コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

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蛇は冷徹である

 

「状況は?」

 

「申し訳ありません。白蛇様、マオと言う中華連邦人は今のところ…」

 

「気にするな。警戒するだけでいい、網にかかったら連絡を頼む」

 

「了解しました」

 

 伊丹たちからの情報はなし。ルルーシュの方も成果なしとなるとキツイな。

 

「まさか、皆さんと一緒にご飯を食べられるなんて…嬉しいです」

 

「そんなに喜んでくれるなら毎日来てもいいぞ」

 

「そうだね。僕も可能な限り行くよ」

 

 ルルーシュ、スザク、薫にナナリーと四人が共に一緒に夕食を食べるなんて久しぶりだ。ナナリーを除く3人は色々と忙しい身なので中々難しいが。

 

 クラブハウスには無数の監視カメラを増設し室内警護は万全だ。それにここにはスザクがいる。彼ほど頼れる奴は居ないだろう。

 

(長期戦になるとこっちが不利だな…)

 

ーーーー

 

「カオル!」

 

「シャーリー、もういいのか?」

 

「うん、ごめんね。色々と迷惑かけちゃって」

 

「気にするな。おまえと俺の仲じゃないか…」

 

 マオを警戒している最中。シャーリーが喪から復帰し笑顔を見せる。

 

「ルルーシュとはどうするつもりだ?」

 

「確かにあのヴィレッタって人の話は気になるけど。ルルはルルだもん。それは変わらないから」

 

「そうだな。強く生きろよシャーリー」

 

「ありがとう、カオル」

 

 ヴィレッタがシャーリーに植え付けた疑問は晴れないかもしれない。だがそれでも彼女は笑顔でいようと決めたのだ。

 

(強いな、シャーリーは…)

 

 本当にシャーリーが羨ましい。そんな姿に自分も励まされた気がしたのだった。

 

ーーーー

 

「薫…」

 

「どうした、C.C?」

 

「このまま待っているだけか?」

 

 いつも掴み所のない彼女らしからぬ質問に不安を与えないように言葉を選ぶ。

 

「黒の騎士団と俺の組織が探している。もう少し待て」

 

「だがすでにこの祖界の中に居たらどうするつもりだ?」

 

「トウキョウの中にも手を回している。こっちにはブリタニア人の手下もいるんだ。慌てるなよ」

 

 彼女の焦りも分かるがこっちも出来るだけの手は打っている。

 

「果報は寝て待てと言うだろう?焦っていては見つかるものも見つからん」

 

「…分かった」

 

「状況が好転しなければお前を使う。それまで待っててくれ」

 

「あぁ、その時はしっかり使えよ」

 

「それと…これを持っておけ」

 

 懐から出したのは一丁の拳銃。

 

「ナンバリングもすべて消してある。絶対に足はつかない」

 

「助かるよ…」

 

 拳銃を手渡すと別れる二人。マオ…出来ればC.Cと接触する前に仕留めたいが…。

 

ーーーー

 

 全員が焦る中、日にちだけが過ぎていく。そんな時だ、情況が動いたのは。

 

「薫」

 

「どうした?」

 

 一度、家に戻り。組織の書類を整理していた時にそれは訪れた。

 

「マオから連絡が来た。C.Cは向こうに付くと…」

 

「そうか、まぁ。助ける気になったら俺に連絡しろ。あいつの居場所は把握してるから」

 

「…あぁ」

 

 ルルーシュからの電話を切ると薫の中でスイッチが切り替わる。

 

「薫…」

 

「柏木と侍女隊を呼べ。狩りを始めるぞ」

 

「いいの?」

 

 ライの言葉に彼女は鼻で笑う。

 

「ルルーシュが動くならそれでいい。どちらにしろマオは俺たちの正体を知ってる。口封じは必要だ、警察無線を監視しろよ」

 

「分かった!」

 

 C.Cに渡した拳銃には発信器が取り付けてある。どっちにしろ生きては返さんよ。

 

ーーーー

 

 結論から言えばルルーシュは動いた、C.Cを取り戻すために。

 

「警察には賄賂を渡してある。俺の指示でいつでも発砲できる」

 

「すまないな。」「気にするな、さっさと決着をつけよう」

 

 ルルーシュとの連絡を終えるとマオに気づかれない位置で場所を陣取る。

 

「じゃあ、ジェシカ頼むわ」

 

「了解しました…」

 

 ルルーシュのビデオでマオがぶちキレた辺りで警察に扮したジェシカたちを投入。

 

「柏木、狙撃準備だ」

 

「オーケ~」

 

 ビルの上から狙撃銃を構える柏木。彼女とマオの直線距離は800mほど、存在を知覚されることはない。

 

「なぁにが最後だ!ポリスども、よく聞け!そこにいるのがテロリストの!」

 

「撃て…」

 

 柏木の狙撃は見事に命中しマオは倒れる。

 

「すいません、逸れました。心臓ちょい右」

 

「気にするな。後始末はやっておくからお前は退避してくれ」

 

「了解です!」

 

 マオから血が湧き出るのを確認すると様子見していた場所から移動し駆け寄る。

 

「すまない、助かった」

 

「気にするな。お前はC.Cを頼む。後は俺がやっておく」

 

「分かった」

 

「薫さま、どういたしますか?」

 

 ルルーシュが立ち去るのを確認するとジェシカは警察のメットを上げて顔を見せる。

 

「どうするかな…」

 

「あ…うぅ……」

 

「我々の医療技術なら生かして利用できますが…」

 

 しぶとく生きようとするマオを見下ろしていた薫は静かに告げる。

 

「確実に殺せ」

 

「承知しました」

 

「あっ!う…」

 

 侍女隊は静かに拳銃を構えて人体急所に的確に撃ち込み殺すのだった。

 

「徹底的にな…もう後悔したくないからな……」

 

ーーーー

 

 全てを終えてミレイに会いに行くと彼女は意気消沈と言った様子で項垂れていたのだった。

 

「どした、ミレイ?」

 

「クロヴィスランド、しばらく休園だって…」

 

(あぁ…)

 

 マオの死体が見つかって休園にしたんだろうな。人が死んだ遊園地なんて縁起悪いし色々とするんだろう。

 

「せっかく週末に薫と遊園地デート出来ると思ったのぃぃ!」

 

 駄々っ子のように足をバタバタさせるミレイ。この様子だと俺が原因って言ったら殺されるな。

 

「なら他のところに行こうな。ミレイ」

 

「うん…」

 

 ミレイを落ち着かせるのにかなりの時間が掛かりました。

 

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