コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

52 / 98
ナリタ連山攻防戦 Ⅱ

 

「敵の拠点は山中にあると想定されていますが正確な場所は分かっておりません。しかし協力メンバーのリストを手に入れるためには本拠地ごと空爆で潰すわけには参りません」

 

「敵は我が軍の包囲網に対して部分突破を図るでしょうから。そこから敵の本拠地を割り出します」

 

「正面戦力は3つ。ダールトン将軍、アレックス将軍そしてコーネリア総督の率いる部隊です。としては側面戦力としては…ん?」

 

「敵のECMですね」

 

ーー

 

「まもなく、敵部隊が出てくるはずだ。こちらはECCMを展開、チャンネルをアルファ4に設定。敵の…なんだったか?」

 

 ナリタ連山山荘付近、コーネリアの側近中の側近。アンドレアス・ダールトン将軍率いる部隊がゆっくりと進撃していた。

 

「無頼ですか?」

 

「あぁ、グラスゴーもどきには気を付けろ」

 

「イエス・マイロード」

 

 その中には藤色のランスロットも隊列を組んで進撃。装備はSMVSショートメザーバイブレーションソードを二本装備し専用のヴァリスを構えながら進軍していた。

 

「しかし慣れませんな。あのナイトオブラウンズが自分の部隊にいるとは」

 

「俺は指示待ち人間でね。誰かの下にいた方がなにも考えなくていいんだよ」

 

「ご冗談を…」

 

 ダールトンたちは軽口を叩きながらも的確に敵を潰していく。

 

「ダールトン将軍、解析の結果、敵の本拠地入り口はあの山荘という結果が出ました」

 

「ビンゴっと言うのだったかなこう言うのは?」

 

「いえ、正確にはで…」

 

「合わせろよ正直者め…」

 

 まったく昔からウォッチは正直者だ。だが彼もまたコーネリア親衛隊発足当時からの面子。もはや恒例行事となっていた。

 

「ダールトン将軍、山荘前面に敵部隊を確認」

 

「なに?」

 

 部下の言葉に目を向けると確かに未確認のナイトメアを含む部隊が展開していた。

 

「なんだあれは?」

 

「未確認機、2機確認。他カスタム機と思われる機体もあります」

 

「落ち着け、敵は小勢。包囲して確実に叩くぞ」

 

「「イエス・ユア・ハイネス!」」

 

 いくら新型を投入してこようがこちらにはコーネリアに従える精鋭と圧倒的な物量がある。確実に潰した方が賢明だ。

 敵を包囲しようと展開を始める部隊。その瞬間、白い機体が斜面を滑りながら突撃してくる。

 

「な、なんだと!?」

 

「敵、一機。いえ、全機が突っ込んできます!」

 

「迎撃だ!」

 

 ダールトンの声と共にライフルやバズーカーが火を吹き敵を迎え撃つが先頭の機体は大きな十字剣とシールドを盾にしながら突っ込んでくる。

 圧倒的な火力を前に怯むことなく突っ込んでくる。

 

(やられた。このまま突っ込まれれば混戦になる!)

 

「ダールトン将軍!」

 

「すまん!」

 

 ダールトンは部下からランスを受け取ると目の前に迫ってきた白い機体の十字剣を受け止める。

 

「んぐぅ!」

 

「ダールトン将軍!?」

 

 勢いに押し負け、ダールトンのグロースターが吹き飛ばされるがすぐに他のグロースターがカバーに入る。

 

「ダールトン将軍を援護しろ!奴が隊長機だ!」

 

 ウォッチは即座にバズーカを発射するが防がれ爆炎で視界が塞がる。

 

「しまった、近すぎた!」

 

 危険と判断した彼は即座に退避しようとするが爆炎から出てきた手に頭を掴まれ逃げられなくなる。

 

「ウォッチ!!」

 

「オール・ハイル・コーネリア!」

 

 十字剣をコックピットに突き立てられウォッチは絶命する。

 

「このぉ!」

 

 カバーに入ろうとしたサザーランドもスラッシュハーケンでライフルと頭部を破壊され倒れる。

 

(やられた!)

 

 ダールトンは思わず歯噛みする。

 ダールトンの部隊は遠距離系の武装が主だ通常ならランスも持って来るのだが火力を底上げするために両手武装を装備しているために携行していない。

 コーネリアの部隊は当然ながらランスを携行しているため問題ないだろうが遠距離武装が主なこの部隊は混戦になれば同士討ちを恐れて攻撃し辛いのだ。

 

(部隊の編成を一瞬で見抜き、突撃を仕掛けてくるとは…)

 

「白蛇、予想以上に厄介な敵だ…」

 

 白蛇が介入してくることは想定していた。だからこそ包囲部隊を余分に配置していたのだが。まさかすでに中に居るとは。いや、中にいるからこそ好機。ここで奴を叩かねばならない。そのためにシュンも部隊に加えているのだ。

 

「ここで奴を叩くぞ。覚悟しろ!」

 

「敵の後衛が到着します!」

 

「チェストぉ!」

 

 白号を与えられた伊丹は渡された回転刃刀でグロースターの右腕を切断するとそのままサザーランドを真っ二つにする。

 

「こいつら、やるぞ!」

 

「数はこちらが上だ!囲んで叩け!」

 

 敵味方入り乱れる戦場は混迷を極めていた。

 

「ダールトン将軍、戦場を移します。ここは不味い」

 

「なんだと?」

 

「とにかく、ここは不味い。戦闘状態を維持しつつ場所を移します!」

 

「分かった!」

 

 シュンの突然の言葉に疑問を浮かべるダールトンだがすぐに各部隊に指示を出して少しずつ戦場を反らしていくのだった。

 

ーーーー

 

「よし、全ての準備は調った。黒の騎士団、総員出撃準備!」

 

「くそっ、やるしかねぇ」

 

「死んでたまるか」

 

「奇跡ってやつを起こしてやる!」

 

 ナリタ連山山頂部。そこに陣取っていた黒の騎士団たちは一斉に出撃準備を開始し戦闘モードに移行する。

 

「これより黒の騎士団はブリタニア軍に対し、山頂より奇襲を敢行する。私の指示に従い、第3ポイントまで一気に駆け降りろ。作戦目的はブリタニア第二皇女コーネリアの確保にある。突入ルートを切り開くのは紅蓮弐式だ」

 

 山肌に無数に突き刺された掘削機。その中の1つに紅蓮は大きなかぎ爪を添えて準備をする。

 

「カレン、貫通電極は3番を使う。一撃で決められるな?」

 

「はい、出力確認。輻射波動機構外債状態維持……外周伝達!」

 

 掘削機に輻射波動の高熱が伝えられ巨大な地響きが鳴り響く。

 

「やった!」

 

 滑り落ちる斜面。予想通りの位置に土砂崩れを誘導できた。もちろん、ブリタニア軍が集中している所を狙ったのもあるがルルーシュの中には白蛇ももろとも消そうという腹積もりも存在したのも事実だった。

 

ーーーー

 

「白蛇さまぁ!」

 

「くっ!」

 

 ダールトン将軍の部隊がずれたお陰でギリギリ、難を逃れた薫。だがあまりの事態にお互い部隊を退かせて様子を見るのだった。

 

「各員、被害状況を報告!」

 

「こちら侍女隊、問題ありません」

 

「こちらも問題なし!」

 

「よし、日本解放戦線の動きを確認しつつ移動するぞ!」

 

「「了解!」」

 

 全員の無事を確認した薫は思わず歯噛みする。映画でもこのシーンはあった。こんな大事なことを忘れてたなんて。

 

(ルルーシュめ。後で恨んでやる!)

 

ーーーー

 

「我が軍の被害は?」

 

「信号の反応は30%を切っています」

 

「30%…これでは指揮系統が成り立たん!」

 

 シュンのお陰で難を逃れたが助かったのはダールトン直属の部隊のみ。他のアレックス将軍をふくめた部隊は土砂崩れに巻き込まれてしまった。

 

「無事ですか、ダールトン将軍」

 

「ヴィヨネット卿、無事だったか」

 

「なんとか」

 

 よくみるとランスロット・クラブは傷ついていたが土砂崩れでの損傷ではないようだ。

 

(あれってライだよな…。まさか白蛇グループに身を寄せてたとはなぁ。メチャクソ強かったんだが…)

 

 戦場は渡り歩いてきたはずだ。だがライはこの中でも特筆すべき化け物だ。正直、土砂崩れがなかったら危なかった。

 

「無事な部隊はわれわれと合流しろ!」

 

 ダールトン将軍の部隊は残存戦力をかき集めて戦線の維持を図る。そうしている間に薫たちは移動を開始していた。

 

ーー

 

「白蛇さま、どうされますか?」

 

「ブリタニア軍もかなりの被害があったはずだ。この隙に包囲網を突破して脱出する。とにかく戦況を確認したい、山頂にいくぞ」

 

「「了解!」」

 

ーーーー

 

「おい動け!イレブンに負けてしまう?誇りあるブリタニアの…」

 

「キューエル卿!」

 

 一方、黒の騎士団たちは紅蓮を中心に純血派の部隊を押し退けブリタニア軍の陣形奥深くまで侵入していた。

 

「よし、紅蓮は予定位置へ。残りの者でここを突破しコーネリアを狙う!」

 

「はい!」

 

「分かった!」

 

「行けるぞ俺たち!」

 

 黒の騎士団、ナイトメア隊は純血派の残存部隊と交戦を開始する。

 

「ここは死守するぞ!」

 

「杉山、生きてるか!?」

 

 しかしその勢い虚しく、ルルーシュたちはその場で足止めされるのだった。

 

ーーーー

 

「よし。このままゼロを釘付けにしろ!」

 

「ヴィレッタ卿、背後より所属不明機が!」

 

「なに!?」

 

 なんとかゼロたちの足止めを行っていたヴィレッタたちだったが背後より近づいてきた敵の存在を知り構える。

 

「所詮、敵はグラスゴーの改造機。臆することはない!」

 

「来ます!」

 

 そして森の中から姿を現したのは白いナイトメアの部隊。

 

「なんだ、こいつらは!?」

 

「やれ…」

 

 ヴィレッタは一瞬にして薫の白夜叉に武器を奪われる。

 

(この工事用のピッケルは…イバラキの!?)

 

 こんな芸当が出来るのは奴しか居ない。奴らがこんなところに居るなんて。

 

「全機退避だ!」

 

 ヴィレッタはコックピットを脱出させ逃げる。その直後にサザーランドは薫によって蜂の巣にされ破壊される。

 

「このイレブン風情がぁ!」

 

「白蛇!」

 

 ヴィレッタ機を破壊した薫を狙うサザーランドにライは左腕で掴むと輻射波動を叩き込む。

 

「バカな、あれは!?」

 

「輻射波動だと!?」

 

 それを見ていたルルーシュは驚愕する。あれはキョウトから与えられた紅蓮にしかない機能のはず。それを白蛇の部隊も運用しているとは。

 

「あの新型って見たことないよな」

 

「あぁ、なんだあの機体は?」

 

 そして特筆すべきは白く巨大なナイトメア。純血派を壊滅させたあと、そのナイトメアはこちらを向き、ゆっくりと歩み寄るのだった。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。