コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

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今回はスザク回です。




体操服は青春の証

 

「なぁ、カオル」

 

「なんだ、リヴァル?」

 

 アッシュフォードの中庭で日光浴をしていたカオルはリヴァルに話しかけられて振り向く。

 

「スザク見なかったか?」

 

「スザクがどうした?」

 

「体育の時間を休んでから姿が見えないんだよ」

 

「なに?」

 

 あの真面目君と化したスザクからは考えられない行動に思わず聞き返す。

 

「だからどこにいったか分からなくて」

 

「分かった。俺も探してみよう」

 

 スザクが体育の授業を休まざるを得ない状況が発生したと言うことは一大事だ。カオルはすぐに探しに向かう。

 

ーー

 

 そしてスザクは校舎の端の水道で自分の体操服を洗っていた。スプレーで罵詈雑言を記された体操服を手に必死に洗っているようだがそんな事で汚れは落ちない。

 

「……」

 

「随分とくだらないことに巻き込まれたな」

 

「薫!?」

 

「そんなんで落ちるわけないだろう」

 

 泡だらけの体操服を取り上げてみると真っ白な体操服に真っ赤なイタズラ書きがされていた。

 

「これは酷いな」

 

「いいんだよ、薫」

 

「お前が良くても俺が許さん」

 

 水浸しの体操服を絞ると自分の肩に掛ける。

 

「何をするつもり?」

 

「まぁ、俺が人気者なのは前回の騒動で分かったからな。なら、やりようはあるさ」

 

 幸いなことに俺とスザクの背丈は同じだ。俺が直々に処罰を下すわけではなく他の奴がやってくれる。一個人の強大な力より、大衆の視線の方がキツいことはよく知っている。

 

(背丈は一緒だけど服のサイズは違うと思う…)

 

 とある一点において差があることを指摘したかったスザクだが純な彼には少々、難題な議題であった。念のために1サイズ大きいものなのだがそれでもキツいのでは…。

 

「代わりに俺のを使え」

 

「えぇ!?」

 

「なんだ?」

 

 スザクの過敏な反応に疑問符を浮かべる薫。野郎同士が体操服を交換するのに何の抵抗があると言うのだ。

 

「いいよ、それは!新しいの買うから!」

 

「ちゃんと洗えば落ちるんだから買わなくて良いだろう。落としとくからその間は使えって」

 

「流石にそれは…」

 

「だって今日は最後の時間にも体育あるじゃないか」

 

「うーん…」

 

 そう、不幸なことに今日は昼前と最後に体育が二回ある特別な日。クロヴィスの作った芸術週間で授業が潰れるので前もって振り返りがあるのだ。

 

「すまないな、バスケしてたから汗まみれで」

 

「汗まみれ!?」

 

「干してあるから大丈夫だと思うが。今回で犯人あぶり出すから」

 

「ダメだよ薫。僕たち風紀委員が風紀を乱したら!」

 

「いや、これこそ風紀の為だ。首辺りは少ししっとりしてるかもしれないが。今後のためだ嫌だろうが我慢してくれ」

 

「しっとり!?嫌がってる訳じゃないんだけど。精神的な青春的なやつで!」

 

 なんかどんどんスザクの顔が真っ赤になっていく。助けを求めようと辺りを激しく見渡しスザクは草むらに隠れるリヴァルと数人の男女たちを見つけて助けを求める。

 

(タスケテ!)

 

(ナイス尊み!)

 

 アテにならないと判断した彼らを放って他を見渡すが居ない。推し連盟にとってはその推し対象の判断こそ絶対。彼女とどうこうしたい訳では…少しあるが。基本的に彼女が誰と付き合おうが何をしようが基本的に寛容なのだ。これぞ、推しを見つめる者のマナーである。

 

「分かったよ。今回だけだよ」

 

「ありがとう。乾いたら持ってくから、この体操服は貰ってくぞ」

 

 スタコラサッサと体操服片手に教室に戻る薫を見送ったスザクは一層、疲れた様子で一息つくのだった。

 スザクだって思春期の男の子である。

 

ーーーー

 

 そして肝心の最後の体育の授業。その開始と共に授業を受けていたメンバーはざわめく。薫の体操服に書かれた罵詈雑言の言葉を見て女子の体育は授業どころではなかった。

 

「カオル、どうしたの?」

 

「ん?スザクに予備の体操服をあずけていたらこうなってた」

 

「カオル…怒ってる?」

 

「あぁ、怒髪衝天だな」

 

 彼女の行動に生徒だけでなく先生も行動を起こし犯人はすぐに炙り出されるのだった。

 

「なんか、今日は変じゃね。スザク」

 

「あぁ、なんか凡ミスが多いよな」

 

 一方、スザクはいつもとは別の意味で注目を集めていた。

 

「まぁ、この調子なら犯人はすぐに見つかるだろう」

 

「お前、えげつないな…」

 

「スザクを虐めた罰だ」

 

「まぁ、前から思っていたがお前は心を許した奴に対しての距離感がおかしいのはよく分かった」

 

 なんかルルーシュにドン退かれているのだが。視界の奥には頭から煙を出してるスザクの姿と看病するリヴァルの姿が。

 

「カオル、連れてきたよ!」

 

「カオルとスザク君を苛めようとした張本人たちね!」

 

 するとシャーリーとミレイが二人組の男を連れてやって来た。のはバンダナを被った奴と青髪の学生。

 

「君たちは…」

 

「知ってるのか?」

 

「うん、出所後にちょっとね」

 

 いつの間にか復活したスザクの言葉によれば何かあったらしいがそれは関係ない。

 

「こいつは名誉のクセに俺のカメラを壊したんだ!」

 

「イレブンどもを見逃したんだぞ!」

 

「貴様らの弁明など俺は聞き届けない。今回の騒動における生徒の処罰は風紀委員長の判断を生徒会長、副会長の審議をもって執行される。すでに先生方には自由裁量の許可をいただいている!」

 

 カオルの冷たい言葉に思わずその場にいた者すべてが息を飲む。

 

「ここはアッシュフォード学園。人種や宗教、思想すら問わない唯一の学園だ。だが秩序を乱すものには処罰を…行動を起こすならもっと味方を見つけるのだったな」

 

「カオル、そんなに重い罰は…」

 

「お前たちは3日間の停学処分を言い渡す。それとスザクの体操服を二人で弁償するんだな…次はないぞ」

 

「「はい!」」

 

 彼女のあまりの迫力にひれ伏す二人は処分を言い渡されるや否やすぐに逃げていくのだった。

 

「薫、僕の体操服は洗ったら白くなるんでしょ?なんで弁償なんて…」

 

「……」

 

「薫?」

 

「あぁ、アレな。どうやらサイズが小さかったらしくて伸びちゃったんだよな。これが…」

 

「「………」」

 

 まさかの事実に黙り込む一同。

 

「ルルの変態」

 

「なんでだ!?」

 

 突然、シャーリーからの攻撃を受けて驚くルルーシュ。

 

「いや、考えてること丸分かりでしょ…」

 

 流石のリヴァルも呆れ顔で鏡を見せる。するとルルーシュの鼻から鼻血が少し垂れていた。

 

「ほわぁ!?」

 

「おーい、スザク?」

 

 その一方、なにも話さなくなったスザクを揺する薫。不思議に思ったミレイが覗き込むと納得の表情を浮かべる。

 

「フリーズしちゃってるわね」

 

 

 

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