め、10人の制圧メンバーが選ばれると装備を確認する。

 

 薫も腰の刀と貰ったリボルバーを確認する。自動拳銃もあったがこっちを選んでしまうのは男だから仕方がない。

 

 目標であるカヴァリル卿の屋敷に直接向かう後方支援隊が先に出発。その後に薫たちも目的地に向かう。作戦開始は深夜、闇に紛れて全てを終わらせる。

 

 場所は無人の変電施設。所定の位置に待機していると地下に通じる扉がゆっくりと開かれる。

 

「お待ちしておりましたご主人様」

 

「それは止めろと言った筈だがな。俺は白蛇だ」

 

「はっ、白蛇さま」

 

 中から出てきたのは金髪の美しいメイド。ジェシカは礼儀正しく礼をすると通路を開ける。そんな光景にシュンを初めとする男性陣は息を飲む。

 

「徒歩10分ほどで到着します。どうかお願いいたします」

 

「あぁ…」

 

 ジェシカの案内の元、地下通路を移動した薫たちは。突入の準備を行う。

 

「ジェシカ、状況確認」

 

「はっ、ミレナ。警備室はどうなっていますか?」

 

 警備室にお茶を運んでいた黒髪短髪のミレナは日本人と言うより中華連邦系の人種だ。彼女の周りではすでに睡眠薬入りのお茶を飲んだ警備員が転がっていた。

 

「こちら、ミレナ。問題ありません」

 

「こちら、バレット。警備詰め所もクリアです」

 

 対して浅黒肌のバレットはガスマスクを着けて詰め所を見渡す。睡眠ガスを流し込んだ彼女は口笛を吹きながら詰め所の鍵を指で回していた。

 

「よし、いくぞ!」

 

 白蛇の声と共に邸宅に侵入。伊丹たちは銃を構えながら邸宅を静かに占拠していく。目的の資料があるのは2階のカヴァリルの書斎。奴もそこにいるはずだ。

 

「伊丹、お前は地下の金を運べ」

 

「はい」

 

「柏木、俺と供に来い」

 

「…了解」

 

 柏木は白蛇の命令に疑問を持ちながらも後に着いていく。2階に上がったちょうどその時、徘徊してきた警備員と鉢合わせる。

 

「貴様ら、何者!」

 

「くそっ!」

 

 柏木が拳銃で撃ち殺そうとした瞬間。一番近くに居た白蛇が剣に手を伸ばし、そのまま柄で腹を殴る。

 

「うっ…」

 

 その衝撃で気絶した警備員は静かに倒れる。

 

「サイレンサー無しの銃は使うな…」

 

「すいません…」

 

 柏木が感心している他所で薫は汗がダクダクだった。本当なら刀を抜いて気絶させるつもりだったが抜けなくてそのままの勢いで柄で殴ってしまったのだ。

 

(危ない、危ない…)

 

 冷や汗をかきながらもなんとか書斎に辿り着いた薫はゆっくりと扉を開ける。

 

「なんだ…おい。お前たち、何物だぁぁぁぁ!?」

 

 カヴァリルは突然入ってきた白蛇たちに驚き、叫ぶが背後に控えていたメイド。エクレは隠し持っていたスタンガンを容赦なく首に当て気絶させる。

 

「こちらエクレ、任務完了」

 

「よくやってくれた…」

 

 全て問題なく作業は進む。というよりこの屋敷の全てを知り尽くしているメイドたちが味方についていることが最大の要因だろう。

 

(なんもやることがない…)

 

 薫たちがやったことと言えば書類を見つけて綺麗に燃やしただけ。後は伊丹の班が金を運ぶのを待つだけとなってしまった。既にカヴァリル親子はメイドによって鎮圧され報復にあっている頃だろう。

 

「すべて、作戦通りって訳か…こんなに簡単に手に入るなんて」

 

 金がこんなに簡単に転がり込んでくる。チラリと見ただけだが金塊などをどっさりと頂いている。

 

「これで少しは認めてくれたか?」

 

「いえ、なんかすいません」

 

(この子、いい子だな)

 

 素直に謝れるのは美徳だ。最初はどんな奴かと思って戦々恐々としていたがなんとかなりそうだ。そんなことを思っているとメイドたちが世話しなく動き回っているのが見えた。

 

「ジェシカ、なにをしてるんだ?」

 

「白蛇さま。折角ですので良い茶葉や酒は持っていこうかと、どうせ我々が居なくなれば管理もずさんになりましょうし」

 

「好きにしろ」

 

「ありがとうございます」

 

 さっきから鞄やアタッシュケースを抱えて運んでいるメイドたちは放っておくとして薫は最後のつめを用意する。

 

「それは?」

 

「あぁ、カヴァリル卿の不正の証拠だ。通報すればこれをバラ撒くという脅しさ」

 

「なるほどね」

 

 柏木が納得するのを見て薫は机の上に書類を置く。思った以上に分厚い書類にため息が出る。こいつが下手すればミレイの婚約者となっていたのだ。笑えない話だ。

 

「ナイトメア隊には撤退の合図を。安全運転で帰れよ」

 

「了解しました!」

 

 部下の一人に合図に向かわせると背伸びをして地下通路に戻る。

 

「作戦完了。撤収する」

 

「「「了解!」」」

 

 一人の怪我人も一発の弾も使わずに作戦を終わらせた白蛇。当然ながらグループ内でもその手腕は高く評価され誰も彼女がリーダーになることに不信を示すものは居なくなったのだった。

 

「こりゃすげぇ!」

 

「金の山だぁ!」

 

 無事に拠点に搬送された金や金塊を見て興奮するグループ員たち。それを見届けながら白蛇は一息つくために椅子に座る。

 

「こちらを…」

 

「あぁ」

 

「どうぞ…」

 

 その瞬間、小さな円卓が薫の元に運ばれ、いつの間にか紅茶を持たされていた。

 

(い、イリュージョン…)

 

 あまりにも自然の所作に薫は呆然とする。

 

「うまい…」

 

「ありがとうございます」

 

 薫の言葉にジェシカは頭を下げると側に控える。

 

「お前たちはどうするつもりだ。これからは自由なわけだが…」

 

「メイド一同。白蛇さまに最後まで奉公させて頂きます」

 

 総勢20名のメイドたちは白蛇の元で働くと宣言。他にカヴァリル卿の元で働いていた者たちは口外しないことを条件にブリタニアの街に戻っていったりした。

 

「俺はテロリストだぞ…」

 

「はい、これまで様々な目に合ってきました。ならこれからは主人を自分の意思で決める。そう考え、実行した結果です」

 

「白蛇様、我々は良いですよ。彼女たちと我々は同じ者を信じているのですから」

 

 伊丹を筆頭に彼女たちをグループに入れるのは概ね賛成のようだ。

 

「なら、よろしく頼む」

 

「御意…」

 

 こうして白蛇を中心とするグループにブリタニア、中華連邦、ユーロピア。三つの人種が参戦することとなった。その後、彼女らはブリタニア軍を恐怖させる侍従隊と呼ばれることになる。

 

 

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